(started 2014/01/06)
  1. Sprint is in big trouble—and knows it
    Sprint は大きな危機にあり ── 自分でもそれを知っている
    FierceWireless,2018/06/20 @08:28 am ET
    By Mike Dano
    Sprint の見通しは暗い。
     長年にわたり 業界のオブザーバーとウォール街のアナリストは,Sprint が衰退する一方の業績を是正できていない;何とかして大幅な売り上げ増と契約増をキックスタートしなければ,足場を回復することは絶対に無いだろうと警告してきた。
     実際,FCC に提出された新しいファイリングによれば,Sprint はこのことをすべて熟知している。
     "独立企業としての Sprint の未来は,全国で Verizon, AT&T の有効な競争相手たり得るものではない。" … と同社は FCC へのファイリングに書いた (PDF) [これは, 例の合併申請書である]。 "しかも,Sprint の大幅なコスト削減は 当社の財務を安定化させ,プラスのフリーキャッシュフローを初めて計上したとは言え,当社がこの業績を達成したのは,ネットワーク投資を歴史的に低い水準に削減したことによるものである。要約すれば,Sprint は ネットワークのための資本支出 ── 実際には これは,ネットワーク品質でさらに後れを取ることを避けるためにも,5G ネットワーク技術を配備するためにも必要である ── を拡大するため ならびに (プロモーションやインセンティブなどの形での) 顧客獲得用の積極的な支出を続けるための規模と資源に欠ける。"
     多分 驚くにはあたらないのだろうが,Sprint の将来の悲惨な (dire) 見通しは,FCC に両社の合併の承認を強く求める T-Mobile と共同のファイリングの中に含まれている。
     T-Mobile の側も ファイリングで同様の議論をしているが,こちらは 自分の運命について決定的に楽観的な見通しを述べる:"T-Mobile は独立会社として これまで一定の成功を納めたが,合併なしでは 競争を続けることができない。"
     しかし,このファイリングで 本当に引っ掛かるのは,Sprint の見通しである ── なぜなら Sprint の運命に関する Sprint 自身の評価は,"Sprint は 将来 重大なチャレンジに直面する" という表題の章に書かれているからだ。
     Sprint が言うチャレンジとは:
     (1) Sprint は,"顧客を増やそうとする積極的な企てにも拘わらず', 顧客を失い続ける。
     (2) 規模:Sprint は 大きな競争相手に比べて 規模の不利益で損をしている。
     (3) Sprint ネットワークの足型:"2.5 GHz は電波の届きが悪い;2.5 GHz 電波を装備した電波基地の密度が不十分である;その結果 2.5 GHz レイヤーで 大幅なカバレッジの差が生じる。"
     (4) Sprint は 5G の配備に 2.5 GHz 電波を使う唯一のキャリアである。したがって 人口密度の高い都市部でそうする唯一のキャリアである。なぜなら 全国に 2.5 GHz 電波で 5G を配備するのはカネが掛かり過ぎる上,5G 用の低バンド電波を十分に持っていないからである。加えて,Sprint は 超多素子 MIMO ── 当社の 5G への飛び石 ── を 現在混雑している地域に配備しようとしている。したがって,当社の 5G ネットワークは "連続しないことになる。"
     (5) Sprint は,アメリカ人の間で ネットワークの "負の認識" に苦しみ続ける ── "実際,Sprint はチャーンが上昇を続ける唯一の大手キャリアである。"
     (6) 財務:Sprint の財務は 少なくとも チャレンジを受ける。"Sprint のサービス売り上げと ARPU は,少なくとも5年間 減少を続けている。2013 年から 2018 年でサービス売り上げは 約 25% 減少した。後払いの ARPU は 約 30% 減少した。Sprint 現在の有利子負債は約 $320 億であり,S&P 500 企業の中ではレバレッジが最も高い。" … と Sprint は書いた。
     新しい FCC ファイリングに見られる Sprint の凶兆的 (ominous) 見通しは,同社の最近の四半期決算での言明と鋭く対立する。たとえば:"方向転換の4年目にあたり,Sprint は 当社史上 最高の決算を発表した;顧客基盤をふやし, コスト構造を持続して改善し,同時に 当社 LTE ネットワークを大幅に改善し,真のモバイル 5G ネットワークをアメリカで初めて配備し始めた。" … と Marcelo Claure は今年5月に Sprint の第1四半期決算発表で言った。T-Mobile との合併を発表した後のことである。
     アナリストとの電話会議で Claure は続けた:"当社の 2017 会計年の決算は,当社の5年計画のマイルストーンを実証したと私は言いたい。当社は 顧客の伸びを発表した。当社は黒字を発表した;ネットワーク性能を改善した;これら全てを同時に達成した。当社は 5年ぶりに高い小売り電話純増を達成した。当社は 後払い顧客と前払い顧客基盤で成長を続ける。当社は 当社市場最高の営業利益を挙げた。調整済み EBITDA は 11年ぶりの最高である。" … と彼は言った (Seeking Alpha の書き起こし記録による)。
     直近の FCC ファイリングに書かれている Sprint の見通しは,Marcelo Claure が5月に示した見通しよりも, MoffettNathanson のアナリストが5月に示した見通しに遥かにピッタリ沿ったものである:"T-Mobile との合併無しに,Sprint は持続可能には見えない。" … と MoffettNathanson のアナリストらは,Sprint の四半期決算発表を受けて書いた。
    驚く人が多いだろうが,当サイトにとっては 殆んど既知のことであるから 別段驚くことではない。
     四半期決算は,最高の決算だったという 大方の評価はウソであり,悪い決算だと当サイトは主張してきた。
     しかし,問題は
     (1) 孫社長がここまで当然知っていながら,何も手を打たなかったのはなぜか?
      この合併申請書により Sprint は,孫正義社長が経営者として無能であることを天下に暴露した。
     (2) こんなに弱い Sprint を (違約金無しで) 吸収合併しようという T-Mobile/ドイツ・テレコムの狙いは何か?
     "非常な善人" ならば 全く問題は無い。
     しかし 向こうも背に腹は代えられない。"非情な経営者" ということもあり得る。
     つまり 何かを計算して合併に乗った可能性がある。だから 違約金無し!
     (3) 最後に,誰がこれを書いたのか? 4年も CEO を続けた Claure ではない。
     これだけ問題点を認識できる人がいるのであれば,その人を CEO にして全権委任して,徹底的に経営改革すればよい (よかった)。
     (4) 2.5 GHz 電波が無力であることを事実上認める内容である。
       2.5 GHz に魔法の箱を使って 電波の届きを良くして喜ぶなど馬鹿げていたのだが,やめられなかったのは 還暦老人のせいか? 一時は SoftBank の決算発表でも 「魔法の箱」を自慢した。
     (5) 6月21日(木) @11:00 [@22:00 JST ウェブ放送あり] には "Wells Fargo 5G Forum" で Dr. John Saw CTO が話す予定である。
     上のような赤裸々な状況 /3月決算発表と矛盾の無いように話をすることは至難の業?
     (6) 問題の部分 "Sprint Faces Serious Challenges for the Future" は,678 ページの PDF ファイルの 104 ページから始まる。本当にひどい実情が丁寧に暴露されている。

  2. Sprint set to end $15-per-month unlimited data plan
    Sprint は, このプロモーションが6月15日(金) @11:59 pm ET に終了すると言う。
    Sprint が,月額 $15 の無制限データ・プランを終了する
    FierceWireless,2018/06/14 @11:05 am ET
    By Martha DeGrass
    Sprint は, 1週間前に導入したばかりの月額 $15 の無制限データ・プランを終了する。
    同社は,このプロモーションが 東部時間 6月15日 (金) の深夜直前に終了すると言う。
     Sprint の "Unlimited Kickstart" プランは,他キャリアからの乗り換えを狙ったものである。同社は,一定数の新規顧客獲得という目標を掲げてこのプロモーションを立ち上げた;顧客の反応は 圧倒的でエキサイティングだった … と言う。Sprint のネットワークを試してもらうことを狙う短期プロモーションを立ち上げるという戦術を繰り返すつもりだと Sprint は言う。
     乗り換え客がこのプランを利用するためには,自分の電話を Sprint に持ち込むか,あるいは 新しいデバイスを買う。Unlimited Kickstart は,契約を要求しないが,自動支払いを登録しなければならない。オンラインだけで申し込め,店舗では受け付けない。
     このプロモーションは,"父の日" のためという触れ込みであるが,その日まで待つ人は期待外れとなる。このプロモーションが最初に発表されたとき, 1週間 限定とはされていなかった。
     報道によれば,この 月額 $15 プランに対する顧客の需要は 厚かったと Sprint は言う。他のどの全国キャリアも Sprint のこの無制限データ料金に適うものは無かった。
       < (注) 以下が本論である >
     もともと,LTE の普及が進み 顧客がモバイル機器を頻繁に使い始めると,キャリア各社は 無制限データプランを 徐々に止め出した [ネットワークへの負担が大きすぎるため]。そして 2017 年初め,T-Mobile が無制限データを再導入し,他の 全国キャリアがこれに追随した。
     iGR Research のアナリストらによれば,その結果,モバイル・ネットワークのトラフィックは激増した。
     iGR は,2016 年に 定期的にアプリ, ゲーム, ソフトウェアをモバイル・ネットワークでダウンロードしていたのは,調査回答者の僅か 5% であることを発見した。今ではそれが 回答者の 45% に達している;アナリストらはこれを "無制限プランの採用が増えたことと LTE 接続が速くなったこと" に帰した。
     "動画をストリーミングして見るのは,もちろん データ利用を高く押し上げるが,これが +364% 増加した (2016 年には 顧客の 10% だったのが 2018 年には 48% に増えた)" … とアナリストらは書いた。
     動画のストリーミングは,これから数ヵ月後に モバイル・トラフィックを激増させる主因と見られる。Time Warner 買収に関する司法省との法廷闘争の中で,AT&T は 合併後の モバイル動画の利用を劇的に増加したいと証言した。
     New York Times によれば,"当社は, 1日中映画や動画を見る顧客のモバイル機器に係わりたい。" … と AT&T の Randall Stephenson CEO が証言した。
    そういうことですか ・・・ 。
     こんなところに 早くも 影響が現れるとは。
     それにしても,朝令暮改。"バタバタして みっともない" 感は拭えない。
      6月に CEO に昇格したばかりの Michel Combes がこれではネ ・・・ と言われるだろう。
     Sprint が ホームページで説明できるようなことではないし。
    ──────
     でも動画の利用が そんなに急増すれば,Sprint のネットワークのお粗末さが さらに際立つことになる。
     5G がどうこう以前の話です。合併以前の話です。
     50 手先を読むという 孫社長の読みは?
     John Legere の読みは? 大量の 600 MHz 電波の配備により これに対応中。むしろ 競争を大歓迎か?
     経営者の実力の差が こういうところに表われる?

  3. Sprint reaches $3.65M settlement with sales employees
    Sprint が,販売従業員との集団訴訟で 365 万ドルの和議に達する
      Kansas City Business Journal,2018/06/11
      By Elise Reuter
    Sprint Corp は,数千人の販売従業員との集団訴訟で 365 万ドルの和議に達した。
    6月4日の和議は,カンザス州カンザスシティのアメリカ地区裁判所での 9年に及んだ訴訟に終止符を打つ。
     2008 年5月,3,919 名の Sprint 企業チャネル販売従業員が会社を相手取って集団訴訟を起こした。訴因は, Sprint が Nextel Communication との合併後に払うべき手数料の支払いを怠ったというものである。この集団には,Sprint で 2006 年初めから 2009 年末まで働いた従業員が含まれる。
     原告らは,Sprint のシステムが 数年間にわたって手数料を追跡・計算不能であり,この間 データに基づく支払いができなかったと主張した。
     "当社は,原告が主張する申し立てを否定し続け,集団訴訟の各メンバーが 手数料契約に従って適切な支払いを受けたことを争う。" … と Sprint は E-メールで言った。
     非常にテクニカルな事例では,特殊な専門家の任命が必要であり,1000 万ページ以上の発見が係わっていた [?]
     法廷資料によると,原告集団は $1,929,000 を受け取り,各従業員は Sprint で働いた時間に基づき 最低 $25 の比例報酬を受け取る。この和議は 弁護士費用 $839,600 および 訴訟費用 $850,000 を含む。
     "これは,データと争点が極めて複合的な 長い厳しい裁判であった。" … と原告を代表して ミネアポリスに拠点を置く Nicholis Kaster PLLP のパートナー Michele Fisher が言った。"我々は幸運にも有能 かつ 献身的な専門家と 絶対にあきらめない集団訴訟代表団を得た。我々は,この結果が 公正かつ合理的な解決をもたらしたと信じる。"
     彼らは,関連する訴訟で 34,000 人以上の小売り従業員の顧問を務める。

  4. Sprint slashes data prices with $15 unlimited plan for those willing to switch
    Sprint がデータ料金を出血大サービス;乗り換える顧客に $15 の無制限プラン
      FierceWireless,2018/06/08 @01:35 pm
      By Martha DeGrasse
    Sprint は,無線業界にかつて例を見ない猛烈なプロモーションを発表した。
    無制限のデータ/通話/テキストを 1回線につき月額 僅か $15 で提供する。
    このオファーは,他キャリアから Sprint に乗り換える人を対象とし, オンラインだけで有効である。 契約は要求されない。
     料金で他社を下回ることは,Sprint にとって いくつかの意味がある。
     (1) 同社は,競争相手よりも ネットワークが遥かに多くのトラフィックを処理し,他社と同程度の性能を持つと確信しているようだ。
     (2) アメリカ全土へ新しい小売り店舗のために大型投資をしたにも拘わらず,Sprint は 店舗ではなしにオンラインで新規顧客とサインアップしたいらしい。
     (3) Sprint は来年の T-Mobile との合併に規制当局が容認するかを見守りつつ,他方 アメリカ市場で第4位の座に甘んじることに満足していない。
     (4) 最後に Sprint は,無線4社市場が 猛烈な料金プロモーションを招くことを強調する。 [しかし] ワシントンは,競争の激しい無線市場を見たいとは望むが,必ずしも 次世代ネットワークへの投資能力への脅威となるようなところまで料金カットを見たいとは限らない。
     Sprint のネットワークは,同社所有の3つの周波数帯 (850 MHz, 1900 MHz, 2.5 GHz) 全部の配備作業を進める中,何ヵ月もの間 アメリカ市場で頭角を現している (up-and-comer)。新任の Michel Combes CEO は 最近,投資家向け会議で聴衆に,"Sprint が 4G では [他社と] 互角,5G ではリードの 2018 年に入りつつあり, [ ・・・ ] ネットワークの観点では 当社戦略に減速の見込みは無い。" … と語った。
     同社は,平均下り速度が 昨年から +34.5% 増加したと言う。アメリカ消費者への Sprint からのメッセージは,今や 全ネットワークが高速かつ信頼でき,Sprint から必要なものは何でも手に入るのに なぜ [他社に] たくさん払うのか?
     この新しいプランをオンライン限定で提供することにより,Sprint は 顧客をふやし 新しい回線をアクティベートするコストを削減する。このオファーを利用するには,顧客は オンラインでサインアップし,自動支払いにする必要がある。
     今回のプロモーションは,T-Mobile との合併がどうなるか判断を待つ間にも 顧客基盤を伸ばそうと Sprint が決意を固めている証拠である。Sprint は 第1四半期末の時点で 契約数が 5360 万だったが,これは T-Mobile より 2,000 万以上少ない。Verizon,AT&T のどちらと比べてもその半分に及ばない。
     このプロモーションは,無線4社市場の血で血を洗う [競争の] 性質を強調する。一部のアナリストは, 3社市場になれば 顧客にとって割り引きが減る結果になりそうだと言う。これは 短期的には消費者にとってマイナスであるが 長期的にはプラスになることもあり得る … と別のアナリストが言う。
     Mobile Experts のアナリスト Joe Madden は, 3社だけの国では,高いマージンが 財務の余裕により 新しい技術への投資を可能にするので,最終的には消費者の利益につながると言う。消費者は 岩盤の安い料金は得られないかもしれないが,1 GB あたりに払う金は確実に安くなるだろう。このような種類の議論が おそらく ワシントンでほとんど確実になされるだろう。
     無制限の現在の料金は $60 である。
     信じられない … と思い Sprint のサイトへ確認に行きました。
     何事も確認が重要です。いくつか制限はあるらしい。
     リースは適用外。動画のストリーミングは 480p (標準では 1080p)
     それにしても $15 とは思い切ったことをする。日本でも SoftBank がやったら ・・・ 。
     さすがに, Martha DeGrasse 記者は 皮肉交じりに書いている。
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     Sprint 従業員の気持ちとしたら ・・・ 料金を 1/4 にしても顧客はほとんど増えないのだから "もうやってられない!" だろう。
     Sprint は 期末ギリギリにこういうプロモをする。
     "Sprint は ここ 11 年来 最高の業績を上げ,勢いがある" … と宣伝し,多くのメディアはそれに乗って Sprint をほめそやす。けど 実態は ・・・ 。財務の数字は 税効果や Brightstar への赤字の付け回しで誤魔化せても,契約数は 絶対に誤魔化せない。3月四半期には 全契約数が終に QoQ で減少に転じた (ほとんどのメディアがこれに触れない)。もちろん 12月四半期だって 惨憺たる数字であった。
     このマイナスを とにかくプラスに変えようと必死なのだろう。
    ──────
     こういう泥縄作業に明け暮れる会社を T-Mobile が買うとは疑わしい。
     違約金無しの契約だから,1年くらい後に ポイすれば,客は Sprint から (合併契約なしでも) 奪い放題。
      あるいは いくらかでも未練があれば,交換比を大幅に改定する再交渉を申し入れるとか。2.5 GHz をさらに格安で入手することもできるだろう。とにかく弱みに付け込んで好きなようにできる。何を言われても,Sprint は断れないだろう。何しろ責任者たる 孫社長が Sprint 経営から逐電してしまったのだから。── Sprint の CEO として乗り込んで 本気で経営再建するのであれば,話は別。でも,そんな 能力も気力も無いだろう。
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     ついでに書くと (笑) 6月に就任した Michel Combes CEO は,"ハズレ" である。投資家向け会議での話の全記録が Seeking Alpha に載っている。それを読めば無能であることが分かる。
     その客観的証拠は,この長い会議での Combes の発言を紹介する記事が無いことから分かる。Tarek Robbiati CFO だったら,ほとんど毎回記事になっていた。メディアに有効な発信ができないトップは,CEO の資格が無い。

  5. Sprint の幹部役員3名が持ち株を処分した
    Sprint 広報 - SEC ファイリング,2018/05/25
    Sprint が 5月25日に SEC に提出したファイリングによれば,Nestor Cano (COO), Michel Combes (President & CFO), Kevin Crull (Chief Strategy Officer) の3名が少量の Sprint 株式を5月24日に処分した。
     いずれも インセンティブにより取得したものの一部を処分したようである。
    名前職位取得株数処分株数価格現在の所有株数
    Nestor CanoChief Operating Officer291,742 5,638 $5.15 2,412,645
    Michel CombesPresident & CFO 897,66612,896$5.164,236,264
    Kevin CrullChief Strategy Officer359,16610,485$5.163,603,920
     もちろん,株数は僅かなのであるが ・・・ 。
     Michel Combes は,Lycée Louis-le-Grand en Paris, École Polytechnique (いわゆるグランゼコールの1つ) を卒業したエリート中のエリートであり,フランス通信省に勤めた後 民間に転出し, Vodafone Europa, Altice の CEO を務めた。
     こういう微妙な時期には,従業員を安心させるために 5万ドルとか 10 万ドルを買い支えるのがほんとだろう。 ・・・ などと正論を吐くのは無意味か。
     もしも 合併が実現すれば,これらの役員は 全員お払い箱になる。皆さん,せっせと就職先を探しておられるでしょう。合併が実現しなくとも,1~2年以内に就職活動の成果が実って,退社する人は沢山いるだろう。後に残るのは,家庭の事情でカンザスを離れられない人や,就職先が見つからない人である。日本と違って アメリカは,転職が容易な社会である。転職できないような人は 能力が低いと見られる。
    ──────
     さらに遡って見たら,インサイダー売却が まだあった(笑)
    名前職位処分株数価格
    Kevin CrullChief Strategy Officer90,991$5.08
    John SawChief Technology Officer38,050$5.08
    Jorge Enrique GraciaChief Legal Officer17,128$5.08
    Paul W. SchreiberVP & Contoller11,844$5.08
    Draper DowChief Commercial Officer35,894$5.08
      不思議なことに,以上のインサイダー取り引きは Yahoo Finance には見られない。このため 気づきにくい。多くの投資家は気づいていないだろう。メディアも取り上げていない。
      なお John Saw CTO は4月27日(金) という "絶妙のタイミング" で 88,319 株を $6.50 で売り抜けた
      ソフトバンク孫社長「米国の 5G 競争,合併会社が先導」 というご自慢の Sprint の責任者がこのザマである。
     どこまで本気?

  6. Sprint – T-Mobile Employee Partner FAQs
    Sprint/T-Mobile 従業員パートナー FAQ
    スプリント広報,2018/05/24 更新
    久しぶりに Sprint の広報を見に行ったところ,大変面白いものを見つけた。
    やはり,この合併が実現するにしても しないにしても,Sprint にとって1つの重要な問題は "従業員" であることが分かる。重要な (と思われる) 記述も見受けられる … というか,会社が この合併をどうとらえているかが分かるという意味で意義深い。
     これは,Sprint が SEC に提出したとして IR で公表している文書である。
     全部を翻訳するのは面倒なので,回答は英文のままである。
     なお,T-Mobile の IR を見に行ったが (当然ながら),このような FAQ は見当たらない。
     合併があろうが無かろうが,T-Mobile の従業員には心配事が無いのだろう。
     当社は,皆さんが Sprint/T-Mobile 合併について質問をお持ちであることを知っており,できる限り多くの情報をお伝えすることを約束する。このファイルの更新を 頻繁に見に来られることをお願いする。
     この情報は Sprint の従業員パートナー限定の内部利用のためである。Sprint の外部へは配布しないでいただきたい。
     Q:合併が発表された今,私は 他の仕事を探し始めるべきでしょうか? もしも合併が認可されれば,我々は職を失うのでしょうか?
     No and no! This is the beginning of our journey, not the end. There will be job opportunities in the new company and there are many reasons to stay at Sprint.
     There are only 2 positions named in the merged company: John Legere will be the CEO and Mike Sievert will be the President and COO.
     From there, the new company will select the best employees to fill open positions. Even now some of our senior executives are the result of other mergers and acquisitions. John Saw (Chief Technology Officer) and Dow Draper (Chief Commercial Officer) were with Clearwire when Sprint acquired that company. TMobile’s current Chief Financial Officer Braxton Carter had been with MetroPCS prior to its merge with T-Mobile. And we have many, many Sprint Partners who joined during the Nextel merger.
     The best thing that each of us can do is to stay focused and continue to execute our plan. This will best position you to have a role in the new company after closing of the merger. We have made tremendous progress in our turnaround, and FY2017 was our best financial performance in Sprint history. Let’s keep the momentum!
     Q:それでは,合併が認可されなかった場合はどうなりますか? 独立会社としての Sprint にとって 最後の審判になりませんか?
     Not at all. Think of it this way: when we told the Street in November 2017, we were planning to go it alone, our stock stabilized. If the merger is not approved, we will move forward as a standalone company and our stock will continue to be valued as it is today, based on our performance. We would be well-positioned to be a leader in 5G. That’s why it is so important to deliver our 2018 plan. This will make a stronger Sprint and set us up for even greater success in the future, no matter what happens.
     Q:T-Mobile の業績が Sprint より良いので,両社が合併した後は,全てが T-Mobile の流儀でなされると聞いています。そういう計画なのですか?
     T-Mobile deserves a lot of credit for the way they’ve performed and grown the company. But Sprint brings a lot to the table, too. For example, we are deploying innovative technologies such as Massive MIMO in our network, an amazing technology T-Mobile is thinking of ways to expand. We are making strides in our digital strategy and our Enterprise business model and the progress we’ve made over the past year are outstanding.
     The proposed merger is really about two companies, which, together, can create a powerhouse in the wireless industry – one that can challenge AT&T and Verizon for industry leadership.
     That’s why as a combined company we expect to deliver the first nationwide 5G network, develop new pro-consumer services and create job opportunities.
     Q:引き留めボーナスが出ると聞きました。これをもらえなかった場合,私は合併後の会社で 確実にクビになるのでしょうか?
     We know that all our progress and the momentum we now have is because of our dedicated partners. That’s why we’ve taken so many steps the past couple of years to make Sprint an attractive place to work. The Turnaround Incentive Award (TIA) made nearly all employees partners; we made enhancements to the 401k program, including a company profit-sharing match; we increased the discount on Employee Stock Purchase Program and we’ve held the costs on health benefits.
     Unfortunately, our company cannot afford to offer every partner a retention bonus so we’re being very thoughtful about how to approach this limited opportunity.
     Retention bonuses do not represent any promise of employment in the merged company. Similarly, you should not consider it a sign that you are less valued or wouldn’t be offered a position in the new company if you do not receive a retention bonus.
     If the merger is approved, the new company will build an attractive compensation program to ensure we attract and retain the best talent to help the new company achieve our goals.
     Q:合併契約の結果として,私の役割に変更はあると考えるべきでしょうか?
     The announcement has no immediate impact on the way we operate. We must remain focused on our day-to-day responsibilities, meeting and exceeding the needs of our customers and executing our plan.
     Together, T-Mobile and Sprint can go further and faster to achieve our goal of becoming the best wireless business in the country, creating a strong competitor and, as a result, new opportunities for employees as part of a stronger, more competitive organization.
     Approving this merger is going to take time. We don’t expect to close this merger until the first half of 2019. [重要なので,ここだけ翻訳する:この合併の認可には時間が掛かります。当社は この合併が 2019 年前半まで完了すると期待してはおりません。]
     Q:新会社に私の仕事はあるでしょうか? 私のポストは消滅するのでしょうか?
     This transaction is about growth and we expect that we will be creating jobs. There may be some overlaps, but we’ll choose the best talent from both companies for these roles.
     How the merger might affect any particular employee partner is not yet known. That means it is business as usual at Sprint, and we must continue to compete just as fiercely as we always have right up until the close.
     Your management team will keep you apprised of any specific information regarding your department or team. In the meantime, it is imperative that we all continue to push forward doing our job every day and keep open and flexible about the future.
     Q:合併のために私が失業した場合,どういう手当てが支給されますか?
     The standard benefits available under the Sprint Separation Plan are available to employees until the approval and close of the merger.
     Pending approval and after the close of the merger, the Sprint Separation Plan would continue to provide the same benefits for an additional 18 months.
     Q:Sprint の VWAP (重み付き平均株価) が 2017年3月9日に 150 営業日連続で $8 を超えたとき,私は TIA を 100% 取得しました。もしも合併が認可された場合,私の TIA はどうなりますか?
     Your Sprint TIA awards will be converted at closing of the transaction into T-Mobile TIA awards using the exchange ratio. For example, assume you were granted 1,500 Sprint TIA awards on Sept. 21, 2016. On Sept. 21, 2018, you vest in 500 of your Sprint TIA awards.
     Assume the merger closes on June 30, 2019, without achieving a $10 VWAP and when you have 1,000 Sprint TIA awards outstanding. At closing, without any action on your part, your Sprint TIA awards will be converted into 103 T-Mobile TIA awards, calculated by multiplying 1,000 by the exchange ratio of 0.10256 and rounding up to the nearest whole share.
     Of these 103 T-Mobile TIA awards, if you remain employed by the combined company, 51 T-Mobile shares will vest at the scheduled vesting date of Sept. 21, 2019 and 52 shares will vest on Sept. 21, 2020, and will be delivered to you net of taxes as soon as practicable after those dates. However, if you are involuntarily terminated without cause within 18 months after the closing date, any unvested shares will be delivered as soon as practicable after your last day worked.
     Q:Care や Retail には,予想できる変更は何かあるか?
     The announcement has no immediate impact on the way we operate. Sprint and T-Mobile are separate companies until this transaction is complete.
     This will be one of those mergers that will actually create more jobs than are lost. We plan to create thousands of new U.S. jobs in the coming years.
     Q:カスタマーサービスのやり方は,それぞれに異なる。[合併後は] 我々が向こうの標準を採用するのか,向こうが我々の標準を採用するのか?
     The announcement has no immediate impact on the way we operate. Sprint and T-Mobile are separate companies until this transaction is complete. The proposed merger is really about two companies, which, together, can create a powerhouse in the wireless industry – one that can challenge AT&T and Verizon for industry leadership.
     That’s why as a combined company we expect to deliver the first nationwide 5G network, develop new pro-consumer services and create job opportunities.
     Q:Sprint の顧客は 従来通りの料金プランになるのか?
     For now, it’s business as usual. Our main focus is meeting and exceeding the needs of our valued customers today, through the close of the transaction and beyond.
     Once combined, consumers will benefit from better products and services. We’ll have the scale and resources to provide U.S. consumers and businesses with greater competition.
     We will provide a faster, more reliable network at lower prices and with better value. As a combined company, we’ll also be able to better serve rural communities and compete in areas well beyond the traditional wireless business, such as home broadband, video and IoT.
     Q:Sprint の年金はどうなるのか? 新会社へ引き継がれるのか?
     It is too soon to anticipate changes to the plan due to the merger. For more information on the pension plan, please visit the plan description page on i-Connect.
     Q:合併後も,電話料金の従業員割引は続くのか?
     How the merger might affect Employee Wireless Discounts is not yet known.

  7. Sprint’s new IoT strategy and network to take root in Q4
    Sprint の新しい IoT 戦略とネットワークは,第4四半期に定着へ
    FierceWireless,2018/05/25 @08:30 am ET
    By Mike Dano
    来年初めに 5G ネットワークを立ち上げる計画と並行して,Sprint は 新しい IoT 戦略に取り掛かりつつある。この取り組みは ── ボーダフォンの元 IoT 責任者をトップにするもので ── LTE Cat M ネットワークと (顧客が 携帯から Wi-Fi から LoRa まで あらゆる種類のネットワークからデバイスを接続・運用するために使える) "オペレーティング・システム (OS)" の立ち上げを含む。
    元 ボーダフォンの IoT 営業
    責任者 Ivo Rook は, Sprint
    の IoT を引き受ける新しい
    副総裁である。 (©Sprint)
     "私が建設中の IoT ネットワークは,Sprint の電波ネットワークに直接接続する 真に専用の中核ネットワークである。ただし,Wi-Fi にも LoRa にも 他の携帯ネットワークにもつながる。" … と昨年 12 月に Sprint が採用した IoT 担当の副総裁 Ivo Rook が説明した。"当社には,少なくとも 世界中の 100 のネットワークにつなぎ,アメリカでも複数のネットワークにつなごうという野心がある。"
     Rook は,自分のチームが 名前を言わないパートナー および (SoftBank が 2016 年に買収したチップメーカー) ARM と共に "OS" を建設中であり,第4四半期にリリースする … と説明した。Rook は IoT OS が Sprint の IoT 顧客に IoT デバイスの (あらゆる種類のネットワーク ── Sprint 自身の携帯ネットワーク,OneWeb の衛星ネットワーク,他社が配備した Wi-Fi および RoRa ネットワーク ── からの) 接続・運用を可能にすると言う。ただし,Sprint 自身は LoRa ネットワークを建設する計画は無い ・・・ と断った。Rook は,この OS が T-Mobile や Verizon のようなライバル会社のネットワークにつながるデバイスも運用できるとまで言う。
     "当社がしていることは,ARM と共に,チップレベルでのセキュリティを建設していることだ。" … と Rook は Sprint の将来の IoT OS について言う。"なぜ チップレベルか? なぜなら SIM はチップだが,チップは SIM ではない。どのデバイスにも チップがある。しかし,全てのデバイスに SIM があるとは限らない。したがって,OS とデバイス内のチップの間のエンドツーエンドのセキュリティを建設するようなやり方で デバイスのマネージメント・レイヤーを設定することにした。これが,ARM と共に建設している理由である。"
     これと並行して,IoT 接続用の LTE Cat M ネットワークを配備中であると Rook は言う。このロールアウトは 今年後半に始まり,最終的には全米に配備すると言う。ただし,具体的な日取りについては説明を拒んだ。このビルドアウトは,2.5 GHz 電波による全米 5G ネットワーク建設の取り組みにおんぶするものと見られる。
     AT&T と Verizon は既に,LTE M ネットワークの全米配備を終了した。T-Mobile も LTE M ネットワークを建設する意向を表明した。
     Rook は,Sprint が IoT 空間で遅れていることを認めた。"当社は IoT で間が無い。しかし,それは これまで IoT より M2M に力を入れてきたためである。" … と彼は言い,Sprint が 3G CDMA ネットワークでマシーン および その他の物体をつないで きた … と言った。ただし,現在では Sprint の 4,000 万の M2M 接続は CDMA ネットワークに依存する。ただし,IoT の現在の世界の標準は LTE であると言い, Sprint が落伍している (fallen behind) とも言った。
     "当社の成長は 停滞を始めた。" … と彼は言った。"私がここへ来たのは 基本的には,全く新しい IoT ネットワークを建設することにより,Sprint を新しい世界に連れて行くことだ。それは,次世代 IoT ネットワークである。"
     Rook は続けた:"当社は アメリカで本格的な IoT を提供したい。"
     さらに広い意味では,Sprint は この取り組みにより IoT 生態系を創出しようとしている … と Rook は言う。 この線に沿って,Sprint は 今月 Sprint IoT Factory を発表した。
     Sprint の IoT への取り組みは,ロボットのようなつながるデバイスが 未来の世界では大きな役割を演じる … と SoftBank の Masayoshi Son が言っていることを考えれば,注目に値する。
    ボーダフォンから 2018/01/01 に転入してきた Ivo Rook の熱気溢れる説明である。
     携帯電話もつながる IoT 用 OS を Sprint と ARM 他1社が開発するらしい。
     いくら何でも無謀だろう。
     OS が共通でなければ (OS に実績の無い Sprint 単独の OS では),普及するはずがない。
    ──────
     孫社長が "IoT" で騒ぎ始めたのは, 2016 年7月, ARM 買収の後付けの説明のためであった (シナジーをアナリストに問われて "IoT" と即答できず,"それは企業秘密です" と答えたことは記憶に新しい)。
     それからもう 2年近い。
     それなのに いまだに "Sprint が IoT 空間で遅れている" とか "落伍している" などと Sprint の IoT 責任者に言われるのは,孫社長が如何に無責任であるかを示している。
    ──────
     "当社の成長は 停滞を始めた。"(“Our growth started to stall,”) とも言っている。
     これは まことに正しい。しかしながら,Masa も Marcelo も 正反対のことを言っているよ。Sprint は過去11年に例を見ない歴史的好決算だった。勢いがある。 ・・・ なんてね。
     これ,具合が悪いんじゃないの?
     少なくとも,どちらかが正しく,どちらかがウソを言っている。こういう "正直な" 役員をボーダフォンから迎えて良かったのか悪かったのか。古い歴史を誇るエラスムス大学の出身で, 4ヵ国を話す Rook さん。

  8. Sprint CTO explains how carrier plans to win the 5G race
    Sprint CTO が,5G レースに勝つための計画を説明する
    FierceWireless,2018/05/24 @09:48 am
    By Monica Alleven
    Sprint の John Saw CTO は,ミズーリ州カンザスシティの IEEE 会議に出席した機会を利用して,同社が 5G 配備を予定する中で採用する超多素子 MIMO のような技術の背景にある技術者に感謝を述べた。
    超多素子 MIMO は, 5G へのレースの中で Sprint が使う秘密兵器の1つである。
    Sprint )
     Saw は,今日の IEEE 国際通信会議 (IEEE ICC) で,Sprint が同一の周波数帯で LTE と 5G を 帯域幅 100~200 MHz で真に提供できる世界でも数少ないキャリアの1つである … と長々と繰り返し述べた。 そして,これが Sprint の差別化要因であると言った。
     Sprint は,当初9つのマーケットで 5G を立ち上げる予定である。彼は,これが ホットゾーンではなく,大メトロ地区のかなりの部分をカバーするロールアウトだと位置づけた。例えば フェニックスの 230 平方マイルをカバーし,ニューヨークではマンハッタン島の全部をカバーする。
     今月 Sprint は,この 5G マーケット・リストに3都市を追加した;今では ニューヨーク,フェニックス,(本社のある) カンザスシティ が アトランタ,シカゴ,ダラス,ヒューストン,ロサンゼルス,ワシントンに加わる。Sprint は,全国区 5G ネットワークを 2019 年前半に立ち上げる予定である。
     Sprint は,2.5 GHz 電波の積み荷 (boatload) について これまで遠慮なく話してきた。Saw は IEEE 会議への出席の機会を逃さず,2.5 GHz に正当な評価を求めた。Sprint は, 2.5 GHz 帯で どのキャリアよりも多くの電波を持ち,LTE と 5G を同時に しかも同じ足型で可能にしようとしている;これは,他のキャリアが使っているミリ波では容易でない。
     "5G で当社は先ず,2.5 GHz で持っている電波を 1 MHz まですべて有効に使うつもりだ。" … と Saw は言った。"当社は 2.5 GHz 帯で LTE と 5G を同時に可能にするつもりだ。その意味は,当社が カバレッジの点で 5G と 4G 内に同一の足型を持てるということだ。既に LTE ネットワークが携帯チャネルで動いているときに 5G ネットワークをミリ波で建設する場合には,こんなことは容易ではない。"
     だが,Sprint がそれを スプリット・モードでやろうとすれば,"当社はできる。建設に時間が掛かる新しい電波塔をたくさん必要としないこともある。既存の電波塔を活用できる。"  電波塔を超多素子 MIMO で更新してスプリット・モードの LTE と 5G を可能にする。
     もちろん,T-Mobile と一緒の方が Sprint のネットワークは良いと言う。そして,Saw はこの機会を利用して,もしも両社が一緒になれば 良い 5G ネットワークを早く建設できると言った。T-Mobile は 600 MHz 電波を大量に持ち,ミリ波も 少し (some millimeter) 持っている。
     T-Mobile と Sprint を一緒にすることにより,"基本的に全国至る所に初めて 5G ネットワークを建設できる。 ユビキタス 5G カバレッジだ。" … と彼は言い,"農村地域には 低バンド,メトロ地域には中バンド,人口密度の高い都会地域ではミリ波バンドを … と補足した。これらを合わせて,両社が単独の場合より 広いカバレッジと高速な容量を得ることができる。
     超多素子 MIMO は,Sprint の戦略の大きな一部であり,Saw は 聴衆の中の (5G の現実化に貢献した) 学者と研究者に感謝の意を述べた。Saw は,アメリカの 2.5 GHz 帯は 中国,日本,インドと同様に TDD [時分割] であると述べた。TDD は FDD [周波数分割] よりも 超多素子 MIMO に理想的である。
     Sprint は,LTE と 5G を同時にサポートするために 超多素子 MIMO で何千もの電波基地を更新中である。ベンダー各社は これをうまくやるために賢いソフトウェアを提供してくれている … と彼は述べた。
     学者と研究者は,将来への取り組みにさらに貢献する機会がある。3GPP のリリース 16 では,V2X [車両-全てのモノ通信] ,ネットワーク・セキュリティ および 数多くの分野が検討されている。
     "私が ここでこうして Sprint の超多素子 MIMO についてお話しできるのは,偏に 皆さんがこれを開発して下さったお蔭である。" … と Saw は言った。"大きなお礼を申し上げる。しかし,この先を見通せば,その他にも目を向けるべきことが山ほどある。5G NR だ。これは未だ終わっていない。我々は未だ Non-Standalone である。Standalone 仕様に合わせる必要がある。 [ ・・・ ] これらの問題を解決するために,膨大な数の分野が皆さんの創造性を必要としている。"
    Saw は,電気工学の博士であるから IEEE (アメリカ電気電子工学会) が カンザスシティで開かれた機会に出席したのだろう。

  9. Sprint matches T-Mobile's price plan for seniors
    Sprint は,高齢者向けの料金プランを T-Mobile に合わせる
    FierceWireless,2018/05/17 @10:55 am
    By Martha DeGrasse
    Sprint と T-Mobile は来年 力を合わせたいと希望するが,今のところは 互いに競争相手である。
    木曜日,Sprint は以前 報道されていた計画の通り,55 歳以上の顧客に割引サービスを提供すると発表した。
     このプランは,55 歳以上の顧客に 無制限のデータ, 通話, テキストを提供し,顧客に2回線の購入を推奨する;第1回線は月額 $50, 第2回線は月額 $20 である。1回線だけの場合は 月額 $50 である。
    Sprint has a new plan for subscribers who are 55 and older.
     このプランは T-Mobile が昨年立ち上げた "Unlimited One 55+ プラン" と非常によく似ている。当時 T-Mobile は,これが AT&T と Verizon の顧客をまともに狙うものだと言った。Verizon は 今年,フロリダ州限定で 似たようなプランで反撃した。
     T-Mobile の高齢者向けプランは,Sprint の一部の顧客を奪ったかもしれない。今度は,そういう顧客も [合併が実現すれば?] キャリアを乗り換えずに 全く同じ取り引きをゲットできるだろう。
     T-Mobile のプランと同様に,Sprint の "Unlimited 55+ プラン" は,モバイル・ホットスポットとして使われるデバイスについては無制限データを含むが,そのデータは "3G のスピードで" 伝送される … と Sprint は言う。加えて,Sprint は 185ヵ国以上に世界ローミングを無料で提供する。T-Mobile のプランは,カナダとメキシコへの無料ローミングを提供する。
     Sprint は,"最大 480p+ 分解能の DVD 品質,最大 500 kbps の音楽,最大 2 Mbps のクラウド・ゲーム" を顧客に約束する。同社は,超多素子 MIMO のようなネットワーク技術への投資を増やしたお蔭で,全国平均の下り速度が 昨年から +35% 改善したと言う。
     Sprint は 当局が T-Mobile との合併を認可するか否かを待つ間,今年のネットワーク投資計画を予定通り続けると言う。Sprint は,所有するすべての周波数帯 (800 MHz, 1.9 GHz, 2.5 GHz) をサポートするために,全国のセル基地を更新中である。さらに,新しい小型セルとマクロ基地を加え,来年 モバイル 5G ネットワークを立ち上げる準備を行なっている。
     水曜日の投資家向け会議で 新任の Michel Combes CEO は,同社が 5G の用意を行なうために,2018 年のCapEx を $50 億 ~ 60 億にすると述べた。
     Combes は,Sprint の目標が 4G で "追いつき",5G で "主導権を握る" ことだと言った。同氏はさらに,今年のネットワーク投資の大部分は (Sprint が T-Mobile と合併しようが 独立会社を続けようが 使うことのできる) 5G 向け技術のためであると述べた。

  10. Sprint rolls out retention packages as merger progresses
    合併が進む中,Sprint は引き留めパッケージを繰り出す
      Kansas City Business Journal,2018/05/15
      By Elise Reuter
    Sprint Corp は,T-Mobile との合併を追求し続ける中,従業員を重要なスタッフとしてつなぎ留めるため, 引き留めボーナスを繰り出し始めた。
     Sprint の企業コミュニケーション担当 副総裁 Dave Tovar は,同社が一部の従業員に引き留めボーナスの提供を始めたとの匿名の報道を認めた。
     Tovar は従業員がいくら受け取るかを開示しなかったが,このボーナスは "あらゆる異なるレベルの広範な従業員をカバーする" … と言った。ただし,28,000 人の従業員全員が対象になるわけではない。
     "残念ながら,全ての従業員に引き留めボーナスを払うだけの余力は当社に無い。したがって,この限定された機会をどう扱うかについて 我々は非常に慎重である。" … と5月14日に SEC に提出された従業員向け Q&A は言う。"引き留めボーナスは,合併後の会社での雇用を約束するものではない。また,引き留めボーナスの対象にならなかったとしても,自分が低く評価されたとか,新会社でポストを提供されない証拠と考えるべきではない。"
     合併が予想されるような大変動の中では,人材の引き留めは最大の難問である。同時に,移行期間にも目を配る必要がある。
     Sprint と T-Mobile は FCC, 司法省 ならびに 議会に請願するが,アナリストは この合併が通る確率は 50-50 だと言う。Tovar は規制当局の手続きに 9~18ヵ月掛かると言う;外部の情報筋は1年より長い時間を要すると言う。
     "当社は,事業に今 大変な勢いがある。この勢いを維持できるかどうかが 会社の将来を分ける" … と Tovar は言う。"当社の従業員なしには これは不可能だ。"
     直近の決算電話会議で,Sprint の幹部は ネットワーク建設計画と 2018 年に 600 の新店舗を開設する計画を続けたいと言った。
     "これまでやってきたように,当社は 従業員が 最善を尽くすためだけではなく,前進を続ける雇用主 Sprint を選び続けてくれるように,インセンティブ報酬を与えたい。" … と Tovar は言う。"当社には 発表する計画がある。当社は,Sprint 従業員が結合会社で多くの機会を持つだろうということを知っている。"
     Sprint と T-Mobile の指導者たちは,"T-Mobile" という名前の結合会社が "合併の初日から 別々の場合より多くの人を" 採用すると公約した。しかし,合併により両社が重複する管理ポスト ならびに T-Mobile および Sprint の (通りを隔てた) 店舗を合理化することを考えれば,その計算がどうなっているのか不明である。
     Sprint 従業員は 将来のオプションとして株式報酬のレバーを引くことができる。過去において 多くの Sprint 従業員は 100% の "方向転換インセンティブ報酬" を獲得した。これは ヒラから高級将校まで Sprint の株価が 2017 年に $8を超えたときに全員に与えられた株式報酬である。Marcelo Claure CEO は,これにより 1,000 万株の制限株を手にした。
     これらの従業員には,2019, 2020, 2021 年の9月に株式が付与される。もしも Sprint の株価がその時点で $8 を超えていれば,インセンティブ報酬を獲得した Sprint 従業員全員が受け取る支払いは $4億を超える。
     合併が無い場合には,事業はそのまま進み,株式の付与は通常通りである。認可が下りる場合,Trovar によれば "基本的には インセンティブは完全に保護される。"
     結合会社に参加する従業員は,同じ付与スケジュールで株式の支払いを受けられる。もしも 従業員の地位を失えば,2019 年5月に終わる期間の間 どれだけ長く勤務したかに従って株式が付与される。
    予想通り,人材問題から作業が始まる。
     そして その次の難題は CapEx を予定通りふやすか,それとも減らすか … である。
    ──────
     『引き留めボーナスは,合併後の会社での雇用を約束するものではない。また,引き留めボーナスの対象にならなかったとしても,自分が低く評価されたとか,新会社でポストを提供されない証拠と考えるべきではない。
      ・・・ ?? 何のためのボーナス?? こんなことを本気で言う経営陣の下に何人残るのか?
     『"当社は,事業に今 大変な勢いがある。この勢いを維持できるかどうかが 会社の将来を分ける。" … とTovar は言う。
      ・・・ そうですか。結構ですね (笑)。
     『当社には 発表する計画がある。当社は,Sprint 従業員が結合会社で多くの機会を持つだろうということを知っている。
     こりゃ あかん。重症だ。取り敢えず,このスポークスマン (広報担当者) Dave Tovar を馘にせよ。
     代りに 日本から Masa を引っ張って来い!
     Masa が全責任を持って,私財を投げうってでも,合併をやり遂げる! という決意を示さなければ 収拾しない。最高責任者が 決死の覚悟であることを示さなければ,誰もが逃げる!(実際には 殿 (しんがり) を引き受けるはずの大殿様が我先にとインドやニューヨークへ逃亡して(笑) 百兆円基金などと半年前からほざいている)
    ──────
     インセンティブのところは どういう取り決めなのか不明であるが,確かにこれに釣られて退職しない人は多いだろう。しかし,将来のことを考えれば,若い有能な人ほど出ていくことは明らかだ。
     沈む船から逃げること鼠の如し。
      = 経営不振な会社からあっさり転職していく (Yahoo 知恵袋の説明)

  11. Dr John Saw CTO が持ち株を売却
    Sprint Filing, 2018/05/01
    Sprint が 5月1日に SEC に提出したファイリングによれば,John Saw CTO が4月27日に Sprint 88,319 株を売却していた。
     ストックオプションにより同日 @4.75 で取得して,即日 @$6.50 で処分したらしい。お見事!
     この株は,持ち株 1,149,057 株の一部である。売却価格は 4月27日の引け値 $6.50 であり
      $6.50 × 88,319 = $574,073 (~\63,150,000)。
     アメリカではインサイダー取引は珍しくないが,日曜日に正式発表された吸収合併の内情を詳しく知るご当人がその前日の4月27日(金) に,しかも高値 (この日の最高値は $6.62, 出来高は急増して 58,327,200 株) で 持ち株の 7.68% を売るとは恐れ入りました (笑)。[1日の平均出来高は ~20,000,000 株である]
     この人も,良い就職先が見つかりそうなのか? 何しろ電気工学の博士の学位を持ち,無線の経験は Claure を遥かに超える 20 年,John Legere からは Dr John Saw と呼ばれ,無線技術で特許を6つ持つ (Sprint のサイトによる)。
     もちろん,T-Mobile と合併すれば,Neville Ray と John Saw の2人の CTO は要らない。これほどの人なら,規模を問わなければ 引っ張りだこだろう。こういう風に人材が抜けていくことは,50-50 と言われる合併が通らなかった場合に恐ろしい … ことまで心配しているのは当サイトだけである。
     なお,2018/04/29 の別のファイリングには,SoftBank の持ち株が 84.85% と明記されており,当サイトのこれまでの推計 (84.96%) がほぼ正しかったこと (寸止め状態) を裏付ける。
     すなわち,SoftBank が Sprint を買い支えすると 上場廃止に追い込まれる状態が この先も続く。上場廃止と 被買収とはおそらく 直接の関係は無いだろう。これまでの発表文書に その記載は見当たらない。

  12. Sprint: Millimeter wave spectrum is ‘important part of our strategy going forward’
    スプリント:ミリ波電波は「当社の将来の戦略の重要な一部」である
    FierceWireless,2018/05/03 @11:56 am ET
    By Mike Dano
    Sprint の経営陣は,ミリ波電波をネットワークに加えることに関心があると言う。
     "ミリ波電波は,当社の将来の戦略の重要な一部である" … と 月末に退任予定の Marcelo Claure CEO が昨日,アナリスト向け決算電話会議で述べた。これは, 11月に行なわれる予定の FCC ミリ波電波オークションに Sprint が参加するかとのアナリストの質問への答だった。
     来年までに Sprint の 5G ネットワークをロールアウトする仕事を受け持っている John Saw CTO が,同社の電波に関する見解について 補足説明を行なった:"ミリ波は 帯域幅が非常に広い。" … と Saw は電話会議で言った。"ミリ波は,大量の容量を取ることができる。当社の 2.5 GHz を大変よく補う。だが ミリ波だけで ネットワークを建設することは非常に難しいと思う。なぜなら 大量の資本投下が必要であり,電波基地も大量に必要とする。だが,当社は ミリ波を ホット・ゾーン用やホットスポット用に 2.5GHz のオーバーレイとして追加できるものと考える。"
     ところが,Sprint の経営陣の話はそこまでで終わり,11月に開始予定の FCC ミリ波オークションに参加するとの確認は無かった。
     それでも,Sprint 経営陣の 上の発言は,注目に値する;なぜなら Sprint は,少なくとも この 10 年間 FCC のどのオークションでも電波を買ったことが無いからである。具体的には,FCC の 700 MHz, AWS-3, 600 MHz 電波オークションをすべて見送った。
     Sprint が電波を追加で購入することを嫌うのは,1つには 現在進めている経費削減によるものであり,また1つには まだ使い切っていない 2.5 GHz 電波が大量にあるためだ。実際 Claure は,電波塔のうち 60% に 2.5 GHz 電波が配備されており,今年の終わりまでには これを 100% にすると言った。
     もちろん,ミリ波電波の価値に関する Sprint の発言は,最近発表された T-Mobile との (来年までに実現を期待する) 合併計画とつながるものである。T-Mobile は,同社の現在所有する電波に 人口密度の高い (したがって データへの需要が非常に高い) 地域では ミリ波電波を加えたいと 明言している。Sprint と T-Mobile は,両社のそれぞれのネットワーク および 所有する電波の結合が "すべてのネットワークの母" を生むと主張する。ただし,それに ミリ波の電波を加えたいとも言う。
     これまでのところ,AT&T と Verizon がそれぞれミリ波について強い願望を表明した;Verizon は ほとんどミリ波電波のために Straight Path を買収した。AT&T は ほとんど同じ理由から FiberTower を買収した。
     FCC は,11月に始まるオークションで 28 GHz, それに続いて 24 GHz の電波を提供すると約束した。
     ミリ波電波 ── 一般に 20 GHz を超える周波数の電波 ── は 大量のデータを伝送できるので価値が高いが,地理的に短い距離しか伝送できない。
    こういう発言が聞かれたのは初めてである。
     ミリ波なしでは,5G が本格的に普及したとき,従来方針のままでは Sprint だけが取り残される。
     だから方針変更したのだろう。とにかく現実を見据えていることが分かったのは,良いことである。
     ただし,そうなると T-Mobile との計画をどのように調整するかが難問になる。
     もっと 早くすべきだったが,合併の口実に使う必要があったのか?

  13. Sprint CEO Claure to Step Aside; Finance Chief Tapped to Fill Role
    Sprint の Claure CEO は身を引く;CFO がその穴を埋める
    Wall Street Journal,2018/05/02 @04:48 pm ET
    By Austen Hufford
    Claure は執行役員議長となる;会社は 史上最高の年間利益を挙げる [注:例の税効果によるもの]
    Sprint Corp (−4.61%) は,T-Mobile による被買収 (being bought) に向けた作業を行なっている最中にも拘わらず,CEO を交代させる。
     Sprint は,Marcelo Claure CEO が 執行役員議長 [つまり 取締役会議長,日本で言う "会長"] になり,Michel Combes CFO がその穴を埋めて CEO になると発表した。どちらも今月末に発効する。
     先週,同社は 仲間の無線電話会社 T-Mobile にざっと $260 億で身売りする契約を結んだ。完了すれば,この取り引きは アメリカの無線業界を一新するだろう。このライバル同士が結合を企てたのは,過去4年でこれが3度目であった。Sprint は 水曜日,2人の CEO が引き続き (規制当局の審査を受ける) 取り引きの完了に向けて作業を続けると言った。
     Combes は 今年1月に CFO に指名された。Sprint は その後任を探し始めたと言う。
     なお Sprint は 3月四半期 および 通年の決算を発表し,[通年決算では] 同社史上最高の年間利益を挙げたと言った;これは アメリカの新しい税法により押し上げられたものである。
    Write to Austen Hufford at austen.hufford@wsj.com
     Seeking Alpha には,Claure が SoftBank Group Corp の COO および SoftBank Group International の CEO になるって書いてある。
     Claure は Masayoshi Son, Rajeev Misra と密接に協力して "global portfolio of companies" つまり群戦略ポートフォリオの運用にあたる … と SoftBank が言う。Claure は また 世界の政府問題 (global government affairs) を統括する。
     “Marcelo has been a close and trusted advisor for many years and, after watching him at Brightstar and Sprint, I can say he is an entrepreneur and operator unlike any other," Son says. "His energy, integrity, global mindset and leadership skills will provide tremendous value to SoftBank."
      ・・・ とのことです。
     Sprint の業績を4年も立て直しできないで 身売りに追い込んだ Claure をこうまで高く Masa が買う理由が全然理解できない。普通なら,クビでしょう。無能な CEO だったんだから。
     その Claure が "tremendous value" を SoftBank にもたらすとは。
     もちろん クビにできない理由は簡単。任命責任により 自分も無能だから辞めざるを得なくなる。
     SoftBank トップ経営陣がいよいよ 発狂 … かな (笑)
     何度も言うが,どこの馬の骨かわからない,会社経営経験がほとんど無い Misra や Claure ではなく,東京本社の有用な若い役員が 孫社長を支えなければ,この会社に未来は無い!
     SoftBank もここまでの規模に成長した以上,内部に有能な (老人ではない) 人材がきっと いるはずだ。そういう人たちは,地団駄踏んで悔しがるだろう。なぜこのオレを登用せずに,あんなクズに頼るのか?
     こういうことが続けば,SoftBank からも人材が流出するだろう。
     企業の将来の業績を占うのは,ヒトを見るのが分かりやすい。世界は見ている。

  14. Don't panic yet: Sprint employees have time before merger hits
    Sprint の従業員は,まだ パニクってはいけない:合併までには時間がある。
      Kansas City Business Journal,2018/05/01 @03:05 pm
      By Elise Reuter
    Sprint の従業員は,あるかもしれない T-Mobile の買収に備える時間の余裕が 少しだけ (a little bit of time) ある … と地元の Sprint スタッフが言う。日曜日の合併発表は,Sprint のオーバーランド・パークキャンパスの士気に間違いなく打撃を与えた。ここは 会社が 約 6,000 人を雇っており,Sprint での将来の仕事を疑問視する多くの労働者が去って行く。
     カンザスシティに拠点を置く IT コンサルタント会社 ECCO Select の Jeanette Hernandez Prenger CEO は,両社従業員は 向こう数ヵ月の間は安心できると言う。過去の通信企業の合併を見れば,おそらく 規制当局の認可を得るだけのために 12~18ヵ月を要する。
    Sprint の世界本社は,オーバーランド・パークの 6100 Sprint Parkway に
    ある。最新の会社発表によれば カンザスシティ地区に 6,000 人を雇って
    いるが, 3月初めの発表では,本社での人員を約 500 人減らすと言う。
     "多くの人が忘れることの1つは,[合併がすぐに起こるのではなく?] 認可手続きを通る必要があることだ。" … と Prenger は Kansas City Business Journal に言う。"認可が得られるとして,認可を通るまでには 誰にとってもたっぷり時間があると私は思う。"
     この買収は 28,000 人の Sprint 従業員と 51,000 人の T-Mobile 従業員を一緒にする。両社の幹部は, 結合会社が 200,000 人を採用し, 雇用は純増し,オーバーランド・パークは "New T-Mobile" の第2本社にとして残ると言う。
     これらのコメントは,アナリストから疑念をもって迎えられた。BTIG LLC の専務でアナリストの Walter Piecyk は,この取り引きで宣伝されている コスト・シナジー $60 億が 電波基地と従業員の削減に由来すると述べた。
     "オーバーランド・パークに「第2本社」を置く計画は,難航すると見られる認可手続きを援護するだけの意味しか持たないと我々は考える。" … と リサーチ報告に書いた。"さらに,全体の従業員数をふやしながら $60 億のコスト・シナジーがあると T-Mobile が主張するのは,強引な売込みであると我々は考える。" [注:Piecyk は,日曜日午後の電話会議に出席して 質問していた1人である]
     ただし Prenger は,この合併がカンザスシティでの Sprint の終焉を必ずしも意味しないと言う。Sprint が Nextel と合併した時とは異なり (当時は,バージニア州レストンに第2本社を置き,数年後に オーバーランド・パークの経営陣と合体させた),Sprint は エンジニアリング, 技術資源, 研究開発の人材を維持できるはずだ。
     "Nextel は古い技術を使っていたし,ワシントン D.C. 地区での事業は,カンザスよりコストが高かった。" … と Prenger は言う。"何が起ころうが,これだけのものがあれば,当地カンザスシティで 時代の先端を行く研究を維持できるだろう。もちろん,もっと優秀な人材を得られるという西海岸からの声はあるだろうが。"
     この先の将来を見通せば,両社はおそらく幹部職員と 財務 および 人的資源のような管理職員を合併させようとするだろう。T-Mobile の John Legere CEO は結合会社の CEO に指名され,T-Mobile の Mike Sievert COO は 同じ職に留まる。残りのポストは "これから決めることになっている。"
     Sprint は 既に カンザスの人員を春に,法務, 財務, IT を含めて, 500 名減らした。もしも合併が通らなければ,会社はおそらくこれ以上の人員削減をしないだろう。
     不確実性が足を引く
     何か大きな変化があれば,従業員が辞めるのは必然である。カンザスシティ地区の Full Employment Council (完全雇用協議会) のような職業紹介センターは,まだ影響を認めていない。
     "一般には,人々を神経質にすると私は思う。" … と TriCom Technical Services のマネージング・パートナー Matt Sharples が言う。"大多数の人は,自分が出る前にまず何が起こるかを知りたいだろう。"
     釣り出される可能性に直面している従業員を抑えるには,透明性, 豊富な情報, それに良い企業文化が欠かせない … と彼は言う。熟練した技術を持つ従業員への需要が高い 競争の激しい市場では,これが特に当てはまる。
     "そういう人たちにとっては,仕事探しは何の問題も無い。" … と彼は言う。"1人の IT プロに対して2つの働き口があるようだ。過去数年の雇用創出の大半は,技術がらみだった。"
     Sprint は,Kansas City Business Journal の民間セクター雇用者リストで 第6位にランクする。

  15. What happens to Sprint if T-Mobile deal falls through?
    もしも T-Mobile との取り引きが実現しなければ,Sprint に何が起こるか?
      Kansas City Business Journal,2018/05/01 @04:57 am
      By Elise Reuter
    No. 3 と No. 4 の無線キャリアの合併に,あなたは いくら賭けますか?
     アナリストは,T-Mobile が Sprint を買収する賭け率を 50:50 と踏んでおり,この取り引きが 通るためには 山のようなハードルが控えている。
     もしも 規制当局が $260 億合併を拒否すれば,両社とも破壊されるが,違約金の取り決めが契約に含まれていないので,Sprint の方が大きな重荷を負う。
     "違約金が全く無いという事実は,多くのことを語る。" … と ニューヨークに拠点を置く CFRA Research の上席業界アナリスト Angelo Zino が Kansas City Business Journal に語った。"我々は,せいぜい 50 % の成功確率を見る。T-Mobile と Sprint が実際にこれを通すのは,非常に難しいだろう。"
     MoffettNathanson の創業パートナー Craig Moffett を含む その他の著名な通信アナリストは,賭け率を 50% にする。BTIG の専務で 技術, メディア, 通信のアナリスト Walter Piecyk は,賭け率を 40% 未満とする。
     "この件だけは 本当に判定が難しい。" … と Moffett は月曜日のリサーチ報告に書いた。"要するに,これは規制の問題に帰着する:4社 対 3社の市場で末端利用者が支払う料金により 消費者の利益が測れるだろうか? あるいは 2社を1社にしたことによる支払い可能な資本投資の水準により測れるだろうか?
     必要な取り引きか?
     日曜日の発表では,Sprint の Marcelo Claure CEO と T-Mobile の John Legere CEO が,アメリカを 次世代ネットワーク技術 5G のリーダーにするためにこの取り引きが必要だと論じた。
     しかし,この取り引きは 同時に,競争が最近穏やかになった市場で,大手無線の競争を4社から3社に減らす。
     "あれは,T-Mobile と Sprint が掛けようとしているスピン [目眩まし?] だと私は思う。" … と Zino が言う。 "彼らは 料金について [日曜日に] 大して話さなかった。その理由は,最も激しく料金を下げている2社を業界から外すことだ。"
     HHI (Herfindahl-Hirschman 指数) は,市場集中の度合いを測る目安であり,0 から 10,000 の間の値を取る。HHI が 0 ならば 完全に競争的であり,10,000 ならば1社独占である。無線業界の HHI は 現在 2,700 であり, [司法省の判定基準によれば] ,どんな業界でも 2,500 を超える HHI は "高度に集中した" と見なされる。  Sprint/T-Mobile 合併は,無線業界の HHI を 500 ポイント超 増加させる … と Moffett は書き,司法省からのチャレンジを示唆した。
     歴史を振り返れば,司法省は 2011 年に AT&T と T-Mobile の合併に反対した。2014 年には T-Mobile と Sprint が取り引きを発表する前に懸念の声を上げた。司法省はまた,AT&T と Timer Warner の合併を阻止するために裁判を起こした;その結果は6月に出る予定である。
     "現在は,AT&T と Time Warner がどう進むかを人々が静観しているために,多くの M&A が中断状態になっていると私は思う。" … と Zino が言う。"今後 2週間ほど,Legere は政府のさまざまのメンバーに会うだろう。そこから 展開がどうなるかを予想したい。"
     こうでもなければ ああでもない
     この状況は,Sprint にとって,事業上の決定をするときに,2通りのシナリオ ── 独立と合併 ── に対応せねばならないことを意味する。たとえば,新しい店舗をいくつ 開設するか,リースしている店舗を更新するか,新しい従業員を何人雇うか,ネットワークの配備をどのように続けるか。
     "Sprint は,(1) もしも合併が起これば これこれのことをする必要があり,(2) もしも合併が起きなければ それとは別のことをする必要がある … という環境で生きなければならない。" … とローレンスに拠点を置く Wave7 Research の創業者 Jeffrey Moore が言う。"1つの鍵は,どちらに転んでもうまく行くことが保証される決定をすることだ。ただし,これは難問だ。"
     Moore は,店舗のリース更新と新店舗の開設を 控え目にするのが良かろうと言う。さらに,本社で 500 人を解雇した後,Sprint は 合併を目の前にして 大量採用を多分しないだろう。ただし,ネットワークへの大量資本投下と すべての電波塔への 2.5 GHz 電波配備は,続ける必要があると彼は言う。
     "Sprint はそうしなければならないと私は思う。" … と Moore は言う。"そう仮定したい。"
     Moore は,認可が得られるまで1年以上かかるだろうと予想する。AT&T と Time Warner の間の現在の手続きは,2年以上続いている。
     "苦しい戦い"
     もしも 最終的に認可されなかった場合,"上のような環境では,Sprint は さらに苦しい戦いに置かれるだろう。" … と Moore は言い,Comcast が無線空間に参入し,Charter と Altice USA の動きも予想されると言った。
     "現在の状況を見るに,彼らは 独立企業として営業を続けている。独立企業であるとの信念の下に営業するのは,この取り引きが通る確証が無いからだ。" … と Zino は言う。
     もしも通らなければ,Sprint の大株主 SoftBank Group は,債務過多の会社が ネットワークの建設に猛烈な支出を続けられるように,財政援助を続けなければならないだろう。その場合,別の求婚者が現れるかもしれない … と Zino は言う。たとえば,ケーブル会社が Sprint を買収しようとすることもあるだろう。
     "この取り引きが壊れれば,そういう話がテーブルに乗るだろう。" … と Zino は言う。"最終的に Sprint は完全にうまくいくと思う。だが株主の観点から言えば,独立企業の場合,大したリターンは無いだろう。"
    なかなか "おもしろい" 記事である … と言っては,無責任な人たちにより 煉獄の中に放り込まれた Sprint の従業員は,哀れである。
    第3回で ハーフィーダール・ハーシュマン指数が登場した記事は,これが初めてである。
     すべての業界に共通に,2,500 を司法省が閾値に決めているならば,3社は自動的にアウト!(笑)
     「審査」するまでもない。4社とも 当然 これを知っているだろう。
    ──────
     SoftBank としては「無事に撤退できるかどうか」が問題。
     撤退に失敗すれば,現状よりひどくなった Sprint を抱えたままとなる。
     もしも通らなければ,Sprint の大株主 SoftBank Group は,債務過多の会社が ネットワークの建設に猛烈な支出を続けられるように,財政援助を続けなければならないだろう。

  16. Why a T-Mobile-Sprint merger could spell trouble for consumers
    T-Mobile/Sprint 合併が,消費者にとって災難になりそうな理由
      MarketWatch,2018/04/27 @11:43 am ET
      By Jacob Passy
    大多数の消費者は,結局 払いが多くなるだろう。
    A merger between Sprint and T-Mobile could adversely affect consumers.
    Getty Images)
    Sprint と T-Mobile の間の合併提案がテーブルに戻ってきた ── 消費者には 間違いなく 何かお知らせすべきことである。
     両社は 早くも来週に合併協議を完了する計画である … と匿名の情報筋が Reuters に伝えた。
     両社の間に "非公式接触" があったと Bloomberg が最初に報道した昨年5月から4ヵ月後の9月にも,合併の憶測は高まった。しかし,Sprint の 80% 超を所有する日本の通信会社 SoftBank Group は, 昨年 10 月に手を引くと発表した。これらすべてより以前に,昨年春に FCC の電波オークションが終わるまで 全ての交渉は差し止められていた。
     もしも この取り引きが認可されれば,結合後の会社は 1.27 億を超える顧客を持つ。したがって,この両社の結合は 業界全般にわたって 消費者に影響を及ぼす変化の先駆けとなる可能性がある … と通信アナリストらは言う。"長期的には,消費者にとって破壊的だろう。" … と モバイル技術と家電製品に特化したニュース・ウェブサイト BGR のニュース・エディタ Chris Mills が言う (Sprint と T-Mobile にはコメントを求めたが,返事が無い)。
     以下は,無線顧客がどのように大きな影響を受けるかの例である。
     (1) 合併は,Sprint の低コスト代替機能を奪う
     T-Mobile と Sprint が 両社ともアップアップしていたのは,そんなに昔のことではないが,低料金と 魅力的なオファーを足場に何とか復活を果たした … と 業界のアナリスト Jeff Kagan は言う。特に Sprint は,トップ4キャリアの中の コスト最低のキャリアとして地位を固めた。
     無線比較サイト WhistleOut によれば,Sprint では,データ, 通話, テキストが無制限のプランが, 4回線で月額 $50 から始まる (機器を含まない) 。同様のプランが AT&T では $60/月,T-Mobile と Verizon では $75/月 である。
     もしも 大手キャリアの数が4から3に減れば,低コストの選択肢は 生き残らないだろう … と Chris Mills は言い,カナダの例を挙げた。"大手3社になれば,高いデータ・プランになる。"
     カナダでは,大手の無線キャリアが3社 ── Bell, Rogers, Telus ── しか無い。競争のレベルが低いために,モバイル・ニュース・ウェブサイト iMore によれば,これら3社の料金プランは基本的に同一である。
     その上,Sprint が営業を辞めて その穴を埋めるために 地域の無線キャリアが立ち上がれるなどは ほとんどあり得ない。 "もしも Sprint がいなくなれば,スクラッチからネットワークの始めることになる。" … と Mills は言う。"電波のライセンスとか ネットワーク建設の費用を考えれば,そんなことは不可能だ。"
     (2) 無制限プランは まな板の上の鯉
     さらに言えば,無制限プランの将来は保証されないだろう。無制限プランは 最初,スマートフォンの導入と共に登場したが,結局は 人気が無くなった;これは ネットワークの速度が 無制限プランのために落ちるからである。ところが最近になって [1年前から] ,新規顧客を集める手段として,無制限プランが再浮上した。
     しかしながら,もしも合併の結果 競争が弱まれば,顧客獲得は 無線キャリアにとって最優先事項ではなくなる。再び カナダの例を見れば,カナダには無制限プランが無い。もしも大手3社のうちのたった1社でも無制限プランを辞めれば,ドミノ効果を起こすだろう … と Kagan は言う。
     (3) 一部の消費者にとっては サービスが改善する
     理論的には,合併のお蔭で Sprint の顧客は,ネットワーク・カバーの拡大を経験するだろう。これは,ネットワーク調査会社 RootMetrics が提供するカバレッジ地図を見れば分かる。異なるキャリアの地図には サービス・エリアの重なりが かなりあるが,それでもカバレッジが拡大することに間違いは無い。
     しかし,無線ネットワークを拡大することは,単なるスイッチの切り替えではない,Sprint と T-Mobile は,2G ネットワークに異なる技術を使う ── Sprint は (Verizon と同様) CDMA 技術を使い,T-Mobile は (AT&T と同様) GSM 技術を使う。CDMA と GSM の間の大きな違いは,CDMA 電話が SIM カードを持たないことである ── ただし,SIM カードを必要とする LTE-対応機器は例外である。それにも拘わらず,合併後の会社は 1つの技術に移行する必要があろう ── 専門家は GSM だろうと言う ── したがって,この移行には 時間が掛かる。
     カバレッジの拡大が遅くなることに加えて,GSM 技術への切り替えは,一部の Sprint 顧客が 互換性の無い電話を持つ事態を生む。"Sprint の顧客は,ネットワークにつながるために,何か新しいものへ更新を迫られるだろう。" … と Chris Mills は言う。
     そして,両者が合併したとしても,合併後の会社は AT&T, Verizon に比べれば まだまだ見劣りがする。この2社は,信頼性, スピード, データ, 受信で RootMetrics から高い評価を得続ける。
     (4) 小さなキャリアほど影響を受けやすい
     もしも この合併が成立すれば,合併後の会社の高料金プランを払えない Sprint 顧客は,前払いプランを提供する小さなキャリアに乗り換えるだろう。だが,そういう小さなキャリア自身も,T-Mobile/Sprint 合併により影響を受けるだろう。
     このようなキャリア ── MetroPCS, Boost Mobile, Cricket Wireless ── の多くは,MVNO (仮想ネットワーク営業会社) と呼ばれている。これらの無線サービス・プロバイダは,他キャリア ── 大手4社 および 地域キャリア U.S. Cellular ── が運用するネットワークに 卸し売り料金でアクセスし,消費者向けの小売り価格を設定する。
     多くの MVNO は,T-Mobile と Sprint を含む大手4社の子会社でもある。したがって,合併の後は ネットワークが合体される結果,MVNO もカバレッジとデータ・スピードの改善を見ることができよう。しかし 同時に,料金値上げや 電話の更新のような 合併の短所にも晒される。
     (5) 合併が失敗する可能性も十分にある
     規制当局が この合併を警戒する可能性は かなり高い … と Kagan は言う。2011 年の AT&T と T-Mobile の間の同様の取り引きは,独占禁止の懸念から Obama 政権により押し戻され,頓挫した。
     規制当局がこの取り引きを阻止しかねない1つの大きな理由は,TV とインターネット・サービスが無線市場で 現在果たしている役割にある。Kagan によれば,大手キャリアは2つのグループに分けられる:1つ (AT&T と Verizon) は,TV と インターネットをバンドルしたサービスを提供しており,もう1つ (Sprint と T-Mobile) は,そういうサービスが無い。もしも 後者のグループが1社になれば,料金は上がらざるを得ないだろう。 "規制当局は,市場で何が起こるかを注目する。" … と Kagan は言う。"もしも料金が上がるなら,認可する理由は何か?"
     プラス,司法省が AT&T と Verizon を共謀の容疑で調査しているという報道は,この買収の可能性をいささか下げる 。" … と J.P. Morgan のアナリスト Philip Cusick が言った。
    この記事を MarketWatch が Yahoo Finance のトップに執拗に出している (笑)
     良い記事だし,読者に警告したいのだろう。
     (5) この論理で 司法省が反対するという所論を 見たのは,これが初めてである。
     Trump 大統領が人気取りのために この合併を潰すと決めた場合には,有力な根拠になり得るだろう。
     (3) CDMA と GSM の問題は,第1回の時は かなり話題になった。第2回では ほとんど話題にならなかった。第3回 (今回) は,全く話題になっていない。合併に伴うシナジーの計算に重要である。
     おそらく 経営統合が実現しても,Sprint (CDMA) と T-Mobile (GSM) の2本立てネットワークがしばらく続き,最終的には GSM に一本化して CDMA を廃止するのだろうが,それまで2本立てのネットワークを維持する必要がある [後記:T-Mobile の Ray CTO によれば 2~3年とか] 。Sprint としては,消滅される予定のネットワークを 通信障害が無いように 遅いと文句を言われないように なるべくカネをかけずに 客離れを最小限に留めつつ 何年も運営するのは辛いだろう … というような議論が 第1回にあったように記憶している。
     もちろん,今回は全く無い。不思議である。メディアが3日後とか日曜日とかに 突っ走っている(笑)
     ネットワークの点だけから言えば Sprint は Verizon と合併するのが良い … という話も第1回にはあった。
    ──────
     Sprint は,SoftBank に買収されるずっと前に Nextel と "対等合併" した。その後,Sprint, Nextel の2本のネットワークの統合に長い間苦しんだ。これが業績の長い低迷につながった (ために SoftBank なんかに買収される羽目になった (?)) と言われている。この状況を伝えるのが 下の (↓) (有線/無線/インターネットのセクタで 25 年の経験を有するベテラン) William Ho の記事である。
     今の Sprint に当時の役員は ほとんど残っていないが,Nextel と合併した以後の苦しみを知っている人が Sprint にいれば,T-Mobile で同じことを繰り返そうとは考えないだろう。とは言え,そんな責任感を持つ人は 残っていない。
     なお,この記事の中には,2011 年の AT&T/T-Mobile 合併に Hesse が "決然たる反対" をしたことで,つまり 両社の合併を阻止した功績により,"Sprint が感謝されるべきだ" … と書かれている。アメリカ人ならよく記憶しているだろうが,SoftBank の株主でこれを知る人は少ないだろう。
     読んでビックリ?

  17. Sprint Isn't as Cheap as It Seems
    Sprint は,見かけほど安くはない
      Bloomberg Gadfly,2018/04/18 (水) @02:56 pm JST
      By Tara Lachapelle
    如何なる合併の条件も,綿密な調査を要する。
     Sprint と T-Mobile の間の合併は,十分意味がある。それでも T-Mobile の株主は,騙されるかもしれないと取り引きの条件を見張るだろう。
     私が言いたいことは:もしも両社を比較するのに基本的な評価法だけを使えば,投資家にとって Sprint より T-Mobile の値打ちが遥かに高いと結論できる ── 火曜日の時点で 時価総額 (EV) ÷ EBITDA を計算すると,後者は前者の 63% に過ぎない。これは 公正な評価である。しかし,ここで脱けているのは,Sprint の財務は大量の電話リースにより 都合よくゆがんでいるために その株価は見かけより 遥かに高いことである。
     MoffettNathanson LLC のアナリスト Craig Moffett は,これらの数字をまとめ,Sprint の EBITDA が "(端末をリースではなく販売する) T-Mobile のような他社に比べて,膨大に水増しされている" ことを発見した。Moffett の計算によれば,リンゴ対リンゴの会計補正を行なうと,Sprint の EV は EBITDA の 6.5 倍であり,T-Mobile の EV は EBITDA の 7.4 倍である。つまり,T-Mobile の評価が Sprint の評価より 63% 高くはなく,14% 高いに過ぎない。下の図がこれをよく示す。
     Sprint は 端末取り引きをリースとして計上するので,その費用は 損益計算書に費用としては計上されず,貸借対照表に反映される … と Moffett は言う。そして この費用が後に Sprint の損益計算書に現れると,減損となって EBITDA を増やす。Sprint によれば,機器のリースによる減損償却は 昨年12月までの9ヵ月で $27 億であった。この間の営業利益は $25 億だった。
     T-Mobile 株主は,親会社 ドイツ・テレコムを含めて,Sprint を支配する大富豪 Masayoshi Son との交渉の再開に当たっては,これを念頭に置くべきである。
     その意味は,取り引きをすべきではないということではない。戦略上の判断は 計算を上回る。アナリストは 約 $300 億のシナジーを見込んでいる (ただし 長く困難な統合過程に要する経費も 考慮しなければならないし,両社が多額の債務を負っていることも重要である)。報道によれば,買収価格ではなく,合同後の会社の経営権をどちらが握るかで不和があり,そのために前回の取り引きが潰れたらしい。
     とは言え,T-Mobile 株主が次のような明白な問いを無視すべきだということにはならない:「一体全体 Sprint はどうしてそんなに高い評価になるのか? T-Mobile にとって 一体 どれだけの値打ちがあるのだろうか?」
      This column does not necessarily reflect the opinion of Bloomberg LP and its owners.
    今さら ・・・ という感じの議論である。ただし, EV/EBITDA により評価する … というところが新しい。
     Sprint は 端末のリース件数が多いので (全部ではなく,半数程度と言われている),端末が会社の資産となり,これの減価償却費が EBITDA を水増しすることは,ずっと前から知られている。
     端末を売り切り (月賦販売を含む) の場合には 顧客の資産になるから,減価償却は無い。
     孫社長は,この仕組みを逆用して,決算発表会で Sprint の説明をするときに「EBITDA という利益が またまたこの四半期も順調に増加しました」から始めるのが常だった。
     Moffett の言うようにこれをやめてしまうと「EBITDA という利益」の宣伝が不可能になる。
     それに 最近では,CapEx を $20 億という低い水準に抑えていたのを $60 に増額しようとしている。
     やはり EBITDA は 名目的ではあっても高い方が良いのではないか (笑)  なお 最近は "EBITDA という利益" は 後退して "営業利益" の伸びを理由に Sprint が "稼ぎ頭" だと言うようになった。確かに数字はその通りであるが,これも Brightstar に赤字を押し付けることにより達成されたものである。Brightstar に巨額の損失を押し付け,巨額の減損処理を SoftBank が行なっているから,Sprint+BrightStar の合算で見ないと 正確なことは言えない。
    [2018/04/19] Sprint の株価が +1.7% ほど上がっている。その原因は benzinga の記事らしい。
    For Sprint, M&A Talks With T-Mobile Outweigh 'Rocky Fundamentals,' Macquarie Says In Upgrade (benzinga, 2018/04/19 @09:38 am)
    この中で Macquarie Capital のアナリスト Amy Yong が Sprint の格付けを Underperform → Neutral に引き上げた。これが歓迎されて Sprint の株価が上がったらしい。
     これを翻訳しようと思って 中を読んだら,余りのひどさにビックリ仰天,翻訳を中止した。
    The Federal Communications Commission's upcoming mmWave auction could result in another quiet period and "preclude M&A discussions," she said. T-Mobile would secure spectrum in a merger with Sprint rather than participating in the auction, according to Macquarie.
     FCC の次回のミリ波オークションは,沈黙期間を招来し,"M&A 協議を排除する" ・・・ と Amy Yong は言う。Macquarie によれば,T-Mobile は,このオークションに参加するよりも,Sprint との合併により電波を確保するだろう。
     これだけのことである。合併により ミリ波は Sprint から手に入るから,T-Mobile はミリ波オークションには参加する必要が無い。だから 沈黙期間が適用されず,自由に交渉できる。
     けれども スプリントが持っている電波の周波数は,孫社長ご自慢の 2.5 GHz (非常に大量に持っている) が最高である。これはマイクロ波である。オークションに掛けられるミリ波電波は 28 GHz, 24 GHz であり,T-Mobile が欲しいのはこれだろう。
    ──────
    『T-Mobile は,複数周波数帯のミリ波電波オークションをせよと FCC に圧力を掛け続ける』 (FierceWireless, 2018/04/05)
    ──────
     さすがに $6.12 (+1.7%) だった Sprint 株価は下がってきた。
    $5.96, −$0.04 (−0.67%), At close: 4:02PM EDT
    マッコーリーの小遣い稼ぎに利用された感じ。
     上場廃止が必至であることは (少なくともプロの目に) 明らかだから,それを前提に遊ばれている。
    ──────
     Nvidia の決算は,5月10日 @5:00 pm ET と決まった。

  18. U.S. operators—including Sprint—conspicuously absent from Global Telco Security Alliance
    アメリカのキャリアは ── Sprint を含めて ── "世界通信セキュリティ連合" に加盟していないことは歴然としている
    FierceWireless,2018/04/27 @12:03 pm
    By Mike Dano
    先週 世界の大手キャリア4人組 (quartet) が,チームを組んで "世界通信セキュリティ連合" を結成し, "サイバーセキュリティ・サービスの包括的ポートフォリオ" を企業向けに販売する … と発表した。
     具体的には,Etisalat (アラブ首長国連邦),Singtel (シンガポール),SoftBank (日本),Telefónica (スペイン) の4社が 連携して,"サイバー脅威に関するネットワーク情報を共有し, 4社の全世界にわたるリーチ, 資産, および サイバーセキュリティ能力を活用し,全世界の顧客にサービスを提供する。" … と4社の発表に書かれている。
     この連合は また,会員通信会社が 共同で "機械学習 ならびに IoT のための先進サイバーセキュリティを利用する予測分析 (predictive analysis) のような新技術" を開発することを検討する … とも公約している。連合はまた,彼らのセキュリティ・ポートフォリオの進化のための共同工程表の開発を検討し,セキュリティ製品/サービス, SOC, プラットフォーム, スタートアップ, R&D への共同投資を検討する。
     今日の通信業界の世界的広がりと もともと密につながっている性質を考えれば,通信キャリアの間のこのような連携は ありふれたものである。実際 この連合は,"いずれは 新しい会員を呼び入れることにオープンである" と述べることにより,足型を拡大したいという願望を表明している。ところが アメリカ最大手の通信会社は,世界通信セキュリティ連合 (GTSA) の創立メンバーではない。ましてや,SoftBank が 85% を握る Sprint さえメンバーではない。
     "SoftBank [の子] 会社として […] 当社は この連合を承知しており,将来 Sprint が加入する可能性を検討しております。" … と FierceWireless からの問い合わせに Sprint の広報担当者は言った。
     AT&T と Verizon の広報担当者は,この話題に関する質問に答えなかった。
     しかし サイバーセキュリティは,アメリカのトップ無線ネットワーク運営会社にとって 前線であり中心の問題である。たとえば 先週,Verizon は 第11回年次 データ漏洩調査報告書 (DBIR) で, 67 組織からのデータと 65ヵ国からの 2,216 件のデータ漏洩と 53,000 件を超える事例の分析を発表した。当然のことながら,この報告書は Verizon のサイバーセキュリティ事業の一環である。"今回の第11版 DBIR は,サイバー犯罪で実際に何が起きているかについて詳細な情報と分析を提供し,サイバー犯罪に対して組織が身を守るための最善の決定に資する。" … と Verizon Enterprise Solutions の George Fisher 総裁がリリースで言った。
     少なくとも1人のアナリストが,世界通信セキュリティ連合 (GTSA) の立ち上げに 決定的に後ろ向きの反応を示した。"GTSA について 私は 全面的楽観論者ではない。" … とセキュリティ助言スタートアップ会社 HardenStance のプリンシパル・アナリスト Patrick Donegan が LinkedIn への投稿で言う。"この種の連合の世界的な流れは,Fortune 500 社と共鳴する。だが そのような企業は サイバーセキュリティ・ソリューションに一定水準のリーダーシップと特注能力を必要とし,GTSA の4社はそのようなものを提供できるには遥かに遠い存在である。"
     Donegan は ただし,この連合は 中小企業に受けるかもしれないと言う;なぜなら 新しいマーケットの機会があるにも拘わらず 大手の IBM, SecureWorks, Trustwave, Verizon, BT などが 未だ手を伸ばしていないからだ。
     アメリカのキャリアにとって 特に重石となるかもしれない別の問題は,アメリカ全体が国際的セキュリティ脅威に敏感になっていることだ。実際 FCC は,国の安全保障に脅威と考えられる会社が共有する装置の資金手当てに連邦政府のカネが使われることを禁止する提案を本日可決したばかりである [日経報道 2018/04/18] ── これは,アメリカに対するサイバーセキュリティ脅威を巡る懸念の高まりに対する FCC の最新の行動である。したがって,情報を共有し 新技術を開発しようとする GTSA の連携は,現在のアメリカの気候には なじまないであろう。
    この記事 ・・・ タイトルを読んでどういう内容か 全く想像できなかった。
     クアルテットと言うから,Big4かと誰しも思うでしょ。そしたら ・・・ (笑)。
     でも 中身を読むと深刻である。
    (1) そもそも SoftBank が音頭を取って "世界通信セキュリティ連合" を始めるだなんて,2強も DoCoMo も KDDI も 開いた口が塞がらないだろう。
    (2) 以前にも こういうことがありました。
     親会社が何かぶち上げる。 ・・・ 子会社は 全く反応しない … というか ぶち上げられた内容はおろか "ぶち上げがあったという事実" さえ把握しておらず,でも 問い合わせに子会社の広報は困惑して "テキトーに" 答えるのである。
     これも 両社に 人材が不足している証拠だろう。東京本社から まともな人員を数人派遣して常駐すれば済む話なのであるが ・・・
     そういう貴重な人材 (ネットワークで孫社長の片腕と言われる) 宮川潤一専務を Claure は1年で 降格,結果として東京の専務に逆送された。こういうことがあるので,Masa と Marcelo は (表面上はともかく) 不仲であると当サイトは考えている。
     社長が "自分は Sprint の CNO (最高ネットワーク責任者) であり,毎日夜中に何時間も電話を掛けて,作業は捗っている" と言い始めたのは,宮川さんが解任された頃である。
    ──────
     この4社計画そのものは,単なる "ぶち上げ" だろうから,気にする必要はない。
     "単なるぶち上げ" の例は過去にもある。サウジ・アラビアと SoftBank が共同で ロボットの標準を作る … なんてお笑いの発表がありました。これを NHK が海外ニュースで取り上げた。New York Times も取り上げた ビッグニュースだが,あれから7ヵ月,続報は無い。

  19. Sprint and FlixLatino Join Forces to Provide Spanish-Language Entertainment to Customers
    Sprint と FlixLatino は,互いに協力してスペイン語エンタテインメントを顧客に提供する
    スプリント広報,2018/04/13
    Sprint の顧客は 45 日間,最高のスペイン語映画, 番組, ドキュメンタリを高解像度で楽しめる。
     本日より Sprint のお客様は,FlixLatino アプリの 独占 45 日間試用をお楽しみ頂けます。最近制作された 250 本以上の映画,TV 番組,ドキュメンタリが 同時に最大3つの機器で高解像度で提供されます。
     "当社顧客は常に気にかけており,今回の FlixLatino とのコラボは,Sprint がラテン系の人たちに最新のエンタテインメントを提供するのに熱心であることの1つのやり方に過ぎない。" … と Sprint の多文化マーケティング副総裁 Alberto Lorente が言った。"消費者は 自らのルーツに共鳴するコンテンツへのアクセスを望み かつ 必要とする。当社は 高品質の映画を絶えず提供し続ける。"
     スペイン語によるエンタテインメント・ストリーミング・サービス FlixLatino は,映画と番組を メキシコ, プエルトリコ, コロンビア, ベネズエラ, キューバ, スペインのような多くの国から受け入れる。同社のカタログは,あらゆるジャンルにわたる:アクション, ロマンス, ドラマ, コメディ, ミステリ, ホラー, サスペンス 等々。
     FlixLatino アプリは,iOS, Android, Roku, Chromecast, AppleTV の機器でダウンロードできる。
     試用期間終了後の 月極め契約料金は $2.99 であり,現在の Sprint の料金請求に合算される。
     Sprint に電話すれば,いつでも解約できる。2
    これは 良い広報。
     Sprint の実力から考えれば,スペイン語を話す顧客を増やすしか道は無い。
     2年前,T-Mobile を "ゲットー (~貧民窟, [差別語])" と呼ぶ Sprint の動画広告に Marcelo Claure が 自ら登場して顰蹙を買ったが,今では忘れられただろうか。
     [この記事 いま読んでも面白い (笑)。日本の諺では,"鵜の真似をする烏"。
      そういう人に社長さんが どういうわけか惚れ込んで 引っ張ってきた]
     当時 Legere は "何も言う必要はない" とツイッターに書いて,大人の対応をした。しかし ・・・
     John Legere も Timotheus Höttges も "貧民窟" と呼ばれた屈辱を 生涯 忘れるはずは無かろう。
     今回は,Masa と Marcelo が "貧民窟さん,私を買収して下さい" と3度目のお願い (笑)。
     そういうことが実現すると思って株価が上がるんだから 不思議なものである。
    ──────
     Sprint の英語が少々おかしいのは毎度のことであるが (そのため 日本語の翻訳もおかしくならざるを得ない;責任転嫁(笑))。
     そのほか,脚注2 がこの広報の中に見当たらない (もちろん,脚注1 は全く無い)。解約の電話のところに何が書いてあるかは誰しも気になる。
     まぁ この種の手違いも Sprint では 珍しくない。たとえば,プロモの終了日が 1ヵ月前になっているのもあった (ほんとは1ヵ月後なのか,来年の1ヵ月前なのか,前回のプロモをコピーしたのか?)。 親会社が全く気付いていないということは … Sprint 買収が ハナから本気でなかったことの明白な証拠である … と受け止められても反論できないだろう。
     気になる人は,親会社の広報室 小寺裕恵さんに苦情を言って下さい。さぞ喜ばれるでしょう。
     できれば,Sprint が出す広報を全て 東京本社の広報室が事前に閲読するのが望ましい (英語が正しいかどうかを含めて)。

  20. Sprint Upcoming Events
    Sprint のイベント予定 11 件
    スプリント広報,2018/04/11
    以下 11 件が E-メールのアラートで ドバっと 本日通知されてきた。
    (1) 2018/05/04:UBS Communications and Media IR Conference
    (2) 2018/05/15~17:46th Annual J.P. Morgan Global Technology, Media and Communications Conference
    (3) 2018/05/11:Citi Telecom, Cable, & Media IR Day
    (4) 2018/05/14~15:MoffettNathanson 5th Annual Media & Communications Summit
    (5) 2018/05/15~17:46th Annual J.P. Morgan Global Technology, Media and Communications Conference
    (6) 2018/05/21~23:Barclays High Yield Bond & Syndicated Loan Conference
    (7) 2018/05/30-31:Cowen and Company 46th Annual Technology, Media & Telecom Conference
    (8) 2018/06/05:Guggenheim Securities Media & Communications Day 2018
    (9) 2018/06/05~07:Baird’s 2018 Global Consumer, Technology, and Services Conference
    (10) 2018/06/21: Wells Fargo Securities 5G Forum
    (11) 2018/08/07: 2018 年度年次株主総会。
    もちろん 会社を宣伝するのは良いことである。だが,同じような話を繰り返すことになるだろう。
     こんなにドバっと通知が来たのは 初めてのことである。
     さては決算が良いのか悪いのか。
     会社として何か新しい経営方針を打ち出すのか。

  21. Sprint, Mobilitie to pay $11.6M fine for noncompliant small cell installations
    Sprint と Mobilitie は,許可されていない小型セル設置により罰金 $0.116 億を科される
    FierceWireless,2018/04/10 @11:36 am By Mike Dano
    FCC は本日,Sprint と Mobilitie が 小型セル建設のために本来の許可を取らなかったことに対し, 共同で罰金 $0.116 億を払うことに同意したと発表した。
    その内訳は,Sprint が $0.10 億で Mobilitie が $0.016 億であると Sprint が発表した。Mobilitie は,Sprint の小型セルベンダーである。
    Sprint は,このようなアトランタの小型セルを含めて,
    近年数多くの小型セルを配備してきた。 (Sprint 提供)
     FCC は この問題に関する命令で,Sprint が 2014 年に LTE ネットワークを改善し, 5G への道を舗装する取り組みの一環として,大掛かりな小型セル配備戦略に取り掛かった … と説明した。 FCC は,Sprint が全国に小型セルをビルドアウトするために Mobilitie と契約した … と言う。
     しかし,FCC は "Sprint が明らかに配備を促進するために,建設前の前提条件を確保することなしに一部の無線施設の建設を第三者ベンダー Mobilitie に許したとの報道に応じて,Sprint のビルドアウトについて調査を開始した。" … と言う。
     FCC は さらに, 1年前に Sprint および Mobilitie と この問題について協議を始めたと言う。
     "FCC の調査は,両者の合意が Mobilitie に (環境規則へのコンプライアンスを含めて) 全ての規制コンプライアンスの責任を取らせていることを 明らかにした。" … と FCC は言う。"我々の調査は 更に,一部の設置では すべての環境 および 歴史保存審査が 建設開始前に完了していなかった。"
     この和議の一環として,Sprint は "必要に応じて現在のコンプライアンス・ガイドラインを更新し,関係するすべての従業員を訓練し,環境規則に従わない事例を従業員がマネージメントに報告し,さらに 明らかな違反を FCC に自発的に報告することにより,環境 および 歴史財産審査コンプライアンス手続きを強化することに合意した。"
     Sprint の広報担当者は FierceWireless に,Sprint が現在 Mobilitie を含む沢山の小型セル・ベンダーと協業していることを認めた。"当社は,Sprint の小型セル配備を加速する目的のトライアルに対する FCC の調査に和議で合意した。" … と Sprint の Lisa Belot が書いた。"トライアル期間中,一部の小型セルは すべての審査が完了する前に建設された。しかし,Sprint とベンダーは,地元の当局から 必要な許可を取っており,環境 および 歴史景観審査の費用をすべて払っていた。当社はコンプライアンス義務を重大なものと受け止め,今後は 許可を取り 審査が完了した後に はじめて 施設を建築することを約束する。この目的に向けて,当社は 複合的な小型セル位置決めプロセスを明確化・合理化する FCC の最近の命令を高く評価する。"
     他方 Mobilitie は,FCC の規則に従って作業を行なうと言った。"Mobilitie は 従来も そして常に 規制のコンプライアンスに献身する。当社の FCC との合意は,当社の規制コンプライアンスへの変わらぬコミットメントを実証する。当社は,次世代ネットワークをアメリカにもたらす中,FCC, 地方自治体 および その他の利害関係者との強い関係を続けることに期待する。 … と Mobilitie の声明は言う。
     本日の このニュースは,FCC が先月 投票により まさに Sprint と Mobilitie が迂回しようとした規則そのものを緩めることを投票により決したことを考えれば,注目に値する展開である。党議拘束の掛かった 3-2 の投票により,FCC は 小型セルの取り扱いをマクロ・セルと同じではないと明確化することを決めた。
     将来の無線ネットワーク配備の 最大 80% が ── 5G であれ,稠密化 4G であれ ── 小型セルであるという FCC の予想を考えれば,小型セル問題は 一般に 無線キャリアにとって死命を握る重要な問題である。
    買収交渉どころじゃありませんね (笑)
     Sprint は,カネが無いためか,日本の社長さんに安上がりにせよと厳命されているためか,鉄塔会社として大手3社ではなく, 2流の Mobilitie を使う。このため手違いが頻出する (特に WSJ に叩かれている)。ほとんど 笑いものになっている。
     これで 買い手がつくと思うのは甘い。
     スプリントは,
     (1) なるべく安上がりの契約をしたい。
     (2) ベンダー・ファイナンス (銀行融資でなくベンダーから融資を受ける) に頼っている。金利・返済条件の良いベンダーと契約したい。
     (3) このため Mobilitie のような2流のベンダーを使う。
     (4) おまけに,Sprint の職員が Mobilitie の仕事を監視しない。
    これに対し,さすが業界トップの Verizon は,
     Lowell McAdam CEO は,同社が カリフォルニア州サクラメント および 3~5都市で 固定無線 5G サービスを立ち上げる前に,無線ネットワークの稠密化作業を行なっており,"一部の市長とは 当社が何を提供しようとしているかを個人的に話し (he is personally out meeting),レセプションは 極めてポジティブであった" … と述べた。(FierceWireless, 2018/03/06)
     何と社長さんが 地元の市長のところまで出かけて行く。これじゃあ ベンダーも手を抜けない。
     孫さん Sprint を本気で買収したんだったら,たまには 自家用ジェット機に飛び乗って,アメリカのマーケットの現場に出かけ,"このほど Sprint が小型セルの配備をしますので,よろしく" … と挨拶するつもりなんて … 丸っきり無いでしょね。

  22. SoftBank seeks to sell cellphone distributor Brightstar - sources
    SoftBank が Brightstar の売却を目論む ── 情報筋
    Reuters,2018/04/07
    By Liana B. Baker & Greg Roumeliotis
    事情に詳しい複数の人によれば,SoftBank Group Corp は低成長資産の処分を図る中,携帯電話の再販業者 Brightstar をできれば $10 億以上の値段で売却しようとしている。
     SoftBank の Masayoshi Son CEO は,昨年12月末時点で 15.8 兆円 ($1,470 億) に達した債務を即金で返済する (pay down) ために,会社のポートフォリオをレビューしてきた。SoftBank は 今年,日本のモバイル電話部門を上場し,その手取り金をバランスシートの強化と成長の押し上げに使う計画であると言った。
     SoftBank は,投資銀行 JPMorgan Chase & Co を雇い,Brightstar に対する選択肢の検討を助けてもらっている … と情報筋が今週言った。これらの選択肢は,Brightstar の丸ごと売却,かなりの株式の放出,その一部の売却を含む … と情報筋の1人が言う。
     Brightstar は年間売り上げが $100 億を超えるが,コストの高い 低マージンの事業を行なっており,今年の [3月決算?] EBITDA は 僅かに $1.50 億に過ぎない … と別の情報筋が言う。
     Brightstar は アメリカやアジアの PEF, テック配給会社 あるいは 供給チェーン物流会社から引きがあるかもしれない … と同じ情報筋は続けた。
     情報筋は,この件が極秘なので匿名を望んだ。Brightstar は,コメントの要請に応じなかった。JPMorgan と SoftBank は,コメントを拒んだ。
     Brightstar は,SoftBank の一部のアフィリエイト企業に端末を独占供給する。電話の買い取りと保険の事業もやっている。もともとは,Sprint の現在の CEO Marcelo Claure 設立した。
     Claure は,1997 年に Brightstar をマイアミで 携帯電話の販売会社として設立した。ウェブサイトによれば,それが今では6大陸 70ヵ国に拡大した。
     SoftBank は, 2013 年に Brightstar を $22 億の評価で その 57% を取得し,後に買い増した。
     SoftBank は過去12ヵ月,Vision Fund で調達した $930 億のカネの配り方に 関心を移した。
    これだけでも (↓) 3,000 億円に迫る大サービス!
    ──────
      『ソフトバンクは 第4四半期に 営業利益,純利益ともに減益』 (Wall Street Journal,2016/05/10) ← このとき Brightstar で 1,530 億の減損処理を実施した。
      ソフトバンク決算短信 (2018/02/07): 「流通事業のセグメント損失には,ブライトスターに係る 減損損失 504.97 億円が含まれています。」
      『スプリントが 2年契約の無線サービスを復活』(FierceWireless, 2016/02/26)
     この時点で 当サイトは「本当に危ないのは Sprint よりも Brightstar かもしれない」と指摘した。2年前のことである。
     2015/11/26, ソフトバンクは,無担保社債「福岡ソフトバンクホークス・ボンド」で 3,700 億円 (利率 2.1%) を調達し,ほぼ同時期に (松田, 柳田のボーナスの原資なら ・・・ と協力した投資家を見事に (?) 裏切って) Brightstar の社債6億ドル (~739億円) を期限前償還した (金利は,7.25%, 9.5% の2種類)。
     このほか 固定資産の 減損損失 136.33 億円 というのもある。こちらは 回収可能価格がマイナスになった … と書かれている。意味不明であるが 相当ひどい状態であることだけは理解できる。
     何が何でも助けたかったんだろうね! Brightstar ではないよ! Sprint を!
     Sprint を直接に助けようとすると,例の 85% にすぐに引っ掛かる。だから間接的な方法しか使えなかった。その頃は,まだ 見込みがあると思っていたのだろう。
     ── な~んかおかしいね。金の卵で1兆, 2兆とカネを数える SoftBank にとって,多寡が $10 億 (~0.1 兆円) なんて端金 (はしたがね)! その程度のカネを "低成長資産" だからってんで "処分する"。江戸っ子なら風上にもおけないね。どーして そんなミミッチーことする必要があるんだろ?
     そうか!(笑) 分かったぞ。
     ── 何が分かったの?
     Brightstar ってのは,もともとは Marcelo Claure の会社だった。Marcelo を Sprint CEO に引っこ抜くにあたり,SoftBank がここを買い取ってやった。だから今では SoftBank の完全子会社だ。
     ── それで?
     その目的は,Sprint から出る大量の中古電話を 高値で (?) 引き取り,外国に売り捌くことだった。あるいは,同じ理屈で 新品の電話を破格の安値で納入してきたのかもしれない。
     ところが この経営は当然のことながら (下の理由で) うまく行くはずがない。既に3回 SoftBank が巨額の減損処理をした。社債の期限前償還の立て替え払いまでした。
     Brightstar の実質的な役目は,当サイトが睨むところでは,Sprint の赤字を SoftBank が影ながら補填することなんだ。もしも Brightstar を売却すれば SoftBank の負担は減るけれど,その分 Sprint の赤字はふえる (来年度の決算から)。これまで通り Brightstar が中古電話を高く買ってはくれないだろうし,新品を安く納入してはくれないだろうから。
     ── それで,何が分かったの?
     いま,SoftBank は Sprint の株を 85% 寸前まで買い支えて "寸止め" の状態だ。1月17日を最後に,それまで連日買い支えていたのが 84.96% でピタッと止まっている (85% を超えると,買収時の約束により発行済み全株式の tender offer が義務付けられている)。これが不思議だった。その理由が漸く分かったような気がする。
     Sprint を上場廃止するのと,Brightstar を売却するのとどちらを先にする方が SoftBank にとって具合が良いか?
     SoftBank にとっては 連結決算だからどうでも同じことだけど,Brightstar が消えて Sprint の赤字が増えるのは (実質的に 赤字負担を打ち切るのは) 体裁が悪いでしょう。かと言って,Sprint を上場廃止にすれば (悪化した決算は 公表されないから) Brightstar を "Sprint の赤字引き受け役" として生き残らせておく意味が消失する。 ・・・ と考えると 両社の "同時抹殺" を狙っているんじゃないの?
     だから,Sprint 株の買い支えが "寸止め" 状態になっている。当然,1月半ばから Brightstar の売却交渉は始まった。でも まだ決まらない。
     連結決算で考えれば 株主にとって損得無し,還暦社長の外面 (そとづら) を良くするため。$10 億ぽっちの現金が手許に入ることに大きな意味は無い。
     もちろん,ほんとのほんとは Sprint を売却することなんだけど,買い手はいない。T-Mobile も その気は無かったか,キビシ~イ条件をつけた。だからカッコつけて「アメリカ戦略に欠かせない」とか 言ってこちらからちゃぶ台返ししたんだけど,内心 処分できなくて困っている。もう,上場廃止して 恥ずかしいのを少しでも隠すしかない ・・・
     上場廃止では,ARM で味をしめたんじゃないかな (笑)
     ── えっ? どういうことですか?
     ARM は SoftBank が買収してから3四半期連続で赤字になった。それまで赤字になったのは 20 年間にたったの1四半期だけ (Bloomberg)。赤字転落の理由を SoftBank は「技術者を増員した」ためと書いている。しかし,これまでにも ARM は技術者を増員してきたからこそ ここまでになれた (Bloomberg)。
     これがもしも ロンドンで花形テック株として上場を続けていたらどうなったと思いますか? 英米のメディアに騒がれたでしょう。でも 幸いに (?) 上場廃止して決算を発表していないので,ぜ~んぜん騒がれていない。BBC も Wall Street Journal もこれには触れない。決算発表してないからね。あとはお判りでしょう(笑)。小心者の考えそうなことです (尻は見えてるのに 頭だけを隠そうとする)。売却も合併もままならない。だったら ・・・ 。
    ──────
     問題は $10 億で売れるかどうか?
     中古電話の価格は 昨年から下がり始めている。儲かる商売ではない [売り上げ $100 億で EBITDA $1.50 億だから,純利益はかなりの赤字だろう]。もともと SoftBank が Brightstar を引き取ったのも,純粋に儲けるためではなく その反対に Sprint から高値で中古電話を買い取って,"なるべく損する" ためだった。"福岡ソフトバンクホークス応援ボンド" を発行までして Brightstar の高利回りの社債を期限前償還してやった ── こうして,Sprint を蔭から応援することが目的だったのですから。
     どうなりますか。
    ──────
     これまで Brightstar に投入したのは 明らかに $10 億を超えているし,過去の減損処理を加えれば $40 億でしょうか。それを $10 億で売れれば 3,000 億円程度の損失だったということになる。
     けれど実際には, 多くの株主は 過去の減損処理に気づかないから, 僅かな損失なら まぁいっか (笑)
    ──────
     もちろん,本当の問題は別のところにあります。
     Sprint に対する影ながらの支援を打ち切ってまで,なぜ $10 億ぽっちのカネに拘るのか?
     なぜ アリババの株を担保に $80 億のマージン・ローンをしたがるのか? これは短期資金 (よいしょ新聞は Uber 投資のためと書いているがおかしい)。
     子会社を上場して2兆円を何のために使いたいのか?
     いまさら カナダのリチウム鉱山 $0.78 億はピンボケ投資であることは明らかだし (先方には 大歓迎されているらしい),リチウムの大幅値下がりが見込まれるから,またまた 損な投資を重ねる結果になりそう。もともとコモディティに投資なんてね。アップルのマネをしようとしたんだろうが … 。
     要するに,この頃は何をしたいのか ピンボケになっている。
     自分でもわけが分からなくなっているのだろう(笑)。
      これ全部を「群戦略」とか「No. 1 企業の同志的結合」と言いくるめることは不可能だ。
     還暦さんが1年間に何十件もやれば,おかしくなって 当然か?
     普通の人だって頭がおかしくなるよね。
    ──────
     Fortress の資産 $380 億を意のままに操れると目論んでいたのが CFIUS に禁止されたからか?
     Swiss Re の運用資産 $2,240 億を意のままに操れると目論んでいたのが,持ち株 10% に制限されて,事実上拒否されたからか? (保険会社の貴重な運用資産をどうこうできると考えるのが,そもそも甘い。大災害の時に,何兆円もの保険金を SoftBank が払ってやれるなら別である (笑))
     だから カネ欲しい,カネ欲しい。
     WSJ は「そのカネをどう使うかが問題である」と指摘する。現在のドンキホーテのような "投資" はダメということである。

  23. Sprint’s network architecture director, McClendon, departs company
    Sprint のネットワーク・アーキテクチャ・ディレクタ McClendon が退社する
    FierceWireless,2018/03/22 @11:25 am ET
    By Mike Dano
    Sprint は,技術革新, アーキテクチャ, 戦略, 計画 および 開発担当のディレクタ Ginger McClendon がもはや 同社にいないことを FierceWireless に認めた。彼女の仕事は,Ron Marquardt のチームの他のメンバーが処理する;Marquardt は,Sprint の技術担当副総裁として留まる。
    Sprint's Ginger McClendon has left the company.
    (Sprint 提供)
    Sprint の計画に詳しい情報筋によれば,McClendon の退社は Sprint が現在行なっている 500 人レイオフ (ただし 他の分野では 採用を行なっている) の一部ではない。しかし,McClendon が自発的に退社したのか 整理されたのかは不明である。
     McClendon の業務は,Sprint の長期的な中核とサービス技術とアーキテクチャを指揮することだった。具体的には,彼女は Sprint の革新と生態系の技術ロードマップ (5G ネットワークのロールアウト計画を含む) を導いた。Sprint は 2.5 GHz 電波を用いて全国に 2019 年前半にモバイル 5G サービスを立ち上げると公約している。
     McClendon は Sprint に勤務経験の長いベテランであり,アーキテクチャ部門 ならびに バックホール,輸送部門でも ポストを得ていた。Clearwire と Nextel では マネージメントの経験もある。いくつもの公開イベントで 彼女は Sprint のプレゼンテーションを行なった。
     McClendon の退社は,Sprint の注目すべきレイオフ・ラウンドの中で起こった。Kansas City Business Journal が伝えたように,Sprint は カンザス州オーバーランド・パークの本社から 500 名を整理した。同社は 整理したポストの名前を明かさないが,このレイオフは数週間後に完了し,その結果 Sprint のリーダーシップ・チームは縮小される。ただし,Sprint のフロントラインの従業員 (店舗とカスタマー・ケア要員) は影響を受けないと同社は言う。
     これらのレイオフは,Sprint が続けている 全体的な経費削減努力の一環であり,Marcelo Claure が Sprint のマネージメントに対して昨年11月に 行なった広範な組織変更に呼応するものである。これには,彼の直属の部下の数を減らし,オフィスの設計をやり直し,一部の幹部に身を引かせることが含まれる。
    最初に この写真を見てビックリしたんだけど (笑),その次に,ジンジャー・マクレンドンさんという女性が担当していた業務の多さにビックリした。
      技術革新, アーキテクチャ, 戦略, 計画 および 開発担当のディレクタ Ginger McClendon
     これ まともじゃないよ。
     1人の女性にこれだけの業務を負わせたら,過労死しないのが不思議である。
     だから 逃げたのかもしれないが,この会社の組織は もう 滅茶苦茶だ。
      これらの業務を何1つやっていないのと同じである。
     こんなことでは,破綻は近い。(その前に 上場廃止が 指呼の間だ)
     相変わらず,広報は就任を宣伝するが,離任は 発表せず 知らん顔。
      あと,外見でモノを言うのはいけないかもしれないが,この人が上司でうまくいくんだろか?

  24. Sprint Views Call Center as Lab for Human-AI Collaboration
    Sprint はコールセンターを,人間と AI が共同作業するラボと見ている。
    Wall Street Journal,2018/03/21 @03:24 pm ET
    By Sara Castellanos
    "当社の注目点は,あらゆる側面で進化する 真のディジタル企業になることである。" … と CIO Scott Rice が言う。
     Sprint Corp のテック幹部らは,人工知能が人間の作業員と並んでどのように作業するかの例として,(コールセンターの業務員が顧客の問い合わせに応えるのを助ける) AI 利用のソフトウェアを開発する作業を行なっていると言う。
     この取り組みは,Sprint が現在行なっている ディジタル変換プロジェクトの一環であり,Adobe Systems Inc との提携による。ビッグデータとその解析から価値を引き出すことを主眼とする。
     "当社の注目点は,あらゆる側面で進化する 真のディジタル企業になることである。" … と Sprint の CIO (最高情報責任者) Scott Rice が言い,同社は 過去5年間にデータ利用を大幅に拡大した … と続けた。
    Sprint CIO Scott Rice
    (Sprint 提供)
    "AI は,当社の全インフラにわたる中核となった。当社は マインドセット [染みついている考え方] を真に変えつつある。" … と彼は言う。
     Rice は,顧客からの電話の大量データを利用して いわゆる "相互作用アシスタント" を開発することを計画中であると言う。それは,電話中の従業員に対して次のステップを示唆できるソフトウェア・プログラムを指す。このソフトウェアは (コンピュータが最小のプログラミングで 膨大なデータから学習できる人口知能の一分野である) 機械学習により強化される予定である。
     たとえば,もしも コールセンターの職員が 何か特定の話題について顧客と話している最中に,会社は 機械学習を利用して 音声をテキストに変換,それを分析,フィルターを掛けた結果をリアルタイムで返し,顧客対応を助ける … と Sprint の CDO (最高ディジタル責任者) Rob Roy が言う。Roy は,ディジタル転換イニシアティブで Rice と並んで仕事をしている。
    Sprint CDO Bob Roy
    (Sprint 提供)
     この種の人口知能システムを利用するコールセンター要員は,データベースを検索したり マネージャに助けを求めるのに使う時間を短縮できるので,電話で顧客対応に使う時間を減らすことになる … と Roy は言う
     人口知能は,コールセンター要員を教育するのにも役に立つ … と彼は言う。
     "仕事始めの2日目だったとしよう。そこへ3件や4件の 異なる問い合わせが重なると,参ってしまうかもしれない。長電話のこともあるだろう。" … と Roy は言う。"AI は助けになる。次に何をするのがよいかを その要員の目の前に示す。"
     AI ソフトウェアは,来年末までに すべてのコールセンターに配備できるだろう … と幹部らは言う。
     Sprint のテック幹部らは,データを利用して ディジタル・マーケティング広告を特定の顧客向けにカスタマイズしていると言う。匿名化された IP アドレス・データを照合する Adobe のサービスを利用して,Sprint は 2つの機器が ── たとえば モバイル電話と PC が ── 現在の/将来の顧客につながっているかどうかを知ることができる。
     こうして,もしも 誰かがモバイル電話上の特定の製品をブラウズしているとき,その人のデスクトップに同じ製品に関するメッセージをポップアップできる。
     "メッセージングで 個別対応すればするほど,チャーンを減らすのに役立ち,顧客満足度を改善できる。" … と Rice は言う。" ・・・ 現在のように無線と通信の競争が激しい環境では,サービス, 通信, 顧客基盤との相互作用 … のレベルを上げることが必要だ。"
     "約6ヵ月間,Sprint は いわゆる 機器間相互認証を利用して ディジタル広告の狙いに役立ててきた。Sprint のテック幹部らは,事業にどれだけの影響を与えたかについて 詳細の開示を拒んだ。
     "良い決定を生むためには どう考えてデータを利用するかという点で,これは極めて有効であった。" … と Roy は言う。
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      何か知らんが,とにも かくにも 天下の Wall Street Journal に Sprint 単独の記事を書いてもらえるのは,久しぶりのことである。まずは めでたい。

  25. Report: Softbank's moves on Charter could signal new Sprint merger effort
    報道:Softbank の Charter への動きは,Sprint の新しい合併の取り組みへの合図かもしれない
      Kansas City Business Journal,2018/03/13 @03:00 pm
      By Elise Reuter
    SoftBank CEO 兼 Sprint 議長 Masayoshi Son は,報道によれば Charter Communications の株を 5% 弱 購入した。
    Sprint の筆頭株主は,Charter Communications を買収する取り組みを再点火中らしい。
     匿名の情報源に基づく The Times の記事は,SoftBank が秘かに Charter 株 5% 弱を買ったと明言する;5% 以上ならば SEC へ申告する義務が発生する。
     その記事によれば,今回の買い付けは Sprint と Charter の間の $1,000 億合併の地均しであると言う。Charter の時価総額は $856.8 億である。
     この報道は,合併の憶測の波をまたもや引き起こした;なぜなら 昨年7月にも SoftBank は Charter と取り引きを結ぼうとしたからだ。ただし,その時は バイアウトを Charter 経営陣から撥ねつけられたと報道されている。
     昨年 11 月に T-Mobile との合併協議が取りやめになると,Sprint の Marcelo Claure CEO は,SoftBank が "可能ならば ケーブル企業1社を買収することに関心がある" … と述べた。正式なオファーをしていないが,Charter 経営陣が "独立でやっていけると感じている" ので,交渉はうまく行かなかった … と言った。
     The Times によれば,Charter の Thomas Rutledge CEO と経営陣は 取り引きに反対したが,Charter の最大の利害関係者 Liberty Media とその取締役 John Malone は歓迎していると書かれている。他方 Sprint の経営チームは,ケーブルと無線の提携こそが通信の将来であると言ってきた。昨年11月,Sprint は Altice USA と提携を結び,両社が互いのネットワークにアクセスでき,Sprint のビルドアウトを加速できるようにした。
     "当社は,これを 大々的に公言した。当社は,最終的に 通信とケーブルの間の提携の必要が発生するものと信じる。" … と Claure は当時言った。"当社は,このコンセプトをテストしたい。"
    Marcelo Claure のアホぶりが 際立つ … のはやむを得ないか?

  26. Rumor Mill: SoftBank Still Eyeing Charter
    ウワサの出処:Sprint がいまだに Charter に目をつけている
      Light Reading,2018/03/12
      By Mari Selbey (ニュース分析担当,シニア・エディタ)
    メディアの合併話は まるで中学校みたい:あの人がこういった,この人があぁ言ったのゴシップに振られっぱなし,でもみんな無視できない。
     今日 広まったウワサの場合は,Sprint Corp の持ち主 SoftBank Corp が新たに Charter Communications の株を 時価総額の 5% 弱 買った … とロンドンの新聞 The Times が伝えた。The Times によれば,この動きは Sprint と Charter を合併させる新たな試みの序曲である。もともと この取り引きは長い間議論されてきたが,ともかく最終決定に全く至っていない。
     ところが これにはどんでん返し (kicker) があるのです:The Times の記事は,Betaville というサイトの孫引きらしい。このサイトは,金融記者で Daily Telegraph の元エディターだった Ben Harrington が運営している。ところが,Betaville の記事は 予約購読制を取っており,さらに重要なことに,この記事には Harrington が "RARE [稀な, とんでもない]" というアラートをつけて分類していた。Harrington は RARE に分類して投稿する基準を "あらゆる正式の報道チャネルを通してテストされていない市場のゴシップに基づく記事" としている。 そして,RARE とラベル付けしたウワサは "全くのナンセンスかもしれないが,伝える意味が何かあるかもしれないので,Betaville に掲載する価値があると考える。" … と書いている。
     言い換えると,SoftBank / Charter 記事は 本当のこともあり得るが,確実と言うには ほど遠い。
       < 以下は,この合併の可能性が如何に低いかを著者が説明する >
     ケーブル企業と無線キャリアの合併を記事にすることには 高水準の正当性が認められるが,具体的な話になると,詳細は微妙になる。例えば,Charter は 既に MVNO 契約を Verizon と締結しており,無線業界での同社の将来に関する非常に積極的な戦略プランを用意している。今のところ,その計画は Sprint 資産の統合を含んでおらず,むしろ 消費者家庭での無線接続提供から 現在 および 新しい携帯技術で WiFi 資産との融合へと徐々に拡大する計画である (笑わないでほしいが,Charter は "6G" 無線をテストしている)。
     過去において Charter の Tom Rutledge CEO は,Sprint との提携を歓迎しないと伝えられた。もしも Rutledge が取り引きに反対ならば,Charter/Sprint の合併を成し遂げるには,沢山の揉み手が必要だろう。
    The Times の記事が読めなくなっているのは,誤報として削除したからなのだろう。
     しかし,The Times の記事がこんなに いい加減 (確認を取らない) とは驚いた。

  27. SoftBank back on the Charter hunt? Reportedly buys 5% of cable operator's stock
    SoftBank が Charter 狩りを支援する? 報道によれば,ケーブル会社の株式を 5% 買う
    FierceCable,2018/03/12 @12:10 pm
    By Daniel Frankel
    日本の SoftBank が,アメリカのモバイル営業会社 Sprint Communications による Charter Communications の $1,000 億買収の地均しをした … と 週末に The Times が報道した。
     The Times によれば,大富豪 Masayoshi Son が率いる SoftBank が Charter の株式をこの数週間 5% 秘かに買い付けた。
     Charter も Sprint もこの報道にコメントしない。
      < 以下は,過去の経過である (省略) >
     The Times の URL は下記であるが,別の記事 (ブロードコム-クアルコム) が現れる。なお,このニュースを受けて,Charter の株価は +3.35% 上がったが,Yahoo Finance にもニュースは出ておらず,Seeking Alpha が伝えただけである。
     SoftBank の株価は −0.84% だった。
    https://www.thetimes.co.uk/article/intel-mulls-100bn-bid-for-rival-dlwm0n9g7
    ──────
     誰もが不思議に思うのは,10 兆円なんて,しかも なぜ突然 ロンドンの Times
     10 兆円の 5% = 5,000 億円。
     SoftBank は アメリカでは "国家安全保障の懸念" によりご禁制の中国華為の機器を堂々と使って 5G ネットワークを配備する。
     他方 ブロードコムはクアルコムの買収を "国家安全保障" の懸念により却下された。
     Charter は これまでハッキリ断っているし,こんな "コブ" つきは嫌だろう。
     トランプ大統領も判断の基準が一貫していない。
     可能性として考えられるのは,"前回に味を占めた" Buffett など大金持ちグループによる Charter 株の値幅取り狙いか?前回はとてもうまく行った。かなりの利益が出たはずである。一方,Charter と Sprint の合併の可能性なんてカケラも無かったし,今の方が可能性は下がったと思う。
    ──────
     今日はニュースが多い。特に,New York Times の長文記事は,SVF + Fortress をさんざんにこき下ろしている (Masa よりは,Rajeev Misra が標的である)。主題は "SoftBank Financial Services" と呼ばれる投資会社の設立である。ウェブで探せば 見つかるでしょう。

  28. Sprint Corporation Announces Private Placement Offering of Wireless Spectrum-Backed Notes
    Sprint Corporation は,無線電波を担保にする私募債の発行を発表する
    Sprint 広報,2018/03/12
    Sprint Corporation は 本日,特別目的の完全子会社 (以下 "発行体") が 無線電波を担保にする最大 $39.375 億の社債の発行を2回のトランシェで開始したことを発表した。これらは,1933 年証券法による登録義務を免除される私募債である。今回の発行は,2016 年10月に確立された $70 億社債プログラムの一環である。
    こういう文書を 正確に翻訳できるのは,専門家に限られれる。
     本文は さらに手こずるので 数字を含む部分を抜き出すと ・・・
     "発行体" が所有する電波は 2.5 GHz, 1.9 GHz の一部であり,Sprint が持つ全電波の 14% に当たる。担保として差し出した電波は,Sprint Communication に 長期リース契約によりリースバックされる。電波ポートフォリオは,2016 年 10 月に発行体が社債を発行した際に担保を差し出した時の オリジナルのポートフォリオと実質的に同一である。
     アメリカ国内では販売されず,外国の特定の機関投資家だけが買えるらしい。
     発行条件はこれから決めるので,発行できる保証は無い。
     ムーディーズとフィッチからは投資適格級の格づけが得られることを期待。
     [ムーディーズからは,この "電波免許証券化プログラム" に対して (P) Baa2 (sf) という格づけが付与された]。"P" は "Provisional (予備格づけ),発行条件が決まっていないからか?
     Sprint の現在の CFR は B2, 安定的 である。
    格づけ記号の意味については,ムーディーズが日本語で説明している (PDF)。
     Baa はギリギリの投資適格級,Ba, B, C がジャンク級である (SoftBank は Ba1)。
    しかし,電波を担保にカネを借りるというのは,どう考えても釈然としない ・・・ (笑)。
     そうまでしないと (無担保では) もう借りられないのだろう。
     大工が大工道具を担保にカネを借りる;武士が大小を担保にカネを借りる ・・・
     でも それじゃぁ商売できないから 大工道具や刀をリースバックして,リース料まで払う。
    [2018/03/14] 発行条件が決まったとの発表があった。
     (1) $21 億,利率 4.738%, 2025/03/20 返済 (5.1 年)
     (2) $18 億,利率 5.125%, 2028/03/20 返済 (7.6 年)
    ──────
     さすが,2018/02/20 の $15 億無担保優先債 (7.625%) より利率が低い。電波を担保につけたから当然だろう。だが,リース料を加えるとどうなのか?
    [2018/03/16] 米スプリントに恵みの減税、起死回生へ 5G 大型投資
    IT Globe 小池良次(IT ジャーナリスト)
    日本経済新聞 電子版,2018/3/15 6:30
     71億ドルの税効果を 5G の設備投資に回すのだそうである。
     でも 上記の 電波を担保にした $39 億 社債発行,2月の $15 億無担保債の発行には触れていない。
     $71 億もの余裕が現実にあるのなら,合計 $54 億の社債発行は何のため?
      一番の疑問は, 1ヵ月以上前に分かっていることばかりこのように書き立てるのは何のため?(笑)
      必死さだけは 確実に伝わってくる。
     T-Mobile は,税効果が本物だから,$15 億の自社株買い。Verizon は債務返済と従業員への株式報酬。Sprint は,本物の税効果 (税金が浮くこと) ではないから,何もできない。設備投資に回せるようなお金だと書くのは詐欺に近い。71億ドル税金が安くなる可能性があることは確かだろうから,350 億ドルくらいの純利益を挙げて,税金を 70 億ドル 立派に払える身分になれば,この税効果をフルに活かせる (確か その期限は5年だったと思う)。
     いくら減税になっても,税金を払っていない貧乏人に,減税の恩恵は無い。
    ──────
     何度も書いていますが,Sprint にとって最も必要なのは「人材」である。
     SoftBank に買収されて以来,櫛の歯が抜けるように 流出が止まらない。外国からリクルートするようになったが,そういう人たちも出て行き始めた (Tarek Robbiati, Günther Otterndorfer)。
     人材無くして ネットワークの増強を図っても,計画通りに進まない。(WSJ によれば 孫社長の節約作戦のため) 安上がりのおかしな会社に発注して,結局は高くつき「あんなところに発注しているようではダメ (WSJ)」と言われている。
     5G をやる … と "見栄を張る" 必要があることは理解するが,現実問題としてどんなユースケースがあるのか まだはっきりしない段階で,2強が 金利のつかないカネで 5G に投資するのはよいとして,Sprint のように借金頼みで 5G に投資するのは 赤字を増やすことにならないか? T-Mobile は,この点で現実的なように思える。
     通信会社がどんなに 5G で頑張ったところで,所詮は SoftBank も Sprint も "土管業" である。それと組み合わせて何で利益を稼ぐのか? そこの「稼ぎ頭」がハッキリしていなければ,意味が無い。車の自動運転とか 遠隔外科手術など 本格的に普及して それにより通信会社が利益を手にするのは いつのことか?

  29. Breaking: Sprint will cut 500 from OP headquarters
    速報:Sprint が,オーバーランド・パークの本社から 500 人を人員整理する
      Kansas City Business Journal,2018/03/09 @02:50 pm CST
      By Elise Reuter
    Sprint Corp は,数週間後にオーバーランド・パークの本社で 500 人の人員整理を行う。この人員削減は, 内部コストを削減し,ネットワーク および 販売にカネを割くという 広範なリストラの取り組みの一環である。
     Dave Tovar 上席副総裁が 金曜日, この解雇は3~4週間後に完了すると Kansas City Business Journal に語った。会社は既に従業員に通知を始めおり,"チームのリーダーらは,最適な前向きの組織構造を考える中",来週も通知を続けるとのことである。
     "我々は 冗長な職務がいくつかあることを認識し,会社の複数の業務を小さなチームの下にどうすれば結合できるかを検討した。" … と Tovar は言った。"現在 我々は チームを1つづつ調べる作業を行なっており,どうすれば 効率的に作業できるかを調べている。"
     この分野で 民間セクター No. 6 の雇用主である Sprint は,地元従業員の約 1/12 をカットする。当紙 KCBJ の民間セクター雇用者名簿によれば,この無線会社は 昨年6月時点で,カンザスシティ地域で 6,000 名を雇用していた。
     Tovar は,どんな職種がカットされるかを特定しなかったが,小売りやカスタマー・ケアのようなフロント・ラインの従業員は影響を受けないだろうと言った。Tovar によると,Sprint は 販売, ネットワーク, ディジタル体験とカスタマー体験で雇用を追加すると言う。ただし,カンザスシティの都市部で何人増やすかは言わなかった。
     "雇用を減らすのは,簡単なことではない。簡単に決められない難しい決定がある。" … と彼は言う。"これは,現在進行中の作業である。我々は,仕事を効果的に効率よくやる方法を常に探している。"
     Sprint のリストラ過程は,3人の幹部 (Günther Ottendorfer; Jim Hyde; Jeff Nelson) が退社した昨年 11 月に始まった。経営陣の再編は,Claure に直属する部下を 16 人から9人に減らした。
     今年2月,会社は 副総裁と上席副総裁の数を減らした。Wave7 Research のレポートによれば,地域販売総裁の数を 16 から8に減らした。
     "Marcelo Claure CEO はトップ経営陣の改造を始めた。私は会社全体を改造して 敏捷に営業できるようにしたい。" … と Michel Combes CFO は水曜日の会議で言った。"私は,それを ネットワークに,小売りに,ディジタルに再投資したい。"
    地元 カンザスシティの雇用
    スプリント全体の雇用
    SOURCE: Securities and Exchange Commission, KCBJ research
      この表を見ると,ここ数年 30,000 人で一定だったのを 2017 年に数千人減らした。
     本社地区では 6,000 人だったのを 今回 500 人削る。
     ウェブで検索すると,製造業務を行なっていない会社では,結果として人件費は全額「販売費 および 一般管理費」となります。 … ということなので,Sprint の人件費は,販管費に分類されるだろう。
     その販管費は (一般に報道されているのとは異なり) 削減されておらず,概ね年間 $80 億で推移している。
     人員 28,000 人でこれだけの経費が掛かっているから 500 人減らすと,単純計算で 最大 $80 億 × 500 / 28,000 = $1.4 億の効果が見込める。
     一方,社長がご自慢の「稼ぎ頭」の年間営業利益が $30 億程度であるから,浮くのは,極く僅かな額である。
     CapEx は,これも孫社長の方針によりネットワークを良くしないように (?) $20 億程度に抑えていたのを3倍増の $60 億に引き上げるのだが,その足しには全くならない。
     すなわち, 「私は,それを ネットワークに,小売りに,ディジタルに再投資したい。」 という Combes CFO の発言は,絵に描いた餅である。
     というわけで,結論として この 500 人削減は何のためか? CapEx のためなら その 10 倍の額は必要だろうが,そこまで 人員削減すると,今度は会社が持たない。
     ちなみに,T-Mobile と契約数,従業員数を比較すると,下のようになる (↓)。
     現在でも 従業員数は T-Mobile より少ない。
     効果があまり期待できない人員整理をやることの意味は不明であるが,少なくとも,社長の言う「稼ぎ頭」はウソであろう。稼ぎ頭が こんな せこい人員整理をやるとは思えない。
    契約者数従業員数従業員1人当たりの契約数
    T-Mobile 72,585,000 45,0001,613
    Sprint 53,619,00028,0001,915
    Sprint 53,619,00027,5001,950
    この表のような状況を "ずぶずぶ" で経費削減はまだまだできると孫社長は主張する。

  30. Sprint confirms tests of new unlimited pricing in 6 markets
    Sprint が, 6マーケットで 新しい無制限料金をテストしていることを認める
    FierceWireless,2018/03/09 @11:06 am ET
    By Mike Dano
    Sprint は,全国の異なる6つのマーケットで 新しい無制限データ料金プランを試していることを FierceWireless に認めた。
    Sprint は,一部のマーケットで 新しい無制限料金を試している。
    Monica Alleven | FierceWireless)
     "Sprint は,定期的にさまざまの料金オプションを試す。これは,当社サービスが 業界内で競争力を保ちつつ,顧客が必要とするサービス および 特徴を提供し続けることを確保するためである。" … と Sprint は このテストについて声明に書いた。"ただし,Sprint のすべての料金についてと同様に,当社は 無制限プランに対して すべての全国キャリアの中で 最良の料金を提供する。"
     このテストに最初に気づいたのは,Wave7 Research だった。同社は アメリカ無線業界の料金とプロモーションを絶えずモニターする。
     6つのテスト・マーケットの全部で,Sprint は 顧客に Hulu 動画サービスの無料月極め契約,Tidal HiFi 音楽サービスの6ヵ月無料トライアル,世界ローミング・オプションの拡大 ならびに 15 GB のホットスポット・データ を提供する。"テスト・マーケット内の顧客は,SD 無制限データ または HD 無制限データ・プランのどちらかを選べる。今のところ,新規顧客は 最大 10 回線まで 1年間 HD へアップグレードする資格を与えられる。したがって,下の料金は すべて,SD 無制限データ または HD 無制限データ・プランに対するものである。" … と Sprint の Kathleen Dunleavy が注意した。
     Sprint は現在,下記のようにマーケット・テストを行なっている。
      アトランタ, フェニックスで,Sprint は 4回線の "究極的無制限" を1回線当たり $35/月で提供する。12ヵ月後には,この料金が 最初の1回線が $65/月,第2回線が $45/月,第3~4 回線が $25/月になる (いずれも自動支払い)。
      ミネアポリス, シャーロットで,Sprint は, 使用中の4台の電話を持ち込むか 標準小売価格で新規に買う新しい顧客に対して,Verizon の料金から 50% の割り引きをテストしている。これは,Sprint の "無制限" サービス4回線を1回線当たり $25/月で提供する。12ヵ月後には,顧客は 第1回線に $55/月,第2回線に $35/月,第3~4回線に $15/月を払わねばならない (いずれも自動支払い)。
      ニューオーリンズ, セントルイスで,現在使用中の電話を Sprint に持ち込む顧客に対して サービス料金が1ヵ月無料である。乗り換え客は,Sprint の "無制限" サービス4回線を1回線当たり $35/月 でゲットできる。12ヵ月後には,顧客は 第1回線に $65/月,第2回戦に $45/月,第3~4回線に $25/月を払わねばならない (いずれも自動支払い)。
    Wave7 Research は これらのプランを評価して,サービスは 一般に "Unlimited Freedom HD" および "Unlimited Freedom SD" という名前で宣伝されており,"料金は 高度に複合的である" ことを認めた。
     "Wave7 Research は,競争の観点から この変更にはネガティブである。" … と 同社は書いた。
    Sprint は これまで何度もこのようなテストをやっている。
     こりゃ "高度に複合的" であり "ネガティブ" だと言われて当然だろう (笑)。
     利用者としては,割り切れない感じがするだろう。
     一部の人だけが優遇される。
     こんな ばかばかしい "テスト" を誰が考えてやっているのか?
      ビリの会社がこんなことをやっていて,潰れないのがおかしい。
     日本の社長さんは,当然 OK の決裁印を押したんだろうね。

  31. Glancy Prongay & Murray LLP Commences Investigation on Behalf of Sprint Corporation Investors
    Glancy Prongay & Murray LLP は,Sprint Corporation の投資家に代って調査を開始する
    Glancy Prongay & Murray 広報,2018/03/09 (ロサンゼルス)
    Glancy Prongay & Murray LLP ("GPM") は,Sprint Corpration の投資家に代って,同社, その取締役 ならびに 役員が州法に違反した可能性について調査を行なうことを発表する。
     Sprint 株式を購入された方,情報をお持ちの方,上記の訴訟についてさらにお知りになりたい方 あるいは この発表 または ご自分の権利について質問をお持ちの方は,GPM の Lesley Portnoy までご連絡ください (1925 Century Park East, Suite 2100, Los Angeles, CA 90067 at 310-201-9150, Toll-Free at 888-773-9244)。あるいは 当社ウェブサイト www.glancylaw.com までお越しください。 E-メールにて質問なさる方は,メールアドレス, 電話番号, 購入した株数の記載をお忘れなく。
    何が問題になっているのかを知るには,自分の個人情報を伝えて,メールでの返信を待つしかない。
     大抵は,カネで手を打ちたいのだろう。
     親が 大金持ちで気前よくカネを出すことで知られているからか?
    ──────
     こういうのを読むと,SoftBank が2年前に異例の 大量自社株買いを敢行したことを思い出す。
     当時の株価は \4,000 台の安値だった。当然,会社がこれを不満として敢行したものとだれしも思った (当然ですね)。誰かが 故意にここまで安くしたのかな ? … なんて思った人は1人もいなかった!
     ところが 4月になって Bloomberg のすっぱ抜き報道で分かったことだが,アメリカの法務会社 Boies から Nikesh Arora が悪事を働いているとの告発文が 1月20日に届いていた (↓)。
     Boies 書簡は その後 なぜか分からないが 立ち消えになった。
     WSJ に "全国的訴訟発電所" と評された Boies 法務事務所が 手ぶらで すごすごと引き下がるなんてことは あり得ない (笑) ですよね。
     こういうことを思い出せば,ここから株価を人為的に大きく下げて,そこで大量の自社株買いの再演 … というストーリーもあり得るかもしれない。
    ソフトバンクグループは 2016年2月15日,今後1年間に5000億円を上限に自社株買いを実施すると発表した。株数では1億6700万株と発行済み株式数 (金庫株を除く) の14.2%にあたる。株主への還元を強化し,低迷する株価の下支えを狙う。同社が一度に設定する自社株買い枠としては過去最大規模になる。(日経)
    ソフトバンクグループ株が値幅制限いっぱいのストップ高まで買われた。同社としては過去最大となる5000億円を上限とした自社株買いを2月15日に発表した。新たな負債ではなく,保有資産の売却資金や手元資金を充てる。
     ソフトバンク株は2月16日,午前の取引終了間際に前日比16%高の 5100円のストップ高を付けた。 2008年11月以来の日中上昇率である。午後も ほぼこの水準で推移し,ストップ高で取り引きを終えた。この結果,同社株の時価総額は前日から8400億円増加した。(Bloomberg)
      『ソフトバンクの複数の株主が,ナンバー2 アローラの内部審査を要求』 (Bloomberg,2016/04/21)

  32. Sprint hits cable companies with three more patent lawsuits
    Sprint が,さらに3件の特許訴訟でケーブル会社を叩く
      Kansas City Business Journal,2018/03/08
      By Elise Reuter
    Sprint Corp は,さらに 別の3件の訴訟をケーブル会社に提起した。
    これは,VOP (パケットで音声を送る) 特許に関連する訴訟である。
     オーバーランド・パークに拠点を置く通信会社は 水曜日,デラウェア地区裁判所に訴状を提出した。訴訟の相手は,(1) マサチューセッツ州クインシーに拠点を置く Atlantic Broadband; (2) コロラド州エングルウッドに拠点を置く Wide Open West Inc; (3) テキサス州フォートワースに拠点を置く投資会社 TPG Global LLC の3社である。TPG Global は ケーブル企業3社を所有し,これらも この訴状により訴えられている。
     Sprint は,明示されていない損害賠償金と 恒久的差し止め命令をそれぞれについて求めている。
     Sprint は,同様の2件の訴訟を 昨年12月31日に終わる四半期に和議により決着した。SEC へのファイリングによれば,同社は その四半期に特許権侵害訴訟の和議により,法廷費用を除き,$3.50 億を受け取った。
     同社はまた 12月の和議で Cox Communications とユニークな協定を結び,Cox のケーブル・インフラを Sprint が利用して無線ネットワークの建設をできるようにした。
     過去 10 年間,Sprint は VOP 特許ポートフォリオ関連の複数の訴訟で 勝つか和議を勝ち取ってきた。2007 年,Sprint の Vonage America Inc に対する訴訟は,Vonage が Sprint の特許技術に対し $0.80 億を払うという成果を挙げた。2017 年には,Time Warner Cable Inc (現在では Charter Communications) との6年がかりの特許戦争に勝ち,陪審は損害賠償金 $1.398 億を認めた。
      Sprint will be represented by Shanti Katona of Polsinelli PC’s Wilmington, Del., office, and Trent Webb, Aaron Hankel and Ryan Dykal, all of Shook Hardy & Bacon LLP’s Kansas City office.

  33. Sprint CFO: 5G will allow Sprint to finally change perceptions about its network
    スプリント の Combes CFO:5G は,Sprint のネットワークに関する認識を最終的に改めることを許す
    FierceWireless,2018/03/07 @02:44 pm ET
    By Monica Alleven
    5G は,同社ネットワーク ならびに サービス全般の新しい波に関して,顧客の認識を最終的に 改める機会を Sprint に与え,ダブルパンチ (double whammy) を提供するだろう。
    Michel Combes
    これは,Sprint の新任の総裁兼 CFO が フロリダ州の保養地 パーム・スプリングズで開かれたドイツ銀行第26回年次 MTBC 会議で水曜日に述べたことである。Alchatel-Lucent の前 CEO は,Sprint の CFO 兼任の総裁に1月に指名された。
     5G は Sprint に2重の機会をもたらす … と彼は言った。(1) Sprint が,同社ネットワークに関して顧客の考え方を改めさせることを 5G は可能にするだろう。"過去数年間,必ずしも偉大ではなかった当社ネットワークに対する顧客の認識から当社が損害を被ってきたことは明白である。"
     "Sprint は ネットワークに投資してきた。そして当社の4G は,今日では1年前より遥かに良い。しかし,顧客の認識がそれに追いついていない。5G は,我が国で最も良いネットワークを Sprint がもたらすだけでなく,顧客の認識を改める機会を 当社に与える。これはおそらく,当社の計画を少しだけ書き直す機会を与えてくれるだろう。"
     いったん 顧客の認識が改まれば,料金の差を詰めることは可能だろう。これにより 無線売り上げの伸びを再点火する希望を支えられるだろう。これは Sprint にとって容易な "ゲット" であり,競争相手の他社は事情が異なる … と Combes は言う。
     (2) 5G は,高速と低レイテンシーのお蔭で,新しいタイプのサービスを可能にする;IoT 空間を含む AR/VR サービスなどが可能になる。"当社はこの旅のほんの始まりにいるに過ぎないと当社は信じる。" … と 彼は言う。
     Sprint は,2019 年前半に 5G を全国で立ち上げるとこれまで公約しており,その豊富な 2.5 GHz 電波を当てにしている。同社は,アメリカの トップ100 マーケットで 160 MHz 以上の 2.5 GHz 電波を所有する。これは sub-6 GHz 電波では 我が国最大のブロックである。Combes は, 2.5 GHz 中波帯電波を 5G の "sweet spot" と呼んだ。
     Sprint は,マクロ・セル基地をざっと +20% 拡大すると既に発表している。これらの基地のうち 現在は 50% だけが 2.5 GHz を使っているが,同社の意図は, 3つの周波数帯全部 (2.5 GHz, 1900 MHz, 800 MHz) を同社の電波基地に持ち込むことである。Sprint は また,40,000 の小型セルを配備する "小型セル・プログラム" に取り掛かっており,さらにその上に,ケーブル企業との協定により 追加の小型セルをロールアウトする予定である。また,同社の "魔法の箱" プログラムは, 1,000,000 個以上に達する路線上にある;現在 100,000 個を既に超えている。
     Massive MIMO は,Sprint にとって "big play" であり,スピードを大きく ── LTE の 10 倍に ── 改善し,セルの端でのカバレッジとバンド幅を拡大する。しかも この配備は,今年の第2四半期に本気でスタートする。Massive MIMO は,4G を改善するだけでなく,5G への移行を円滑ならしめる;5G NR のソフトウェアは,おそらく年末までに入手可能となる。5G への切り替えは,ソフトウェア更新でスイッチ・オンするだけだ … と彼は言う。
     2019 年前半に全国 5G ネットワークを用意することは,商用の端末が手に入ると予想されている時期に一致する。
     ミリ波 [20 GHz 以上] の電波については,Sprint は 今 持っている 2.5 GHz で非常に楽な気持でいる (very comfortable) が,もしもオークションに掛けられるなら 現在の電波ポートフォリオに加えることも検討する。 "しかし,今のところは 手持ちの電波で十分である" … と言った。
     Sprint は 過去に固定無線でも経験があり 現在もトライアルを行なっているが,5G の主なユースケースはモバイルであると彼は言う。だからと言って 固定無線をやるつもりが無いということではない ── Sprint は電波をたっぷり持っているから やろうと思えばできるが,現在の主たる関心事ではない … と彼は言う。
    Sprint は ネットワークに投資してきた。そして 当社の 4G は,今日では 1年前より遥かに良い。
    しかし,顧客の認識がそれに追いついていない。

     こりゃ 全然ダメだ。やはり「SoftBank と Sprint の両方が人材不足」という状況は全く変わっていない。
     欧州の Alchatel-Lucent の CEO って,こんなもんか? ちょっとは期待したが,見事に外れた。
     聴きに行ったが,やたら "ファイブ ジー,ファイブ ジー"。初めから終わりまで 5G の話だった。
     この人,何がまずいのか?
     Sprint は,このごろ 財務についても ネットワークについても "当社比 50% 改善" とか,"1年前より良くなった" … などと言うようになった。
     無線は,当然のことながら 競争である。どこも良くなっている。確かに,Sprint のネットワークも 財務も (?) 1年前に比べたら 物凄く良くなっているかもしれない。でも,この業界が 競争 であることを忘れている。"当社比 改善" を言い立てるようになったことは,逆に 危険の表れとも言える。
     ネットワークの調査は どれを見ても "3強1弱" である。3社はほとんど差が無くなり,Sprint だけが ダントツの No. 4 である。おまけに ネットワーク調査結果を メディアがニュースとして取り上げなくなった。当然である。なぜか?(笑) 3強の差が無くなり,ビリが1周遅れという状態が続けば, ニュース価値は無い (笑)。笑って いるどころではないよ! これが メディアの受け止める実態なのである。
     顧客は,他社との比較で判断する。Sprint の "当社比 ○○% 改善" を見ているのではない。
     おそらく,そんなことは 承知の上で,こんなことしか言えない現状に悔しい思いをしているのではないか?(笑) 仮にも 欧州の会社で CEO をしていたし,通信の経験は 30 年を超える (Masa をも超える) んでしょ。企業は競争だということを知らないはずが無い。
     なお InvestorSpace の記事には (↓),
     CFO の交代は,会社の内部目標が達成されなかった印であることが多い。
      ・・・ と書かれている。一般にそうなのだろう。
    Combes CFO 就任ニュースの時には,"code cutter" で "経費削減" をやるのだと騒がれた (↓)。
     しかし,今日の話を聴いた限りでは そんな話題は全く無かったと思うし,上の記事にも経費削減の話は出てこない。
     CFO が真っ先に取り組むのが,経費削減と適切な予算配分である。
     前にも書いたが「スプリントは実はズブズブで,大幅な経費削減ができた」と 孫社長が過去に言ったが,あれは 設備投資をケチリにケチり捲った自分の方針を指して言ったものだろう。実際には,今のスプリントは「乾いたタオル」の状態にあり,販管費は ほぼ一定である。絞ろうとしても絞れないので,新任の cost-cutter さんは 経費削減を諦めたのだろう。
    ──────
      『ウォール街が Sprint の最近の CFO 交代に 全く心を動かされない理由』 (Fortune,2018/01/04)
      『Sprint の CFO 交代は,Sprint の恐るべき年の始まりに過ぎない』 (InvestorPlace,2018/01/05)
      『Sprint の新任の CFO は,コスト・カッターとの評判を足場にするのか?』 (Kansas City Business Journal,2018/01/04)
      『Sprint が,Altice の 元 CEO Michel Combes を CFO に任命する』 (Reuters, MarketWatch, CNBC,2018/01/04)

  34. Cable company Altice won’t launch its wireless service until 2019
    ケーブル会社 Altice は,MVNO 無線サービスを 2019 年まで立ち上げるつもりは無い。
    FierceWireless,2018/02/28 @11:34 am ET
    By Mike Dano
    Altice のトップ経営陣は,Sprint に支援された無線サービスのための中核ネットワークの作業を続けているが,この商用サービスを来年まで立ち上げないつもりである … と言った。
    Altice は, アメリカの多くの州でケーブル・サービスを提供する。
    [実際には,このように偏在している]
    "当社は,2019 年までと計画されている商用立ち上げについて 2018 年の今 中核ネットワーク開発を開始中である。" … と Altice の Dexter Goei が 同社の投資家向け四半期電話会議で言った (Seeking Alpha の書き起こし記録による)。"これは当社にとって成長の新しい分野であり, 当社は Altice グループの専門的知見を活用できるし,これを利用して バンドルサービスの当社契約者についてチャーンを引き下げ,ARPU を押し上げられる。"
     Altice と Sprint が昨年 11 月に初めて MVNO 提携を発表したとき,Altice は Sprint が支援する無線サービスの立ち上げ計画について 時間軸を示さなかった。しかし,同社が これを少なくともあと1年立ち上げないという事実は,無線業界に急いで参入する圧力をさほど感じていないことを示唆する。
     それどころか,Altice の通年開発サイクルは,同業のケーブル業者 Comcast と Charter Communications が守っている MVNO 立ち上げの時間軸と符合する。例えば Comcast は,Verizon との MVNO 協定を 2015 年にまとめたが,2017 年の夏まで商用立ち上げをしなかった。Charter に至っては 2016 年に Verizon との MVNO をまとめたが,商用立ち上げは 今年の6月か7月にすると言う。
     Altice の 2019 年無線立ち上げ予定は,Sprint の (来年前半と Sprint が言っている) 全国 5G サービス開始と同時になりそうである。
     さしあたり,Comcast の Xfinity Mobile は,ケーブル会社が無線業界で現実にできそうなことをやっているだけである。Comcast の無線サービスは,同社のケーブル利用者だけに提供され,無制限データ・サービスを月額 $45, 1GB データを月額 $12 となっている。このサービスは,Comcast の Wi-Fi ホットスポットを可能な限りデフォルトにするので,顧客が Verizon の LTE ネットワーク内にいる時間を制限する。
     Comcast は前回の決算発表で, [2017年5月の] MVNO 立ち上げ以降の最初の4ヵ月で無線契約者を +250,000 増やしたと言った (第4四半期には +187,000 の純増だった)。投資家は,2018 年通年では 1,000,000 以上の無線契約を ケーブルの巨人が増やす路線上にあると考えている。しかし,これらの契約者を獲得するための経費は, 1人あたり $1,260 であると同社は言う。
     Comcast の Xfinity Mobile は "非常に見当外れなものであり,Charter が間もなく立ち上げる携帯サービスも,マジ 見当外れである。" … と T-Mobile の John Legere CEO が Comcast の無線の進行状況について今月言った。"私の頭から最も遠いことは,ケーブルの影響を少しでも懸念することだ。"
     Altice の Sprint との協定は,Altice がその有線ネットワークで Sprint の小型セルのバックホールを提供することに合意したという意味で独特である。
    問題は,最後のところである。
     Altice は Sprint の MVNO で無線サービスを実施する代りに,その有線回線を Sprint のバックホールに提供する。バックホールは Sprint にとってかなりの費用が嵩むので コストを減らす おいしい要因であるが,こちらもお流れか?

  35. Sprint to turn on Massive MIMO in 3 cities in April
    Sprint が,今年4月に3つの都市で Massive MIMO を作動する
    FierceWireless,2018/02/27 @04:13 am ET
    By Mike Dano
    Sprint は,64T64R (送信アンテナ 64 個, 受信アンテナ 64 個) の Massive MIMO 技術を3都市 ── シカゴ, ダラス, ロサンゼルス ── で 今年4月に作動させる計画を発表した。そして 今年中に アトランタ, ヒューストン, ワシントン D.C. へ拡大する。ベンダーとして サムスン, エリクソン, ノキアが装置を供給する。
    ダラスは, Sprint が Massive MIMO を作動させる6都市の1つである。
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     Sprint によれば,今回の行動は (同社が 2019 年前半に立ち上げると公約した) 5G ネットワーク技術への布石の欠くべからざる要素である。具体的には, ベンダーが現在インストール中の新しい Massive MIMO の電波基地は,ソフトウェアの更新により 5G 技術にアップグレード可能である ── つまり, 6都市の鉄塔に技術者を攀じ登らせて再び作業をさせずとも,遠隔操作により 5G をアクティベート可能であると Sprint は言う。
     "Massive MIMO は,世界中の先端的営業会社が現在 Gbps 級 LTE と 5G を配備するために使用している TDD-LTE ネットワークにとって,ゲーム・チェンジャーである。" … と Sprint の John Saw CTO がリリースで言った。"1年以上の間,当社はこの新しい技術をテストしており,数週間後には 我が国の大きなマーケットから始めて,Massive MIMO の威力を Sprint の顧客にお届けする。"
     Sprint は,MIMO の電波が 128 個のアンテナを用い,4G LTE と 5G の両方を同じ電波でサポートすると言う。この技術は,Sprint の 2.5 GHz 電波で動作する。
     機器の面では,Sprint は クアルコムの Snapdragon X50 5G モデムを利用する。これは Sprint の 2.5 GHz バンド 41 電波で 5G NR をサポートする。Sprint は,機器の製造業者が "5G モバイル機器を 2019 年前半" に発売すると約束した。
     Sprint の 64T64R MIMO への動きは,アメリカでの MIMO 空間における大幅な前進である。T-Mobile や Verizon のようなキャリアは 4×4 MIMO を使用している。
     Sprint の今回の発表は,同社の 5G ロールアウト計画をさらに明瞭にする。Sprint の 5G 計画は,昨年 11 月の Sprint と T-Mobile の合併交渉の破綻に由来するものと思われる。両社が協議を終えた直後に,SoftBank の Masayoshi Son は,Sprint が年間 CapEx を $20 億程度の低額から $60 億に増やすと公約した。実際,Sprint の今年の目標 $60 億は,今年 約 $53 億を使うと見られる T-Mobile の CapEx を超える。
    4G と 5G に共通の電波 2.5 GHz を使うというのは,安上がりでうまい話のように見えるが,"何か" とトレードオフしているはずである。
     他社の 5G は 20 GHz 以上のミリ波を使っており,そのためにすさまじい電波の争奪戦をするのとは 対照的である。いちばん はっきりしているのは,帯域幅が決定的に違うことであり,もしも 5G が本格的に普及した場合には,4G と同様に独り 脱落する恐れは無いのか?
    ──────
     Tmo の 5G 記事によれば,電波の周波数が高いほど「劇的に」通信速度が上がるらしい。
     それだったら,いくら 孫社長が 2.5 GHz に期待してきたとしても,2.5 GHz で 5G をやるのは,まったくの無謀ではないか? 競争にならない。もちろん,やらないよりは マシである。
     今の 4G にしても "醜悪なる魔法の箱" を使って タイの勝負に持ち込もうとしているに過ぎない。
     "魔法の箱" で賞を取って喜んでも,メディアは報道しないし,そもそも "魔法の箱" のハンディ付きで通信速度を測定してくれる 外部測定会社があるわけがない。

  36. Sprint CEO on net neutrality: There’s nothing wrong with charging for faster service
    Sprint CEO がネット中立性について講演:速いサービスに課金することに問題は無い。
    FierceWireless,2018/02/27 @11:31am ET
    By Mike Dano (バルセロナ)
    Sprint の CEO は,速いサービスを受けようとする顧客への課金を多くすることに何ら問題は無いと考える … と言った。
    Sprint の Marcelo Claure は,ネット中立性に触れる基調講演をした何人もの中の1人だった。
    Mike Dano | FierceWireless)
    "ネットワークに速いアクセスをするために 結局は高い料金を払うことに何ら問題は無いと私は考える" … と Sprint の Marcelo Claure CEO は,当地バルセロナの MWC (Mobile World Congress) 見本市での基調講演で言った。"とにかく こういうことです。アメリカには たくさんの道路がある。速く走れる道路には,たくさんカネを払う。これには,おかしなことは何も無い。我々は,5G の料金を決めようとしている;どう課金しようかを考えている。しかし 経済学の言うところでは,消費者は良いサービスにカネを払いたがり,そうでないサービスには 少なくしようとする。"
     Claure は このとき,モデレーターをしていた CNN の Kristie Lu Stout の "ネットワーク運営業者 Sprint は オープン・インターネットとネット中立性の原則に固執する意向かどうか" という質問に答えたのである。
     "当社は,オープン・インターネットの大の信奉者である。" … と Claure は言った。"ネットワークを運用するために,何か軽い規制の必要 ── 非常に軽いのが必要だと考える。"
     Claure はさらに:"当社はネットワークを運用する必要がある ・・・ これが当社にとって最も重要なことである。" … と続けた。
     Claure の発言は,(欧州全体とそれ以外にわたってネット中立性ガイドラインの強制的な適用を求めた) 欧州委員会の Andrus Ansip 副総裁の発言と鋭い対照を成す。
     "インターネット・プロバイダは すべてのインターネット・トラフィックを平等に扱わねばならない。" … と Ansip は言った。特に,インターネット営業会社は インターネット上の特定のタイプのコンテンツを阻止したり減速したりすることを禁止されるべきである。"私は,すべての人がオープン・インターネットにアクセスする権利を持つと考える。そこでは,すべてのトラフィックが平等に扱われねばならない。 ・・・ 私は オープン・インターネットとネット中立性を守り続けるつもりだ。"
     Ansip はさらに, "私は 特定の少数の人がディジタル・ハイウェイを使い, その他の人がダート・トラック [泥土を敷いたオートバイ用の競争路] を使うようなことは望まない。" … と言った。
     Ansip の立ち位置は 特に注目すべきものだった;なぜなら この基調講演イベントの間,彼は FCC の Ajit Pai 議長のすぐ隣に座っていたからだ。Pai は,当然のことながら,オバマ政権時代のネット中立性ガイドラインを先頭に立って廃止しようとしている。
     Pai は,ネット中立性ガイドラインを廃止するという正しい動きを FCC がしたと論じた;なぜなら この規則は革新を妨げるからだ … と彼は言った。その代りに通信キャリアによる不当な行動から FTC が消費者を 場合場合に応じて 守ってくれる … と彼は言った。
     "これが 軽いタッチの規制であり ── 完全に野放しにするものではないことを私は協調したい。フリーパスを得る者は誰もいない。" … と Pai は言った。"アメリカは,(愚かにも すべての無線企業が 反競争的な独占主義者であると仮定する) 事前規制 から 現実に反競争的行為が行なわれた場合に規制を実行する体制に単に移行しているに過ぎない。"
     "さらに重要なのは,我々が インターネット・サービスに対する FTC の法的管轄を回復したことである。今や FTC が一貫して競争と消費者を インターネット経済全般にわたって保護する。" … と彼は続けた。"結論は簡単だ:我々は 2015 年以前の 20 年間,自由なオープン・インターネットを持っていた。今後は 自由なオープン・インターネットを持つだろう。 [?] "
     "政府ではなく,市場が 革新を推進する最良の位置にいる。" … と Pai は主張した。
     もちろん,速い接続に対して多く課金するという Claure の立場は,あまり驚くことではない。実際,アメリカの広範な有線インターネット・プロバイダは,既に 高いカネを取って高速なネットワーク・サービスを提供している。
     無線でもこれは 同じである:たとえば AT&T は,減速無しの無制限無線サービスを月額 $90 で提供している。速度 3Mbps で頭打ちされるサービスは,月額 $65 である。

  37. Firms Pursue Upgraded Internet Access on Airplanes
    複数の企業が,飛行機内でのグレードアップされたインタネット・アクセスを追求する
    Wall Street Journal,2018/02/25 @08:14 pm ET
    By Andy Pasztor
    Airbus, Delta, Sprint が,飛行中のウェブへのシームレスな高速接続を追求する。
    "Seamless Air Alliance" イニシアチブの下で乗客は,
    機内でのブロードバンド・サービスに別途料金を払う必要が無くなる。
    Lucas Jackson | Reuters)
    Airbus SE (EADSY +0.81%), Delta Air Lines Inc.(DAL +2.30%), Sprint Corp. (S +0.94%) および アメリカの衛星サービス・プロバイダ2社は,定期航空旅客機 (airliners) 上でのインターネット・アクセスを強化するイニシアチブをキックオフし,飛行中の接続に対する世界標準をグレードアップする自発的取り組みへの参加を他社に呼び掛けている。
     このコンセプトそのものは未だ初期段階にあり,他社の関心を集め,ハードウェアとソフトウェアに必要な変更を開発するまでに時間を要する見込みである。さらに,無線サービス企業と衛星サービス企業の間のこれまでの競合の克服に加えて,政府規制当局と飛行会社から技術的賛成を取り付けられるかにも懸かる。
     けれども もしも十分な数の無線キャリア, 飛行機メーカー, 通信プロバイダ および 装置供給会社が最終的に認めれば,機上での接続に対する全く新しい手法の先導役となる可能性があろう:乗客は 機上でのブロードバンド・サービスに別料金を払う必要なしに,高速プラス改善された利用者経験が得られる。
     自らを "Seamless Air Alliance (継ぎ目のない空の同盟)" と名乗るグループは,バルセロナで日曜日に MWC (モバイル世界会議) の開幕に合わせて このような改革の利点を述べた。全世界のモバイル営業各社は そのサービスを航空機の客室へ直接に拡大することができ,乗客は 自分の電話, タブレットなどの機器を使って機内からシームレスにウェブに接続できる。
     提案者が想定するように,Wi-Fi のホットスポットが現在 地上で動作するのと同様に,接続は さまざまのモバイル・ネットワークを用いて いろいろな機器で使用可能である。接続のスピードは,最も速いケーブルと同等であり,商用 5G の全国ロールアウトから期待されるものと互角である。
     乗客にとっては,飛行中にログオンする前にクレジットカードで料金を払うとか 機器を認証する必要など 時には不満を招き 時間を取る作業を省けるという利点もある。
     アメリカ No. 4 のモバイル・キャリア Sprint に加えて,このアライアンスには ニューデリーに拠点を置く Bharti Airtel Ltd が参加している;同社はアジアとアフリカの 16ヵ国でモバイル・ネットワークを営業する。
     その他の初期メンバーには,OneWeb Ltd (世界中にブロードバンド・ネットワークを拡げようという衛星スタートアップ企業);EchoStar Corp の Hughes Network Systems;機内インターネット・プロバイダ GoGo Inc がある。全体として,このイニシアティブを既に支援している企業は,1.5 億人ほどの航空旅客を運び,全世界の ざっと 4.5 億人のモバイル利用者にサービスを提供している。
     多年にわたり,世界中の多くの航空会社は,乗客に提供するインターネット・アクセスが 遅い, 料金が高い, 時々障害を起こす … という利用者の絶えざる苦情と戦ってきた。一部のキャリアは 衛星接続による改善を試みた;無料にするキャリアもあった。
     もしも今回のコンセプトが離陸すれば,航空会社は カスタマイズされた機内インターネットシステムを自分でインストール・検証するという厄介を解消できるだろう … と OneWeb 創業家 Greg Wyler が言う。インタビューで Wyler は,"航空会社とモバイル営業会社が自慢できる 目覚ましいサービス品質" を提供することを目標として,一様なハードウェアと運用の標準が設定される … と言った。
     Wyler は,このアライアンスが他の多くの企業に参加を説得することを望むと強調し,その長期的目標は, 低コストと使いやすさを通じて乗客の体験を単純化・改善することだと言う。"There are no smiles included (スマイルは込みではありません)" … と Wyler は冗談を言い,この新しい方式の初期テストは,今年の末までにできるかもしれない … と補足した。
     OneWeb は数年後に商用サービスの開始を予定しているが,その衛星の一部をこれに提供する。
     Sprint の 80% 超を所有する SoftBank Group Corp と Airbus は,どちらも OneWeb の Wyler と提携している。
     ニュース発表で Delta Airlines の Gil West COO は,Delta Airlines の顧客に益するのみならず,航空業界全体の利益となるシステムを 当社の現在のパートナー GoGo を含む有望な企業と 開発するという "コラボを行なうことに興奮している" と語った。同じ発表は,Sprint の Dow Draper CMO (最高マーケティング責任者) の発言を引用して,"顧客が Sprint の高速接続を空中で容易に経験することを可能にする" ことが目的であると述べている。
     しかし 一部の懐疑派は,この提案が最終的にどこまで広がるか,また 他社との競合がどうなるかを懸念する。 この業界のアナリスト Roger Rusch によれば,数年前に比べて全世界の大規模衛星マーケティングは4倍に増え,航空接続の現在のオプション料金は 劇的に低下した。このトレンドは,OneWeb の低地球軌道コンステレーションのような新規参入者にとって,競争を特に厳しくするだろう … と同氏は言う。
     業界の多くの異なる企業が受け入れ可能な共通の標準を考案することが 技術的にかなりの難問であることを別にしても,このコンセプトは まだ 基本的な経済問題を考慮していない。航空会社とインターネット・プロバイダの間の関係は しばしば 危険を孕み,費用と利益の配分に関する過去の争いは,いくつもの成功しそうなプロジェクトをぶち壊した。
     衛星運営会社 ViaSat Inc の議長兼 CEO Mak Dankberg は,従来より高速のインターネット接続をロールアウト中である。金曜日のインタビューで Dankberg は,ざっと 600 機の旅客機をシステムに持つ ViaSat が,世界中につながる 1,000 機を追加すると言った。ViaSat の顧客の中には United Continental Holdings Inc., American Airlines Group Inc. および JetBlue Airways Corp がいる。
     Dankberg は,グレードアップされたインターネット接続は 大西洋, カリブ海 および ラテンアメリカの一部を飛ぶ乗客の利益になるだろうと言う。同氏はまた,新システムが 繁忙なハブ空港近くでの接続を損なう容量問題を軽減するだろうと言う。
      Write to Andy Pasztor at andy.pasztor@wsj.com
    この記事には 13 件の読者コメントがついている。
     ネットワークを "グレードアップ" する必要は,概して 無いらしい。
     狭い鳥小屋のような座席に閉じ込められている状況を改善するのが先だという。
     できることなら ラップトップを使って仕事をしたいが狭くてとても無理 … とも。
    ──────
     いつものように (笑) 当サイトの厳しいコメントを添えると
     いつ上場廃止になるかも分からない Sprint を通信の代表選手として イニシアティブ [=自分が提案して 自分が実行すること] を立ち上げて「この指 とまれ」と言っているのだが,Verizon, AT&T が参加してくれるだろうか?
     問題は いつものことだが,それを実行する人材が (Sprint にも SoftBank にも) 空っぽだということだ。人がいないのにどんな計画を立てても実行できない。
     5年前に SoftBank が買収して以来 Sprint からは 幹部職員が相次いで退社しており,困った Marcelo Claure はリクリート会社に依頼して外国から人を集めた (アメリカ人は内情を知っているので応募しないらしい) のだが,そうやってオーストラリアから来た Tarek Robbiati (52), オーストリアから来た Günther Ottendorfer (48) は 昨年末に退社した。
     後任の Combes CEO は 欧州から来た。日本から 人材をドバっと供給できる体制無しに 買収に走った ドキホーテさんの責任である。

  38. Sprint dismantles much of its regional leadership structure; 10 leaders depart
    Sprint は 地域リーダー構造の大半を解体する;10 人のリーダーが退社する
      Kansas City Business Journal,2018/02/23 (金)
      By Elise Reuter
    Laurence に拠点を置く Wave7 Research によれば,Sprint Corp は地域リーダー構造をまたもや 再改造した。
     2015 年,当時新任の Marcelo Claure CEO は,"One Sprint" イニシアチブをぶち上げた;これはアメリカ全土のマーケットを4つのエリアに分割し,さらにそのエリアを分割して 19 の地域にするものだった。Sprint は その後これらのマーケットに微調整を続けたが,今月初めの変更は 地域の数を大幅に減らした。
     2016 年末の時点で,オーバランド・パークに拠点を置く通信会社は,トップ級のエリア・リーダーを4人から2人にリストラした。当時,東エリアの Jaime Jones 総裁と西エリアの Jerry Gallegos 総裁は,18 人の地域総裁を統括していた。2月9日,地域の数は 16 から8に削減された。
     "一部の地域総裁 ならびに 経営幹部は,このとき職を失った。" … と Wave7 は書いた。
     Wave7 によれば,最新の改造で,Jones は Sprint の中大西洋地域の総裁になり,Gallegos は退社した。
     8つの地域の構造は,下記の通りである:
       Johan Chung, president of Northwest region
       Kevin Kunkel, president of Southern California and Arizona region
       John Stevens, president of South region
       Jim Mills, president of Midwest region
       Mark Nachman, president of Great Lakes region
       Brian Miller, president of Southeast region
       Jaime Jones, president of Mid-Atlantic region
       Claudio Hidalgo, president of Northeast region
     Sprint は,コメントの要請に即答しなかった。
    沈みそうな船からは,ネズミが大量に脱出する。
    完全にオワ。10 人も幹部が退社して ダンマリ。
     人数は,もともと 4+19 人だったのが上の8人になったから,合計 15 人が消えている。
     2年ほど前に Claure が考えた:アメリカ全土を 19 の営業地域に分割して (↓),"One Sprint" ── 各地域の営業はすべてその地域にまかせるという体制 ── を敷いたのだが,15 人の地域営業トップが 短期間のうちに 不明な理由で退社しては,Sprint も 壊滅だろう。極端な人材不足;退社はさらに増えるだろう。1年後にはどうなっているか?
     買収に明け暮れる "ドンキホーテ" と Wall Street Journal が呼ぶ 孫正義社長の買収路線の結末は? 少なくとも Sprint で完全に頓挫した。もはや 買い手はいないだろう。
     買収路線の お供を務める "脳味噌の足りない" サンチョ・パンサは,Rajeev Misra か?(笑)
     早く 上場廃止しておけば,こういうニュースも漏れずに済んだのに (笑)。
     ぶち上げるときには↓のように華々しく,縮小するときは 黙って。哲学なしの経営。
      『スプリントの経営チームが進化を続ける』 (Kansas City Business Journal, 2015/11/24) [4エリア+19地区の地図]
      『Kevin Kunkel が,南カリフォルニア地域総裁に指名される』 (スプリント広報, 2016/04/21)
    この [Swiss Re との] 協議は,Son の果てしない,時にはドンキホーテのような,野心の最近の証拠である。 彼は SoftBank を世界のテック・コングロマリットとして再編し, E-コマースから無人運転車,仮想現実まで すべてのものに賭けを張っている。(Wall Street Journal, 2018/02/07 @03:57 pm ET)

  39. Sprint bewails $23M in ‘tribal review’ fees dragging down small cell deployments
    Sprint が,"郡の審査" 手数料 $0.23 億が小型セル配備の足を引っ張ると嘆き悲しむ
    FierceWireless,2018/02/22 @09:22 am ET
    By Mike Dano
    Sprint は,これまで配備した小型セル1件あたり 平均 $8,251 を郡の審査の手数料として払っていると言う。しかも,このような手数料の支払いの合計が $0.23 億に達したと Sprint は言う。
    Sprint は,ジョージア州アトランタの歩道にこの柱を立てるのに,
    郡の歴史景観審査のために手数料として $5,265 を払ったと言う (Sprint 提供)。
    "Sprint は予算が限られており,郡の審査に払ったカネは 配備に実際に使ったカネではない。" … と Sprint は FCC へのファイリングに書いた (PDF)。"Sprint は,郡の利益を守る必要性を尊重するものの,FCC が定めた NHPA [National Historic Preservation Act, 米国国家歴史保存法] の規則と手続きは マクロセルと放送用鉄塔の時代に成立したものである。"
     郡審査の手続きは NHPA の一環であり,無線ネットワーク営業会社に 小型セルのようなネットワーク装置を特定の場所に設置する前に 関連する複数の規制当局の認可を得ることを要求する。無線業界は一般に,このような規制が (過大な手数料と長い認可手続きにより) 小型セルのロールアウトを劇的に遅らせていると主張してきた。
     ネットワークの 5G へのアップグレードが進む中,これに応じて FCC は この件を調査し 無線キャリアが小型セル および その他のネットワーク装置の設置をやりやすくなるようにしたいと言っている。
     Sprint 側は,小型セルの配備作業を行なう中で,手数料が過大であると言い続けている。
     "たとえば,インディアナ州イースト・シカゴでは,鉄鋼工場の外に この小型セルを新たに建てるための郡の歴史景観審査手数料として,Sprint は $12,200 を払った。25 の郡に 手数料を払った後,すべての郡は,この柱の設置がそれぞれの郡の歴史景観資産に影響を及ぼさないという見解で一致した。" … と Sprint は この件に関する FCC への最新のファイリングに書いた。"これまでに Sprint が建設した電波基地の 郡審査手数料の平均は $8,251 である。Sprint の 全小型セルに対する郡審査の全費用は ── 審査を手配する歴史景観コンサルタントへの手数料 ならびに 審査を必要とする代用電柱 および 共用電柱のための費用を含む ── は既に $0.23 億を超え,毎日増え続けている。"
     Sprint は 更に,新しく建てる柱の費用に言及する:"1件当たりの平均は $8,251 であるが,実際の費用は 場所により大きく異なる。ハワイ州と西海岸は最も安く,$500~$2,000 である;中西部 [シカゴ, カンザスが含まれる] が最も高い。インディアナポリスでの審査は, 1件当たり $15,000 を超える。費用の大きなバラツキは, 1件ごとの審査手数料よりは,審査を要求する郡の数によるところが大きい。"
     この問題は,最大 1,000,000 個の "魔法の箱" の配備に加えて,ざっと 40,000 の屋外小型セル, 15,000 の電線などに取り付ける小型セルを 提携先ケーブル企業を通じて配備するために ネットワーク支出をふやしている Sprint にとって,極めて重大である (これら全ては,Sprint が 2019 年前半に 2.5 GHz 電波により アメリカ全土にモバイル 5G サービスを提供開始する取り組みの一環である)。
     "FCC がインフラ規制を改革しなければ,新しい柱を必要とする電波基地 10,000 件ごとに,郡の歴史景観審査費用は $0.82 億を超える。" … と Sprint は警告した。
     これは,Sprint だけの問題ではない。他社も,同様の小型セル配備問題で苦情を訴えてきた。
     しかし AT&T は最近,少なくとも特定の場所では,状況が穏やかになりつつあると言った。例えば:"インディアナポリスは 認可手続きを簡素化した;これにより 小型セルの配備が 40~60 日で可能になった。" … と AT&T の Joan March が同社の政策ブログに書いた。Marsh のコメントは,地方自治体の規制に向けられたもので,郡の手数料に対するものではないが,小型セルのビルドアウトに関する手続きを浮かび上がらせる。 "さらに,インディアナ州は 1ノード当たりの敷設に最大 $50 という小型セル法制を成立させた。今では,市の中心で 80 の小型セルが動作している。しかも スピードへの影響は信じがたいほどだ。5G Evolution 技術をフルに利用するサムスン Galaxy S8 では,顧客は最大 800 Mbps のスピードを経験している。"
     しかし他社は,FCC と規制当局による小型セルの設置の監視に賛成と言い続ける。例えば,North Central Oklahoma の Kaw Nation は,FCC の 塔建設通知システム (TCNS) が "貴重な歴史文化資産" の保護を助けてきたと言う。
     "TCNS の手続きを通じて,Kaw Nation の TCNS 管理者は,我が国の聖なる土地に 不幸な影響を与えるような建設プロジェクトを同定し,フラグを立てることができている。" … と Kaw Nation は FCC へのファイリングに書いた。"鉄塔建設会社と協力して,Kaw Nation は ビルドアウト予定地の近くに代替施設を提供する。"
     このような問題にも拘わらず,無線ネットワーク営業各社は,アメリカでも世界中でも 無線ネットワークを稠密化・改良するために,小型セルの数を劇的にふやすものと見られる。実際,小型セル・フォーラムによれば,年間小型セル配備が 2025 年には 1,140 万に達すると予想されており,その時点で 設置済みの小型セルの数は 全世界で 7,000 万を超えると言う。
    前報の続報である。親は「群戦略」を自慢し,子は「郡審査」に不平を言う (笑)。
     カネが無いために困っていることがよくわかるが,事情は4社に共通であり,Sprint だけが特別に不利な扱いをされているわけではない。他社がこのように赤裸々な訴えを FCC に行ったというニュースも無い。
     他3社からすれば,例の大金持ちさんがバックについているから,そのくらいのカネを出してもらえないのか, アメリカに $500 億を投資すると見得を切ったのだから,それくらいは簡単に払ってもらえるはずだ … と思うんじゃないか?
     ほんとに,こんなに困っているのに カネで助けないと 最初に投入した2兆円が活きません。
     こんなことで,アメリカ1番,世界で1番のネットワークを作るとホラを吹くのは,親のホラ吹き社長さんをマネしたいから?
     もしかしたら,地方自治体は結束して (バックに大金持ちさんがついているから) Sprint からふんだくれるだけ ふんだくろうと共謀しているのかもしれませんね (笑)。必要なカネの3倍を気前よく出すのが当たり前の大金持ちさんですから。

  40. Sprint renews free year of service promotion through April
    Sprint が,サービス料金1年無料のプロモーションを4月まで延長する
    FierceWireless,2018/02/20 @11:21 am ET
    By Mike Dano
    Sprint が,同社に乗り換えて 自分の電話を持ち込む顧客に対して 無制限サービスを1年無料にするプロモーションを4月まで延長する。このプロモーションは,先月終了の予定だったが,4月まで Sprint が延長した。
    これは, 2017年6月から実施されているプロモーションである。Sprint も他キャリアも,プロモーションを「限られた期間内有効」と書いて,実際には 終了日が近づくと,延長することが 普通に行なわれている。
     Sprint のプロモーションは,12 種類ほど (アップル,サムスン,モトローラ,グーグルなど) の電話を持つ人が Sprint に乗り換えたときに1年間無料の無制限サービスを受けるというものであり,2017 年に ウォール街のアナリスト Craig Moffett により "アメリカの無線業界で 史上 最も猛烈なプロモーション" … と評された (1年後には,料金が第1回線に対して $60/月;第2回線には $40/月,第3~第5回線は $30/月 となる)。
     Sprint のプロモーションは,確かに 昨年の四半期決算を押し上げた ── このプロモーションを立ち上げてすぐ後に Sprint は 3年ぶりに四半期黒字を計上し,後払い契約を +88,000 純増した。
     そして 昨年12月四半期には,後払い電話の契約が +184,000 増となった;この数字は ウォール街から概ねプラスの反応を得た。"電話の純増が依然として弱いことは理解するが,12月の過去3週間の厳しい競争を考えれば,驚くには当たらない。" … と Wells Fargo の Jennifer Fritzsche は,Sprint の決算発表を受けて投資家向けレポートに直ちに書いた。
     しかし,MoffettNathanson のアナリストらは最近,Sprint が いま 厄介な 2018 年に直面している … と警告した。"いつ Sprint はカネ切れになるのか?" … とアナリストらは 無線セクターに関する最近のレポートで疑問の声を挙げ,Sprint が 数々の問題の中でも とりわけ 向こう2年間に満期を迎える大量の債券に直面する事実を指摘した。
     "Sprint は 持続不可能と思われる。" … と MoffettNathanson のアナリストらは結論した。
     Sprint 自身は,その将来の多くを,2.5 GHz 帯を現在サポートしていない全国の鉄塔の半分に 2.5 GHz 電波を追加することにより ネットワークを大幅に改善し,その取り組みを利用して全国モバイル 5G ネットワークを 2019 年前半にロールアウトすることに懸けている。
    Michel Combes は,経費削減のできる CFO として Sprint に参画したはずである (KCBJ 2018/02/02)。
     それが 未だ2ヵ月も経たないうちに,経費削減の具体策を示さないばかりか,
     (1) 利率 7.625% の8年債を $15 億発行する (8年間の利払いは元本の 61% に達し,$9.15 億)。
     (2) 1年無料のプロモーションを4月まで延長する (どうせ 次々に延長するだろう)。
     … というように,赤字をふやす政策を打ち出す。これで まともな CFO と言えるのか?
    ──────
     と書いたのであるが,Claure などよりは Combes が遙かに有能な人であるらしいことを考えれば, 別の見方も可能である。別の見方とは ・・・ Sprint が想像以上に苦しい状況にあるということだ。
     おそらく 上のような 切羽詰まったことをせざるを得ない状況にある。
     つまり,経費削減と言っても「乾いた雑巾」なので もう絞れないのである。
     これは 決算発表を見れば分かる。スプリントは「経費削減」により 利益を増やしたとよく書かれている。
     経費の重要な項目は 販管費 (販売+一般管理費) であるが,これは全く減っていない。人件費がここに入るだろうが,人はもう減らしようがないくらい少ない。社長は5月の決算発表で「スプリントは ずぶずぶ」だったので簡単に経費を削減した … と言ったが,販管費は ほとんど減っていないのである。前にも書いたが,Sprint は T-Mobile と比べても 人が今でも足りないくらいで,これを減らしたら危険な状態になるだろう。実際,数年前にはかなり減らしたが,この頃は減らしていない。これは,もう人を減らせないからである。
     Altice の CEO だった人なら,それくらいのことは,着任してすぐに分かるだろう。
     "Sprint は 持続不可能と思われる。" というアナリストの見解が正しいのであれば,Combes CFO もそれを理解しているはずである。
     というわけで,どうしようもなくて こうした … という説も有力だろう。

  41. Sprint's Endless Turnaround Effort Takes It Back to Junk Bonds
    Sprint の際限のない方向転換努力は ジャンク債の発行に戻る
    Bloomberg,2018/02/21 @08:53 JST
    By Scott Moritz & Molly Smith
      新任の CFO は,高利回りの資金手当ての無かった3年を打ち切る。
      親会社 SoftBank が 5G 展開にカネを使っている証拠は無い。
     Sprint の CFO に就任してから1ヵ月後,Michel Combes はジャンク債市場を訪問中である。
     今回の動きは,カネに困ったキャリアが初期の時代に引き戻されたことを示すと同時に,親会社 SoftBank Group Corp が資金供給を直ちに行なう計画の無いことの印である。
     アメリカ4大無線キャリアの中の最小キャリアは,2026 年満期の無担保ジャンク債 $15 億を売り出した。もしも金利が上がれば,これを買い戻すことはできない。今回は,Sprint が3年ぶりに行なう 高利回り市場での初めての債券売り出しであり, (火曜日の Bloomberg Barclays 高利回り指数によれば パフォーマンスが最悪の) 同社の発行済み債券にプレッシャーを加える。
     Combes は Tarek Robbiati に取って代わった CFO であるが,Robbiati は 約 60 億の経費を削減し,電波免許のような資産をローンの担保にするような創造性を Sprint の財務レパートリーに加えた。このような現金の注入は,Marcelo Claure CEO が 約束した "歴史上最も偉大な方向転換" を率いる中で,圧力を緩和するのに役立った。契約増のような分野で改善があったとはいえ,Sprint は 丸 10 年間 赤字を記録してきた。
     Sprint の広報担当者は,コメントの要請に対して即答しなかった。
    Sprint が滑る
    Sprint の債券は,T-Mobile との合併協議が失敗した余波を受けて 暴落した。
    白線=7.875% 債券 (2023/09/15 償還);青線=7.625% 債券 (2025/02/15 償還);紫線=7.125% 債券 (2024/06/15 償還)
     "Sprint は 非常に長い間「turn around」(方向転換) をやってきたので,何回これを潜り抜けてきたかという点では,これはもう「spin around」(堂々巡り) である。これには終わりが見えない。" … と Recon Analytics LLC のアナリスト Roger Entner が言う。
     ライバルたちに後れを取る
     Sprint の取る道は,楽になった試しが無い。
     SoftBank 議長 Masayoshi Son が率いた T-Mobile との合併交渉は 昨年末に挫折し,非常に競争の激しい無線市場に Sprint を単独で取り残し,厳しい目に遭わせた。ネットワーク支出を2年間削減したために,Sprint は アメリカのほとんどのエリアで サービス品質の点で ライバル各社に後れを取った。同社は 2018 会計年に 支出を +50% 増額して $60 億にする計画だが,それでも 5G ネットワークの建設はおろか,4G サービスでは追いつけない。
     "彼らは,あたかも CapEx [を減らすという] 公約にこだわっているらしい。" … とマッコーリー・キャピタルのアナリスト Amy Yong が言う。"思うに,これは2つのことを示す:(1) Masa は財務に自信を持っているに違いない。 (2) Masa は彼らに タダ飯を喰わせるつもりは無い。"
     SoftBank の権益
     Sprint の買収に $220 億以上を投じた SoftBank は,追加で約 84% まで買い増した。SoftBank は Sprint 株を上場させたままにしたいので,85% を超えて買い増すつもりは無い。Sprint の株価は,この1年で 40% 以上下がった。
     Diamond Hill Investment Group で $210 億の資産を管理する ポートフォリオ・マネージャ John McClain にとって,Sprint は,方向転換の取り組みが始まった時に比べて 信用はほとんど変わっていない;この業界の巨人 AT&T および Verizon と競争するには,あまりにも小さ過ぎる … と彼は言う。
     "我々は Sprint を「難しすぎる山」に分類している ── あまりにも難しすぎて,この会社に何が起こるか想像できない。どこかと 合併するのか? おそらく。" … と McClain は言う。
     Sprint は,向こう2年間に償還を迎える債券 約 $90 億を抱える。そのためのカネを調達するのに 電波ライセンスの 別のバッチを使う計画だ … と2月2日の決算電話会議で Combes CFO が言った。同社はムーディーズにより CFR を B2 に格付けされている;これは ジャンク級の上から5番目である。S&P からは,これと同等の B 格付けを得ている。
     償還の壁
     Sprint は,2019 会計年だけでも $55 億を超える債務が償還を迎える。
    2017/12/31 時点の Sprint の債務 (10 億ドル) の償還期日
     "高利回り債券市場に戻ったことは,市場へのバランスの取れた手法だと言う意味で,強い印であり 同時にポジティブである。" … と ムーディーズのアナリスト Mark Stodden が言う。
     債務返済を実行し,他社とサービス品質で競争するためには,Sprint は 多額のカネをいま貯える必要があろう。"市場を頼りにする状況では それは無理である。" … と Stodden は言う。
     時間稼ぎのための借金は,Sprint と T-Mobile との M&A にまで Sprint を近づけたが,それが破談になった余波で,焦点は事業の改善の方に向かう。
     "Sprint は,顧客をふやすというような分野では OK であるが,債務の側では,フリーキャッシュフローが欠けていることに我々は注目する。" … と Gimme Credit の債務アナリスト Dave Novosel が言う。"どこかの時点で,カネを生み出すか あるいは 債券市場に復帰することで終わるだろう。もしも後者が続けば,市場から いつかの時点で締め出されたとしても 私は驚かないだろう。"
     それでも,懐の深いオーナーを持っていることは,最悪のシナリオへの懸念を部分的に軽減する助けになるだろう。
     "SoftBank は,これまでに投資した 数十億ドルから撤退するつもりは無いだろう。" … と Recon の Roger Entner が言う。
    ここでは 親会社 SoftBank と 新任の Michel Combes CFO までが槍玉に挙げられている。
     SoftBank が 5G 用の資金を提供しないから,Sprint はジャンク債に手を出すのか?
     "コスト・カッター" として知られる Combes が コスト削減の代りに ジャンク債発行でごまかそうとしたので叩かれるのか?
     Tarek Robbiati さんは どう思っているかな?
     せっかく財務を改善したのに 後任者がその努力を継続せず,安易にジャンク債を発行したのをどう思っているか?
     Sprint は,他に方法が無くて (親も $15 億ポッチを助けてくれないので) やむにやまれず したことかもしれない。
     それなら 今年1月でさっぱり辞職して良かった。
    ──────
     ハッキリしているのは,SoftBank の方針が明確でないことだ。
     買い支えた株は ほとんど 85% になっているから,もう 買い支えはできない。
     後は,株価が下がるだけである。いつになったら 上場廃止にするのか?
     上場廃止をさっさとするのが先決ではないか?

  42. Sprint's latest offering pushes total debt past $37B
    今回の債券発行により Sprint の債務総額は $370 億を超える
      Kansas City Business Journal,2018/02/20 @01:55 pm CST
      By Elise Reuter
    Sprint Corp は $10 億の債券の公開売り出しを行なった。火曜日に提出された目論見書によれば,優先無担保債の形をとる 2026 年満期の発行である。
     Sprint は,手取り金を "一般企業目的" に使用する計画であると明言した。これには ネットワークの拡張・改善,運転資金 または 債務返済が含まれる。昨年12月31日の時点で,Sprint は 債務総額 $369 億を報告した。
    Sprint の債務総額
    Sprint の債務総額は,これまで $369 億であったが,
    無担保債を $10 億追加して発行すると火曜日に発表した。

    *Sprint の会計年は, SoftBank の買収により 2014 年から3月31日に変更された。
     ニューヨークに拠点を置く S&P Global Ratings は,この発行に "B" 格付けをした。その意味は,Sprint が公約を満たす能力を持つが,悪条件に直面しそうなことを意味する。S&P は,Sprint が利用者基盤を伸ばし続けていることを認めたが, 最近の四半期には売り上げが 約 3% 減少したことを指摘した。
     "T-Mobile との合併が打ち切られたことを受けて,我々は,Sprint の営業条件が 猛烈に競争的な状況を続けると予想する;これは,この業界が成熟し,全国キャリアが4社存在するためである。" … と S&P は書いた。"付け加えると,Sprint は 強い電波所有を利用して,同業他社と有効に競争するためには向こう2年間 ネットワーク投資をふやす必要がある。"

  43. Rating Action: Moody's rates Sprint's new notes B3
    格づけアクション:ムーディーズは Sprint の新しい債券を B3 に格付けする
    ムーディーズ 世界信用リサーチ,2018/02/20
    Mark Stodden (ムーディーズ 上席副総裁)
    ムーディーズは,Sprint Corporation の新しい $10 億優先無担保債 (2026 年満期) に B3 (LGD5) 格づけを付与した。Sprint は,手取り金を (現在の債務の借り換えを含む) 一般企業目的に使う意向である。ムーディーズは,Sprint の流動性の必要に対応するバランスの取れた手法であるとして,無担保債の発行をポジティブと見る。無担保債の追加は,満期の長い債務資本を提供し,債券市場が悪化した場合のドライ・パウダー [=すぐに使える手元資金] として Sprint の担保付債務能力を温存する。
     発行体:Sprint Corporation
     Gtd 優先無担保普通債,付与 B3 (LGD5)
     格づけ判断基準
     Sprint の CFR (企業ファミリー格づけ) B2 は,2017年12月31日時点での同社の高いレバレッジ倍率 4.6 倍, 厳しい競争環境,および 2020 年まで続くと予想されるマイナスのフリー・キャッシュフロー (証券化により実現するキャッシュを除く) を反映する。
     今回の格づけは,Sprint の親会社にして大株主である SoftBank (Ba1, 安定的) が "Sprint の生存可能性 (viability) の維持を目下進行中の懸念である" と認識している … との期待に基づく 1ノッチ上乗せを反映したものである。今回の格付けは また,Sprint の最近の借り換え取り引きが ネットワーク現代化計画への資金手当てであり,今後満期を迎える債務に対応し,営業業績を改善し,現在行なっているコスト削減イニシアティブ ならびに 価値あるネットワークと電波資産に対応するためのものであると認識する。
     安定的見通しは,(過去 数四半期 安定性を見せている) Sprint の改善された契約者トレンドと (短期的必要を満たすに十分な) 流動性ポジションを反映する。
     もしも レバレッジ倍率が 5倍未満に維持され,かつ プラスのフリーキャッシュフローへの短期的道筋を Sprint が明示するならば,ムーディーズは Sprint の格付けを引き上げることがあるだろう。
     もしもレバレッジ倍率が 5.5 倍より上に維持されるか,あるいは 流動性が 12~18ヵ月間の全現金需要をカバーするに不十分であれば,ムーディーズは Sprint の格付けを引き下げることがあり得る。引き下げは,(チャーンの増大,弱い契約トレンド,あるいは Sprint が不合理な料金プランを導入するなどを含む) 財務成績の悪化からも起こり得る。さらに,もしも SoftBank のSprint へのかかわりが悪化すれば,格下げの可能性が高いものとムーディーズは信じる。
    格づけ B3 の意味,LGD (デフォルト時損失,Loss Given Default) の意味については,ムーディーズが日本語で説明している (PDF)。
    かなり 厳しい意見がついている。
     もともと Sprint の CFR (企業格づけ) が B2 のところ,債券が B3 に格付けされたのだから,引き下げだろう。
     親会社に期待して 1ノッチ上乗せされて B3 なのだから,親会社への期待が無ければ,もう1つ下の Caa1 になるところだった。

  44. Sprint launches $1B debt offering
    Sprint が $10 億の社債を発行する
    Seeking Alpha,2018/02/20 @09:28am ET
    By Jason Aycock
    Sprint (時間前の取り引きで −0.6%) が, $10 億ドルの債券を公募により発行する。
     優先債の手取り金は,一般企業目的に使用すると言う。
     引き受け幹事会社は,J.P.Morgan と Goldman Sachs である。
     同社は 最近の決算で 全債務が $368.6 億であると発表した。
    Sprint から 2018/02/20 付で追加の発表がありました。
     Sprint Corporation は本日,発表した 2026 年満期 額面 $15 億の公開売り出しの利率を 7.625% に決めたことを発表した。この債券の発行は 2018/02/22 を予定している。
    7.625% というのは ちょっと。
     12月決算でも 利回りの平均は 5.38% だった。
     そんなに 金利が上がったのか。
     案の定 (笑),これに群がる引き受け業者はふえている。ジャンク債発行企業は おいしい餌!
     Sprint のような赤字企業は,喰いものにされる。以下は想定問答集 (過去にもあった!)
     "$10 億と言わず $15 億になさってはどうですか?"
     "いえいえ,$10 億あれば十分です。"
     "けれども,これから金利はますます上がりますよ"
     "そうですか。引き合いの方は?"
     "それはもう。何しろ 大金持ちがバックについておられます。$15 億くらいは簡単に捌けるでしょう。"
     "そういうことでしたら,差し当たり不要ですが $15 億に増額します。"
      J.P. Morgan Securities LLC, Goldman Sachs & Co. LLC, Deutsche Bank Securities Inc. and Mizuho Securities USA LLC.
     みずほまでが ハイエナのようにたかる。
     黒字で事業計画が立っている会社は,その計画に基づいて資金を調達する。
     Sprint も SoftBank も (将来 必要になるかもしれない) 資金を,金利が上がる前に急いで調達する。 何に使うかは自分でも分かっていない。とにかく カネが手元にあれば 安心なのである。

  45. Sprint expects to deploy VoLTE starting this fall
    Sprint が,今年の秋に VoLTE の配備を始める見込みである
    FierceWireless,2018/02/14 @07:05 am
    By Monica Alleven
    長い時間が掛かったものだ。Sprint は VoLTE 対応の機器で市場に種まきをしてきたが, ついに 今年の秋に VoLTE の商用配備を開始する見込みである。
     "これまで1年以上 当社は VoLTE をテストし,VoLTE 対応の機器で顧客基盤に種まきをしてきた。これは,今年の秋に始める商用配備のための準備であった。" … と Sprint のスポークスマン Adrienne Norton が FierceWirelessTech に告げた。"現在 当社のネットワークは,偉大な HD Voice 経験を非常に効率の良い 1x プラットフォームで提供しており,当社の VoLTE の目標は,これを当社顧客が現在経験しているのと同じ高品質にすることである。"
     今年の秋の時間軸というのは,Sprint がこれまで VoLTE を何年もテストしてきた後で,立ち上げの期日としては最も早いものである。2014 年に話を戻すと,ネットワークの責任者 John Saw [Masa の筈だが?(笑)] は,同社は VoLTE に投資しているが,そのロールアウトを大急ぎしない … と言った。当時,良い音声サービスを維持できる形で大規模に VoLTE を配備したキャリアは ほとんど無かった。実際,他の一部のキャリアは,配備計画を巻き戻した。相互運用性が問題だった。
     Sprint の前 技術 COO Günther Ottendorfer は,2016 年の Reddit AMA で,VoLTE は工程表に載っているが,同社は 今日よりも優れた音声経験を顧客が得られるようにしたいと言った。そして HD Voice が VoLTE の立ち上げを やや圧迫した。
     CDMA を運用している仲間の U.S. Cellular も VoLTE に慎重な方法を取り,GSM 中心の競争相手 [AT&T, T-Mobile] より CDMA では面倒が大きいと言った。2016 年,U.S. Cellular の Kenneth Meyers CEO は,これを 塔の天辺までギアを入れることにより克服できる "ギャップ" であると形容した。
     旧い CDMA ネットワークを持っていたが LTE のロールアウトは素早かった Verizon は,VoLTE を同社ネットワークにフルに配備した。したがって,Verizon の LTE サイトは 100 % VoLTE が可能であり,その全足型に及んでいる。
     AT&T は,2015 年に VoLTE を 2700 万を超える契約者に届けたときに,マイルストーンを自慢した;同社は マーケットをしらみつぶしに LTE を配備した。2016 年,Verizon と AT&T は VoLTE の相互運用を開始した。これにより,両社の顧客は互いに VoLTE で通話できるようになった (↓)。
     T-Mobile は,アメリカで VoLTE を最初に配備したと自称する。同社の LTE ネットワークでは,100 % VoLTE を使える;現在のところ,T-Mobile のすべての音声の 80% が VoLTE により運ばれる。ちなみに,T-Mobile は 長年にわたって Verizon の1年前の時点でのカバレッジを実現しようと努力してきた。今は 700,000 平方マイル及ばない。しかし,T-Mobile の Neville Ray CTO は 今年,カバレッジのギャップは "歴史上のもの" であると宣言した。
     VoLTE は, 3G 技術の3倍もの音声とデータ容量を持ち,高品質の音声接続を可能にする。GSA によれば, 102ヵ国で 217 の運営業者が VoLTE に投資している。その中には,65ヵ国で商用立ち上げした VoLTE-HD Voice サービスを行なう 13 業者が含まれる。
    VoLTE は 3G の通話とは違って 高い周波数をカットしないので,聞き取りやすい。
     ただし,異なるキャリアの間では使えないらしい。つまり相互運用の問題がある。
     それでも,Sprint 顧客同士の間で 通話の品質が 秋から上がるのは良いことだ。

  46. Sprint presses FCC to eliminate barriers to 4G, 5G deployments
    Sprint が,4G, 5G 配備の障害を除去せよと FCC に強く迫る
    FierceWireless,2018/02/12 @07:56 am ET
    By Monica Alleven
    Sprint の Marcelo Claure CEO は,FCC の Ajit Pai 議長をオフィスに訪問し, Sprint の 4G と 5G の配備の障害を除去する件について話した。
     Ex Parte ファイリングによれば,Sprint は,Sprint および 業界の他社が 4G および 5G サービスを配備する取り組みの一環として直面する障害を取り上げた。Sprint は FCC に (無線ネットワークの稠密化をこれほどまでに困難にする) 規制上の障害に速やかに対応するよう強く求めた。
     "Sprint は,(アメリカのモバイル・ブロードバンド顧客に更なるカバレッジと容量を提供する上で欠かせない) マクロセルと小型セルの両方の配備において直面する多大なコストと遅れに言及した" … と同社は言った。
     一例として Sprint は,シカゴの6つの電波基地で アンテナの変更審査を受けるときに 合計 $90,000 の審査料を払うよう郡から要求を受けた … と言う。
       < 以下は,Sprint の 5G 計画 >
     Claure said during Sprint’s fourth-quarter earnings call that it’s working with Qualcomm as well as network and device manufacturers on 5G in order to launch the “first truly mobile network” in the United States by the first half of 2019. Sprint plans to deploy antennas on its cell towers that support massive MIMO transmissions and upgrade that hardware to the 5G NR standard via a software update.
     Claure and Sprint CTO John Saw were among a group of tech industry executives that visited President Donald Trump at the White House last year, where Claure described some of the hassles of small cell siting. Claure showed Trump a small cell that can be installed on a utility pole and said the problem is it takes a year to get approval to deploy and an hour to install it. He warned that unless the industry can install them faster, the U.S. is going to lose the leadership that it has in 5G.
     During its meetings with the FCC this past week, which included other commissioners as well, Sprint thanked the commission for its ongoing efforts to complete the 800 MHz band reconfiguration initiative along the U.S.-Mexico border and stressed the need for continued involvement by the commission with its counterparts in Mexico to bring the project to a conclusion.
    これ,言い分としては 筋が通っているんだけれど ・・・ (笑) 逆に笑われるだけ。
     Sprint に人材がいないことが再認識されるだけでしょう。
     (1) これは Sprint だけの問題ではない。業界として何度も FCC に陳情している。
       Pai も 業界全体の問題として認識している。ただ,地方の村町郡のレベルの了解を取る必要があり (その数は膨大) 一筋縄では行かない。日本と違って,地方自治体の権限が大きい。
     (2) 業界の代表として行くなら意味があるが,Sprint だけの利益のために行くのはおかしい。
     (3) さらに,FCC として大っぴらには言えないことだが,Sprint の配備のまずさは 業界でよく知られており,Wall Street Journal にも叩かれたことがある。要するに 社長さんのケチケチ作戦だろうが,なるべく安上がりにやろうとするために,業界トップの業者を使わず,実績のない業者 Mobilitie を使うために 手違いがいろいろと生じる (↓)。自分がおかしなことをやっているのも一因であるのに,それを FCC に持っていけば,相手にされないだろう。
    ──────
      『スプリントの無線の是正? 電話用の電柱をもっと』 (Wall Street Journal, 2016/06/07)
     この中に,
    これは,2015 年初めに Sprint の Masayoshi Son 議長が コストを下げ続けてサービスを改善するために考案した戦略の中心を成すものである
      ・・・ と書かれている。
    [2018/02/12 引け]
     $5.27, −$0.03 (−0.57%) 4:02 pm ← 引けに小幅急落。
     動画ストリーミングに関するネットワーク性能が またまた ビリであることがバレたからか?
     Day's Range:5.25 - 5.41
     Volume 7,234,000 (Avg. Volume 17,199,637) 閑散となった。
    ──────
     問題の Axovant Sciences は
    $1.535, −$0.375 (−19.63%)
    Day's Range:$1.47 - $1.58
    Volume 5,476,716 (Avg. Volume 1,527,754)
    52 Week Range $1.47 - $27.976 ← SVF が投資したのは 最高値あたりの頃。
    CEO, COO, +取締役3名 (合計5名) が一斉辞職したことを Wall Street Journal, Reuters, Street.com が伝えている。何しろ 創業以来 売り上げがゼロの会社 だと Wall Street Journal は書いている (笑)。何1つ商品を売ったことが無いというまことに珍しい会社 Axovan に投資した。
     辞職の理由は,CEO, COO が「新しい機会を求めて」となっている。
     半年前に SVF から $10 億を投資した SoftBank は今のところ 無事である。

  47. Don't Get Greedy With Sprint Corporation Stock
    Sprint 株で欲張りになるな!
    Motley Fool,2018/02/10 By Travis Hoium
    アメリカで Sprint は 10 年以上の間 AT&T, Verizon に次ぐ通信業界の No. 3 の歯車だった。Sprint は,ネットワークの規模が小さいために,顧客を獲得するのに料金を引き下げることを強いられてきた。そのため マージンは圧迫され,強力なネットワークに投資することが困難である。
    そこへ悪いことに,T-Mobile が猛烈な料金と広告で攻勢を掛けてきた;Sprint が奪おうとしていた低料金の座を奪った。この激しい競争環境は,今が Sprint 株で欲張りになる時期ではないと筆者が考える理由である。
     規模がすべて
     無線事業は,規模がすべてである。Sprint は,大きな競争相手 Verizon, AT&T に遙かに遅れている。だからこそ,Sprint は低料金にしなければ競争できない。このダイナミックは,下のチャートから見ることができる。
     上図:PP&E = 有形固定資産。
     下図:営業マージン
     Sprint は, 4G で大手のライバルにゆっくりとではあるが追いつこうとしているように見える。上のマージンのグラフを見れば,その通りである。しかし,現在のインフラが不十分であり,将来の成長に向けた資金を稼ぐ利益が少なという事実は,無線企業にとって将来欠かせない 5G への乗り換えを困難にする。
     Verizon と AT&T は,既に Sprint を締め上げている
     過去数年間,Verizon と AT&T は,Sprint および T-Mobile と料金で競争を強いられた;これが 事業からのキャッシュフローと利益を引き下げてきた。この点は Sprint の競合相手にとって弱点と見えるかもしれない。しかし,それは 同時に Sprint の弱点をも浮き彫りにする。
     下のチャートを見れば,Verizon と AT&T は 5年前よりフリーキャッシュフローが低いが,それでも 毎年 数十億を稼いでいる。これに対し Sprint は,過去 5 年間に大手のライバルに追いつこうと数十億ドルを注ぎ込まざるを得なかったが,それでも,将来の投資の資金のためのフリーキャッシュフローは,ほとんど無視できるほど少ない。
    フリーキャッシュフロー
     Verizon と AT&T がやっていることは,Sprint のような競合相手を締め上げて,次世代無線ネットワークへの投資のためのキャッシュフローを持たせないことである。
     Sprint は 5G で後れを取るだろう
     Verizon と AT&T は,2018 年末までに 限られたマーケットで 5G ネットワークをロールアウトすると言っている。これにより 新しい技術で業界をリードする。両社は,全国 5G ネットワークを建設し,顧客ネットワークを建設することにより,できるだけ早く このリードを囲い込みたい。
     Sprint は,2019 年はじめに 5G ネットワークの建設を開始するつもりだと言うが,おそらく1年は遅れるだろう。T-Mobile は さらに悪い状況にある;2020 年までは 5G ネットワークを立ち上げないと言っている。
     5G がロールアウトするにつれて 我々が考えねばならないのは,ネットワークがどれだけ大きいかである。Verizon と AT&T は,Sprint よりもヘッド・スタート [マラソンなどの有利なスタート] をするだろう。これは,技術的に複合したネットワークを如何に配備するかを学習する上で欠かせないものである。しかも 両社は 5G ネットワークで遙かに大きな規模を持つ。これまでネットワークが進歩するたびに AT&T と Verizon がリードを握っていたのと同様に,5G を早期に採用する者は最良のネットワークを得る。
     以上をまとめれば,現在 Sprint は 4G ネットワークで締め上げられており, 5G ネットワークのために資金を用意するのは厳しい。アメリカ No. 4 の地位から利益を上がるのは難しい。これが Sprint 株に筆者が欲を出さない理由である。
    5G がどのくらい早く普及するかというのが一番の問題点でしょう。
    [2018/02/09 引け]
     $5.30, −$0.07 (−1.30%) 4:00 pm
     Day's Range:5.10 - 5.43
     Volume 18,697,079 (Avg. Volume 17,249,256)
     SoftBank の買い支えは1月17日を最後に途絶えたままである。
    ──────
     下記のインサイダー売却報告 (2月6日付) が見られる。
     2017/02/03 Jorge Enrique Gracia,Chief Legal Officer (最高法務責任者)
     市場外で直接処分,@5.36,$204,891 (~2,200 万円) 38,226 株
     過去の記録を見ると,2016/05/13 と 2016/02/03 に合計 68 万株の取得が見えるから,30% ほどの CLO による一部売却 (売り逃げ?) である。
     上級副総裁兼最高法務責任者 Jorge Enrique Gracia については,こちらをどうぞ。
     日本と違って,アメリカでは 幹部が自分の利益のために自社株をいじることは珍しくないらしい 。でも 法務の最高責任者が売却するというのは,穏やかでない (笑)。
     (1) JV 相手の PR Wireless の格づけをムーディーズが撤回した理由も知っているだろうし,
     (2) 今年12月14日まで有効の CTO (極秘取り扱い命令) の内容も当然知っている。
     (3) 親会社が ほとんど 85% まで買い支えた状況で,Sprint がいつ上場廃止になるかという情報も いち早く入るだろう。法務上の手続きの準備が必要だからね。
     (4) もう1つ理由を挙げるとすれば,債券の利回りの急上昇が考えられる。株だけを見ていると分からないが,ジャンク債を発行している企業は,厳しい状況に追い込まれている (Financial Times)。

  48. Brace Yourself for Higher Cellphone Bills This Year
    今年は,携帯電話料金が高くなることを覚悟せよ
    Wall Street Journal,2018/02/08 @11:32 am ET
    By Drew FitzGerald
    Sprint と T-Mobile は,合併の試みが潰れた後,ディスカウントを縮小するつもりだと言う。
     安い無線プランは,今年から見つけにくくなりそうだ。
     アメリカの最も猛烈な無線キャリア2社,Sprint (S, −2.63%) と T-Mobile (TMUS, −4.69%) は,両社の事業を結合する試みが潰れた後,ディスカウントを今年縮小するつもりだとの合図を出している。
     契約数で No. 4 のキャリア Sprint は 先週,儲けになると考える新規顧客だけを追いかけるつもりだと言った。No. 4 の T-Mobile は 木曜日,顧客基盤を拡大しつつ キャッシュフローを押し上げることに注力する中,提供する取り引きについて 従来より選択的になるつもりだと言った。
    無線のビッグ4
    後払い契約数の累計の変化 (百万単位)
    2012 年以降の四半期ごとの変化を示す。
     "当社株主は,この両方を求めていると我々は考える。株主は,トレードオフ [片方を犠牲にして他方を取ること] を望んでいない" … と T-Mobile の最高執行責任者 (COO) Mike Seivert がインタビューで言った。"どの四半期にも,当社は成長するよりも 更なる成長を選びたい。"
     T-Mobile の警戒的姿勢は,同社の今年の見通しに見られる。T-Mobile は,2017 年の顧客増 360 万に対して,2018 年に 200 万~300 万の後払い顧客をふやす計画だと言った。
     この予想は,"成長と収益性をバランスさせたいという当社の希望を取り入れたものである。" … と Braxton Carter CFO がアナリスト向け電話会議で言い,さらに T-Mobile の農村地域への進出は,"現在の市場でのプロモーションを弱めるチャンスを与える" 新しい契約をもたらす … と言った。
     以上の動きは,数ヵ月にわたる協議の後 両社が昨年 11 月に合併計画を放棄した後に飛び出した。合併計画の中止は,少なくとも見通し得る将来,顧客の財布を奪い合う全国4つの無線キャリアでアメリカが行くことを意味した。
     市場のリーダー Verizon (VZ, −3.90%) と AT&T (T, −3.63%) は,小さなライバルたちのプロモーションに 無制限データ・プランで応じた;これが T-Mobile にマーケティングの重要なメッセージを沈黙させた [?]。AT&T も,無線プランを 自社の TV サービスとバンドルして売り込んだ。
     昨年,無線業界が新規顧客漁りを抑制するような兆候が見えた。キャリアらは,アップルが更に高価な端末を発売した時,旧いモデルを下取りする顧客に iPhone をタダで提供するのをやめることに決めた。Sprint の Marcelo Claure CEO は当時,電話メーカーが顧客の端末の [下取りの?] 勘定を払って欲しいと言った。
     プロモーションが激化して,無線料金の低下が インフレの低下に寄与しているようだと連邦準備制度理事会が言った1年後に,料金の平準化がやってきた。
     Claure は,Sprint のサービス品質が改善しているので,顧客へのプロモーションが期限切れになれば,猛烈なプロモーションをしないつもりだ … と最近言った。
     "我々には,将来 無制限の料金を引き上げて,Verizon や AT&T と似たような料金にする余地が たくさんある。" … と Sprint の CEO は 先週 アナリスト向け電話会議で言った。"アメージングなネットワークがあるのでこれができる。"
     無線会社が投資家に向かって "プロモーションは慎重に実施します。競争が激しいので止む無くやります" … と約束するのは,これが初めてではなかろう。
     AT&T は 昨年 iPhone について BOGO [1台買えば, もう1台無料] プロモーションを実施した;これはコスト増になったが,予想を遙かに超えて後払い電話顧客を +329,000 純増した。無線企業は,月額サービス料金を払う契約者を 前払いする顧客より好む。これは,定着率が高いからである。
      —Ryan Knutson contributed to this article.
     Write to Drew FitzGerald at andrew.fitzgerald@wsj.com
    社長さんは,2012 年からのこんなグラフを見ていないんでしょうね。SoftBank 株主の多くの人も。
     ここでも,Claure は "アメージングな CEO" を演じている。任命責任は重大である。
     Sprint の経営が何年経っても改善しないのは当然である。要するにこれは "人災" なのである (笑)
      笑い事ではない。
     少なくともアメリカの業界人は (ウチの社長も対象に含めて) そう考えて 笑っているだろう。
     当然,SVF の無茶苦茶な「投資ごっこ」も その延長線上と判断されるだろう。
     まぁ ハッキリ言って,素人がドタバタと手を拡げている感じである … John Legere ほか T-Mobile の経営スタッフと比べればよく分かる。これだけのスタッフは,Sprint にいないし,SoftBank にもいない。
     直近の RootMetrics のデータを見れば,アメージングとは ・・・ 。
    ──────
     アメリカの携帯電話市場の実情は不明であるが,これまでの記事によると,農村地域では 携帯電話のキャリアが1社しかない (つまり競争が全く無い) ところもあるらしい。それも大手ではなく,地元の地域キャリアである。おそらく2強は,人口が少なくては採算が取れないのだろう。設備投資と収益との兼ね合いの問題である。
    [2018/02/08 引け]
     $5.37, −$0.14 (−2.541%) 4:00 pm
     Day's Range:5.32 - 5.64
     Volume 25,584,379 (Avg. Volume 17,253,575)

  49. Wall Street analysts fret over the growing number of customers ditching Sprint
    ウォール街のアナリストたちは,Sprint を見捨てる顧客の数が増えることに やきもきする
    Wall Street Journal,2017/02/05 @12:46 am
    By Mike Dano
    Sprint のチャーンの高さが,ウォール街のアナリストらの間に懸念を引き起こしつつある。
     AT&T, Verizon, T-Mobile の3社は,いずれも 最近の複数の四半期に記録破りの最低のチャーンを達成しているが,Sprint だけはその反対である。
    [Sprint の決算書類より転載]
     "Sprint の後払いのチャーンは,明らかに 5四半期連続で反対方向に動いている;前年比で増え続けている (これと同時に,ライバル各社は新記録の低さを更新している)。" … とドイツ銀行マーケット・リサーチのアナリストらは,投資家向けに昨日発表したレポートに書いた。"これが 今四半期のグロス増の緩やかな勢いと組み合わさって,3社のすべてに後れを取る後払い電話純増となった。今後については,2018 年のはじめは プロモーションにより新しい顧客が入り始めるものの,短期的には チャーンの増加が 根強く続くと 我々は見る。"
     アナリストらは,チャーンの増加を Sprint のネットワーク性能,一部のリース・プログラムの終了,無制限データ・プランの形でのライバルからの攻勢の増大 … に帰した。
     加えて,Sprint のチャーンは,今年 増加を続けると予想される。実際,ウォール街のリサーチ会社 Cowen & Co は,Sprint が 今回の四半期のようなプラスの後払い純増を続けることは無いと考える … と書いた。その理由は "激化する競争" とチャーンの増加にあると言う。
     先週末の投資家向け決算発表電話会議で,Sprint の経営陣はチャーン問題を認めた。
     "後払い電話のチャーンは, 1.71% だった。当社は,同業他社よりチャーンが高いことを認める。" … と 先週 Marcelo Claure CEO は認めた (Seeking Alpha の書き起こし記録による)。彼は,"顧客経験の品質 (Quality of Experience)" という名前の新しい "ツール" を組み込んで,チャーンを下げるようネットワークの改善に資すると言った。
     しかし,Sprint のチャーンの水準は,おそらく Verizon や T-Mobile が維持している水準まで下がることは無さそうだ … と Claure は言った。
     "当社は,もっと高いチャーンで事業を行なうという決定をした。" … と Claure は説明した。"当社は 顧客基盤に ARPU の高い契約者だけを選択的に抱えており,このような顧客は当社の 猛烈なプロモーションにアクセスしていない。当社は快適にこの戦略を使っている。なぜなら顧客基盤を変えるよりも チャーンを高くする方が高い企業価値を生むからだ。当社は,リースからのチャーンへの圧力も認識しているが,リースの経済は全体として高いチャーンを埋め合わせる。"
     そして 驚くにはあたらないが,来年 5G サービスを立ち上げれば,Sprint から 大量の顧客が逃げずに留まり始める … と Claure は予想した。
     "今や,当社は チャーンが ── 当社のチャーン・モデルのこと言っているのだが ── ネットワークに投資を行ない 当社 5G ネットワークをロールアウトすれば,数年後に チャーンが低下すると当社は予想する。したがって,チャーンが将来どうなるかを 当社は厳密に知っている。当社はこれを予想できるし,来年のチャーンは今年のチャーンより改善すると当社は感じる。" … と Claure は言った。
     Claure の言語は何を言っているのか 分からないのが標準である。
     ただし 5G のところだけは 誰も 非常によく分かる(笑)
     チャーンが高くでも構わない … と言うのは,ARPU を高く保てるから 貧乏人が逃げていくのは構わない … という論理か?
     よくまぁ こんなに頭の悪い … というか能天気な人間を CEO に引っ張ってきたもんだ!
     そろそろ「ご臨終」でしょうかね? 完全に「草刈り場」になっちゃった。
     それにしても こんな CEO を本社の取締役に据えて,恥ずかしいと思わないのか?
     当サイトの勝手読みであるが,買い支えを 84.96% で突然やめたことから,決算発表後に Sprint の大変動を発表するのだろう。
    [2018/02/05 引け]
     $5.13, −$0.23 (−4.29%) 4:00 pm
     $5.03, −$0.10 (−1.95%) 7:58 pm
     Day's Range:5.11 - 5.42
     Volume 20,358,126 (Avg. Volume 17,805,057)
    [2018/02/06 引け]
     $5.11, −$0.02 (−0.39%) 4:00 pm
     $5.08, −$0.03 (−0.60%) 4:04 pm
     Day's Range:5.019 - 5.240
     Volume 16,999,659 (Avg. Volume 17,844,241)

    この日は,Recode から Uber の (概して悪い) ニュースがドサッと出ている。
    [2018/02/07 引け]
     $5.46, +$0.36 (+7.06%) 4:00 pm
     Day's Range:5.17 - 5.61
     Volume 19,203,001 (Avg. Volume 17,120,001)

    この日は,RootMetrics による測定結果が 発表された。
     Sprint のスピードは相変わらずダントツの最下位であったが,株価には全く影響しなかった。
     買い支えできない水域に入っているので,株価はいつ大きく下げてもおかしくない (NY には値幅制限が無い)。

  50. A cable company added more wireless customers than Sprint last quarter
    Sprint よりも ケーブル会社 Comcast の方が無線契約者数を多くふやした
    Kansas City Business Journal,2018/02/05
    By Elise Reuter
    競争の激しいホリデー四半期に,Sprint は 引き続き無線契約数を増やしたが,大手の他社に後れを取った … しかも ケーブル会社にまで。
     Sprint は,第4四半期に +184,000 の後払い電話顧客を増やしたものの,競争相手の T-Mobile は トップの +891,000 だった。Sprint は 直接のライバルたちに後れを取っただけでなく,新しい競争相手 Comcast の Xfinity Mobile サービスにも負けた。Comcast が 2017 年半ばに立ち上げた このサービスは,+187,000 の新規無線利用者を 第4四半期にふやした。
    第4四半期の後払い電話純増
    2017 年の後払い電話純増
    [Comcast の Xfinity Mobile は 2017年5月 の立ち上げである]
    Comcast の無線事業は,立ち上げてから未だ丸1年になっていない;同社は Verizon との MVNO 契約により Verizon の電波を利用して無線事業 Xfinity Mobile を行なっている。今年の5月に営業を開始,バンドルされた取り引きの一環として Comcast 顧客だけにマーケティングを行なっており,大手の無線キャリアと直接には競合しないものと見られる。
     Sprint は,同社の将来はケーブルと無線の収束 (convergence) であると これまで繰り返し言明した。Sprint は Altice USA と MVNO 取り引きを結んでおり,これにより Altice のケーブル・バックボーンのネットワークを拡大することができる。最近は Cox Communications とも同様の取り引きを結んだ。
     Altice との協定を発表した後,Marcelo Claure CEO は,"当社は これまで非常に公然と言ってきた;当社は 最終的には 通信とケーブルの間の提携が必要になるものと信じる。" … と言った。"当社は,このコンセプトをテストしたい。"
     通年の方が,Sprint は 遙かによくやった。オーバーランド・パークに拠点を置くキャリアは,後払い電話を +593,000 純増し,AT&T を超えた。
     5社全部の純増数の合計は,一部の投資家を困惑させた。BTIG のアナリスト Walter Piecyk は リサーチ報告に,2017 年は正常な年であったが,Comcast と Sprint によるプロモーションが "付加的で一時的なグロス増を生んだ" … と書いた。
    Charter Communications も Verizon の MVNO による無線サービスをいずれ始めると見られている。
     いずれも 防衛策 (囲い込み) である。
     ケーブルの顧客で Sprint の携帯電話を使っている人がどのくらいるのかは 分からないが,地元紙としては「頑張ってね」と言いたのだろう。

  51. As Sprint ramps up buildout expenses, it sees room for more cuts
    Sprint は,ビルドアウト経費を拡大する中,更なる経費削減の余地を見る
    Kansas City Business Journal,2018/02/02
    By Elise Reuter
    Sprint の幹部らは,次世代無線ネットワークのビルドアウトの推進に熱を挙げる。
    しかし,同社は 依然として経費の削減を見据えており,従業員の削減が水平線上に見える。
     この1年,Sprint は経費を $10 億以上切り詰め,経営チームの入れ替えをした;その結果 3人の幹部が退社していった。Marcelo Claure CEO は,合理化の取り組みが "組織に浸透する" と言った。
     "これには,トップ経営陣についても組織全体を通じても,数を減らすことが含まれる。" … と彼は 投資家向け電話会議で言った。
     Claure は 人員削減の具体的な数字を明示しなかったが,Sprint は 前線の職員を もっと増やせるし,SGA (販売費 および 一般管理費) を減らせると言った [注:確かに このところ減っていない]
     新任の Michel Combes CFO は,Sprint で初めて出席したこの会議で,コスト・カッターとしての評判を外れることは無かった。 Altice NV の元 CEO は, 1月はじめに Sprint の CFO 兼任の総裁として着任した。 前任者の Tarek Robbiati 元 CFO は, 1月末までの移行期間を終えて 会社を去った。
     4年続きの経費削減の4年目に入る会社で,Combes は まだ もっと削減の余地が見えると言った。
     "会社は 事業について ざっと $60 億の経費を削減した。だが 私は諸君に告げる;私は まだ もっと 業務効率を改善する余地を見る。" … と彼は言った。"何とか削減を行ない,当社事業の将来に投資すべき余地がある。"
     5G への準備
     経費削減により,Sprint は 来年の CapEx を押し上げ,ネットワークのビルドアウトを加速する計画である。 会計年が終わる3月までの CapEx は,$35~$40 億という予想の下限を予定している。次年度は,これを $50~$60 億に増額する計画である。
     向こう3年間で 合計 $200 億になると Claure は言う。これは,Sprint の歴史上 最大の CapEx である。Sprint は,2019 年前半に モバイル 5G のロールアウトの開始を望んでいる。
     "私は, 1年後の 当社 5G ネットワークのライトアップの日を待てない。" … と Claure は言う。"Sprint の最良の日がやって来る。"
    Sprint のビルドアウトでは 電波塔が重要な役割を演じる。
     そのために,Sprint は 鉄塔を 20% ふやし,すべての鉄塔が Sprint の持つ3つの周波数帯にアクセスできるように更新する。Sprint は そのために既に鉄塔2社と契約を結んだ。2018 年内に大部分の更新を完了すると期待すると彼は言う。
     ケーブル会社 Altice USA および Cox Communications との契約も,小型セルのビルドアウトを押し上げるのに役立つ。Sprint は少なくとも 15,000 を配備する計画だと Claure は言う。
     "当社は既に ロングアイランドで ライトアップを始めている。" … と彼は補足した。
     1つの新しい技術が Sprint のネットワークの前進のカギを握る;Massive MIMO (64 個の送信機と 64 個の受信機を備えた大型アンテナ) は,Sprint のカバレッジと容量を強化する。
     "当社の 5G への道筋は,Massive MIMO による。" … と Sprint の John Saw CTO が言う。"当社は 基本的に 一石二鳥で行く。"
     Claure は,massive MIMO については "興奮を超えている" と言い,Sprint が 5G に動けば,Verizon, AT&T のような大手の競争相手を 料金の面でもサービスの面でも 圧迫できると言う。
     "私が話しているのは アメリカで一番のネットワークと言うだけではなく,世界で一番のネットワークなのだ。" … と彼は言う。"これにより Sprint の地位は変わる。"
    誰が読んでも Marcelo Claure CEO は おめでたいが,それを言っても始まらない。
     日本の社長さんが ぞっこん惚れ込んで 決めたのだから (笑)
     大きな会社の勤務経験も経営経験もなし,無線の知識もなし。"会社ごっこ" でしょうか?
     3年半の務めの後で 豹変したらしい。massive MIMO は 5G 専用の 目新しい技術らしい。
    地元紙としては,雇用が最大の関心事?
     T-Mobile との合併が実現すれば覚悟していたことではあるが (組合の反対運動もあった),
     潰れて 安心していたところへ新しい CFO が乗り込んできた。
     従業員の退職金は とっくに半分にしているんだけど。新任の CFO なら それでも切りやすい?
     社長さんは 1000 項目とかを挙げて 経費削減をして 成果が挙がった … と自慢しましたよね。
    ──────
     以前,当サイトは T-Mobile と職員数を比較したことがある。もちろん,契約者数で割り算して比較した。
     Sprint は圧倒的に少なかった。現在 3万人である。これ以上切ると 危険じゃないかと感じた。
     AT&T のように 減税ボーナス (~ $10,000) も無いから(笑),有能な人が集まらない。
     Charter Communications は,従業員の時給を $15 に上げるとのこと [2月2日の決算発表]
     ここは 社長さん,Sprint の減税ボタ餅 $70 億の立て替え払いをして,Sprint 従業員の時給を上げてはいかが?
    ──────
     "何とか削減を行ない,当社事業の将来に投資すべき余地がある。"
     こういうまともなことを言うトップが漸く現れた! のは救いである。
       ・・・ 日本の社長さんの発言には,なぜか 後半部分が無かった。買収以来,これがずっと無い。
     しかし,それが 5G で当たりなのか? 高度の経営判断に属することである。
      AT&T は ずっと以前から「つながる車」をやってきた。IoT なんて言葉が無い頃からである。
    [2018/02/02 引け]
     終値:$5.36, +$0.26 (+5.10%) 4:00 pm
     Day's Range:5.25 - 5.51
     Volume 36,193,705 (Avg. Volume 17,462,898) 出来高は 昨日の方が多かった!

     SEC へのファイリングには,Combes Michel 総裁兼 CFO へのインセンティブ 割り当て 300 万株が記載されている (1月31日付)。これまでと同様 Sprint 株価が $8.00 を 150 暦日連続して超えることが条件である。
     このファイリングが出たので,買い支えは1月17日で打ち止めと思われる。
     したがって,当サイトの推定では 84.96% で止まったままである。
     これ以上の買い支えはできない。
     あとは 株価が $5, $4, $3, $2 … と下がるのを見守るしかない。どこで上場廃止に踏み切るか?

  52. Sprint promises to launch nationwide mobile 5G network in first half of 2019
    Sprint が,2019 年前半に 全国モバイル 5G ネットワークを立ち上げると公約する
    FierceWireless,2018/02/02 @11:16 am
    By Mike Dano
    Sprint の CEO は 今日,モバイル 5G サービスを同社が所有する 2.5 GHz 電波で 2019 年前半に全国的に立ち上げると約束した。
     "当社は,真のモバイル 5G ネットワークをアメリカで 2019 年前半までに立ち上げるために,クアルコム および ネットワーク/機器製造業者と協同作業中である。" … と Sprint の Marcelo Claure CEO は 今日 同社の投資家向け決算電話会議で言った。"この展開は,Sprint を技術革新の最前線に置き,世界中の一流キャリアと肩を並べるようにする ・・・ 当社の次世代ネットワークが 今後2年以内に Sprint を真に差別化するものと当社は信じる。"
     この時間軸は,モバイル 5G の全国立ち上げで Sprint を T-Mobile に先行させる;T-Mobile は, 2019 年に立ち上げを始め,2020 年に終わると公約している。
     電波塔に Massive MIMO 伝送をサポートするアンテナを配備することにより これを達成する … と Claure は説明した ── さらに,ハードウェアは ソフトウェアの更新により 5G NR 標準に適合させられると言う。そして,Sprint は 2.5 GHz 電波を 現在ざっと半分の鉄塔で使っているが,これを来年には Sprint のほとんどすべての鉄塔に拡大するつもりだと言った。このほか,マクロ鉄塔のサイトの数も約 20% ふやす計画だと言う。
     CEO は,Sprint の 5G ビルドアウトが 約 40,000 の屋外小型セル, ケーブル企業との提携によりストランドを取り付けた 15,000 の小型セル ならびに 最大 1,000,000 個の "スプリント魔法の箱" の配備によりサポートされると言う。
     面白いことに Sprint の John Saw CTO は,Sprint の 5G への取り組みの一部は,バックホール用に [企業向けファイバー網サービス] Zayo のような会社から更にファイバーを買うことにも向けられると言う。
     Claure は,Sprint が アメリカのトップ 100 マーケットで 2.5 GHz 電波をざっと 160 MHz 持っていると言い,これにより,AT&T や Verizon が計画しているような ミリ波電波での "ホットスポット" 営業ではなしに,全国的な 5G サービスを実行できると言う。
     "Sprint は, 5G で提供できるものについて妥協する必要が無い唯一のキャリアである。なぜなら,当社は 100 MHz を超える超ワイドなチャネルを提供でき,同時に 中バンドと同じカバー特性を提供できるからだ。"
     実際,Sprint は 鉄塔,シリコン および 端末のベンダーと 5G を配備する契約を既に結んだ … と Claure は言う。"当社は クアルコムと 2018 年末までに 新しいチップセットをリリースしてもらえるという合意に到った。" … と彼は言う。"しかも,当社は韓国の先端的製造会社と 2019 年前半までに機器を用意してもらうという交渉をしてきた。" サムスンと LG は,韓国の端末製造業者である。
     重要なことに,現在 4G 無制限データ・サービスに課金しているよりも, 5G サービスでは料金を高くする計画だ … と Claure は言う。"当社と競合する各社は 無制限の料金を値上げするのは 非常に難しいだろう。しかし, 当社は 無制限を値上げしても Verizon, AT&T と将来 同程度の料金にする余地が十分にある。" … と彼は言う。 "これを アメージングなネットワークで できる。5G の立ち上げ一番乗りで これができる。したがって,当社は 5G を (当社の 位置づけのみならず,稲妻のごとき高速に一番乗りする) アメージングなチャンスと見る。"
     Claure は 続ける:"しかも 当社が 当社ネットワークを配備するに連れて,カバレッジが拡大するのみならず,ファイバーの如きスピードを見るであろう。" … と彼は言う。"したがって,これら全部をご覧いただけば,当社が Verizon, AT&T, T-Mobile に対して 今日 当社が行なっているようなディスカウントをすべき理由は絶対に無い。したがって,当社が偉大な商品を提供し,将来 当社の競争相手と同様の料金を我々が課することを 当社は最善と見る。ただし当面は,当社の 5G ネットワークをロールアウトするまで,当社は料金のリーダーであり続けるつもりだ。来年には 料金を 控えめに上げさせていただくだろうが,大幅ではない。"
     Sprint の 5G 公約は,(2019 年に 5G ネットワークの配備を始めて, 2020 年に全国サービスを行なうという) T-Mobile より先行している。T-Mobile は,所有するすべての周波数帯を (600 MHz 電波を含めて) 5G 配備に利用すると言った。
     一方,AT&T は,モバイル 5G サービスを今年アメリカの1ダースの都市で提供すると言った。ただし, その配備にどの電波を使うかを言っていない。同社は,5G "puck (いたずら小僧)" を 今年 提供するとも言った。
     そして Verizon は,同社のミリ波電波を使って今年 3~5都市で 固定 5G サービスを立ち上げると言った。

  53. Sprint to Launch 5G Network in 2019
    Sprint が 2019 年に 5G ネットワークを立ち上げる
    Wall Street Journal,2018/02/02 @11:56 am ET
    By Ryan Knutson
    Sprint Corp (S, +5.10%) は,商用 5G ネットワークを 2019 年はじめに立ち上げる計画であると発表した。これにより,T-Mobile との合併協議の破談を受けて新しいコースを辿る中,ライバルたちのロールアウト計画とほゞ足並みを揃える。
     スマートフォン利用者にとって 5G がどの程度必要かは 全く不明である:大多数の 4G 接続でも,高品質の動画を流したり,オンライン・ゲームをするのに 十分速い。今日のスマートフォンで,この技術に依存するものは無いだろう。
     ただし,5G ネットワークは スマートフォン以外の機械や機器 (たとえば 自動運転車) には 重要な意味を持つ。Sprint は,5G が 親会社 (Sprint を所有するだけでなく Uber Technologies にも大型投資を行なっている) SoftBank Group Corp に利益を与えると言う。
     T-Mobile との協議が壊れた後,Sprint は 11月に,2018 年から毎年ネットワークに $50~$60 億を投じると言った (昨年は $35~$40 億の予定と言っていたのを引き上げた)。
     Sprint は, 同社の 5G ネットワークが他社より優れている;なぜなら Sprint の 5G は周波数 2.5 GHz を使うからだ;この電波は ライバルたちの電波より 遙かに遠くまでカバーする … と言う。
     Verizon は,たったの数千フィートしかカバーできない 超高周波数の電波を使って 5G を建設中である。Verizon は,5G 技術を使った家庭向けの高速インターネットを 今年の年末までに カリフォルニア州サクラメントから始めて 全米5都市で販売すると言う。AT&T は,同じく 今年中に 5G ネットワークをロールアウトする計画だと言う。
     Sprint は,自分の持っている周波数の方が 全国ネットワークを速くロールアウトできると言う。しかし,ネットワーク容量を増強するのに必要な小型セルなどに,用地規制のため許可を得るのが大変だったことを認めた。これは,Sprint の経営陣が 何年も前に約束しながら,同社のネットワークが一向に改善しない1つの理由である。
     "我々は いくつかの過ちを犯した。小型セルのロールアウトは,ずっと速く進むものと考えていた。" … と Sprint の Marcelo Claure CEO は 金曜日 記者団との電話会見で言った。
     それにも拘わらず ── と Claure は言った ── Sprint のネットワークは 料金の値上げを検討できるくらい 十分改善している。株価は 午前の取り引きで 約 5% 上がった。T-Mobile との協議が破談になってからは,急落していた。
     アメリカの国家安全保障当局者は最近,中国の通信キャリアが 5G ネットワーク建設で アメリカを打ち負かすのではないかと懸念の声を挙げた。この懸念は,国家安全保障会議 (NSC) の1人のメンバーに 政府による 5G ビルドアウトを提案させた。ただし,業界の首脳らは このアイデアを批判している。
     ところで 金曜日,Sprint は 2017 年の最後の3ヵ月の決算を報告した。契約増は続いているものの,その増え方は 減った。同社は, 1年前の 405,000 より少ない 256,000 の月ぎめ契約者を増やした。
     他のキャリアと同様,新しい税法は Sprint に莫大な利益をもたらした ── 紙の上の話である。法人税率の引き下げにより,繰り延べ税金負債が $70 億以上 チャラになり,これが会計上 利益となった。これを除けば, 利益は $1.04 億である (1年前は −$3.68 億の赤字だった)。
    Wall Street Journal から本日出ている Sprint の記事はこれだけである。
     タイトルを見て,これは 決算報道ではないのだろう? と思った (笑)。

  54. Sprint positioned for ‘truly awful’ fourth quarter
    Sprint は,"まことに恐ろしい" 四半期に置かれている
    FierceWireless,2018/02/01 @12:08 pm ET
    By Mike Dano
    我が国大手全国無線ネットワーク営業会社のうち3社は 既に四半期決算を発表した [注:Tmo は契約数のみ]。これら3社は,いずれも後払いの顧客増でウォール街予想を劇的に上回った。その結果,重大な疑問がたった1つ残る:これが Sprint にとって何を意味するか?
     "Sprint の後払い電話純増は 期待外れだろう。" … とドイツ銀行の市場調査担当アナリストらは警告した。 "AT&T, Verizon, T-Mobile は,どれも ドイツ銀行とウォール街の予想を遙かに上回る後払い電話純増を報告した。"
     なるほど,Verizon は 後払いの電話純増 +431,000 (ウォール街予想は +282,000);T-Mobile は +891,000 (ウォール街予想は +810,000);AT&T は昨日 +329,000 (ウォール街予想 −36,000 減を遙かに上回る)。
     Sprint に懸念を示すのは,ドイツ銀行のアナリストだけではない。MoffettNathanson のアナリストらも,AT&T, T-Mobile, Verizon がすべて 大多数のウォール街予想を超えたと言う。同社は,Sprint が "まことに恐ろしい" 四半期への足取りを歩んでいると警告した。
     "Sprint の後払い電話純増に対する当社の現在の予想 (+268,000) は,国内キャリアが全体として 前年比 +37% の後払い電話純増を達成することを見込んでいる (2Q17 と 3Q17 は それぞれ前年比 +23% と +18%)" … とドイツ銀行のアナリストらは書いた。"明らかに,もしも 市場の伸び方が最近の複数の四半期の割合に合致していれば,これは Sprint の数字に下向きのバイアスを意味する。"
     ただし,たった1つのアナリスト会社だけは,Sprint だけの話ではないと言う。New Street Research のアナリストらは,前払いから後払いへの移行がすべての全国キャリアで起こっていると言う。"VZ と T は,どちらも予想より良い後払い電話純増を発表したが,TMUS では,同様に予想を超える後払い電話純増があったものの,前払いから後払いへどれだけ移しているかは分からない。つまり,各社の契約増の中身が 同じ性格のものかどうかは不明である。"
     New Street はさらに続ける:"それより重要なのは,ケーブル会社の無線への参入が 2018 年には,無線キャリアの計画をぶち壊すだろう;当社の予想では,ケーブル業界は 年率 ランレートで 250~300 万の無線純増を年末までに挙げるだろう。これは既存の4社を それだけ喰うことを意味する (とくに AT&T は,この圧力を埋める MVNO 売り上げが無いので弱そうだ。)
     Sprint は,2月2日の朝 決算を発表する予定である。
    前払いの顧客に せっせせっせと 後払いに移行するよう 勧めることは各社が やっている。
     とくに Claure は,Sprint が これをやっていると公然と明言している。
      その勧誘の手口は, ・・・ あなたは 前払いを契約しておられますが 支払いを滞ったことの無い 優良顧客と当社は認定いたします。後払いを契約なさるだけの信用をお持ちですから,よろしければ 後払い契約に移行してください … みたいな手紙を送る (と Claure が言っていた)。どこもやっているのだろう。
     どこも決算の数字を見れば分かる。前払い契約数が減って,後払いが増えている。
     この記事では,後払いしか見ていない。それでも Sprint の分が悪いことに変わり無いが。
    [2018/02/01 引け]
     終値:$5.10, −$0.23 (−4.32%) 4:00 pm
     Day's Range:4.91 - 5.28
     Volume 42,219,931 (Avg. Volume 16,997,903)

     SEC へのファイリングには,Combes Michel 総裁兼 CFO へのインセンティブ 割り当て 300 万株が記載されている (1月31日付)。これまでと同様 Sprint 株価が $8.00 を 150 暦日連続して超えることが条件である。
     このファイリングが出たので,買い支えは1月17日で打ち止めと思われる。
     したがって,当サイトの推定では 84.96% で止まったままである。
     突然 見事に下がったが,悪い決算を予想する記事は1つも見られない。
      FierceWireless を読んでいる人が多いとも思えない (笑)。
     日本でも SoftBank が 今日 売られるとすれば,アリババが原因で,それも 日経に書かれた的外れの「理由」によるものだろう。とは言え 多くの人が「的外れの理由」を信じれば, それが「真の理由」 になる。
     WSJ が言う理由は,構造的理由であり,利食いというようなものではない。
     SoftBank が Sprint で売られるのは 週明けか (笑)。いやはや。
     SoftBank が $10 億を注ぎ込んだ 社長さんご自慢の SoFi でも何かあったらしい (→ 貸金業界)

  55. Why T-Mobile Is Mocking Rivals’ 5G Plans
    T-Mobile が,ライバルたちの 5G 計画を あざ笑う理由
    Market Realist,2018/01/26
    By Rachel Gunter
    Verizon は, 5G サービスを 2018 年に アメリカの3~5 市場に家庭向けに立ち上げる計画である。 同社は 11 市場で既に 5G の実証実験を成功裡に完了したことを受けて,上記の 5G ロールアウトを公約した。
     カリフォルニア州サクラメントが,同社無線ネットワーク上で超高速の下り速度を実現する 固定 5G サービスの一番手と見られる。
     他方 AT&T は,2018 年末までに全米 1ダースの市場で 5G サービスを立ち上げる。AT&T は Verizon の "固定 5G" の向こうを張って "mobile 5" であることを強調する。
    トップ無線キャリアの 5G 配備計画
     ところが,"uncarrier" を自称する T-Mobile は,ライバルたちの 5G 計画が本気でないと考える。T-Mobile の計画は,2020 年までに mobile 5G を全国で立ち上げることであり,2019 年にその作業に取り掛かるとみられる。5G のロールアウトの準備として,T-Mobile は 5G 配備の土台の一部をなす機器をテストする許可を規制当局に求めている。
     T-Mobile は,タイミングを理由に,ライバルたちが 5G で本気でないと考える。T-Mobile によれば,スマートフォン・メーカー および チップセット設計会社とこれまで協議を行なっており,同社が聞いているところでは,5G ネットワークをサポートする機器は 2019 年まで手に入らない。その理由から,T-Mobile は Verizon と AT&T が 2018 年に 5G を約束している理由を理解できない。
     モバイル用チップの筆頭 設計会社クアルコムは,5G スマートフォンが 2019 年に発売されると予想する。
    でも,もっとあざ笑われているキャリアが1社あるんじゃないの?
    5G をやっているとは 全然認められていないキャリアが ・・・ 。
     合併契約をちゃぶ台返しした社長さんの 言い訳は, "アメリカで IoT, 5G をやるための戦略にどうしても欠かせない" ということだった。でも,この記事によると,それはウソらしい(笑)。
     だって 何もやってない … と認識されている。実際,これまでに出ているニュースを見る限り, ほとんど何もやってない。
     ちゃぶ台返しのホントの理由を知りたいですね。取締役会の全記録を公表せよ!(笑)
    ただし,5G については 別の考え方もあり得る。
     これまで何度も書いてきたが, 5G がどのくらい普及するかは全然わかっていない。
     自動運転車が有力と言われるが,これが実現するのに何年かかるか? 100 年かかるという説さえある (技術の問題だけではなく,歩行者を含めて 社会全体が受け入れる必要がある)。Uber の Khosrowshahi CEO は3年後には … と言う。3年後に商用の自動運転タクシーが沢山街を走り回って Uber 爆益でウハウハ?
     まして 遠隔外科手術が 5G を利用して世界中で1日に何十万件 (?) も行なわれるなど いつになるのか想像もつかない。4K, 8K の TV も挙がるが,家庭での有線接続で大画面で見るのが自然である。特別な場合以外,無線接続は必要無く,そのために通信会社が莫大な投資をするのは馬鹿げている。
     T-Mobile が 4G の配備を先行させて 5G を遅らせるというのは,そういう狙いかもしれない。
      ・・・ とすれば 遅れているアメリカの Sprint の 5G も,やはり遅れている日本の SoftBank の 5G も英邁なる社長の深謀遠慮によるものかもしれない。
    [2018/01/29 引け]
     終値:$5.27, −$0.10 (−1.86%)
     Day's Range:5.25 - 5.34
     Volume 9,443,797 (Avg. Volume 18,097,198) ← 出来高半減

     1月 18, 19, 22, 23, 24, 25, 26, 29 日の8日間の買い支えは,未公表のため不明である。
     SoftBank も −1.75% の下げであるが,どちらも理由は分からない。
     CTO に触れた記事が見られないから,CTO が理由で下がったのかどうかも分からない。
    この頃 UberEats の広告 (→) が,やたら目に付く。
     Uber の子会社で 数多くのレストランと契約して出前を請け負う。
     Uber の業務も,これと同じである。
     「空き時間を利用して あなたの車で白タクをしましょう」
     「タクシー運転手の免許は不要です (欧州では必要に変わりつつある)
     「副収入を稼ぎましょう」
     「もちろん,健康保険も年金もありません」
     「働かせ方改革?」
     こんな超赤字企業 続くのか? アメリカ社会に受け入れられて大きく伸びるのか?
     今年半年の赤字が $25.2 億 (ソフトバンクの "営業利益" の ~30%)
     ソフトバンクは,この ~20% を今後 負担いたします。
     Nvidia に頑張って含み益を出してもらうしかない (笑)
    ──────
     犬のお散歩 アグリゲータとかいう 創立後3年の Wag はノウハウ まるでなしの最悪企業。
     赤字は毎月 400 万ドルとか。$1 億欲しいという Wag に $3 億 "押し込み投資 (?)" したんだから,かなり 持つでしょう。
     なお,Recode 報道によれば,昨年 10 月に Wag から2名が東京にやってきて社長と話をして決まっていたとのことなので,「ボロ会社の赤字を一手に引き受けます」という「投資」は,社長が交代しない限り, 永久に続く見込みである。SVF の損失がどこまで膨らむか 今後の数年は楽しみ。
    [2018/01/30 引け]
     終値:$5.29, +$0.02 (+0.38%) 4:00 pm;$5.26, −$0.03 (−0.57%) 4:54 pm
     Day's Range:5.20 - 5.30
     Volume 10,118,137 (Avg. Volume 17,957,041)

     1月 18, 19, 22, 23, 24, 25, 26, 29, 30 日の9日間の買い支えは,未公表のため不明である。
     この日は,トランプ政権が 中国のスパイ活動を警戒して 全国 5G ネットワークを政府が行なうという構想が漏れたのを 通信業界が一斉に叩いているという記事が沢山出ている。
    [2018/01/31 引け]
     終値:$5.33, +$0.04 (+0.76%) 4:00 pm;$5.29, −$0.04 (−0.75%) 4:39 pm (行って来い)
     Day's Range:5.23 - 5.33
     Volume 12,495,210 (Avg. Volume 17,156,210)

     1月 18, 19, 22, 23, 24, 25, 26, 29, 30, 31 日の10日間の買い支えは,未公表のため不明。
     なんかおかしな値動きをしている。決算への思惑か?
     顧客数は期待できないことが (Vz, AT&T, Tmo の好調な数字から) 分かっているはずだが ・・・ 。

  56. Confidencial Treatment Order
    極秘取り扱い命令
    Sprint 広報,2018/01/26
    1934 年証券取引法の下で 極秘取り扱いを容認する命令
     SoftBank Group Corp は,Rule 24b-2 に基づき Sprint Corporation の普通株の所有に関して 2017年12月29日に提出された Exhibit to a Schedule 13D/A から SoftBank が削除した情報の極秘取り扱いを要請する申請書を提出した。
     情報の自由法 U.S.C.552(b)(4) の下で この情報が極秘の商業/財務情報に該当するとの SoftBank の申し立てに基づき,SEC の会社財務局は この情報を公表しないことに決定した。よって,以下の提出物は 下記に指定する期間,公表されない:
     提出物:99.13, 期限:2018年12月14日。
    For the Commission, by the Division of Corporation Finance, pursuant to delegated authority:
     Brent J. Fields
     Secretary
    [2018/01/26 引け]
     終値:$5.37, +$0.03 (+0.56%)
     Day's Range:5.26 - 5.38
     Volume 10,682,691 (Avg. Volume 17,980,977)

     1月18, 19, 22, 23, 24, 25, 26 日の7日間の買い支えは,未公表のため不明である。
    ──────
     何が起こっているのか さっぱり分からない。
     KCBJ の記者 Elise Reuter さんもお手上げだろう。これまでのような記事が無い。
     なお, 1月25日(木) づけで上記のような 意味不明の SEC 文書 (PDF) が出ている。その内容はごく短いものである (↑)。
     何が極秘扱いされたかは,13D/A から既に削除されているから 不明である。
     いったい,今年の 12月14日までと限って 秘密にすべきこととは何なのか?
     それより前に 上場廃止になるんだから 大して意味ないと思うが (笑)
     しからば,この 13D/A はどういう文書かというと,その PDF がこれである。
     それまで買い付けた株数をまとめて報告し,その割合が 84.10% に達したことを記載している点が,他のファイリングと異なる。なお,当サイトは この 84.10% という数字を基礎に積算を行なってきた。
    極秘扱い命令 (CTO, Confidential Treatment Order) << Investopedia による説明
    企業が本来提出すべき或る種の文書 および 情報に対する極秘扱いを SEC が容認する命令である。CTO は,SEC が発行し,期間は無期限ではなく,一定の期間に限り有効である。
     企業は,自分にとって不利な情報を秘密にしておくために CTO を要求する。たとえば,パートナーと行なった価格協定に関する情報を秘密にするために CTO を申請することがある;なぜなら 競合する企業がこの情報を見つけると,さらに安い価格にするかもしれないからである。
    Benzinga による CTO の例 (2016/12/19)
     つい 今週,Intercept Pharmaceuticals Inc (ICPT) が,最近の 10-Q ファイリングに含まれる情報を 2020 年12月31日まで抑えることが容認された。
     もちろん,Intercept が何を隠したいのかは, 2020 年12月まで知る方法が無い。しかし,バイアウトがあるのではないかとの市場の憶測が,水曜日の取り引きで 株価を 13.1 % 上げた。
     Intercept の広報担当者は Benzinga に 会社は M&A の憶測にはコメントしないと言った。
     インターネットで ICPT を検索すると,何しろ (SVF が $11 億を投資して 2度目の臨床試験失敗で 年明け1月8日に株価が見事に 1/10 以下に下がった Axovant [WSJ に9月の失敗でも叩かれた] と同様に) バイオテックで売っている銘柄なので,臨床試験がどうのこうので振れるらしい。はっきりしたプラス材料は無くむしろ,株価が下がったことによる 株主集団訴訟を訴える法務会社の公告がワンサカ見られる。極秘取り扱い命令を (結果として) 悪用した感じがする。まぁ,損になることを隠す … と明言して隠しているのだから当然かもしれない。
       株主に対して 誠実な会社であれば,CTO の発行を SEC に要求して認められたこと,CTO とはそもそも何か … を投資家に説明すべきだろう。また, 11月6日に買い支えを始めると宣言したのだから, 85% に達したどうかも適宜開示すべきである。
       日経は これを当然知っているはずなのに,報道しないのはおかしい。いつも SoftBank のゴマすりをやっているのに 今回 黙っているのは,これが「悪い情報」だと考えているからか? 報道しなくても,日本の金融機関は全部知っている。いつも蚊帳の外に置かれるのは,個人の株式投資家と債券投資家 (利回り 2% に釣られて "福岡ソフトバンクホークスボンド" を買う人) である。
     どうも 数年前から このように個人(株式 および 債券) 投資家を軽視する傾向が顕著になったと思う。 これから 全世界が利上げに向かう中で 債券投資家への影響は大きい。資金需要の大きい当社の債券発行が停滞すれば,それが株価に響くという流れである。
     当サイトの取り敢えずの結論
       SoftBank は,2017/12/29 のファイリングで 何か 2018/12/14 まで秘匿したい (リークすると損害が生じる) 情報を記載した。
     どういう「損害」を SoftBank が認識しているのかは 不明である。
       この文書が Sprint 株式買い増し報告であることを考えれば,秘匿したい事項は Sprint のバイアウトに関することと推定される。株価が下がらないのは,バイアウトによるプレミアムを期待するからか?
       極秘取り扱い命令は,SoftBank が公表すれば損害が発生すると認識して何かを秘匿しているのだから,Sprint も SoftBank も どちらも株価が素直に下がるのが 自然だと思う。場合によっては ICPT と同様に 株主集団訴訟もワンサカありと 社長さんは密かに期待している?(笑)。無ければ ガッカリ? 折角 SEC に極秘扱いを申請して認めてもらったのにね!
    SoftBank 期待の星 Nvidia は,決算発表を 2018年02月09日(金), 5:20 am JST に行なうと公告した。
     仮想通貨を材料に爆上げした銘柄であるが,先行きについては強弱真っ二つである。まだまだまだまだ大きく上がるという説も珍しくない。
     折から 仮想通貨の破綻は,日本がアメリカより先進国であるらしい。WSJ(ビットコイン・バブルは なぜ重大か, 2017/10/08) は,仮想通貨がこければ,Nvidia と AMD が危ないと昨年のうちから警告を続けてきた。どうなりますか ・・・ 。
     SoftBank が Nvidia 株を「本当に」持っているのか疑われるような Bloomberg 記事 (2017/11/22) もある(笑)。そもそも Nvidia の大株主リストに SoftBank の名前が無い。4.9% より少ない大株主 (1.13% 以上なら) 載っている。Yahoo Finance の "Nvidia" に行き,右から3番目の "Holders" をクリックすれば,SoftBank が仮に持っていたとしても1% 程度だということは,誰にでも分かる。
     一体 いつ 何株 どこの証券会社で いくらで買って,手数料がいくらだったかまで 公表して,株主を安心させよ!(笑)
     これから 大きくコケることも予想されるから,実はウソでした, 仮想株主でした … と言う方が安心だとも言える (笑)

  57. Rating Action: Moody's withdraws PR Wireless's ratings due to insufficient information
    格づけアクション:ムーディーズは,不十分な情報を理由に PR Wireless の格づけを 撤回する
    Global Credit Research,2018/01/22
    ムーディーズ投資サービスは 本日,PR Wireless Inc の Caa2 CFR, Caa2 PD デフォルト確率格づけ ならびに ターム・ローン および 回転信用枠に対する Caa2 格付けを撤回した。
    撤回
     発行体: PR Wireless, Inc
     デフォルト確率の格づけ:撤回,従来の格づけは Caa2-PD.
     CFR:撤回,従来の格づけは Caa2.
     優先担保付銀行信用枠:撤回,従来の格づけは Caa2.
    見通し
     ネガティブから撤回に変更.
    格づけの判断基準
     ムーディーズは格づけの撤回を決定した。なぜなら,格づけ維持をサポートする情報が不十分 または 不適正であると信ずるからである。
     2017 年11月 (Open Mobile として事業を行なっている) PR Wireless と Sprint Corporation (B2 安定的) は JV を立ち上げ,PR Wireless はその事業をプエルトリコと米領バージン諸島の Sprint 事業と合併させた。この新しい JV は 現在 Sprint の会計に連結されている。
     PR Wireless は,2007 年6月に設立された プエルトリコの筆頭無線通信会社である。
     Marie Fischer-Sabatie
     Senior Vice Presiden
    これは,どのくらいの「事件」なのか 見当が付かない。もちろん,数字の上では 全然 問題にならない。
     しかし,連結決算している JV の相手が 格付けを撤回されるとは 只事ではありません。
     SoftBank の信用に関わるか? いかにも 人材ゼロの SoftBank Group Corp らしい!
     ウェブを検索すると,次のような記述が見つかる。破綻して連絡が取れないような感じ?
    信用格付の「保留」「撤回」について
     信用格付は,情報入手が困難となった場合や客観的な情勢に重大な変化が生じた場合等には「保留」,「撤回」することがあります。
     信用格付の見直しを行うのに必要な情報の入手が一時的に困難あるいは不可能となった場合には既格付を「保留」とします。
     また,情報提供について債務者 (発行体) からの協力が得られず,将来にわたって信用格付の見直し作業が不可能と判断される揚合は「撤回」とします。
     (1) Sprint は,OpenSignal の発表で またもや どん尻 (グラフで歴然)。
     (2) 株の買い上げはもう満杯の 85% で,株価は 今後下がるだけ。
     (3) PR Wireless の理由不明の格づけ撤回 (この地域を襲った 超大型ハリケーン Irma と Maria の影響で潰れたのか?)。
     (4) おまけに 国内通信に関するロイター日本語報道では「楽天」という名前がカットされ,総務省が4社体制を強力に推している … というニュアンスが,翻訳では な ぜ か 剥がれ落ちている (笑)
     東京は Sprint の悪材料を完全無視のようだ。誰が買っているんだろ?
    [2018/01/23 引け]
     終値:$5.30, −$0.02 (−0.38%)
     Day's Range:5.10 - 5.32
     Volume 23,148,313 (Avg. Volume 18,026,758) ← 大商い.

     1月18, 19, 22, 23 日の4日間の買い支えは,未公表のため不明である。
     エクセルからの出力ファイルは こちら (変更なし)。
    ──────
     何が起こっているのか さっぱりわからない。
     KCBJ の Elise さんも驚いているだろう (笑)
    [2018/01/24 引け]
     終値:$5.25, −$0.05 (−0.94%)
     Day's Range:5.24 - 5.35
     Volume 11,858,283 (Avg. Volume 18,195,903) ← 商い急減した.

     1月18, 19, 22, 23, 24 日の5日間の買い支えは,未公表のため不明であるが,さすがに 85% はとっくに超えていると思われる。
     エクセルからの出力ファイルは こちら (若干変更)。
    ──────
     何が起こっているのか さっぱり分からないが,本日も日計りの空売りさんに稼がせた。
     親会社については,社長が発狂 (?) したとしか思えないような(笑) ニュースが複数流れて大騒ぎのようだ。日経は全く報道していない (The Information, Reuters, Wall Street Journal ほか)
     まぁ とっくに "賞味期限" が切れた還暦社長だから,何があっても株主さんは驚かないでしょ (笑)
    [2018/01/25 引け]
     終値:$5.34, +$0.08 (+1.52%);$5.29, −$0.05 (−0.91%) After hours: 4:13 pm
     Day's Range:5.24 - 5.36 (昨日とほとんど同じ)
     Volume 12,372,431 (Avg. Volume 18,145,743)

     1月18, 19, 22, 23, 24, 25 日の6日間の買い支えは,未公表のため不明である。
     85% はとっくに超えているだろう。
     エクセルからの出力ファイルは こちら (変更なし)。
    ──────
     何が起こっているのか さっぱり分からない。引け後の取り引きで急落した。
     今さら 決算悪いで売られることはなかろう (笑)

  58. SoftBank looks to have topped out buy-up of Sprint stock
    SoftBank は,Sprint 株買い上げの上限を超えてしまった模様である
      Kansas City Business Journal,2018/01/22 @04:00 pm ET
      By Elise Reuter
    Sprint Corp の大株主オーナーは,買えるだけの量のスプリント株をほゞ買い尽くした。
     1月17日の時点で,SoftBank Group Corp は,Sprint の発行済み株式の 84.94% を所有していた。もしも SoftBank の持ち株が 85% に達すれば,Sprint の過半数株式を取得した 2013 年の合意に従って,Sprint の残りの発行済株式を買うことを要求される。
     11月6日以来,SoftBank は Sprint 株を 8010 万株,約 $4.6632 億で取得した [当サイトの推計では 8006.5 万株である]。SoftBank は Sprint の残り全部をバイアウトするつもりはなさそうである;なぜなら Sprint と T-Mobile が合併協議を正式に打ち切った後の 11月6日に Sprint 株を買い始めた時, 85% を超えるつもりは無いと SoftBank が明言したからだ。
     SoftBank は,85% を超えるまでに あと 174 万株を買うことができるだろう。
    SoftBank の買い付け
    T-Mobile との合併の破談後,SoftBank は Sprint の株を買い始めた。
    青の棒グラフ=購入株数,黒丸つきの実線グラフ=平均株価。
    ソース:SEC への届け出。
     アナリストらは,今回の買い付けが 合併協議終了後の Sprint の株価を安定させるのに役立つを憶測した。最大のとき,SoftBank の買い付けは Sprint 株の買いの 23% を占めた … と BTIG の Piecyk は書いた。
     T-Mobile との協議が終わったとの発表の前,Sprint の株価は 11月3日の終値で $6.67 だった。それ以来 株価は −11.7% 下げて 月曜日の始値 $5.49 までに下がった。
     昨年 11 月以来,Sprint の Marcelo Claure CEO は,新しい鉄塔を建設し,現存する電波基地を更新するため,CapEx に大型予算を組むと発表した。彼は,今年3月に始まる 2018 会計年に CapEx が $50~$60 億に達すると言った。ただし,2017 年は,$35~$40 億の水準の CapEx を目標にしている。
    最後のところで CapEx の話が突然出てくる理由は分からない。新しい情報ではない。
    [2018/01/22 引け]
     終値:$5.32, −$0.15 (−2.74%)
     Day's Range:5.28 - 5.49
     Volume 19,161,283 (Avg. Volume 18,007,701) ← 引けで大商い.

     1月18, 19, 22 日の3日間の買い支えは,未公表のため不明である。
     エクセルからの出力ファイルは こちら (変更なし)。
     なお,決算発表は 2月2日(金) 10:30 pm JST との通知が 昨日 ベル前にあった。
    ──────
     先週の週末に 上場廃止の発表があるかと思ったが,沈黙を守っている。
     もはや お腹いっぱいなので,今後は 売りに押されて株価は下がらざるを得ない。
     どこかの空売りさんに,連日 日計り商いで確実に稼がせることが目的か … と疑われてもやむを得ない (笑)。 実際,儲けは かなりになるはずだ。
     いつか 我慢できなくなったところで, あるいは 空売りさんが「もう結構」と言えば,バイアウトによる上場廃止を発表するのだろう (笑)。
     11月6日に始まった買い支え分を含めて ~4,000 億円程度の負担と見られる。

  59. Sprint inks small cell deal with Cox but remains silent on MVNO front
    Sprint が Cox と小型セル取り引きを結ぶ。ただし MVNO については沈黙を守る。
    FierceWireless,2018/01/18 @10:13 am
    By Mike Dano
    Sprint と [ケーブル会社] Cox は 本日,Sprint が Cox の有線ネットワークを バックホールと小型セルのビルドアウトに使えるようにする協定を発表した。同時に両社は,この取り引きが 両社の特許侵害訴訟を終了すると言った。
     ただし,Sprint の無線ネットワークを利用して Cox ブランドの無線サービスを MVNO により提供する可能性については,両社のどちらも触れなかった。
     "これは,当社のネットワーク性能を改善するための稠密化計画を加速する戦略的パートナーと協同する もう1つの [Altice に加えて?] 機会である。" … と John Saw CTO がリリースで言った。"今後 当社は,互いを益するやり方で Cox と協同する新しい機会を探し続けるつもりだ。"
     発表で Sprint は,Cox のネットワークを利用して "Sprint ネットワークの稠密化を加速し,同時にマクロ・バックホールと小型セル配備の効率を上げる" … と言ったが,それ以上の詳細の説明は無かった。  
     Cox Communications は,18 州に 6つのケーブル・システムを持つ:アリゾナ, アーカンソー, カリフォルニア, コネチカット, フロリダ, ジョージア, アイダホ, アイオワ, カンザス, ルイジアナ, マサチューセッツ, ネブラスカ, ネバダ, ノース・カロライナ, オハイオ, オクラホマ, ロードアイランド, バージニアの 18 州である。
     Sprint と Cox の新協定は,Sprint と Altice が昨年11月に結んだ協定に似ている。当時 Sprint は "Altice USA のブロードバンド・プラットフォームを活用してネットワークの稠密化を加速する" と言った。その見返りとして,Altice は Sprint のネットワークを利用して MVNO 協定により無線サービスを立ち上げると言った;これは,Comcast が Verizon の無線ネットワークを経由して昨年 Xfinity Mobile サービスを立ち上げたのと同様である。
     Sprint と Cox の今回の取り引きに MVNO 部分が欠けていることは,Cox が無線に戻らないことを必ずしも意味しない。Cox は 自社の無線ネットワーク事業をざっと 10 年前に始め,2010 年には 全国無線サービスを提供しようと Sprint と MVNO 協定を結んだ。しかし 2011 年に Cox は その取り組みを中止した。
     Sprint と Cox との協定は,Altice との協定と同様に進むだろう。今月これまでに,Sprint の Saw CTO は,Altice との協定をどのように進めるつもりかをやゝ詳しく説明した。
     "Altice との協定は独特のものだ。" … と Saw は言い,ケーブル会社が Sprint との MVNO を通じて無線サービスを提供し,他方 Sprint が ニューヨーク州ロングアイランド島のようなところで Altice の有線ネットワークにアクセスして 小型セルを素早く配備できるようになる … と説明した。Saw は更に,それらの小型セルが Altice の DOCSIS ネットワークを通じてバックホールされると言う:"もちろん,当社が専用のファイバーを引くという選択肢もあり得るが,既にあるものを使う方が早くて安上がりである。"
     最後に,Sprint と Cox の間の特許紛争の和解は,昨年末に Sprint が Comcast と結んだ同様の合意を受けたものである。Comcast は,Sprint に $2.50 億を支払うことにより Sprint との特許権侵害闘争を和解したと言った。
    やはり 下げて始まった。出来高が多いことに注目。
     何か 策があるのだろうか?
    [2018/01/18 引け]
     終値:$5.34, −$0.14 (−2.64%)
     Day's Range:5.24 - 5.49
     Volume 27,007,942 (Avg. Volume 17,462,298) ← 最終日を記念して出来高急増?(笑)

    今日も 日計りの空売りさんに利益を献上した。組織的な利益移転 (?) である。
     22 日間にわたって,特定の誰かさんを儲けさせているのかもしれない。
     エクセルからの出力ファイルは こちら (変更なし)。
     どうして こういう風に追い詰められる前に 上場廃止に踏み切らなかったのか? 不思議である。
     SoftBank の信用を落とすだけである。
      1月17日(水), 1月18日(木) の両日で 85.00 % に到達して,お腹いっぱいだろう。
      社長は「安く買わせてもらえるのはうれしい」みたいなことを言っていたから,あとは 下げるだけ。
      $5, $4, $3, $2 ・・・ どこかで 耐えきれなくなってタオルを投げ入れる。みっともないが仕方ない。
    ──────
     Uber との取引完了 ? (独占禁止の審査は?) より こちらが重要の筈だが ・・・ メディアはおかしい。
     いずれ 上場廃止になる Sprint の Marcelo Claure を Uber の取締役にしてもね。
     そもそも「スキャンダルのデパート」に1兆円も ふんだくられるのがおかしいが,それを言っても仕方ない。ほかにもスキャンダル企業2社に出資して WSJ などに取り上げられているから,SoftBank は 今や「スキャンダルの世界的元締め」(笑) だ。
     ボロが錦に見える人には何を言っても通じない。ほかにもボロをたんと買い込んでいる裸の王様だから。家来に まともな人材がいないからこうなる (笑)。
     Uber と SoftBank の両方の取締役を兼務する Rajeev Misra は,今回の声明で
     「私は,Uber がさらに大きな世界的成功となるよう SoftBank が助けることを期待する」 … と他人事のように言っている。大いに期待できそうだ。
     InvestorPlace (2018/01/09) は,
       『Uber が こければ,SoftBank の "Vision Fund" は短命に終わるだろう』
     だとさ。
    ──────
     Uber は米欧に集中か?
     日経さん滅茶苦茶 (笑)
     Uber は 欧州からほゞ完全に締め出された。
     東欧だけは残っている。
    [2018/01/19 引け]
     終値:$5.47, +$0.13 (+2.43%)
     Day's Range:5.30 - 5.54
     Volume 23,097,386 (Avg. Volume 17,966,386) ← 大商い.

     SEC への届け出 (1/19) によれば,1月17日(水) にも,順調に買い支え作戦が実施された。これで, 22日間 連続の活発な買い上げである。 1月18, 19日分は未報告のため不明である。
     エクセルからの出力ファイルは こちら (変更あり)。
     1月17日(水) の買い上げは,株数が 前日までの 1/3 に急減した。85.00% に近づいたことを意識した動きである。当サイトの推定では 84.96% に到達した。11月6日からの買い上げは,ちょうど 2.00% に達した。
     この調子であれば,ちょうど1月19日(金)に 85.00% に到達したと推定できる。これなら,常識的には 1月22日(月) に場が開く前に「上場廃止」を宣言すればよい。あるいは 放置して株価が下がるに任せる。
    ──────
     なお Sprint に特別の材料が無いのに株価が上がったが,これは「誤解 (笑)」によるものと推定される。
     トランプ大統領が昨年末に減税法案に署名して成立させたので,Verizon には莫大な税効果が生じるとの WSJ 報道により Verizon の株価が上がった。
     Sprint も多額の税金を払っていれば,法人税の負担が減るのだが ・・・ 。

  60. Targeting Verizon users, Sprint revives ‘free unlimited for a year’ promotion
    Verizon の利用者を狙って,Sprint が "無制限プランを1年間無料" のプロモーションを復活する。
    FierceWireless,2018/01/17 @10:58 am ET
    By Mike Dano
    Sprint は 本日,同社に乗り換えて 自分の電話を持ち込む顧客を対象に,無制限サービスを1年間無料で提供するプロモーションを更新した。
     このプロモーションは,ざっと3ダースの電話 (アップル, サムスン, モトローラ, グーグルなどを含む) のどれかを持つ人に適用されるが,不幸な Verizon の顧客に向けて特に偏ったものであるらしい。
     "Verizon の電話をキープして 最初の年に $900 節約しよう。" … と Sprint のウェブサイトは宣言する。 "Verizon に法外なカネを ふんだくられるのをやめよ。"
     今回のプロモーションは,2017 年夏に Sprint が発表してものと似ている。あれは,当時 ウォール街のアナリスト Craig Moffett が "アメリカの無線業界の歴史上 最も猛烈なプロモーションである" と評したもので,Sprint の四半期決算を押し上げるのに役立った。2017 年8月,このプロモーションの立ち上げから間もなく,Sprint は3年ぶりで初めて 黒字を決算で計上し,後払い契約純増 +88,000 を達成したのである。
     重要なことは,今回のプロモーションは,2つの大型料金割引プロモーションが期限切れになった後に行なわれることだ。そのため,Sprint の顧客にとって 月額料金はかなり上がり,チャーンを押し上げる可能性がある。
     Sprint の今回のプロモーションに最初に気づいたのは PhoneScoop であるが,その大胆さにおいて注目に値する。1月末までの期間限定のこのプロモーションは,Sprint に乗り換える (有資格の電話を持ち込む) すべての人に1年間無料の無制限サービスを提供する。個人にも家族にも適用される。
     この無制限サービスは,高解像度の動画ストリーミング,10 GB の高速ホットスポット・データ および 国際ローミングを含む。顧客は SIM カードを買う必要があるが,アクティベーション料金を払う必要はない。このプロモーションは 2019年1月31日まで有効であり,その時点で 月額料金は 第1回線が $60/月,第2回線が $40/月,第3~5回線が $30/月となる。
     顧客は,現在使っている電話が このサービスに適格であるかどうかを まずチェックせねばならない。
     Sprint は,数週間後に第4四半期決算を発表する予定である。
     Morgan Stanley のアナリストは,この四半期の 電話契約純増 +244,000 (アナリストのコンセンサスは 約 311,000) と 前払い純増 12,000 (同 89,000) を予想した。後払い電話のチャーンは この四半期に 1.77% に達すると言う。
     ちなみに,後払い電話のチャーンは 9月期に 1.59%,6月期 1.50% だった。
     チャーン (解約) が多いのは,サービス料金半額の2年プロモが終わって 値上げになったために 逃げた客が多かったのだろう。その穴埋めをしようと,今回 全額無料の1年プロモを実施する。でも この人たちも1年後には 値上げになるので逃げる。同じことの繰り返しである。呉下阿蒙 … と言うのかな。
     「料金値上げは絶対にいたしません」と言い切る T-Mobile の方が分かりやすい。
     いずれにせよ,どうせ上場廃止になるから,アナリストもメディアも まともな扱いをしなくなる。
     アメリカは,実質 大手3社体制になる。Yahoo Finance の "Sprint" は 消滅する。
     [たとえば ARM は,ソフトバンクに買収されてから ほとんどメディアの話題に上らなくなり,影の薄い存在となった]
    気の早いことに,Sprint から 株主総会通知が 先ほど来た (@10:05am JST)。
     2018年8月18日だそうである。"8" を並べた座興か?(笑)
     12月決算も 3月決算も終わっていないから,Proxy Statement は書けるはずがない。
      ・・・ ということで 昨年の Proxy Statement を代用としてつけている。お笑いだ。(笑)
     前代未聞! 昨年度の決算で 株主総会を開くのか!
     もうすぐ 上場廃止,株は全部 SoftBank が買い上げるはずなのに。株主総会なんてヘンだな。
     いよいよ Sprint 発狂したか?(笑)。Sprint の人材不足の証明!

  61. SoftBank may be near end of Sprint stock purchases
    SoftBank は,Sprint 株 買付の終わりに近づいたらしい。
      Kansas City Business Journal,2018/01/17
      By Elise Reuter
    Sprint Corp の大株主は,所有の上限 85% に近づいたので,間もなく 買い出し騒ぎをやめるだろう。
     11月6日に Sprint 株式を買い始めてから,SoftBank Group Corp の 持ち株は 84.77% に達した。SoftBank は以前,85% を超えるつもりは無いと明言した;もしも超えれば SoftBank は Sprint をバイアウトする必要が生じる。The Kansas City Business Journal は 以前,この閾値を超えれば,Sprint 株が上場廃止になると報道した。
     2013 年の Sprint との合併合意によれば,SoftBank のアフィリエートの1社 または SoftBank は,Sprint の残りの株式を 終値の 20 日平均で取得することを要求される … と メディア通信のアナリスト BTIG の Walter Piecyk が言う。したがって,SoftBank は買い付けを 85% 未満に抑えるだろうと Piecyk はリサーチ報告に書いた。
     "Sprint の経営陣は,Sprint の株式から 莫大なインセンティブを得ている。" … と Piecyk は書き,新任の CFO Michel Combes の株式報酬パッケージに触れた。
     Sprint の膨大な株式報酬ツールである方向転換報酬は,Sprint の株式が一定期間 $8 を超えれば,Combes に 300 万株 (=$0.24 億) を付与する。昨年,Sprint CEO Marcelo Claure は,株価が 11 月に $6 を割って沈む前に同じインセンティブで 1,000 万株を取得した。
     今回の一連の買い付けは,T-Mobile との合併協議が終わった後,Sprint の株価を維持するのに成功を納めた … と Piecyk は書いた。
     "この買い支え活動は 売買高の 23% にものぼり (ただし平均では 12%),株価を $5.50 より上に維持するのに役立った。" … と彼は書いた。
     Piecyk は,SoftBank が そのブローカーを通じて Sprint 株を さらに 890 万株買えると言う。ちなみに 1月10日,11日には,SoftBank は それぞれ 312 万株 [全く同じ株数] を 平均単価 $5.68, $5.72 で買った。
     SoftBank は 5,500 万株を $5.25 で取得できるウォラント (7月10日期限) を実行するかどうかを決めなければならない。
     もしも SoftBank が Sprint に対して公開買い付けをしたいのであれば,85% の閾値に達した後すぐに そうするだろう … と Piecyk は書いた。
     "もしも来週まで公開買い付けが無ければ,近い将来にある見込みはなかろう。" … と彼は続けた。"過去において,SoftBank は 同社の投資のために上場された身代わり (public proxy) を持つことの価値を強調した。それが 今 変わったかどうかは確かでない。"
    [2018/01/17 引け]

    明らかに出来高の多い時間には下げている。そこを買い支えている感じ?
     終値:$5.49, −$0.11 (−1.96%)
     Day's Range:5.43 - 5.63
     Volume 17,858,014 (Avg. Volume 17,334,935) ← 最終日を記念して出来高増?(笑)
     SEC への届け出 (1/17 @6:00 pm 頃) によれば,1月12日(金), 1月16日(火)の両日も,順調に買い支え作戦が実施された。これで, 21日間 連続の活発な買い上げである。1月17日分は未報告のため不明である。
     エクセルからの出力ファイルは こちら
     推定 84.94% (1月16日) に達したので,1月17日(水) に既に 85.00% に到達した可能性が高い。
     [KCBJ の数字 84.77 % は1月11日までであり,2日分が入っていない。
      当サイトの集計も1月11日までなら 84.79% なので,ほゞ完全に一致する]
     どうして こういう風に追い詰められる前に 上場廃止に踏み切らなかったのか? 不思議である。
     本日 1月18日(木), 1月19日(金) には,売り込まれれば 暴落の可能性がある。
    同時に,Michel Combes が取締役に選任されたとの届けが SEC に出ている。

  62. SoftBank's Sprint stock buy-up nears a half-billion dollars
    SoftBank の Sprint 株買い上げは,5 億ドルに迫る。
      Kansas City Business Journal,2018/01/16 @05:00 pm
      By Elise Reuter
    SoftBank の最近の Sprint 株買い上げは,5 億ドルに迫りつつある。
     Sprint の大株主は, T-Mobile との合併協議を正式に打ち切った 11月6日から Sprint 株をがぶ飲みし始めた。
    SoftBank の買い付け
    T-Mobile との合併の破談後,SoftBank は Sprint の株を買い始めた。
    青の棒グラフ=購入株数,黒丸つきの実線グラフ=平均株価。
    ソース:SEC への届け出。
     それ以来,日本に拠点を置く SoftBank は,Sprint を 7084 万株以上買い上げ,総額は $4.2335 億にのぼる。この買い上げは,SoftBank の持ち株を 84.7% に押し上げた;SoftBank は,Sprint の上場廃止を避けるため,85% を超えて増やすつもりは無いと明言した。
     1月だけで,SoftBank は 2100 万株以上を買った (最も最近の買い付けは1月11日である)。 購入単価は $5.61~$5.95 の範囲にあり,SoftBank の子会社 Galaxy Investment Holdings Inc により実行された。火曜日の始値は $5.71 であった。
     SoftBank は,7月10日まで有効な ストックオプション 5,458 万株も所有する。
    細かい数字は,当サイトの計算と合わないが,84.7% という数字は,当サイトの推計 84.79% とほゞ一致する。
    SEC への届け出によれば,この買い付けは 上のグラフのように 12月14日から休み無しに 1月11日(木) まで 19営業日連続して実施され,1月12日(金),16日(火) の買い上げは不明である。もしもこの2日も従来通りの株数が連続して買い上げられていると仮定すれば,当サイトによる計算では 85.00% まで あと 0.7 日分しか残っていない。このため 1月17日(水) の午後には 株価が急落するかもしれない。
     エクセルからの出力ファイルは こちら
    [2018/01/16]

    3時16分に 売りがドバッと入って急落した。以後 買い支えている感じ?
     終値:$5.60, −$0.09 (−1.58%)
     Day's Range:5.60 - 5.74
     Volume 14,856,510 (Avg. Volume 17,282,137)
     このところ,日計りの空売りをすれば 確実に儲けられる (笑)。
     どうして こういう風に追い詰められる前に 上場廃止に踏み切らなかったのか? 不思議である。

  63. Exec: Sprint has the ‘key ingredients’ for IoT
    IoT 担当幹部:Sprint は IoT の "カギを握る要素" を持つ
      Kansas City Business Journal,2018/01/16 @04:00 pm
      By Elise Reuter
    Sprint Corp の最新の幹部採用は,同社が Sprint Group Corp との関係を通じて モノのインターネットに 十分用意できていると言う。
     1月1日に Sprint に入社した IoT 担当上級副総裁 Ivo Rook は,Vodafone の $10 億 IoT 事業を見ていた。
     Rook は CES で Kansas Business Journal に,新設されたポストで何を成し遂げるつもりかを話した。
     SoftBank 提携
     Rook は,Sprint とそのオーナーの資産を用いて アメリカの IoT をリードする可能性が 自分を Sprint の新しいポストに惹きつけた … と述べた。
     "SoftBank は,莫大な投資を行なっている。我々は ライドシェア,分析,自動運転車に投資された (we are invested)" と彼は言う。"こういう空間で Sprint を先頭の位置に持ってくることは,IoT そのものにとって重要であるだけでなく,会社としての Sprint にとっても重要である。"
     Sprint と SoftBank 両社の 分析 (analytics) への投資により,両社は つながる機器を通じて提供されるデータを よく理解できるようになるだろう。ライドシェアを通じて,両社は 多くの利用者をつなぐことができるだろうと Rook は言う。彼は,SoftBank の ARM 買収を指して,さまざまの機器の間で情報が安全に共有されることを保証する上で 重要なものだと言う。
     "我々は IoT サービスに必要な重要な要素をすべて持っている。" … と Rook は言う。
     クレジット・カードをスマートに
     Sprint はこれらの重要な要素を新しいサービス事業に焼き込むと Rook は言う。"Sprint IoT 工場" という名の E-コマース・プラットフォームは,myDevices 社との戦略的関係を通じて 企業がユニークな IoT ソリューションを開発し,他社が開発した機器にアクセス可能ならしめるよう開発された。その代りに,小さな開発業者は,その製品を大企業に提供するためのプラットフォームを提供される。
     "我々は,小さな革新的企業と協同して,彼らの IoT ソリューションの開発を助ける魅力的なパートナーになるつもりだ。" … と Rook は言う。"つまり,我々は 他社とは異なるやり方で,通信空間の急成長する一角で活動することを意味する。"
    Dynamics Inc と Sprint Corp は CES で "つながるクレジットカード" を発表する。これは,利用者が すべてのアカウントに1つの機器でアクセスすることを可能ならしめる。
     例えば,CES で Sprint は,Dynamics Inc との提携の結果を披露した:それは WalletCard と呼ばれる "つながる決済カード" であり,1枚の電池駆動 "カード" から デビット口座, クレジット口座, ロイヤルティ・カードに利用者がアクセスできる。
     この機器は,偽造カードを数時間以内に銀行が無効にできる機能も備え,利用者は 残高照会や 詐欺の通知を即座に受け取ることができる。
     Rook は,この機器のネットワークでの動作 (携帯ネットワーク間の乗り換えを含む) テストを自分のチームが助けたと言う。彼らはまた,このカードが 210ヵ国で動作するチップを開発した。
     "我々は 彼らのアイデアをディジタル化可能にしつつある。" … と彼は言う。"この設計と開発は 絶対に たまげたものである。カードを見て手の中で感じることができる。それから,カードが携帯ネットワークへ話しかけることが実感できる。"
     IoT の将来
     Rook に関する限り,IoT 革命は もう始まった。
     "そこはもうできたと思う。" … と彼は言う。"2018 年は,人々が IoT ソリューションの何たるかを認識せずに使い始める年だ。"
     たとえば,車は 今では つながる機器として製造される。家も ますますつながるようになり,新しい技術の開発を促進している。
     今 生まれる機器は,規制を厳守して 次にコストを下げるように使われるだろうと Rook は言う。このサイクルの最終段階は,誕生する前にモノを捉えることにより,事業モデルと売り上げを変革することだと 彼は言う。
     "私は,先行することで効き目のある動きに 信じられないほどワクワクする。" … と Rook は言う。"何かが壊れると,人は それを直す。だが IoT は それを変えようとしている。壊れる前に直すのだ。ここから派生する結果は重要である。"
     たとえば … と彼は言う … 車は衝突に反応する代りに,衝突を避けるよう設計される。あるいは,レストランの冷蔵庫は,壊れる前に交換を自動的にアラートする。
     Rook は 医療分野での IoT の応用にもワクワクしている;病気になる人を病気になる前に助けたい。
     "これは 個人として私にできる一番良いことだ。" … と彼は言う。"我々がここにいるのは,事業がうまくいくようにというだけではない。社会が全体としてうまく行くためだ。"
     そして さらに,自分の友人である医師らが この変化が起こるのを待ち望んでいると言う;そうなれば 彼らは 有害な健康状態に向き合う代りに 健全なライフスタイルを人々が確立するのを助けるために時間を使えるようになる。
     "こういう人たちは 内側からの使命に駆られている。" … と彼は言う。"私は そういうことを技術でやりたい。"
    そうか,2018年1月1日に 漸く IoT 担当の幹部を 初めて置いたんですか。忘れていた。
     社長さんは 10 年前に ARM を買いたかった … と何度も言っている。
     だったら,Sprint を買収直後に IoT 担当の幹部を置かなかった理由は?
    ──────
     我々は IoT サービスに必要な重要な要素をすべて持っている。
     これ,致命的なエラー! (笑)
     Sprint にも SoftBank にも欠けているのは ・・・ 人材
     自分のことは 誰しも 自分では分からない (笑)。
     Sprint は SoftBank 買収後 なぜか幹部が続々退社している。11月6日以降でも4人を数える。
    ──────
     "何かが壊れたとき,人は それを直す。だが IoT は それを変えようとしている。壊れる前に直すのだ。ここから派生する結果は重要である。"
     … 素晴らしい言葉である。Sprint は 社長さんが買収して以来 4年半も 壊れっぱなし!
     誰が 直すの? 壊れた後も直せない (笑)。

  64. Sprint’s CTO outlines network buildout plans, 5G preparations
    Sprint の CTO John Saw が,ネットワークのビルドアウト計画 ならびに 5G の準備の大要を語る
    FierceWireless,2017/01/10 @04:08 pm ET
    By Mike Dano
    Sprint の CTO John Saw 博士は,同社が 2.5 GHz および 800 MHz のアンテナを事実上すべての現在の電波基地に追加し,さらに ネットワークに新しい電波基地を追加して,カバレッジを増強することを計画すると言った。彼はまた,同社が 5G ネットワーク技術を配備する下準備を行なっているとも言った。ただし,Sprint は Verizon のような固定 5G サービスではなく,モバイル 5G サービスを提供する計画であるとも言った。
     "当社には,さしあたり 固定無線を立ち上げる計画は無い。" … と Saw は 今日 Citi 2018 Global TMT West Conference (ラスベガス) に登場して言った。"今のところ,当社の焦点は モバイル・ブロードバンドにあると私は考える;経済はますます良い。おそらく 5G の世界を見据えれば,当社は 電波効率が上がり,新しい電波を持つだろうし,固定無線の機会はあるだろう。"
     Verizon は,固定 5G サービスを 今年 3~5 都市で立ち上げる計画である。
    John Saw, Ph. D.
     5G に関して Saw は,最終的には モバイル 5G サービスを立ち上げる下準備を現在行なっているところだと言う;ただし,具体的な時間軸や期日は言わなかった。Saw はまた Sprint の LTE トラフィックの大部分は 現在 2.5 GHz 電波により送信されているが,この周波数帯は 同社の電波基地の 約 70% を占めるに過ぎず,ざっと 2 億人をカバーすると言う。Saw は,事実上すべての同社の電波基地をアップグレードして 2.5 GHz 電波をサポートする計画で,同時に 5G への路線上で massive MIMO を付加すると言う。
     "massive MIMO は,5G への橋渡しになるだろう。" … と Saw は説明した。"なぜなら 当社は 2.5 GHz に膨大な電波を持っており,その半分を LTE Advanced に,残りの半分を 5G に割り当てることができる。 ・・・ しかも,2019 年に電波塔に もう一度攀じ登らなくても,5G NR と LTE を同時に 同じ massive MIMO サイトで動かすことができる。したがって,今年 massive MIMO を建設すれば,5G のネットワークを 事実上始めたことになるし,それが LTE Advanced もサポートしてくれる。要するに,一石二鳥である。"
     Saw は さらに,"そうすれば,同一の massive MIMO 電波基地上で 5G NR を立ち上げることになる。これは 実用に即した計画である。" … と言った。
     Sprint のそれ以外のネットワークへの取り組みも Saw は話した:
     魔法の箱.
     「魔法の箱」は,基本的には 近くにある Sprint の電波塔に接続することにより無線サービスのバブルを生成できるミニ電波基地であると Saw は言う。"当社は,これまでに1万台程度を出荷した。" … と Saw は言い,最終的には "数十万台" の出荷を予定していると言う。
     小型セル.
     "当社は 小型セルの 実に強いパイプライン [建設予定?] を 現在抱えている。業界の他社と同様に 許可を取るのに時間が掛かった。これから 多くの小型セルを建設に取り掛かる。"
     Altice との協定.
     "Altice との協定は独特のものだ。" … と Saw は言い,ケーブル会社が Sprint との MVNO を通じて無線サービスを提供し,他方 Sprint が ニューヨーク州ロングアイランド島のようなところで Altice の有線ネットワークにアクセスして 小型セルを素早く配備できるようになる … と説明した。Saw は更に,それらの小型セルが Altice の DOCSIS ネットワークを通じてバックホールされると言う:"もちろん,当社が専用のファイバーを引くという選択肢もあり得るが,既にあるものを使う方が早くて安上がりである。"
    日本在住の CNO ではなくて,CTO の言うことだし,しかも電気工学の博士,特許も持つ John Saw が言うことだから 1000% 正確だと思うが,率直に言って (5G ではなく) LTE の配備がかなり遅れていると感じるのは僻目か?
     ネットワークで 3強に1弱が これだけ水を空けられていては ・・・ 。
     確かに massive MIMO は重要なんだろうし,SoftBank も既にこれを使っているとウェブサイトも社長さんも自慢している。しかし,これまでの記事を読む限り,5G は電波の周波数が高いため,他の技術もたくさん使う。massive MIMO 1つだけではどうにもならない。KDDI が 高速車両との通信でハンドオーバーを実証した実験を読めば,とにかく「使える技術は何でも使って競争する」という感じである。こういうのを読むと,Sprint は (SoftBank も) 幼稚な感じを受ける。
     全体として,新しい内容はほとんど無い。その証拠に 地元の新聞 Kansas City Business Jounal, Kansas City Star から記事が無い。
    [2018/01/11 (木) 引け]

    終値:$5.69, +$0.07 (+1.25%)
    値幅:$5.61 - $5.80
    Volume 16,444,960 (Avg. Volume 17,185,242)
     1月10日以降の買い支えは,未発表である。
    [2018/01/12 (金) 引け]

    終値:$5.69, $0.00 (0.00%)
    値幅:$5.65 - $5.76
    Volume 18,401,628 (Avg. Volume 17,122,257)
     引け後に,1月10, 11日分の買い支えが発表された。
     これで,12月14日から 19 営業日連続の買い支えである。
     エクセルからの出力ファイルは こちら [少し改訂]
     この3日は,0.078% となっており,ついに 保有株合計が 推定 84.79% に達した。
     残り日数を計算すると (85.00 − 84.79) ÷ 0.078 = 2.7 日となる (金曜日を含む)。
     このペースで進めば,3営業日 (水曜日) に弾切れとなり,木曜日からは買い支え不可能になる。
     常識的には,火曜日に場が開くまでに (月曜日は休日休場),上場廃止の発表があると思う。

  65. Will Sprint Return to Revenue Growth in 2018?
    Sprint は 2018 年,売り上げが増加に復帰するだろうか?
    Motley Fool ,2018/01/09
    By Adam levy
    先月,Sprint の Tarek Robbiati CFO は 投資家向けの会議で,同社のサービス売り上げが 2018 年の最終四半期には方向転換し始めるものと期待する … と述べた。同氏はまた,CapEx を増額する予定であり,一部のサービスプランの料金を引き上げる計画であるとも語った。
     だが,少なくとも1人のアナリストは,2018 年に売り上げ増に到達するという目標は いささか背伸びであると考える。BTIG のアナリスト Walter Piecyk は,Sprint に対する自分の予想を引き下げて,Sprint が 2018 年のいつであろうとサービス売り上げが増加に転じることはなさそうだ … とレポートに書いた。最近の CFO ポストの入れ替え (Robbiati が月末に退任する) を利用して Sprint はその予想を穏やかなものにすることもできるだろう。
     料金値上げは,必ずしも 売り上げ増を意味しない
     Sprint の最大の競争力は,その料金にある。同社の料金は この業界のどこよりも安く,これが AT&T, Verizon にも料金引き下げの大きな圧力を掛けている。けれども Sprint の猛烈な料金設定は,T-Mobile を除く業界のすべてのキャリア (自分自身を含む) にとって,サービス売り上げの減少を招いた。
     だが,料金を値上げするという Sprint の決定は,諸刃の剣である。Sprint の ARPU (利用者1人当たりの平均売り上げ) は増えるが,利用者は減るだろう。
     Sprint は 今年,現在の顧客に対して古いプロモーションの期限が終了したため,契約者のチャーンが増加した。目下,大手4社の中で 飛びぬけて高いチャーン率になっている。
     サービス売り上げを達成するためには,今年 顧客数の大幅なグロス増が必要だと Piecyk は予想する。Piecyk は,そのためには +17.5% のグロス契約増が必要だと推定する。前四半期には,後払い電話のグロス増が 前年比 +10% 増になったが,チャーンの増加のために打ち消された。さらに,料金を上げれば,グロス増は困難になる。
     売り上げ増が 今の Sprint の焦点であってはならない
     T-Mobile との合併協議が またもや 瓦解した後,Sprint は現在 よろよろしている。これから独力で生きていく試煉に直面しており,それには 現実の競争のために ネットワークの改善が必要である。そのため,Sprint は CapEx を $50~$60 億に3倍増する計画である。そうすれば,T-Mobile と同程度の CapEx になる。
     T-Mobile は ここ数年,キャッシュフローよりもネットワークを著しく改善した。今では ネットワークが競争力を持つようになったので,向こう数年は 大幅なキャッシュフローの増加を期待している。
     Sprint は,独力での生き残りを目指すならば,これと同様の長期的視点が 今 必要である。Verizon のような競合相手が 今年これからかなりのことをできるとしても,投資家は 2018 年に Sprint のサービス売り上げが増加に戻るかどうかを心配すべきでない。
     Sprint は配備予定の無線電波を たくさん持っている。この電波は高周波なので,消費者が要求する高速通信に大いに向いているが,低バンドの電波より電波基地を密に立てる必要がある。もしも Sprint がネットワークのビルドアウトに勤勉に投資すれば,最終的には 競争力のあるサービスを提供できるだろう。
     料金の値上げは,ARPU を増加させるだろうが,短期で サービス売り上げを増加することにはならない。値上げは,長期的に生き残るために必要なネットワーク投資のための資本を与えるはずであり,これは,Sprint と投資家にとって いま 最も重要なことである。
    Pepper を Sprint で顧客対応に使うという動画が Yahoo Finance に流れている。
     日本で見られるのと全く同じに見える。
     胸に看板をつけた 身長 120 cm (より低くしたように見える) 自由に歩けない 似非ロボットである。
     これまで 何度も Pepper を使うという記事はあったが,その報告が全く無い。大成功 … なんていう報告は1つも無い。どうなることか。胸に看板をつけた珍しいロボットとして人気を博するか?(笑)
    ──────
     『パッパ (Pepper) は世界中で人間にとって代わるのか?』と (英語の普通の会話のスピードで) 訊かれた Pepper は,なにやら ごにゃごにゃ 小さな声でつぶやいているが,聞き取れる まともな答は 返ってこない。英語の会話では とにかく "Yes" か "No" かをハッキリ応えることが常識である。2回訊くのだがダメ。結局,司会者に「何を訊かれているのか分からないようですね。結構」… と笑われている。これが,ラスベガスの CES に SoftBank の製品として展示・宣伝されている。
    やめときゃいいのにね。アメリカ人を舐めている。
     ほんとにホントに SoftBank の実力を示す『良い宣伝』になりそうだ (笑)
     Sprint の店舗などで大々的に使えば,その真価がアメリカ中に伝わるでしょう。
     社長さんは「Pepper を笑う人は,後で Pepper に笑われる」と名言を吐いたらしい。
     近頃 日本では Pepper より遥かに有能で 遥かに値段の安いロボットが 怒涛のように出ているが,アメリカではどうなのか。
    ──────
     今朝の新聞では,ロボホンのアプリを利用して NTT データが 手話機能をつけた … という面白い記事が載っていた。手話を話す人をロボホンが動画で撮影して クラウドに送信し,そこで AI が 手話の動作を解釈して,言葉にしてロボホンに送る … というものだった。AI の見事な活用法である。手話は国によって違うので,いずれはそれもできるようになるらしい。オリンピックを見据えた話である。
     もともと ロボホンに手話機能は無いのだが,拡張性に配慮して設計されたためだろう。シャープの技術者には感心させられる。
     看板をぶら下げた Pepper は,ロボホンにもアイボにも適わないだろう。
    [2018/01/09 引け] 本日も またまた お辞儀をしている。
     高値 $5.94 まであったのに,引けは $5.69, −$0.11 (−1.90%)
     Volume 25,997,493 (Avg. Volume 17,189,873)
     SoftBank による買い増しは,1月4, 5日も盛大に行なわれた。
     終に 推定 84.50% に達したので,弾切れまで 9営業日くらいか?
     とにかく 12月14日から連続の買い支えである。理由があるのだろう。
      この勢いでは,未発表の1月8日以降も続いているんじゃないか?
     なぜ こんなに慌てるのか (?) 不明であるが,このままの勢いならば,森鴎外誕生の日 [1月19日(金)] が X デーとなり,アメリカで引け後に上場廃止が発表されるかもしれない!ご用心下さい(笑)。 何か良い発表が同時にあるのかもしれない (笑)
     「お辞儀」は,その警戒と解される。(こんなに 急いで弾切れで 株価暴落 … はあり得ない)
     エクセルからの出力ファイルは こちら
    [2018/01/10 引け] 本日も またまた お辞儀をしている。
     グラフの表示を変えたので,引けにかけて商いが活発になっていることが よく分かる。
     終値:$5.62, −$0.07 (−1.23%),Day's Range:$5.61 ~ $5.76.

     買い増し報告の有無は未だ無いが,もう少し時間が経たないと分からない。
     今 出た。やはり,1月8,9の両日に買い支えが実施されている。これからエクセルの処理に入る。
      エクセルからの出力ファイルは こちら
     終に 推定 84.63% に達した。1日あたり 少なめに 0.05% を仮定すると
      (85.00 − 84.63) ÷ 0.05 = 7.4 日分 (今週は,あと2日ある)
     振り返ってみると,昨年の 12月14日から 17 営業日連続の買い支えである!
     こうまで熱心に買い支えるのは,12月中旬に何かを決めたのだろう。
     しかし,X デーが来週と読まれてしまっては,経営者として恥ずかしい。何より 売りが集中するかもしれない。
     そういう場合には, 1週間繰り上げて 明日にするのではないか? なお 来週の月曜日は NY 休場日。
    その後の計画は?
     このところ 当社は いろいろの面で フラフラしているので (Uber のようなデタラメ会社に出資,Axovant で ほとんど典型的なバイオ詐欺に引っ掛かり (Bloomberg, WSJ),社長がご自慢の出資先 SoFi の CEO Mike Cagney は セクハラ記事を New York Times に書かれて1発で翌日退社 (+WSJ),これもご自慢の WeWork は「不動産事業はしない」との社長の明言に反して ロンドンとニューヨークで繁華街の高価な有名ビルを購入 (FT),買収した Fortress は レイプで有名なハリウッド・スタジオ Harvey Weinstein に融資 (Bloomberg),インチキ血液検査の Theranos に融資 (WSJ) ── これらは,SoftBank の所業として糾弾されている;買収完了したからね) その線で その後の計画を想像すると (笑) ・・・
     これ 最悪の予想なので,そのお積りで ・・・ 。
     その後の計画は 何も無い (笑)。Tmo と合併破談の時も,何も無かった。
     正確に言うと,全く何も無いのではなく,上場廃止を早くしたい。Sprint の決算をなるべく早く発表しなくて済むようになりたい ・・・ という必死の一念 ・・・ それだけであろう。
     何しろ Sprint は,料金値上げをしたし,CapEx は3倍増であるから,12月四半期が「2000 億円の営業黒字」の稼ぎ頭になるはずが無い。でも「稼ぎ頭」を強調してしまった以上は,隠す手段として 上場廃止以外にはありません。
     実は,この作戦が ARM でも Fortress でも成功している。
     そもそも Fortress のトップ Wesley Edens は「決算発表しなくて済むことがうれしい」と率直に語っている。Fortress の 12 月の合併完了発表には,決算発表をしないと書いてあるし,Yahoo Finance では Fortress 欄にニュースはもはや 出なくなった。Weinstein のセクハラがどうなっても, もうニュースとして Bloomberg に叩かれることは無い。
     ARM の場合には これが大成功! 買収が決まったとき,ARM の幹部は 上場廃止の理由を「株主の意見に振り回されずに長期的な経営ができる」… と言っていた。ところが,SoftBank の連結決算の中で ARM は 6, 9 月期に赤転した。
     もしも 上場していたら,Wall Street Journal, Financial Times のような恐ろしいメディアに「SoftBank の買収後に 赤字になった」と大きく叩かれたに違いない。しかし,連結決算の中に隠れたために,そういうことは無かった。勘ぐれば,ARM の幹部はいずれ 赤字に転落することを察知して,SoftBank に買収される道を選んだのかもしれない。IoT がどうのこうのは,買収後に両社が取ってつけた理由である。買収直前の ARM のウェブサイトを見れば,歴然としていた。
     2度あることは3度ある (笑)。Yahoo Finance で "Fortress" が実質消滅したように,"Sprint" が無くなってしまえば,業績が今後 予想通り悪化しても 世間から悪口を言われなくて済む。"Sprint 稼ぎ頭" などという アホらしい発言も いずれは忘れられる。どんなに赤字が出ても 話題にならなくなる。ARM と同じように。
     つまり ARM と同様,「長期的戦略に基づいて,各四半期の業績に惑わされず,Sprint の事業を安定的に推進するため」に, Sprint を上場廃止する … のではないか?
     他には Altice との経営統合もあり得るが,先方は アメリカに上陸して間が無い。ケーブルがまだ十分固まっていないのに無線と統合するのは (将来はあり得るが) 当面は無理なように思う (Altice USA は 2015/09/14 設立)。

  66. As promotional pricing ends, some Sprint customers to see bigger monthly bills
    プロモーション料金が期間終了となり,一部のスプリント顧客は 月額料金の大幅な値上げを見る。
    FierceWireless,2018/01/08 @12:12 pm ET
    By Mike Dano
    Sprint の2大プロモーション料金 ── "無制限自由" および "50% 割り引き" が間もなく期間終了となり,一部の顧客の月額料金は大幅な値上げとなる。
    2015 年11月に始まった サービス料金を Verizon, AT&T, T-Mobile の
    半額に割り引く "50%" 割り引きプロモーション。
    "無制限自由と 50% 割り引きの顧客には,これらのプランはプロモーションであり,将来の時点で値上げになると契約時に通知を行なった。" … と この問題に関する FierceWireless からの問い合わせに Sprint の Kathleen Dunleavy が答えた。"素晴らしいニュースは,これらの顧客が 今でも大手他社キャリアに比べて低いサービス料金を払っていることだ。プラス;Sprint は 今では 無制限プランの顧客に Hulu を追加料金なしで提供している。Sprint は,非常に競争に強い料金であり,さらに質問をお持ちの方は 1-800-SPRINT1 へ お電話をどうぞ。"
     Dunleavy は さらに,同社の プロモーション料金期限が切れるのは,この期間限定プロモーションで最初に契約したのがいつであるかに依ると言う。
     Sprint は "50% 割り引き" プロモーションを 2015 年11月に発表した。これは,Verizon, AT&T, T-Mobile のサービス料金を 50% 割り引くものだった。当時 Sprint は,"2015 年11月20日から 2016年1月7日までの間のアクティベーションに対して,この料金は 2018年1月8日まで" 有効であると発表した。
     "無制限自由" については,5回線の無制限データ/通話/テキストを1回線当たり月額 $20 とした。"2018 年1月31日 以降,顧客は 各回線ごとに追加の $30/月 を払う" … と 当時 Sprint は警告した。
     Sprint のプロモーションの終了を最初に気づいたのは,無線各社の料金を綿密に追跡する Wave7 Research であった。同社は,Sprint が間もなく 1月31日の 期限切れデータとその後のことについて ざっと 300,000 の顧客に連絡を取るだろうと言った。これらの料金変更は,顧客の契約解除を引き起こし,チャーンをさらに高くする可能性がある。
     実際,ウォール街の一部のアナリストは,Sprint の第4四半期に予想されるチャーンを 既に引き上げた。 "12月の会議で S の CFO は,チャーンが 前四半期より ~15 bp 増えることを示唆した。" … と Wells Fargo のアナリスト Jennifer Fritzsche が 今朝 発行した投資家向けレポートに書いた。"その結果,我々は 後払い電話のチャーンを 1.74% に引き上げる (第3四半期は 1.65%, 第2四半期は 1.59% だった)。我々はまた 後払いの機種更新率を 第3四半期の 9% から 7% に引き下げる ── 第4四半期には機種更新率が下がったことが判明したので (T の CFO もこのトレンドを確認している)。"
     Jefferies のアナリストも,先週 同様のコメントをした:"最近の経営陣の発言をもとに,我々は 後払いチャーンを (1.78% から) 1.85% に引き上げる。これは 料金 (新規顧客に +$10) に対する顧客の最近の反応と季節要因を反映させたものである。顧客のグロス増の引き下げと併せて,我々は,端末純増を (365 k から) コンセンサス以下の 200k に引き下げる。"
     Sprint のプロモーションの終了は,同社の Marcelo Claure CEO が CFO を (フランスのケーブル企業の元 CEO) Michel Combes に交代させると発表した数日後に飛び出した。
    誤解は無いと思うが (笑)
     「素晴らしいニュースは,これらの顧客が 今でも大手他社キャリアに比べて低いサービス料金を払っていることだ。」(Kathleen Dunleavy)
     … とは,50% 割り引きが無くなった現在でも,Sprint の方が他社より僅かに安い … と自慢しているのである。つまり,値上げになるのだが 他社よりは安い。
     それでも チャーンが増える理由は?(笑)
    [2017/01/08 (月)] 今日も丁寧な お辞儀をしてる (笑)。週末でもないのに。X-デー間近いのか?

    もっとも,親の方は Axovant が今後どの程度注目されるかが重要だろう。
     何しろ SoftBank から $11 億を受け入れた僅か1ヵ月後に1回目の臨床試験失敗を発表して株価が暴落した … 典型的に 嵌められた可能性が高い。
     しかも9月29日の WSJ によれば,初期投資家のヘッジファンド2社は,9月の暴落で 1日に 13 億ドルを損したはずであるが,実際には持ち株を SoftBank に売ってあるので 10 倍以上の利益が出ているという。
     まさに "ソフトバンク利確ファンド" 大明神サマサマである (笑)
     大金持ちがぶち込む大量のカネでシリコンバレーが迷惑していると報道されているが,そうでもないらしい。
     今回は2回目で,上場の時に $29 した株価が $2.3 まで暴落した (時価総額 $2.49 億)。1株損失 $2.32 となっている。
     SoftBank の SVF が如何に乱脈な「投資」をしているかが バレルかバレないか … の問題である。
     3月決算で大量の減損処理をして公表するか, 「のれん」を大量に計上して監査法人と揉めるか。

  67. Why Wall Street Is Less Than Impressed By Sprint’s Latest Change
    ウォール街が Sprint の最近の CFO 交代に 全く心を動かされない理由
    Fortune,2018/01/05
    By Aaron Pressman
    Sprint の待望の合併が 11月に瓦解して以来,我が国 No. 4 の無線キャリアは 修復 (makeover) を図っている。しかし,投資家は 新しい戦略が (過去3ヵ月に 1/4 以上も下がった) Sprint の株価にプラスに働くか 納得していない。
     日本の SoftBank Group の大富豪 CEO Masayoshi Son は,2013 年に Sprint の過半数株式を買った時以来 T-Mobile との合併を計画していた。しかし,その戦略は挫折した;1回目は 2014 年,オバマ政権の規制当局により;2回目は 最近 T-Mobile の経営チームとそのオーナー ドイツ・テレコムにより。
     今では,Son と 自らが選んだ Sprint CEO Marcelo Claure が,合併のビッグバンなしに,このキャリアを生き返らせる方法を見つけねばならない。これまでのところ,そのために SoftBank は,Sprint 株を公開市場で買い増し,Sprint のネットワークを改善するための投資を増やし,Claure のチームの経営陣の一部を交代させようとしている。
     木曜日,Claure の最新の一手は,Tarek Robbiati CFO を Michel Combes に交代させることだった;Combes は,欧州のケーブル・プロバイダ Altice と装置メーカー Alchatel-Lucent を経営した経験のある通信のベテラン経営者であり,支出を切り詰め 雇用を減らすことにより会社を再生することで知られる。この交代は,テクノロジー COO Günther Ottendorfer, マーケティング成長担当の上級副総裁 Jeff Nelson [あともう1人, アフィリエイト+卸売り+MVNO 担当副総裁 Jim Hyde] の2ヵ月以内前の辞職に続くものである。
     木曜日の この入れ替え人事に対するウォール街の初期反応は,CFO が突然交代するときによく見られるように,マイナスであった。一部のアナリストは,Robbiati による最近の業績予想を既に疑問視しており,彼の退任は Sprint が 業績予想を引き下げる好機であろうと言う。1月10日の Citigroup 主催の投資家会議では Sprint がプレゼンテーションを行なう [John Saw CTO が出席する] 。第4四半期の決算は,数週間後の発表と見られる。過去3ヵ月に 26% 下がった Sprint 株は,木曜日の日中の取り引きで 5% 安だった。
     "Robbiati は,2018 年に売り上げが増加に復帰すると予想すると明言したが,我々は そのマイルストーンは,今年 会社が手の届かないところにあると思う。" … と BTIG Research のアナリスト Piecyk は火曜日に書いた;CFO 交代が発表される2日前のことである。Piecyk も 他のアナリストも,SoftBank による買収以来 Sprint が 過大な負債を抱え,同時に顧客基盤の維持に苦戦し,競争相手から立ち遅れないためにネットワークに十分な投資ができるかを懸念する。
     Combes が採用されたことについても,Altice の最大の市場であるフランスと ポルトガルで,会社が過大な債務を負い 顧客を減らす中で 彼が Altice を 11 月に辞職したことを考えれば,投資家は到底 ワクワクなどしないだろう。ただし 2015 年に Altice に来る前は,Combes は Alcatel-Lucent の CEO であり,そこで 赤字に苦しむ通信装置メーカーを容赦ないコスト削減とレイオフにより生き返らせ,ノキアから $170 億の買収オファーを引き出した。同様に,Vodafone での初期の時代に,Combes は 大幅なコスト削減プログラムを監督した。
     Claure は,採用を発表する声明の中で,Combes の過去の M&A 経験に触れた。"Sprint が 当社の変換の次の章を始めるにあたり,彼を仲間に迎えることは,我々の進歩を加速する助けになると私は承知している。" … と Claure は言った。"彼は,先端通信メディア企業の変換に成功した証明済みの実績を持つ 洞察力に富む経営者であり,当社が その戦略計画を実行するのを助け,当社チームを強化するであろう。"
    結局,このニュースを受けて Sprint の株価が下がった理由は何だったのか?
    [2018/01/05 引け]
     SoftBank による買い支え作戦は,新年早々 1月2日, 3日も行なわれ,現在の所有高は推定 84.37% に達した。 この勢いで推移すると,(85.00 − 84.37) ÷ 0.054 = 11.7 日で弾切れとなる。1月4, 5日は 未報告なので不明である。
     コンブさんの CFO 就任は,当然,これを視野に入れているはずである。
     日経 (2018/01/06) には『T-Mobile の経営統合計画は破談になったが,米国の携帯電話市場を引き続き重視している。別の企業との資本提携も視野に入れる。』・・・ と書かれているのだが,
     これだけ積極的に買い増して,あと 12 日分しか残っていないということを,どう考えたらよいのか? 一番分かりやすいのは,悪化が予想されている Sprint の決算発表前の今月中に 上場廃止 (残りの 15% を公開買い付け) であろう (そんな予想を書いている記事は1つも無い!)。株価がなかなか上がらず,時には 引けに「お辞儀」するのは 持ち越しを恐れるからか? このところ 引けに近づくと出来高が増えている (↓)。
     上場廃止になれば,ARM と同様に,WSJ から赤字を叩かれることもなくなる。コンブ CFO が 何も (労働組合の反対運動も) 気にせずに腕を振るえる … という水面下の約束か?(笑)
     エクセルからの出力ファイルは こちら

  68. Sprint’s CFO Change Is Only the Beginning of Its Terrible Year
    Sprint の CFO 交代は,Sprint の恐るべき年の始まりに過ぎない
    InvestorPlace,2017/01/05
    By Vince Martin
    木曜日の午前,Sprint 株の長い下げが続いた。土曜日づけで 最高財務責任者 (CFO) が交代するとのニュースが伝えられて取り引きが停止され,そして 現在の時点では 5% 安である。
     株価の下げが この人事と直接につながっているかどうかは不明である。11 月に 長い間ウワサされていた T-Mobile との合併が最終的に破談になって以後,Sprint 株は容赦なく売られている。Sprint 株を 再び 18ヵ月以来の安値に押し下げる可能性のあるマイナスのニュースが 今週 他にも出た。
     ともかく,幹部の交代は 少なくとも 自信を感じさせない。とりあえず,Sprint 株が絶望的に必要としているのは 自信である。
     CFO の交代
     Michel Combes が Tarek Robbiati に代って Sprint の最高財務責任者になる。Sprint のプレス発表によれば,Combes は "方向反転戦略家として, 世界的に知名度が高い。"
     Sprint は,かつての France Telecom, 現在は Orange SA での過去 10 年の Combes の仕事を,"CFO として方向反転を率いた" としている。最近 同氏は Alcatel-Lucent を破産の瀬戸際からなんとか救出した;Orange は最終的に Nokia へ $180 億弱で売却された。
     だが,Combes の オランダ通信 Altice での最も最近の取り組みは,さほど成功しなかった。債務が増え,株価が急落する中,Combes は僅か1年で CEO を辞職した。これはまさに,現在の Sprint の状況と同じである。
     他方,CFO の交代は,会社の内部目標が達成されなかった印であることが多い。そういうわけで,この人事が慌てて行なわれたことと いささかサプライズであることは,間違いなく Sprint の第4四半期 および それ以降の決算に疑問を投げ掛ける。
     Robbiati 自身は,2015 年に採用された;それから約3ヵ月以内に 初めは跳ねたものの Sprint 株は 3年来の安値を付けた。明らかに市場は,この歴史が繰り返すことを懸念している ── 初めに跳ねることなしに。
     Sprint 株を巡る他の懸念
     これ以外の要因が S 株を圧迫している可能性もある。大株主 SoftBank は,その持ち株が 85% の天井に近づいている。そこで 買いの重要な源は終わりとなる。無線セクター全体は,ここ数営業日弱い。AT&T と Verizon は,年末に上げた後 下げている。
     T-Mobile との合併が終わって,Sprint 株には 水平線上に触媒が全く見えない。2018 年は,これまでにない厳しい年になる ── 料金値上げがシェアを下げ,ネットワーク支出がマージンを削る。このセクターは全体として "円形銃殺隊" のようなものであり,大いに飽和した市場で 大手4社が互いに戦っている。
     それでも,筆者が以前に書いたように,Sprint 株に牛さんの立場もあり得る。注目すべきは その電波の価値が債務を上回ることだ。ただし,目下 投資家をイライラさせるのは,たとえ 理屈の上ではそれが正しくても,今 株主のために Sprint は何もしていない。キャッシュフローは,今年もそれ以降も,よく言って最小の見込みである。
     他方,CFO の交代は 第4四半期 および 2018 年の業績はどうか,Sprint の方向転換が長引くのではないか,実現は困難ではないか … という疑問を投げ掛ける。これらは,現在の S 株に自信を生まない。今日のニュースは,実際 役に立たなかった。
      As of this writing, Vince Martin has no positions in any securities mentioned.
    ここには,
     CFO の交代は,会社の内部目標が達成されなかった印であることが多い。
     と書かれている。一般にそうなのかもしれない。
     しかし,Sprint の幹部職員の場合には,特別な事情がある。
     これまでの リーク情報によれば,Sprint は T-Mobile と合併交渉をしており,合併が成立すれば,経営権を T-Mobile が握って,自分たちはお払い箱になることがほとんど 確実である。
     だから Sprint の幹部職員は全員が 再就職活動をしていたはずであり,その成果が実って (?),11月6日以降 既に3人が退社した。Tarek Robbiati は4人目である。
     Sprint のような業績の悪い会社でも,何とか第三者から認めてもらえるような成果を出さなければ, 転出は難しい。Tarek さんの場合には,オーストラリアから来るとき,その覚悟をしていただろう。

  69. Will Sprint’s new CFO build on cost-cutting reputation?
    Sprint の新任の CFO は,コスト・カッターとの評判を足場にするのか?
      Kansas City Business Journal,2018/01/04
      By Elise Reuter
    Michel Combes は,土曜日に CFO 兼任の総裁として Sprint に参画するとき,数十年の無線経験とコスト・カッターとしての評判を Sprint にもたらす。
    だが,退任する Tarek Robbiati CFO は Sprint の支出を $20 億以上切り詰めるという仕事を成し遂げたのに, アナリストらは,Combes が同じ方針を取るのかと首をかしげる。Sprint は,木曜日に Combes の採用を発表した。
     "これは 奇妙な選択である。なぜなら Combes は,コストカッターの方向反転野郎として知られているからだ。" … と International Data Corp で世界中の通信をリサーチする部門の Courtney Munroe 副総裁が言う。 "Sprint が 何を要求しているのか 私には 到底 理解できない。Sprint の人たちは,もう長年 コスト削減をやってきた。"
     Wells Fargo 証券の株式リサーチ部門のマネージング・ディレクタ Jennifer Fritzsche は,経営陣のこの変更は Sprint がネットワークに支出を増やすために コスト削減を必要とするとの 懸念に燃料を加える … と書いた。Sprint 株は この発表の後 安値 $5.55 まで急落した;水曜日の引け値から 6% の下げである。
     T-Mobile との合併の試みが 11 月に瓦解した後,Sprint は 翌年の CapEx を $50億 ~ $60 億に増額すると発表した。
     "Robbiati は,自分に割り当てられた任務に対して,会社の資本コストを引き下げるという まことに印象的な仕事を成し遂げたと我々は思う。" … と Fritzsche は FierceWireless が引用したリサーチ報告に書いた。"しかしながら,Sprint の展開の現時点では,Combes の方向転換の腕前が頼りになると我々は考える。"
     30 年を超える業界経験に期待して Sprint が Combes を招聘することには意味があるだろう … と Munroe は続ける。Combes は,その経歴を通じて,さまざまの経営幹部の役割を引き受けた;最近では Altice NV の CEO だった。Sprint は,Altice NV の子会社 Altice USA と 11 月にユニークな協定を結び,Altice が Sprint の 無線ネットワークにアクセスする [MVNO] のと引き換えに,Sprint が Altice のケーブルインフラにアクセス [バックホール] できるようにした。
     Combes は ── CEO を1年半 務めた後 ── 懸念を抱く株主を宥めるため 11月に Altice を退社した。その前は,2013~2015 年 Alcatel-Lucent の CEO として,破産から立て直し,Nokia に巨額で売却した。
     彼はまた,2008~2012 年 Vodaphone Europe の CEO だった;このため,Sprint に在籍している2名の Vodaphone 卒業生と共通のつながりを持つ:1人は Jan Geldmacher (Sprint 事業総裁), もう1人は最近採用された Ivo Rook (IoT の上級副総裁) である。
     "彼らは 実はダイナミックな成長戦略を必要とする。" … と Munroe は言う。"彼は それを助けられるだろう, きっと。"
     もう1つの注目すべき称号
     Combes は,もう1つの注目すべき称号を得る。Marcelo Claure CEO は,総裁 (president) の称号を Combes に譲る。
     Munroe は,Sprint の営業を見るために Combes に与えられた2重の称号が,Claure を戦略に専念させると言う。今年 [昨年の誤り] ,Claure は Sprint のオーナーである SoftBank Group の取締役に任命され,Uber の取締役のポストも持つことになりそうである。
     Recon Analytics の創業者 Roger Entner は,これにより Combes は Marcelo の No. 2 が決まりだと言う。
     "つまり,基本的に Marcelo の法定相続人に彼を据えたということだ。" … と Entner は言う。"これで,Sprint を非常に良く学べるだろう。CFO として 彼は この会社の 針の先まで財務成績を見る。その結果 彼は Marcelo の最も有力な後継者になるだろう。"
     どうなるにせよ … と Munroe は言う … Combes と SoftBank との関係は,Sprint の将来にとって重要だろう。"
     "彼は,(ほとんど唯一の取り柄と評判の) コスト削減を超えて なすべき必要のある仕事をするために,SoftBank から自由と バイイン [buy-in, ポーカー用語, 事前に買い入れておくチップ?] を得られるだろうか? どこに SoftBank がこれを取るかを見ることは 興味深い。"
    なんだか 首尾一貫しない記事である。何が言いたいのかは分からないが,いくつかの新しい情報が得られる。
    日経笑った! "president" を「社長」と訳してる。
     日本の社長は CEO であることが多いので,これだと Claure はどうなったの? 社長じゃないの?
     アメリカの役職と日本の役職は 1:1 に対応が取れないからややこしい。
     当サイトは president → 総裁,vice president → 副総裁,chairman → (会議の) 議長
     と機械的に訳している。「社長」, 「会長」 は,日本の社長, 会長以外には使わない。
     なお,Nikesh Arora 代表取締役副社長は,"president" と呼ばれていた。

  70. Sprint appoints former Altice head Michel Combes as CFO
    Sprint が,Altice の 元 CEO Michel Combes を CFO に任命する。
    Reuters,2018/01/04
    Laharee Chatterjee
    Sprint は 1月4日(木),Altice NV の元 CEO Michel Combes を1月6日づけで 最高財務責任者 (CFO) に任命したと発表した。
    2017年3月21日,パリでニュース会見する Altice Group の CEO ミシェル・コンブ。
    Reuters | Philippe Wojazer)
     CFO として Kansas City に転居する Combes は,通信事業に 30 年を超える経験を持つ。
     同氏は,後日 取締役にも任命されると Sprint が発表した。
     
     
     
     
     

    Sprint taps former Altice chief as new CFO
    Sprint が,Altice の元 CEO を 新任の CFO として引っ張る
    MarketWatch,2018/01/04 @09:24 am ET
    By Trey Williams
    Sprint Corp は 1月4日(火),通信業界 30 年のベテラン Michel Combes を 新任の最高財務責任者として1月6日づけで任命したと発表した。
     Sprint によれば,Combes は 後日取締役にも任命される。最近まで Combes は Altice NV の CEO, その前は COO を務めていた。Sprint は,現在の CFO Tarek Robbiati が 移行期間を勤めた後, 1月31日に退社すると発表した。Sprint の株価は この 12ヵ月間に ほぼ +33% 下がった。

    Sprint names Michel Combes as president and chief financial officer
    Sprint は,Michel Combes を総裁 兼 最高財務責任者として指名する。
    CNBC,2017/01/04
    By Sara Salinas
      Combes は,30 年の通信業界 在職の間,方向転換の戦略家として認識されるようになった。
      現在の CFO Tarek Robbiati は, 1月中は会社に留まる … と Sprint が声明で言った。
      Sprint の株価は,取引開始後 5% 以上急落した。
     Sprint は1月4日(木),会社を黒字に戻す布石として,手練れの方向転換戦略家 Michel Combes を 総裁兼最高財務責任者に指名した。
     Combes は1月6日に着任し,現在の CFO Tarek Robbiati は1月中 会社に留まる … と会社は声明で言った。
     CEO Marcelo Claure は,通信の巨人が 債務に喘ぎ,T-Mobile との合併協議の最終段階に入る中,Combes が 同社の方向転換を加速し得る人物であると言った。 [?]
     "彼は,先端通信メディア企業の変換に成功した証明済みの実績を持つ 洞察力に富む経営者であり,当社が その戦略計画を実行するのを助け,当社チームを強化するであろう。" … と Claure は言った。
     Combes は,30 年の通信業界 在職の間,方向転換の戦略家として認識されるようになった。彼は,Alcatel-Lucent が破産寸前の時に入社して Nokia への売却を率い,次いで France Telecom に入社して 債務まみれの会社をOrange (オランジュ) ブランドで再出発させた。
     Combes は Altice NV で CEO だった。彼は,後日 取締役に指名される。
     Sprint の株価は,取引開始後 5% 以上急落した。
    これまでにも書いているが,Tarek さんの退社は間もなくだろうと思っていた。
     Sprint の財務を ここまで持ち堪えさせたのは,偏に この人の力によるものであり,それを買われて 良い転職先が見つかったのだろう。11月6日の破談以降,幹部の退社はこれで4人目である。
     他の幹部も 必死になって 職探しをしているだろうが,見つかるのは Kevin Crull くらいしか思いつかない。次に出ていきそうなのは Crull で,あとは 見つからないために,出て行きたいけれども出て行けない (笑)。そういう筆頭は Marcelo Claure。この人は,Sprint の株を大量に買った (買わされた) から一番困るだろう (1,689 万株,ただし SoftBank が与えた膨大なオプションを含む)。KCBJ によると,Claure が 現在 総裁 (President) なので,このポストを Combes に譲ることになる。
     この人事の意味は?
     Sprint を Altice に売り飛ばす … というのが一番自然である。
     ただし,その前に 上場廃止が必至である。
        (株価が $2~$3 に低迷することを許すなら, その必要は無い)
     上場廃止すれば,決算も発表されないし,Sprint に関するニュースは ほとんど出なくなる。
      (ARM, Fortress のように)
     Sprint にどのような始末をつけるにせよ,その方が 社長さんにとって具合がよさそうである。
     Claure は 就任したときに,4~5 年やってダメなら … と言っていたから,今年が マイアミに帰ってサッカー三昧に戻る好機だろう。社長さんのことだから, 「よくやった」と物凄い退職金を弾むに違いない。
     無線業界経験 30 年のベテラン CFO の上に CEO として 無線業界経験 ゼロだった自分が居座るのは,さぞ座り心地が悪かろうから,いずれ 近いうちに辞職は間違い無い。
     Wall Street Journal (2017/01/04 @10:13 am) からも記事が出ているが,格別新しいことは無い。ただし,Comes の "用意されたコメント" が見られる。
     “This is an exciting challenge and unique opportunity to help lead a distinguished company through a historic turnaround and its most exciting period yet,” Mr. Combes said in prepared remarks.
     なお,Combes は
     Mr. Combes is known as a turnaround expert with a specialty in cost-cutting.
     だそうである。
     新規事業を起こすのではなく,お得意のコスト削減により企業価値を高めた後,売り飛ばす。… そういう役目を期待されているのかな。
     それとも IoT や 5G で期待されているのかな。
     コスト削減により Sprint を 赤字から黒字へ方向転換するのは,社長さんの大方針である。
     これまで 何度も書いてきたが それだけ というのはおかしい。
     シャープを見れば明らかである。
      シャープは あんなに早く再建できたのに,Sprint は4年以上前とほとんど変わっていない。
       ・・・ というか,買収後に No. 3 の座を奪われて, 「奪い返すぞ」と言う "ホラ発言" さえ無い。
     コスト削減により浮いた資源を何に使うのか … ここが重要である。というか 経営の常識だろう。
     若いころにはそれができたはずなのに,今は もうできない。
     そこで,新しい企業の買収に目が走る。
      でも その買収先/出資先 (たとえば Uber) の黒転に何年掛かるか分からない。空回りである。
     これでは やはり,首を挿げ替える時期 (が過ぎている) であろう。
     でも 猫の首に鈴をつける人がいない。行き着くところまで行くしかありません。

  71. Big Story:Altice CEO Combes resigns as company acts to address problems
    ビッグ・ニュース:Altice の Michel Combes CEO が辞職する;会社が諸問題への対応に動く中で
    Reuters,2017/11/10 @06:51 am
    By Alan Charlish
    木曜日,Altice NV は Michel Combes CEO が経営陣再編の中で辞職したと発表した。
    創業者 Patrick Drahi が総裁に復帰する。
    欧州でのお粗末な業績を受けて 同通信グループは 投資家の信頼を取り戻そうと努める。
     欧州での Altice の業績は,その戦略に投資家の疑念を呼び,金利が上昇傾向の中で重債務の Altice が現在の債務水準を維持できるのかとの懸念に火を点けた。
     "一新された経営陣と統治構造は,Altice の戦略を 従来より良く実施し,経営に関する透明な説明責任を生み, 当社事業の営業 および 財務の業績に改善をもたらすようデザインされた。" … と Altice は言った。
     アムステルダムに拠点を置く会社は,第3四半期末の債務が €495.57 億に達しており,第3四半期に 同社最大の市場フランスで 75,000 人のブロードバンド顧客を失ったと今月初めに 発表して以来,時価総額の約 1/3 を失った。
     "アメリカ [Altice USA] は よくやっている。予想以上だ。欧州事業は概して底を打ったところだ。" … と Pivotal Research Group のアナリスト Jeff Wlodarczak が言う。"変更は なされる必要があった。"
    Patrick Drahi
     2016 年に総裁を辞任した Drahi が再び総裁に復帰する。
     CEO には Dexter Goei が任命された。同氏は Altice USA の CEO および 議長を これまで通り兼任する。
     Combes は 2015 年,Alcatel-Lucent がフィンランドのノキアに買収されるのに先立って,Alchatel-Lucent のトップを辞職し,Altice の COO に任命された。Combes は 翌年 Altice の CEO になり,Goei は CEO を辞めて Altice USA の手綱を握った。
     新体制は "当グループの大株主 ならびに 一般投資家基盤とともに,創業家とグループ経営の利益に適うものである。" … と Altice は言った。
     フランス-イスラエルの大立者 Drahi は グループの支配株主であり,トムソンロイターのデータによれば 31.1% の権益を握る。Goei は No. 10 の株主であり 0.75% を持つ。
    Michel Combes が Altice NV を "強制辞任させられた" ことを伝える ロイターのニュースである。
     "Sprint: Merger Risk Remains,[スプリント:合併リスクが残る]" (Seeking Alpha, 2018/08/07 @11:40 am) は,T-Mobile/Sprint 合併リスクの1つの要因として この強制辞任 (forced to resign) を挙げている。
     Andrew Davies CFO も Vodafone をクビになって Sprint に来た人である。
     要するに,欧州で業績不振を理由に解雇された2人を Sprint が幹部として受け入れたことを Seeking Alpha 記事は問題視している。
     でも まぁ そういう人しか外国から来てくれないんだから,しょうがないでしょ。
     日本からだって 1人も行かない (笑)
     孫社長だって オーバーランドパークに豪邸を買ったらしいが,経営は怖くて自分から手を出そうとはしない。"口先経営" に徹している。

  72. Sprint’s 2018 revenue growth hopes are ‘out of the company’s reach,’ BTIG says
    Sprint の 2018 年の売り上げ増の望みは「手の届かないところにある」── BTIG が言う。
    FierceWireless,2017/01/03 @08:40 am ET
    By Mike Dano
    ウォール街のアナリスト会社 BTIG は,Sprint の予想を引き下げた。
     Sprint は,2018 年に売り上げが増加に復帰するという目標を達成できないだろう … と BTIG のアナリスト Walter Piecyk が "Sprint の予想を切り下げる" と題する投稿で予想した。Piecyk は,BTIG が Sprint の後払いチャーンの予想を引き上げ,後払い電話の ARPU の予想を引き下げ,CapEx の予想を引き上げると言う。
     重要なことは,BTIG が Sprint の第4四半期の後払い電話純増予想を −110,000 減らして 220,000 としたことである。
     Piecyk の言う多くの数字は,Sprint の Tarek Robbiati CFO が挙げた数字のカウンターになっている。 "Robbiati は,2018 年に売り上げが増加に戻ると予想すると明言したが,我々は そのマイルストーンは,今年 会社が手の届かないところにあると思う。" … と Piecyk は書いた。"2018 年予想の会社との食い違いは,我々が 電話のグロス増を 1% 未満 (ほとんど伸びない) と予想するのに対して,彼らは 電話のグロス増が伸びると予想しているためだ。2018 年第4四半期までにサービス売り上げが増加に復帰するためには,後払い電話のグロス増が 2018 年に +17.5% 増加する必要があると我々は推定する。実際には Sprint が料金値上げを計画しており,大幅な料金カットの限定的影響も弱まる状況では,この数字は厳しい。
     実際,Piecyk は 投稿で Sprint の戦略を槍玉に挙げ,顧客増が鈍いことを iPhone X の供給不足のせいにしていると指摘した。"しかし,競合する他社の話によれば,第4四半期に iPhone X の供給は昨年と実質的に違いは無いと言う。"
     Piecyk は また,Sprint の幹部が以前 同社は ライバル各社ほどネットワークに投資しなくても 適切なサービスを提供できると主張していたことを指摘した。ただし,この方針は 最近逆転し,向こう2年間 ネットワークへの支出を大幅に増やし,"数千の電波塔" を配備する計画に変更された。
     その上で Piecyk は,Sprint が今 正しい路線上にあり,ネットワークと 2.5 GHz 電波への投資をふやす計画であると書いた。"我々は,Sprint の最近の計画が正しいものであるが,何年も遅れすぎていると考える。これはおそらく,Son 議長が T-Mobile との取り引きを確保しようという熱意のためだったのだろう。" … と彼は書いた。"報道される記事によれば,Masa と SoftBank 取締役会の経営権欲しがりと,高い評価欲しがりが これらの取り組みを脱線させた。合併は,規制当局の長期の反対に直面しただろうと我々は考える。これを逆に言えば,2.5 GHz 電波の威力を投資により実現することは,Sprint の成功へのカギであると 我々は考えていたし,そのように明言した。
     合併交渉が 11 月に破綻して,その直後 SoftBank CEO は,Sprint がネットワーク CapEx を1年約 $20 億という最低から最大 $60 億に引き上げると約束した。Sprint は, ケーブル企業 Altice と MVNO 協定を結んだ。
    決算は,今回が最後だからね (笑)
     Claure さんも,決算発表をしなくて済むようになって,"excited" だろう。
     これで,SoftBank が投資している会社で 決算を発表するのは,アリババだけになる。
     グループとしての決算は,ますます不透明になる。良いことではない。
    ──────
    [2018/01/03] やはり 引けではこのようにお辞儀をする (笑)
     週末限定の現象かと思っていたのたが ・・・ 。

  73. SoftBank inches closer to Sprint ownership threshold with latest stock buys
    SoftBank は,最近の買い増しで,Sprint の所有閾値ににじり寄る
      Kansas City Business Journal,2018/01/02 @01:53 pm ET
      By Elise Reuter
    SoftBank Group による Sprint 株の買い集めは,ニューヨーク証券取引所が定めた上場廃止の閾値 85% に近づいたために,間もなく減速する見込みである。
     12月29日に SEC に提出されたファイリングによれば,SoftBank とその子会社2社 Galaxy Investment Holdings および Starburst I Inc は,現在 Sprint 株を 84.1% 所有している ── 合計株数は 34.1 億株である
    SoftBank の買い付け
    T-Mobile との合併の破談後,SoftBank は Sprint の株を買い始めた。
    青の棒グラフ=購入株数,黒丸つきの実線グラフ=平均株価。
    ソース:SEC への届け出。
     "SoftBank は現在,Galaxy が Sprint の普通株を買い増すことを期待する。" … とファイリングは明言する。 "しかしながら SoftBank は,そのような買い増しが Sprint 株の所有割合が Sprint の発行済み普通株の 85% または それより多くならないことを期待する。"
     T-Mobile と Sprint との合併協議が 11 月初めに挫折して以来,SoftBank は $6 あたりで Sprint 株を買い集めていた。11月6日以来,SoftBank は合計 4555.2 万株を買った。合計金額は $2.76515 億である。これらの買い付けの前,SoftBank は 約 83% を所有していた。  今回の買い増しは,2015 年に 1.62 億 株を $7.14 億で買った時に比べれば,抑制されている … と BTIG LLC の Walter Piecyk がリサーチ報告に書いた。
     SoftBank は,85% に達するまで あと 3640 万株を買うことができる。Sprint の火曜日の始値は $5.91 だった。
    大筋はこの通りなのだろうと思うが,細かい数字で理解できないところがある。
       発行株数がいくらかというのが問題である。オプションを行使する役員がいると,株数は増える。 現在は ほとんど 40 億株の筈だが,それだと この記事の 34.1 億株で 84.1% というのとは合わない。
       SEC への届け出は遅れがあるので,いつまでの分を報告しているかによりズレが発生する。
       実は,Sprint のサイトには1月2日付のファイリングが掲載されており,12/28, 12/29 買付分が記載されている。
       そういうわけで,細かいところは 何が何だか分からない (笑)
       12/29 買付分を含めた最新情報は こちらのエクセルファイル の通りである。買い付け株数は これで正しいが,% の数字には 曖昧さが残る。一応,84.10 % が正しいとして3日分を加えると,当サイトの計算では この表のように 84.26% が最新の値である。
       1日に 0.05% を買うのが普通なので,(85.00−84.26) ÷ 0.05 = 15 日分である。"減速" すれば 今月一杯は持つかもしれない。
       それにしても 分からないのは,なぜ さっさと上場廃止にしないのか? 今の株価では高すぎるので 下げてから 15% を買い取りたいのか (笑)と疑われても仕方がない。グラフから分かるように,この買い支えにより株価を維持していることは明らかだから,85% に達すれば,株価は下がる一方だろう。

  74. アメリカ通信業界,5G 前哨戦に突入 周波数獲得へ奔走
    日経電子版,2017/12/28,@06:30
    小池良次 (ITbジャーナリスト)
    Donald Trump 大統領の誕生は,2017年のアメリカ放送通信業界にも大きな影響を与えた。携帯ブロードバンド業界では,価格競争に明け暮れる高速通信規格 LTE を嫌い,大手携帯電話事業者を中心に次世代通信規格 5G ブロードバンドへの移行が加速している。2018年には,固定ブロードバンドを中心に 5G サービスが始まる。
     ソフトバンクが仕掛けた Sprint と Sprint の合併交渉が決裂する一方,AT&T によるタイム・ワーナー買収に政府が反対するなど,業界再編の動きも活発化した。
     2017年の主要な出来事を振り返ろう。
     ■600 MHz 帯電波のインセンティブ・オークションが成功
     2017年の放送通信業界は,5G ネットワーク整備を前に,周波数の確保に明け暮れた。2016年末に始まった600 MHz 電波の インセンティブ・オークションは,地上波テレビ放送局の無線免許を携帯ブロードバンド向けに用途転換する世界初の試みとして注目を浴びた。
     アメリカ政府にとって,このオークションは,周波数不足に悩む「携帯業界の設備投資を促す」とともに,広告収入の減少と視聴者の高齢化などアメリカの「地方テレビ局に設備統合や廃業を促す」構造改革という2つの政策目標を狙う野心的な試みだった。
     2017年4月に600 MHz 帯のインセンティブ・オークションは終了した。応札総額は,2015年に行なわれた AWS-3 電波のオークションに次ぐ 196億ドルに達した。政府の狙い通り,トップ落札の T-Mobile は,いわゆるプラチナ・バンド (数百 MHz の低い周波数帯) で全国平均 31 MHz を確保した。2017年下半期にはこの免許を使って LTE ネットワークの強化を進めた。さらに一部の周波数は 5G 向けに利用する設備計画を打ち出した。
    600 MHz インセンティブ・オークション 落札トップ3社
    第1位 T-Mobile 落札総額 79.9億ドル (約45%)
    第2位Dish落札総額 62.1億ドル
    第3位Comcast 落札総額 17.2億ドル
    出典:連邦通信委員会 (FCC)
     電波のオークションでは,AT&T や Verizon といった大手携帯電話事業者が席巻するのが常だが,今回の AT&T の落札額は 9.1億ドルに留まった。Verizon は競売に参加したが,既存の 700 MHz 設備との干渉問題から免許は落札しなかった。経営再建中の Sprint はそもそも このオークションに参加しなかった [注:財政難のためとのうわさ]
     そのためか2位と3位には,放送事業者が顔を揃える意外な結果となった。別の見方をすれば,放送番組の配信網が携帯ブロードバンドに移行するのではないかという,衛星テレビ事業者やケーブルテレビ事業者の懸念を如実に示している。
     番組配信事業者が電波オークションに参加するのは,携帯電話事業者との交渉を優位に進めるためだ。Comcast は 2006年に 23.7億ドルで無線免許を落札し,2011年に 36億ドルで Verizon に売却している。この売却契約の一環として,Comcast は Verizon の回線を借り受け,仮想移動体通信事業者(MVNO) として 2017年に自社ブランドの携帯電話サービスを始めた。
     一方,Dish は 2015年の AWS-3 オークションで 100億ドル以上の無線免許を取得している。経営不振が続く同社の株価は,所有する無線免許のお蔭で維持されているとの声すらある。ただ,無線免許の死蔵に批判が集まり,一部免許の建設期限が近いこともあり,同社は IoT での利用を前提とした携帯ブロードバンド整備計画を発表した。ただし業界には,同社が競争力あるネットワークを建設できるかどうかに疑問の声もある。
    電波オークションは通貨政策と同じ
     一方,地方テレビ放送局を中心とする放送業界の構造改革は進むだろうか。
     600 MHz オークションで免許返上に応じたテレビ局は,全部で175局に達した。これにより地方テレビ放送局は,設備統合や移転,廃業費用として合計約100億ドル (約1兆1300億円) を手にすることになる。
     目立ったところでは,21世紀フォックスが3億5000万ドルを受け取るほか,Sinclair Broadcast Group も 3億1300万ドルを手にする。Comcast 傘下の NBC Universal は,この競売でニューヨーク,フィラデルフィア,シカゴなどの免許を売り,4億8160万ドルを得た。また,ニュージャージー州の公共放送局は合計で3億3200万ドルを得る。
     個人で目立っていたのは,デルの創業者である Michael Dell である。所有する放送局10局の免許を売却して4億4007 万ドルを得た。同氏は競売での高値売り逃げを狙い,民間放送局の買収を繰り返していた。
     無償で得た無線免許をオークションに掛けて巨額な費用を手にできることや,売り逃げ狙いの投機的行為に批判はあるものの,今回のオークションを契機に 疲弊したテレビ業界の構造改革は進むとみられ,FCC の政策推進能力は高く評価された。
     電波オークションは,単なる無線免許の割り当てシステムではない。無線免許に値段がついた段階で,それは通貨と同じ資産価値を生む。前述のように Dish は所有する大量の無線免許の価値により,株価が維持されている。また経営再建を進める Sprint は,所有する無線免許をリースバック方式で再建の原資として利用している。
     FCC は,大量のスタッフを抱えて無線免許を管理している。オークション後の無線免許を適正に管理しなければ,所有する企業にダメージを与えるだけでなく,経済成長にも影響を与えるからだ。だからこそ,電波オークションは通貨政策と同じように「市場を相手に政策を実行できる組織」でなければならない。FCC が政府機関でありながら,独立組織になっているのはそのためだ。
     欧米諸国では,多くの国がオークション・システムを導入したが,大半の国がオークション後の管理政策で失敗し,設備投資の萎縮やサービス価格の上昇につながった。アメリカがオークション・システムで成功したのは,稀有な例と考えるべきだろう。
    ミリ波獲得でトップが激突
     2017年3月,600 MHz オークションに奔走する T-Mobile を横目に,AT&T は 5G 向け周波数を確保するため,FiberTower を買収した。
     5G では,ミリ波と呼ばれる高い周波数を使って数キロから数百メートル単位で基地局を整備する。これをネットワークの高密度化と呼ぶが,それに適する周波数として AT&T は FiberTower に目をつけ,買収に走った。FiberTower は,携帯基地局とネットワークセンターを結ぶバックホールの事業者で,24 GHz および 39 GHz 帯の無線免許を合計738 所有している。特に,同社の 39 GHz 帯は,3165件の郡ごとに卸された免許 (カウンティー免許) であり,帯域幅は 7.2 MHz ~796.8 MHz,全米人口カバー率は 99.8%に達する。
     AT&T は,続く4月初めに 同じバックホール事業者の StraightPath Communications を 16億ドル (約1800億円) で買収合意に達したと発表した。StraightPath は FCC が 5G 用として認定した 28 GHz および 39 GHz 帯の無線免許を所有している。
     この買収に割り込みを掛けたのが,Verizon だった。4月中旬,StraightPath は新たな買収提案があったとして,AT&T との買収契約を棚上げにした。Verizon と AT&T は激しい買収戦を展開し,最終的に 30億ドル (約3400億円) で Verizon が競り勝った。
     ■ソフトバンクがバックホール事業に参入
     上位3社ほど激しくはないが,業界4位の Sprint の動きも目を引いた。同社は 2017年3月にニューオーリンズ市でプレ 5G のサービス「ギガビット LTE」を開始。LTE の高速化技術を駆使して,最高で 612 Mbps の速度を実現するサービスだ。
     Verizon や AT&T が,LTE より高速な LTE Advanced を使ったサービスを全米で着々と整備しており,LTE の高速化競争で立ち遅れた Sprint や T-Mobile を悩ませていた。Sprint のギガビット LTE は,これに対抗するもの。端末レベルで高速化するため,大容量のバックホール確保が必要となる。
     そこで Sprint は10月,イスラエルの衛星通信事業者 Gilat Satellite Network と3年間のバックホール契約の大幅更新を行なった。Gilat は 3G および LTE 向けのバックホールだけでなく,災害などが発生し,携帯電話網が被害を受けた場合の臨時バックアップ・サービスも提供する。
     また,同じ10月には Sprint の親会社 SoftBank がオーストラリアの Lendlease と合弁で Lendlease Toweres を設立した。携帯電話基地局用の通信タワー設備の事業に参入すると発表した。これは Sprint のバックボーン強化の本命となるだろう。
     新会社の資本は4億ドルで,他社からの増資も視野に入れている。通信施設のポートフォーリオ総額は,50億ドルを最終目標として当面,タワー設備 8,000ヵ所の用地確保を進める。もちろん,携帯タワーのキーテナントはSprint だ。
     米国には既に,大手タワー事業者の Crown Castle International, American Tower, SBA Communications がある。大手携帯電話事業者4社のうち,自社タワー資産を大量に所有するのは,1500ヵ所保有する T-Mobile だけだ。SoftBank は,Sprint が既存タワー事業者から基地局を確保するのが難しいと判断し,自ら 8000ヵ所のタワー建設に手を染めようというわけだ。
     アメリカの大手通信事業者は,2018年からサービスを開始するプレ 5G サービスを見据えて,周波数や設備の確保に奔走する1年だった。
    タイトルは, 『アメリカ通信業界,5G 前哨戦に突入 周波数獲得へ奔走』となっているが,よく読めば分かるように,Sprint は「周波数獲得へ奔走」していないことが分かる (笑)。
     そのことを伝える目的の記事なのか?
     実際 Sprint が持っている 周波数の最も高い電波は 2.5 GHz であり,これは「ミリ波 (3GHz 以上)」ではない。5G の競争では 本文を読めば分かるように 30 GHz ほどの電波が狙い目らしい。
     もちろん 2.5 GHz でも 5G はできるが,それでは不利な理由は,帯域幅の違いである。本文にあるように StraightPath の 5G 用 39 GHz 電波の帯域幅は 796.8 MHz も取れる。これだけ 帯域幅があれば 大量の高速通信に有利である。Sprint は なぜ 30 GHz 級の 5G 用電波の獲得に動かないのか? やはりカネが無いから 5G への本格的参入を諦めているのか? それならそれでもよい。T-Mobile のように 低周波数の電波で LTE を強化する戦略もあり得る。5G が本格的に普及するのは いつになるのか,まだ 誰も知らない。
     自動運転や遠隔外科手術などが挙げられているが,そういうものが 5G を大々的に使うのはいつのことか?
    ──────
     さしあたっては,買い支えをやめれば下がる株価への対策に追われているだろう。
     1年以内に上場廃止に追い込まれるだろうから,それから後なら じっくり考えられるかもしれない。
    ──────
     11月6日~12月27の買い支え状況は,Yahoo Finance のサイトから知ることができ,エクセルで集計すると既に買った株数は 4,761 万株となっている。BTIG の Walter Piecyk による上限は 5,450 万株 (KCBJ) なので,残りは 689 万株であり,あともうほとんど買えない状況である。4日分くらい。これでは 新年早々に弾切れか?(笑)
    [追記」
     Sprint の 13D ファイリングが Sprint のサイトに掲載されており,12月26日の段階で持ち株の割合が 84.10% と記されている。これに 12月27日の買い付け 0.05% を加えて 84.15% というのが,現在の数字である。
     このファイリングの中にも「85% を超えて買うつもりは無い」… と書かれている。
     したがって,残りは 85.00 − 84.15 − 0.85% = 3,400 万株である。
     平均して 200 万株買っているので 17 営業日で弾切れとなる。
     あるいは,0.85% / 0.05% = 17 営業日でもよい (あるいは,当初 2% の余裕があったとすると 2% / 0.05% = 40 営業日)。
     このまま 行けば,1月末!
     これ以後,株価がずるずる下がるのをどこまで座視するか?
     残り 15% を 公開買い付けして上場廃止にするか?
     この動きが,当社株式にどう影響するか?
     12月29日(金) 大納会の Sprint のチャートで1つ気づいたことがある。
     始値は +$0.05 高の $5.96 で始まって,上がっているな … と思っていた。
     朝 起きて見ると,引けで (出来高を伴って) ストンと落ちていた (↓)。
     実はこの日の朝,Wall Street Journal の "注目株記事" に Sprint が取り上げられていた。
     "注目" の理由は,SEC への報告によれば SoftBank による買い支えがあって,それを材料に ベル前に +0.9% Sprint 株価が上がった … という内容だった。ただし,日取りも株数も全く書かれていない。
     SEC への報告は 12月26日 (火) まで (12月27日 (水) の買い付けは未報告) であり,12月25日(月) の買い付けは無かったから 材料視されたのかもしれない。
     しかし,この上げは続かなかった。
     なぜか … というのが問題である。あとは お考え下さい。

  75. Sprint Is Planning to Increase Prices, and That's Great News for Everyone Else
    Sprint は 料金の引き上げを計画する。これは,他社全部にとって 大きなニュースである。
    Motley Fool,2017/12/20
    By Adam Levy
    Sprint は,T-Mobile と合併する機会を失い,今では 独り残され戦っている。ということは,ネットワーク・インフラへの投資を意味する。しかし,最近の投資家向け会議で Tarek Robbiati CFO が述べたように "たくさんのカネを投資するときには,その投資の費用を捻出せねばならない。" これは,料金値上げを意味する。
     Sprint は,料金値上げに 既に小さな1歩を踏み出した。データ無制限の5回線を 月額 $90 で提供していたのを $100 に引き上げた。ただし,Robbiati は いずれ (in due course) さらに値上げをすると言った。
     これは,無線業界の他社全部にとって 素晴らしいニュースである。Sprint は,他キャリアのサービス料金に これまで絶えず圧力を掛けてきた。Verizon と AT&T は,この2年ほど サービス売り上げが減少している。しかし,競争が楽になれば,この数字を 再び上げることができるだろう。
     Sprint は手詰まり
     Sprint は 一貫して,ネットワーク品質の点で最下位にいる。もっと良いネットワークをビルドアウトするための電波免許を持っているのだが,その配備のためのカネが限られている。経営陣は 現金残高をふやすために,資産の一部を子会社に売り, リースバックするというような "財務体操" を行なっている。
     競争力を少しでも保持しようとすれば,値上げは Sprint にとって最後の手段である。料金は,これまで Sprint の最大の差別化要因であった;だからこそ Robbiati は "当社は常に 料金のリーダーでありたい。" … と言う。もしも 料金のリーダーでなければ,多数の利用者を (Sprint よりネットワークも料金も良い) 競合他社に失うだろう。
     料金を上げて顧客が減れば,短期的な問題を引き起こす。しかし,買収も合併も無しで 長期的に生き残るためには,他に道が無い。
     他社全部が大きな勝ちを納める
     Sprint が料金を引き上げた場合の最大の勝者は,競争相手である。Sprint は,無線業界の激しい競争圧力の最大の触媒の役目を果たしてきた。低価格の無制限携帯データ・サービスと 端末価格を含む 激しいプロモーションは,AT&T と Verizon 同様のサービスとプロモーションを迫り,さもなければ 契約数を減らすリスクを突き付けてきた。
     Sprint の値上げは,ARPU の増加を意味する。しかし,同時に 競合他社は 少ないプロモーションで 顧客を惹きつけることができるようになるし,自分でも 値上げをするかもしれない。これと同じくらい重要なのは,Sprint の競争相手のチャーンが減り,大幅顧客純増になり,その結果 サービス売り上げが増加することである。
     値上げは,将来の顧客獲得を減らすことを意味する。そうなれば T-Mobile, Verizon, AT&T の3社は増える。T-Mobile は 既に,第4四半期に 第3四半期よりも3社から乗り換える客の比率が上がったと言う。
     資産の有効活用
     Sprint は 既にアメリカ No. 4 のキャリアに落ちており,そのネットワークも良くなっていない。経営陣は 料金以外に差別化の方法を見つける必要がある。なぜなら,消費者は 明らかに,カバレッジが少しでも良いキャリアに金を払いたがるからである。
     Sprint は大量の電波を持っているにも拘わらず,配備するためのカネが無いために,それを脇に置いたままである。未使用の電波の大部分は 高バンドであり,稠密なネットワークを必要とするので,配備には 資本集約 (capital intensive) の必要がある。ひとたび この配備ができれば,強力な 高速ネットワークが得られるという利点がある。T-Mobile は,比較的高周波の電波での配備中であり,我が国で 最良のネットワークを持つ1社である。
     もしも Sprint が 数年間,たとえ顧客の流出があっても,資本集約的支出に耐えることができれば,次の 10 年は 遥かに強い立場にいられるだろう。しかし,合併や買収の利益なしに ネットワーク更新を完成できないリスクは,かなり大きい。

  76. SoftBank renews Sprint stock buy-up as share price slips
    Sprint の株価が下がる中,SoftBank は買い上げを再開する。
      Kansas City Business Journal,2017/12/20 @06:33 am ET
      By Elise Reuter
    1週間の休憩の後,SoftBank Group は Sprint 株の買い上げを再開した。
    過去1週間に 827 万株 ($0.45 億超) を買い上げた。
    オーバーランド・パークに拠点を置くキャリアのオーナーは,12月14日 (木) に Sprint 株を 1835 万ドル 買った。火曜日午後に公表された SEC ファイリングによれば,SoftBank は 金曜日にも 1374 万ドル [sic] ,12月18日 (月) には 1449 万ドルを買った。
     その数日前の 12月8日には,Sprint 株は 1年ぶりの安値 $5.44 で引けた。火曜日には,$5.62 で始まった。
     Sprint と T-Mobile が 11 月初めに正式に合併交渉を打ち切った後,SoftBank は Sprint の株を買い増す意向を発表したが,その数量を特定していない。SoftBank は 11 月に数回の買い付けを行ない,12 月には4回購入した [sic]
     12月1日は 760 万ドル;12月4日は 626 万ドル;12月5日は $342 万ドルであった。
    SoftBank の買い付け
    T-Mobile との合併の破談後,SoftBank は Sprint の株を買い始めた。
    青の棒グラフ=購入株数,黒丸つきの実線グラフ=平均株価。
    ソース:SEC への届け出。
    [12月6日(水)~12月13日(水) お休みだったことが分かる]
     合計すると,両社の協議が終了後,SoftBank は 1億 9362 万ドル買ったことになる。SoftBank は Sprint の 85% を超えて買うつもりは無い;そうなると 上場廃止になりかねないからである。
     11月6日より前,SoftBank は 83% を所有していた。
     12月15日,BTIG の 共同代表マネージング・ディレクタ Walter Piecyk は,SoftBank が 85% に達する前に 5,450 万株を買えると推定した。この数字は,過去1週間に SoftBank が買った 827 万株を含まない。
     現在,SoftBank は Sprint の 33.43 億株を所有しており,11 月に買い始めた時点より 0.36 億株増えている。これは,発行株式数 40 億の約 83.6% に相当する。
    [2017/12/20] $5.58, $0.00 (0.00%), At close: 4:00PM EST
    そうだったのか。道理で このところ シッカリしている。
     しかし,上のチャートを見ると 市場は実に正直であることが分かる (笑)。
     たくさん買うとよく騰がるが,お休みしたり,株数が少ないと 株価は下がる。
     結局,現在の株価は SoftBank の意向で決まっている。
     しかし,あと 1.4 % しか枠が残っていない。ここが注目されている。
     全部を使い切れば 暴落する恐れがある。
     だから 1% の余裕を残す 84% あたりが バイアウトに踏み切る限界ではないか。
     長くて あと数ヵ月だろう (これまでの 0.6% に2ヵ月弱である)。
    ──
     11月6日の後,T-Mobile からは 計画通り (?) 次々と良いニュースが出る。
      あたかも 破談を T-Mobile が先導したかのようにさえ 感じられる。
     これに対し Sprint からは,11月6日の後,ニュースが無い (むしろ サービス料金の引き上げが ニュースとして 取り上げられている)。いったい 何をしようとしているの?
     何がしたくて 破談したの? あたかも T-Mobile が一方的にちゃぶ台返し;Sprint が困っているように見える。"経営権" を理由に破談したのであれば,"経営権" で何をする計画なのか? 破談直後に 分かりやすいニュースをドバッと出すべきだった。その用意がゼロらしい (孫が無能経営者である証拠)。 これでは「困っている」としか受け取られない。株価はダラダラ下がる。

  77. Sprint has a change of heart on net neutrality
    Sprint が,ネット中立性で 心変わりする
      Kansas City Business Journal,2017/12/18
      By Elise Reuter
    FCC は 先週,ネット中立性規制の廃止を議決した ── 通信企業に インターネットを公共ユーティリティのように扱えという要請をやめた ── が,Sprint は複数の大手プロバイダに同調して,規制の不確定性を除く措置として この廃止を称賛した。
     "多くの関係者の利益のバランスを取りながら,複合的 かつ 難解な問題を単純化する FCC の努力を Sprint は称賛する。" … と Sprint は,この議決を受けて声明で言った。"複合的で曖昧な規制は,これまで ネット中立性コンプライアンスの周りに不確定性を生んだ。FCC の本日の決定は,これらの不確定性を消去し,当社ネットワークの運用 および 競合する当社商品の提供を可能ならしめる。"
     これは,ネット中立性に対する 2015 年の Sprint の方針からの訣別である。当時の FCC 議長 Tom Wheeler に宛てた書簡で,Sprint の Stephen Bye 元 CTO は,他の通信会社とは一線を画して,規制の "軽いタッチの適用" は 携帯ブロードバンドへの投資に 影響を及ぼすことは無いと Sprint は考える … と明言した。規制当局は これまで ISP が 特定のウェブサイトを優先したり,特定のコンテンツに課金することを禁止している。
     それ以来,Sprint の市場での立場は変わった。今年1月,Sprint は 音楽ストリーミング会社 Tidal の株 33% を購入し,先月は Hulu の動画ストリーミング・サービスに無料でアクセスできるよう提携した。
     そうは言っても,Sprint は 大手の競争相手ほどの利益は得られないだろう;Sprint の小さな契約者基盤が Netflix のようなメディア企業に与える利益は小さい。これまでのところ,アナリストは AT&T と Verizon が今回の投票から 最も大きな利益を得ると見込む。
     "我々は,コンテンツをさらに多く獲得しようとしている AT&T と Verizon が最大の受益者だろうと考える;彼らは 自社自身のコンテンツを優先しようとするだろう。" … とニューヨークに拠点を置く CFRA Research の上席株式アナリスト Angelo Zino が木曜日のレポートに書いた。"コンテンツに対する新しい料金条件が発生するだろうが,中期的には その範囲は限定されるものと我々は予想する。ネット中立性の賛成者らは この廃止を防ごうと訴訟を起こすだろう。"
     今年はじめ,FCC は,ゼロ・レーティング (特定のサービスをデータ上限にカウントしないこと) がっと中立性違反には当たらないと決定した。たとえば,T-Mobile は,(Netflix, YouTube からのストリーミングを データ上限にカウントせずに) "binge on" サービスを続行できる。
     これは,Sprint と Hulu との提携には適用されない。なぜなら このオファーは 無制限データ・プラン利用者に限定されるからである。しかし,Sprint は すべてのプランについて,Tidal の無料 HD 音楽ストリーミングを6ヵ月無料で提供している。
    スプリントの地元紙が,ネット中立性について Sprint が「心変わり」したと書いている。
     ただし ネット中立性は,FCC で投票があった … というだけのことであり,この先はまだ紆余曲折があるらしい。これには,Marcelo Claure が携帯の業界団体 CTIA の議長をこの1年間 務めているという事情があるのかもしれない (笑)。(2017/12 で終り)
       『ネット中立性の戦いが 終わったと言うには程遠い理由』(FierceWireless, 2017/12/15)

  78. SoftBank taps brakes on Sprint investment as shares languish
    Sprint の株価が萎む中,SoftBank は Sprint への投資にブレーキを打診する
    FierceWireless,2017/12/15 @01:04 pm ET
    By Colin Gibbs
    Sprint の親会社 SoftBank は,アメリカ・キャリアの株価が萎む中,Sprint への投資のペースを緩めている … BTIG Research が今朝 注意した。
     "SoftBank は,Sprint 株買いの手を また暫く休めている。" … と BTIG の Walter Piecyk が同社のブログに書いた。"最新の買い付けは,もう1週間以上前の 12月5日だった。我々は当初,SoftBank が株価を $6 で安定化させるものと予想した,ところが,この買い付け活動は 1ヵ月以上にわたって不活発であり,その結果 株価は $6 を割り,3日間 $5.50 未満となり,そこから 3日間 反発している。"
     アメリカ No. 4 のキャリアの株価は,T-Mobile との合併協議が破談になってから −16% 下がった … と BTIG は言う。金曜日の日中には $5.57 で取引されているが 始値からは 1% 以上下がった。
     SoftBank の Masayoshi Son CEO は先月,Sprint の持ち株を 83% から 85% に上げる計画だと言った。ただし,この閾値 85% を超えて投資すると,残りの全株を公開買い付けしなければならない [注:これが買収の際の約束らしい] 。ところが Sprint の株価の下げは,日本のコングロマリットに もう 10 日以上 資金を使わせていない … と Piecyk は観察する。
     "SoftBank と Sprint は,買い付けを中断したとの兆候を全く見せない。" … と彼は書いた。"我々は まだ SoftBank が (公開買い付けの引き金となる) 85% に達するまでに,最大 5450 万株を買えると推定する。"

  79. Leasing from Sprint? Beware: You could end up paying more than phone’s full price
    Sprint でリース? 要注意:電話の正価以上を 結局は払わされる。
    Kansas City Star,2017/11/26 @07:26 am ET
    By Mark Davis
    Ryan Moody は,Sprint で使っている電話が わけのわからない理由で テキストと通話を止めたことに 不満である。だが,週末を待たずに Verizon に乗り換えた理由は,それだけではない。
     Moody は,Sprint が電話のリースに毎月 $20 を課金していることを知っていた ── ただし,そのリースの期限は4月に切れた。この支払いをとめるためには,Sprint に電話を返却し,新しいリース契約で新しい電話に機種更新する必要があった。あるいは 今 使っている電話を買い取るのでもよい。
     Sprint は Moody に4月以来 払った $140 のリース支払いで サムスン Galaxy S6 を $77 で買えると告げた。
     "そんなことが 違法でないとは無茶苦茶だ。" … とメリーランド州の住民 Moody (38) は言う。"彼らは基本的に 私が うぶだからというので $140 を奪おうとしている。"
    Ryan Moody
     
     こんなことって あり?
     4月にリースが払い終わったのに,Sprint は課金している。
     $140 は電話の代金にならずに,Sprint のポケットに。
     もう Sprint は辞めた。Verizon に行く。
     Moody は Sprint の Marcelo Claure が呼ぶ "契約外 (out-of-term) 売り上げ" に貢献した。
     このカネは,Sprint がリース契約を通じて 電話の正価以上にリース顧客から集めた金であり,Claure の言い方では "これは 丸儲け" である。
     Sprint のリース・プログラムは,合法的に利益を上げる事業モデルとして,リース事業では世界的に行なわれている ── 車や複写機のリースを考えればよい。
     "Sprint がこのような人たちのお蔭で 契約外利益を上げれば,ドル箱である。金もうけの素晴らしいやり方である。" … と (携帯電話プランの最適化を助ける企業) Alekstra の Toni Toikka CEO が言う。
     Sprint は,アメリカの携帯電話市場でもユニークである。
     T-Mobile は JUMP! および JUMP! On Demand 機種更新プログラムを通じて電話をリースする。しかし,T-Mobile の場合には,電話の正価分を徴収すると,そこで徴収を打ち切る。
     Verizon と AT&T には,リース・プログラムが無く,T-Mobile と同様に 電話を 金利ゼロの割賦プランで売るか 一括払いで売る。
     そのため,アメリカの4社の中で Sprint だけがリースを行なっている。
     "Sprint は,電話の代金以上のカネを請求するアメリカで文字通り唯一の会社である。" … と BTIG Research で Sprint を追跡する投資アナリスト Walter Piecyk が言う。
     丸儲け
     Sprint は,どれだけの契約外売り上げを顧客から徴収しているかを言いたがらない。スポークスマンは,同社 5,400 万の契約者基盤に比べれば "非常に少数の顧客" に影響を与えるに過ぎないと言う。
     しかし リースは,信用のある 価値の高い顧客と事業を行なうために Sprint が選んだやり方である。
     今夏,信用チェックに合格して Sprint と契約した新規顧客の ざっと 90% がリース契約した。残りの 10% は,前金で電話を買うか,すでに電話を持っていた。Sprint は,既に 割賦プランによる電話の購入をやめている。無線サービスを月ごとに購入する前払い顧客は,リースの資格が無い。
     Sprint のリースは,顧客が契約の基本規則を守って きちんと払っていれば,割賦プランと同様に見える。
     だが この規則 ── ならびに Sprint がリース契約者に繰り返し送付しているという注意書き ── を無視すれば,Moody のような羽目に会う;電話の本来の価格以上に払い続けることになる;可能性としては,大幅に払いすぎることもあり得る。
     Moody の発見の前日,Sprint の Claure CEO は,同社の リース慣行を 投資家 および アナリスト向けのセッションで説明した。彼は,Sprint にとって どんな利益があるかを指摘した。

     Marcelo Claure
     
     Wells Fargo & Jennifer Fritzsche,信じがたい @Sprint の変換 #毎日よくなる $S について今日 偉大な議論をありがとう。
     2017年11月9日 - 06:52 AM
     "リースが与えてくれる利益は,契約外売り上げと呼ぶ何かを与えてくれる。" … と ニューヨークで開かれた投資家向け会議で Claure は言った。この記録は Sprint のウェブサイトで公開されている。
     "顧客が支払いを始める時間の問題があるのです。" … と彼は言った。"彼らは既に 端末代金を払い終わった ── だが 同じ端末を使ってリースを続けることに決める。それは 基本的には,我々にとって丸儲けになるので,サービス売り上げと同じか あるいは それより儲かるのです。"
     Claure はさらに,契約外売り上げは かなりのものであり,Sprint がライバルより顧客の流出率が大きいのをカバーするのに役立っているとも言った。
     契約外リースの顧客は,それ以外の顧客より 逃げやすい … と Claure は聴衆の投資家に言った。しかし,Sprint は "事業計画" に基づいて運営している … と彼は言う。つまり,契約外支払いによる追加の売り上げは 高いチャーンを埋めるという。
     "こういう風に,事業計画に基づいて経営することに決めたのです。" … と Claure は言う。
     Sprint のリースの仕組み
     Sprint は 何年も前に電話のリースを始めた。今年7月には "Sprint Flex" という新しいリース・プログラムを導入した。Flex との相違点はいくつかあるが,リース・プランは 契約外売り上げに関しては 同じ仕組みである。
     Sprint は,リースが終わるまでに電話代金の約 75% を回収できるように毎月のリース支払い額を設定する。 と言うことは,30ヵ月リースならば,18ヵ月リースよりも 電話が同じで 月額支払いが低額になる。
     リース期間中,多くの契約者は 新しい電話に機種更新し,リース契約を更新する。Sprint Flex ならば,1年後に機種更新できる。
     リース期間が終了した場合,顧客は 機種更新できるが,その電話を買う選択もある。
     リース期間終了後の価格は "買い取りオプション価格" と呼ばれ,電話の価格の 25% 相当である。
     この価格で電話を買い取る顧客にとって,リースは 割賦プランにより電話を購入して,最後に残金をまとめて払うのと全く同様である。
     今年6月以前の Sprint の古いリースでは,この時点で残額を一括払いすることを要求していた。しかし,Sprint Flex は,リース期間終了後6ヵ月に支払いを分割できるようにした。Sprint は,来年3月に 古いリースにも このオプションを適用する計画である。
     何もしない場合
     Sprint のリース顧客が リース期間終了後に何もしないと,契約外売り上げが発生する。
     Sprint のウェブサイトは,この場合,1ヵ月ごとのリースに自動的に延長することを示す。顧客は 新しい電話に機種更新できるし,リースを更新できる。使用中の電話を同様に買うこともできる。
     Sprint は,電話のもともとの代金をフルに回収した後も,毎月のリース料金を徴収し続ける ── 電話代金の 25% を回収し続けた後も。
     それでも Sprint が 1ヵ月ごとのリース代金を徴収し続けるのは,電話の購入のための契約外支払いをカウントしないからである。
     これが Sprint のリースの仕組みである … と ワシントンの全国消費者立法センター (NCLC) の上席顧問 Margot Saunders が説明する。買うよりもリースが非常に高くつくのは,こうした仕組みのせいです … と彼女は警告し,いろんな商品の消費者向けリースは 増えているが,まだ規制されていない … と続けた。
     "このやり方に不当なことは何もありません。これはビジネスです。資本主義はこういうものです。" … と Saunders は言う。"企業はできる限り消費者を利用しようとする。買い手は,警戒する。"
     消費者運動家 Edgar Dworsky は,さらに言う。Sprint が契約外支払いをどうすると決めるときに,公平性が問題になる。
     "もしも リース期間中の全支払いが,リース期間終了後に 電話を買おうとする顧客が負う全額を減らすのを助けるのであれば,リース期限後にもなされる支払いに同様に適用しないのは不公平と思われる。" … と Dworsky は E-メールを寄越した。
     Sprint のリース契約者にとって,リース期間終了後に何もしない場合に 起こるもう1つの変化がある ── 電話の買取価格である。
     Sprint がまだ徴収していない 電話の 25% の代わりに,顧客は これから買おうという電話の市場価格を払わねばならない。
     iPhone や Galaxy のような人気の携帯電話は,市場価格が "買い取りオプション価格" を上回るのが普通である。
     これらの電話は価格がなかなか下がらず,顧客が 何ヵ月もリース支払いを続けても手が届かない。
     Toikka は,契約外売り上げの大きさがどのくらいかを 64GB の iPhone 6S Plus を 2014 年9月にリースした顧客について試算した。この電話は 基本モデルであり 当時一括払いで $849 だった。
     それから 38ヵ月後 ── この顧客が機種更新しなかったとすると ── Sprint は毎月のリース料金で $1,344 を稼いだ … と Toikka は言う。そしてさらに,Sprint のウェブサイトの 11月16日の買戻し価格によれば,この顧客は 今の電話を買い,リースをやめるには さらに $205 をスプリントに払う必要がある。
     "Sprint は,これにより大儲けをしている。" … と Toikka は言う。
     Toikka も その他の人たちも,どれだけ Sprint が儲けているか知らないと言う。投資アナリスト Piecyk は,その合計が Sprint の事業にとって意味あるものでは "なかろう" と言う。
     Sprint は,総額を言うことを拒んだ。
     Toikka は,この売り上げが,リース期間終了後に電話を買い取るカネが無い貧しい人のグループだけによるものだろうと言う。
     "我々は,実際には 長い間 このリースプランで 支払いを続けているのは,低収入の契約者がかなりの部分を占めると予想する。" … と Toikka は言う。
     あなたの最大の利益
     Sprint は,リース顧客に オプションについて丁寧に説明している … と Sprint のリース部門の上席副総裁 Robert Hackl が言う。
     リース期間が終了する前に,同社は通常 10 通の E-メール または テキストを送り,オプションについて顧客に通知する。これにより,いつ 初めて機種更新できるか,いつリースが終わるか,電話の購入, 機種更新, リース継続のオプションを通知する。
     "一部の顧客がこれを 今まで全く読んだことがないかもしれないことは,我々も認めざるを得ないが,それでも 当社は 非常に懸命に続ける。" … と Hackl は言う。
     最近 Sprint は,長期のリース顧客に特定して Hackl が言うところの "さらに あらわな" メッセージを送り始めた。
     "当社は リース 30ヵ月目の顧客に「あなたは 毎月リースを延長してこられました。財政的には,これは あなたの最大の利益ではありません」 と通知している" … と彼は言う。
     それでも 顧客の選択は変わっていない。リースの終了は 機器の返却を意味し,新しい電話への機種更新も 新しい電話を買うにも かなりのカネがかかる。これまでの リースの支払いは,それをカバーしてくれない。
     Hackl は,リースが永久に続かないだろうと言う。機器の市場価格が下がって,リースの支払いが カバーできるようになれば,リースは終わる … と彼は言う。
     リースを続けることは,リースそのものの重要な利益を拭い去る。
     リース期間中の機種更新は,顧客が 新しい機能を持った電話を使えるようにする;良いカメラ, 強いセキュリティ, 大型スクリーンなどである。
     さらには 現在 サムスン Galaxy S8 などの 10 機種で使える HPUE 技術の追加のような Sprint ネットワーク上で データ速度を上げる電話をゲットできることも意味する。
     リース支払いは,割賦返済と同様に,一括払いより手軽に払いやすい。また リースは 物品販売税を一括払いするのでははく,リース支払いを通じて徴収すると Sprint 言う。
     チャーン
     Sprint の契約外売り上げがいくらであるかが不明なのと同様に,Claure が認めた高いチャーンの売り上げへの影響も不明である。
     たとえば Moody は,自分が見つけたことに腹を立て,Sprint のネットワークから脱退して 同じ週に Verizon に乗り換えた ── 8年間 Sprint の幸せな顧客だった。そして Moody は,顧客として $10,000 近くを注ぎ込んだ Sprint には絶対に戻らないと言う。
     フロリダ州オーランドの Sprint 顧客 Valcourt Bachard も,まもなく Sprint をチャーンすると言う。彼は, 高校を卒業後 間もなく iPhone 6S を Sprint からリースした。
     信用の記録が無かったので,Bachard は リースの資格を得るために "200 ドルほど" の前金を払った。18ヵ月リースは,前金のために 僅か $11 だった。前金無しならば,月額 $22 になるところだった。
     ところが 8月に 支払額が $22 に飛び上がった … と Bachard は言う。
     "彼らは 何も通知せず,いきなり 上げた。" … と 彼は言う。
     当初,Bachard は払った;倍増の理由は,7月に既に持っていた別の電話をこのアカウントに加えたからだと考えた。ところが,今月になって Sprint に問い合わせをすると,リース期間が切れたので 料金が倍になったと教えられた。
     Sprint は,1ヵ月毎のリースに,前金の支払いが無い場合の料率を適用していることを認めた。
     Moody と同じオプションを示された Bachard は, $150 を払って自分の iPhone を買い取ると言った。しかし,Sprint で続けるつもりは無い。
     彼の 契約外売り上げが 電話をカバーしなかったことは不幸であり,彼は ツイッターに Don Niño というハンドル名で苦情を書いた。
     Don Niño
     
     @sprint は,iPhone のリースが終わったとき,なぜそれを通知しないのか。iPhone の価格と関係ない毎月の支払いを私はやめていただろう。
     
     Sprint Care
     
     お早うございます。ご機嫌いかがですか。
     あなたが リース期間の終了に関し,適切な教育を受けておられなかったことを残念に思います。あなたは教育されるべきでした。- FS
     このツイッター投稿に答えて,SprintCare は お詫びのように その点について Bachard が "教育されるべきだった" ことを認めた。
    信じがたいが,これも地元紙の記事である。
     貧しい人を喰いものにして 利益を上げようという 飛んでもない商法である。
     こんな商法が続くはずが無い。Claure の経営者としての品質が問題である。
     これでは,潰れないのが不思議! 1年後には 相当 みじめな状態になっているだろう。
     顧客に人気を失えば,株価はますます下がる。
     バイアウトによる非上場化は 早まるしか無い。

  80. Sprint subsidiary accused of repeatedly misrepresenting auctioned phones
    Sprint の子会社が,オークションに出す電話を 繰り返し ごまかしていたと訴えられる
    Kansas City Business Journal,2017/12/15
    By James Dornbroock
    Sprint と 子会社 United Management は,契約違反 および 過失による不実表示で 逆物流会社 IT Asset Partners Inc から訴えられた。
     IT Asset Partners は,中古の電話を買い取り,電子部品を抜き取り 再利用する。ロサンゼルス郊外の Chatsworth に拠点を置く同社は,オーバーランド・パークに拠点を置く無線キャリア Sprint の余った在庫に入札し,そのいくつかを落札した。
    この在庫品は,焼けて, 曲がり, 液晶ディスプレイが損傷していた。" … と IT Asset Partners は
    訴状に書いた。"事実,原告から受け取った「電話らしきもの」の一部は 電話の背面カバー
    だけであり,原告が受け取った荷物の中に 本当の電話は含まれていなかった。"
    IT Asset Partners は 火曜日に訴状を提出し,United Management を オークションでリストされたより 送られてきたロットが遥かに少量であったと,不実表示で訴えた。同社は2つの事例を挙げ,1つでは3ユニット不足,もう1つでは 405 ユニット不足で,合計して $128,000 の払い過ぎになっていると言う。IT Asset が United Management に 不足を伝え,返金を求めると,Sprint の子会社は拒否した。
     IT Asset Partners は,United Management をユニットの品質の不実表示でも訴えている。Kansas 州の連邦裁判所に提出された訴状によれば,ロットは 5つの文字を使ってその品質を等級づけされる:
     A — Like new
     B — Light wear and tear
     C — Light-to-heavy wear and tear
     D — Heavy wear and tear with cracked glass
     E — Heavy wear and tear with cracked glass and damaged LCD
     IT Assect Partners は,部品の再利用が目的なので "E" 級のユニットを買うつもりは無い。しかし,同社が2月と3月のオークションで入札・落札したのは A ~ D 級にリストされたロットであり,実際に受け取ったロットは,全部が E 級以下であった。
     "この在庫品は,焼けて, 曲がり, 液晶ディスプレイが損傷していた。" … と IT Asset Partners は訴状に書いた。"事実,原告か受け取った「電話らしきもの」の一部は 電話の背面カバーだけであり,原告が受け取った荷物の中に 本当の電話は含まれていなかった。"
     カリフォルニアの会社は,等級の不実表示が $806,090 の損失を引き起こしたと言う。同社は返金を求めたが,拒否された。
     IT Asset Partners は損害,裁判費用などの支払いを求めている。
    Sprint の地元紙の報道である。

  81. Just Capital's Dan Hesse: Companies that do good things have ・・・
    Just Capital の Dan Hesse が語る:良いことをする会社は ・・・
    CNBC TV,2017/12/14
    Jim Cramer が Just Capital の Dan Hesse (元 Sprint CEO) と対談する。
    アメリカ株式会社について 消費者の意見の内側を捉える。
    [2017/12/15 (金)] $5.49, −$0.14 (−2.49%)。
     この日は,皮肉にも,訴訟を起こされたと言うニュースが 地元紙からあった。
    [2017/12/14 (木)] 今日のニューヨークで,SoftBank の買い支えの効果 (?) で Sprint は上げていた (↓)。
     ところが 午後からはダラダラ下がり,引けで急落。ほかにニュースが無いので,原因は これしか無さそう。
     英語はほとんど聴き取れないが,Jim Cramer は "私は ひたすら皆さんに金儲けしていただきたい"。そこへ対談相手として, 現在は Just Capital とかの取締役, 前 Sprint CEO,Daniel Hesse (64) が登場して "良いことをする会社は ・・・ " と ぶつ。
     何とも違和感が感じられる。Sprint の株主もそう感じたのではないか?
     なんたって Sprint の経営責任はこの人にある。2007~2014 CEO だった。ちゃんと経営できていれば, SoftBank の如き拝金会社に身売りする必要は無かった。
     それなのに,多額の (Arora ほどではないが,それでも ストックオプションを含めたらベラボウな) 退職金を受け取りながら,こんなところに しゃしゃり出て,あろうことか『良いことをする会社は ・・・ 』などと宣う。『消費者の意見』を捉えていたら,もっとマシだった (?) だろう。
     まぁ 孫社長が,ここでも人を見る目が無かったと言うべきか?
     あるいは 退職金を Arora 並みにして口を封じておかなかった (?) のがアホだった と言うべきか。
     実際,かなりの不満を抱いていたはずの Arora が,退職後 SoftBank の悪口を触れ回らないのは,口封じの額がそういう金額だったからでしょう。

  82. Verizon, T-Mobile likely to benefit more from tax reform than AT&T or Sprint: analyst
    税制改革により Verizon, T-Mobile は AT&T より大きな利益を得る。Sprint には利益なし。
    FierceWireless,2017/12/08 @11:50 am ET
    MoffettNathanson によれば,税制改革は AT&T よりも Verizon と AT&T を助ける見込みである。 そして Sprint には,事実上影響が無いだろう。
     減税は,Donald Trump 政権下の議会で 最優先問題になった。無線企業は ── その他の無数の企業と同様に ── この動きを大いに歓迎している。AT&T の John Stephens CFO は 最近,同社が "税制改革に楽観的である" と言い,T-Mobile の Braxton Carter CFO は 今週,現在上下両院で検討されている税金法案の下では,T-Mobile は ざっと向こう7年間 税金費用 (cash tax) を払う立場にはなさそうであると述べた。
     しかし,大手4社が 法人税の減税から同様の利益を得るわけではない … と Craig Moffett は リサーチ報告で注意した。
     "利益の大きさは,会社ごとに大きく異なる。" … と Moffett は書いた。"たとえば 通信では,減税は AT&T と Sprint より Verizon と T-Mobile に不釣り合いなほど大きな利益をもたらす。AT&T は 歴史的に低い税金費用 ならびに 予想される期間内の低い税金が,減税幅の拡大の影響を弱める。Sprint の場合,税金改革は無関係である:予想される期間内に税金費用はゼロである ── 利払い控除の上限も無関係である。
       以下省略。もともと Sprint だけは赤字だから税金を払っていない。
       税金の多い企業が 税制改革により得をする。
       なお 下の方には,税金が減った分が,設備投資/シェア獲得競争 (料金引き下げ) に回るだろうと。
       Sprint にとっては 税制改革は むしろ厳しい。
     Sprint も黒字になれば,税制改革の恩恵を受けるでしょう。

  83. Sprint: Altice deal lets us cut through red tape of small-cell deployments
    Sprint:Altice との協定は,小型セル配備の赤テープを切り捨てるのに役立つ。
    FierceWireless,2017/12/08 @09:03 am ET
    By Colin Gibbs
    Sprint の Altice との MVNO 取り引きは,小型セル配備に蔓延し続ける [地方自治体などの] 赤テープを切り捨てることを可能にする … と Sprint の Tarek Robbiati CFO が木曜日に言った。
     我が国 No. 4 の無線営業会社は 先月,アメリカ No. 4 の大手ケーブル・プロバイダ Altice で間もなく始まる MVNO のネットワーク運営会社としてサービスを行なう契約を結んだ。この協定は ── Sprint としては "この種の初めての契約" であり ── Altice が Sprint の無線ネットワークを通じて無線サービスを提供することを可能にし,他方 Sprint は Altice のブロードバンド・インフラを利用して無線ネットワークの稠密化を果たせる。
     先月のこの発表は,T-Mobile との合併交渉の打ち切りを追うようにして出されたが,このニュースは明らかに投資家を失望させ,株価は 12% 以上下がった。しかし Robbiati は木曜日,Altice との取り引きは Sprint が小型セルのロールアウトを (他の方法によるよりも) 早く実行する道を開くものだと説明した。
     "当社は Altice と非常に前向きの交渉を行った;なぜなら 当社は 従来とは非常に異なるモデルを見据えている;これは,両社が互いの [相手に無い] 独自の資産を活用して,それぞれにとって重要なサービスを提供するものだ。" … と Robbiati は 木曜日,投資家向けの会議で言った (Seeking Alpha の書き起こし記録による)。 "したがって,Altice との交渉で 当社にとって重要だったのは,マクロ・タワー用のバックホールに彼らのインフラにアクセスできることだ。このバックホールは,当社にとって 商業的に魅力があると考える。"
     "それと同時に,当社独自の電波基地を配備することも重要である。" … と彼は続けた。"そこで,当社は 空中ケーブルに小型セルの取り付けを行なう;これには 設置許可を取る必要が無い。時間が短くて済むので,これは当社にとって 実に価値が高い。"
     この戦略は Sprint にとって 実を結びそうである。なぜなら 線引き規制や許可といった頭痛が 小型セル市場の足枷になっているからだ。一部の地方自治体は,美観, 騒音, 公共先行使用権などの問題を理由に,小型セルの配備と戦っており,アメリカ中の都市や町が 小型セル配備に対して独自の規則を設け続けている。
     他方,地方自治体 および 州との間の数多くの小競り合いが増える中,連邦政府の介入が 地平線上に浮上している。今年5月,FCC は 無線キャリアとそのパートナーが,アメリカ中の地方自治体で小型セルを配備しやすくする動きを可決した。FCC は,州 および 地元レベルでの (小型セルのロールアウトを遅らせかねない) "規制の障害を調査" することを承認した。
    ちょっと混乱してしまったが,Tarek さんは,短期間に2回話した。
     (1) 2017/12/07 (木):Barclays Global Technology, Media and Telecommunications Conference
      これが ↑ の記事である。
     Seeking Alpha の書き起こし記録はこちら
     この書き起こし記録を通読して,数字について気の付いた個所を挙げると ・・・
      5回線無制限を $90 → $100 に値上げした。
      2017 年の経費節約 $13~15 億 (今年前半で $7.5 億)。
      2018, 2019 会計年には CapEx を $50~60 億に増やすが,それ以後は $40~$50 億に減らす。資金は,電波を担保にした借り入れである (去年は $35 億を 利率 6.4% で借り入れた)。$70 億の枠を確保した。
     (2) 2017/12/05 (火):45th Annual UBS Global Media and Communications Conference
      これが ↓ の記事である。
    ──────
     なお,同様の会議は 今後も (3) 2017/12/11 (月),(4) 2018/01/9~10 に予定されている。
     各社とも決算が近づくから注目されるのだろう。

  84. Sprint Offers Exclusive Gift for Pokémon GO Trainers - Get $100 in PokéCoins FREE When You Switch to Sprint!
    Sprint は,ポケモン GO のトレーナーさんたちに特別ギフトを提供する ── Sprint にキャリアを乗り換えて,ポケコイン $100 を無料でゲットしよう!
    Sprint 広報,2017/12/08
    ホリデーシーズンに合わせて,また ポケモン ホウネン地方からポケモンが更に 50 リリースされたことをお祝いして,Sprint は "Sprint Unlimited" に契約なさる方全員に ポケコインで $100 のギフトを提供しております。
     乗り換えるシーズンですよ,トレーナーさんたち! このオファーは本日開始です。計算すれば分かるでしょ ── $100 は 14,500 ポケコインです。これをトレーナーはゲットして ゲームプレーを最大化し,ポケデックスを一杯にできます。ポケコイン $100 は 最大 3,600 のポケボール,480 回の生き返り,145 回のプレミアム レイドパス, あるいは 96 インキュベーターと交換できます。
     しかも 更に良いことがある:トレーナーは ( あるいは ,ポケモンをなさらない人でも 信頼できるネットワークと無線の最大価値を高く評価する人なら誰でも) Sprint に乗り換えれば, 4回線の無制限 データ/通話/テキストを 月額 $25/回線で,第5回線を無料でゲットできる。つまり,トレーナーさんたちは ポケモン GO を好きなだけ遊べて,高品位の動画ストリーミング, 音楽, ゲーム を楽しめて,10 GB のモバイル・ホットスポット・データを 負けなしの価値でゲットできる。Sprint の無制限データ・プランは,さらに 最高の動画ストリーミング・サービス Hulu ならびに Tidal の音楽ストリーミングの6ヵ月無料トライアルを含む。
     "これは,アメリカのすべてのトレーナー向けのアメージングで価値の高いギフトである。" … と Sprint の最高マーケティング責任者 Roger Solé が言う。"Sprint に乗り換えれば,"無制限" のあらゆる特典 ── ポケコイン $100 がもらえる他に,Hulu の人気 TV 番組を見られるし,Tidal の音楽ストリーミングを聴ける。このホリデーシーズン,Sprint は あなたの無線会社からの最高のサービスを提供する。"
     Sprint から $100 のポケコインをもらうには:
     (1) Sprint の店舗で新しい回線をアクティベート。
     (2) 店舗の販売員に 無料のポケモン GO ギフト ($100 分のポケコイン) を求める。
     (3) 契約の進め方について指示を テキスト・メッセージで受け取る。
     本日のニュースは,Sprint の ポケモン GO とのユニークな関係の一環であり,Sprint は1年前,ポケモン GO の独占的アメリカ無線パートナーになり,Sprint 店舗を ポケストップとジムに変えた。トレーナーは Sprint 店舗を訪問して この大人気の位置ゲームと係わることができる。
    もう なんも言うこと無し!

  85. Sprint to deploy 'a few thousand towers' over next 2 years as part of capex hike
    Sprint は,CapEx 増加の一環として "数千の鉄塔" を向こう2年間 配備する
    FierceWireless,2017/12/06 @08:44 am ET
    By Colin Gibbs
    Sprint は,向こう2年間 ネットワークへの消費を大幅に引き上げる中,"数千の鉄塔" を配備する … と Tarek Robbiati CFO が火曜日に述べた。
     Sprint は,2018 会計年にネットワークに $50~60 億を注入する … と先月 SoftBank の Masayoshi Son CEO が言った;これは 最近の CapEx を3倍増することを意味する。Robbiati は 火曜日 投資家向けの会議で,その翌年も CapEx が維持される見込みだと言った;それでも 同社の財務基盤は十分 固く,支出増にもかかわらず,調整フリーキャッシュ・フローは,"ほゞ トントン" になるはずだと言う。
     Sprint の 2018 会計年は,来年4月にスタートする。
     "したがって,当社の営業キャッシュフローに注目すれば,2017 会計年の前半には 当社は $32 億を生成した。" … と Robbiati は言った (Seeking Alpha の書き起こし記録による)。"昨年1年は $42 億だった。今年は CapEx の観点から $35~$40 億の Capex を目標にしている。これは 前年より $20 億ほど多い。よろしいですか? そのため,当社は 投資を増やす余裕がある。来年も 話は同じである。・・・ "
     Sprint は,小型セルに注力してネットワークを稠密化することにより 従来の鉄塔への支出を減らし,経費削減を狙っていると批判されてきた。ところが,この戦略は 必ずしも Sprint が希望したほど有効ではなかった … と Marcelo Claure CEO が先月述べた。今では Sprint は CapEx を増加する中で マクロ・セルに高い優先度を置く。
     Robbiati は この戦略を確認し,Sprint が "近隣拡大" を追求すると言った;これは,カバレッジを拡大するよりは,現在の足型の範囲内で容量の底上げに注力する。CFO は,"数千の" 鉄塔を増やし,すべての鉄塔について3周波数の電波をサポートし,Massive MIMO を配備すると述べた。
     ただし Robbiati は,2会計年を超えて この CapEx を維持することは計画していないと言う。
     "ここで申し上げておきたいが,これは Capex の平均的な標準レベルではない。" … と彼は断った。そして,CapEx は $40~$50 億の範囲に戻ると言った。"来年は これを超える。2年より先は 下げることになる。"
    なぜか,第4四半期のチャーンが +15 bp 増える話はカットされている。
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    [2017/12/07] $5.46, −$0.23 (−4.04%), At close: 4:00 pm EST
    Volume 23,567,639 (Avg. Volume 16,686,246)
    下は,11月6日以降の1ヵ月の株価推移である。
      当初は 買い支えの効果が利いていたが,この頃は きれいに下がっている。
     前にも書いたが,適当なところで バイアウト (上場廃止) に追い込まれるだろう。

  86. Sprint expects pace of customer defections to slow in holiday quarter
    Sprint は,ホリデー四半期に 顧客減少のペースが鈍る見込み
    Reuters,2017/12/06 @02:27 am JST?
    By Laharee Chatterjee
    アメリカの無線キャリア Sprint は,カギを握るホリデー四半期に,プロモーションを高めたお蔭で顧客減少のペースが鈍る見通しである … 最高財務責任者が火曜日に言った。
     Sprint は チャーン (顧客減少率) が 12 月31日に終わる四半期に Q/Q で 15 bp 増える見込みである … と Tarek Robbiati CEO が UBS メディア会議で述べた。昨年の ホリデー四半期には,Q/Q でチャーンが 20 bp 増えた … と彼は言う。
     "当社は あらゆる市場に参入し,当社の根本原因 (root causes) を探し出し それに対応する。" … と Robbiati は言い,Sprint のチャーンを抑える戦略について語った。
     Robbiati は また,数ヵ月の交渉の後 先月潰れた T-Mobile との合併協議関係の話を完全に避けた。
     協議が潰れた数日後,Sprint の親会社 SoftBank Group の Masayoshi Son CEO は,Sprint は独力で成長できるが,もしも経営権が得られるなら 依然として取り引きを検討したいと言った。
    $5.74, −$0.21 (−3.53%), As of 4:00 pm EST. Market close.
    ──────
     1ヵ月前に合併協議が潰れ,その後3人の幹部が辞めて,新しい人事を行なったのだから,今後 どういう事業で Sprint が独立でやっていくのかを 示すべきでしょう。顧客数が多少減ろうが,将来の方針を明確に示せれば,株価は歓迎するはずだ。親会社の SoftBank は「IoT,5G の戦略に欠かせない」 … と言っているんだから,当然 それに呼応した戦略があるべきだ。2018 年の計画 (1)~(3) の中に無ければならない。
     それが無いということは,Sprint 空っぽ ・・・ だけでなく 親の SoftBank も空っぽであり「IoT, 5G の戦略上 欠かせない」とは 真っ赤なウソであることがバレバレになった。
     合併が潰れたのは「経営権」のためではない。単純に司法省を通らないという見通しからだった。
     そのため,株価が下がったのだろう。期待外れということ。チャーンが原因ではない。
    ──────
     いずれ 明日になれば Seeking Alpha から 書き起こし記録 (↓) が出るでしょうから,それを待たなければ 30 分程度 Tarek さんが何を話したか ほんとのことは分からない。
     でもまぁ,売り抜けした CFO は 意欲を失っているでしょう。代りの人が話すべきだった。
     と言っても Claure くらいしかいない。Claure も合併の話で追及されるのを怖がって逃げた?
     とにかく こうまで Sprint と SoftBank が「すれ違い」状況では,Sprint の将来は真っ暗である。
    Sprint 45th Annual UBS Global Media and Communications Brokers Conference (Transcript)
    Seeking Alpha, 2017/12/05 @04:14 pm ET
    出席者:Tarek Robbiati CFO
    アナリスト:John Hodulik (UBS)
     質疑応答 48分。以下 掻い摘んで翻訳する。
     H:Tarek さん,2017 年はイベントだらけの1年でしたね。たぶん,これ以上イベントだらけなんてあり得なかったでしょう。でも,2018 年の見通しは? Sprint は 何を優先するかお話しいただけませんか?
     R:はい,でも 2017 年はまだ 終わっていません,確かにイベントだらけでしたが。
     でも 良い1年でした。とても良い1年だった。だから 未来に とてもワクワクしている。なぜなら 我々の計画の実行に専念できるからだ。このことを我々はとてもうれしく感じている。焦点は3つの次元を胸に実行することだ。
     (1) ネットワークのロールアウト。
     (2) 顧客経験。とくにネットワーク関連以外の顧客体験の問題に対応する。
     (3) 足型の拡大。
     これら3つは 2017 会計年にも開始したが,2018 会計年にはすべてを加速する。
     H:分かりますが,それよりも T-Mobile との合併のまとめのようなものをお話しいただけませんか? そもそも なぜ うまく行かなかったのか?
     R:あれは,ワクワクする 7~8ヵ月でした。我々は 互いにデューディリを実施した [初めて聞く] 。我々はダンスをしていた。実にワクワクだった。互いに頬にキスを交わした。ところが,我々の両親がそれを見て,引き戻したのです。
     冗談はさて置いて,Masa が下した中核的決定までほとんど煮詰まっていた。あれは大胆な決定だった。規制当局により却下される可能性だってあるし,経営権を失うことも考えれば。でも Masa は我々の計画を見て 我々の計画を非常に心地よく感じた。Masa は言った:ほら,先へ行こう。やろう。 これが経営陣がまさに考えていたことでした。そして,我々は彼にとても感謝している;なぜなら彼は常に信じがたいほど創造的であり,我々の望むことを加速するのを助けてくれるからだ。
     H:それで,現在のところ これは終わったと思うのですが,将来もう一度という可能性をどう考えていますか?
     R:いいえ。我々全員が先へ進むことが重要だと考える。ゴールラインに到達できなかったけれども,あれは 非常に前向きの経験だった。私は,T-Mobile のチームの幹部と会うのが特に楽しかった。我々は 互いを大いに尊敬していた。 ・・・ だが,規制の不確定性が かなり高いことを忘れてはいけない。我々は これが Sprint に多大な破滅を生み出すことを見出した。我々は,会社, 株主, 従業員にとって危険な取り引きに踏み込むつもりは 全く無かった。差し引きすれば,全体として 正しい決断でした。
     話を先へ進めましょう。この道をもう一度進むとしても,すぐにではない。我々の議長が もっとすることがあるでしょうし,我々はそれがどうなるかを見守る。
     H:全然ちがう分野の話ですが,司法省が AT&T-Twix 合併に厳しいことを言っている。振り返ってみて,そういうことが 退却に影響しましたか?
     R:はい:間違いなくありました。通信業界だけではない。薬品業界でも2件ほど政府が却下した。これらは 確かに,我々が気を付けたことです。
     ですから先へ進みましょう,やるべきことをやろう。我々は 2018 会計年とその先に Sprint でやるべきことがたくさんあります。ワクワクする時間が目の前にある。それに注目して,我々の事業を前進させるにはどうするかを考えましょう。
     H:合併協議を打ち切った後,2つの発表がありました。
     (1) Capex を引き上げる。この決定の背後の考え方は? そのための資金はどこから?
     R:CapEx の決定は,T-Mobile との取引が有効になる前に決めていたことです。実際,経営チームとしては,ネットワークに投資せずに M&A 取り引きに取り掛かるのは,規制の不確定性のために 非常に非常にマイナスだったでしょう。ですから,どんな場合でも,ネットワークへの投資は正しい戦略です。Marcelo が9月にこの旗を取り戻しました。それ以後 CapEx の方針については 何も変わっていません。次に 何にカネを使うかの話に進みましょう。
     以下,800 MHz, 1900 MHz, 2500 MHz 電波の配備状況。数千の電波塔の追加。64T64R の Massive MINO。小型セル稠密化。
     これで 来年 $50~60 億を使う予定。これを数年続けた後は,持続可能なレベル $40~50億/年に引き下げる。
     H:この話をもう少し。小型セルへの投資はどのくらい? CapEx の水準を戻した後の小型セルの個数は?
     R:2016, 2017 会計年には 時間をかけて 数千の小型セル設置許可を取った。これには かなり満足している。この戦略の一環として Altice と契約を結び,同社のインフラ [バックホール用] を使わせてもらうことになった。同時に当社の回線を MVNO で使ってもらう。この取り引きで両社は 互いのインフラにおんぶし合う。
     H:マクロ側の鉄塔は 現在の足型の外に立てるのか? 農村地帯を狙うのか? 現在のネットワーク内にビルドアウトするのか?
     R:大部分は,我々が "近隣拡張" と呼んでいるものだ。いずれは 農村地方へも入るが,さしあたりは現在の足型の周りに近隣拡張するのが大部分である。
     H:次に,販売網の拡大をどう考えているか? 販売拠点のようなものの数字でお答えいただけるとありがたい。
     R:今年の6月までに,Sprint 所有の小売店舗は 約 1,100 になった。
     H:顧客体験について はじめのほうで話されたと思うが,これについてもっと詳しく。
     R:ご質問から 外れるかもしれないが,顧客体験はチャーンと関係がある。そしてチャーンの問題は ネットワークだけと関係しているわけではない。それ以外の問題 ── 料金請求,カスタマーケア などなどが 顧客の不満を招く。我々は これらの問題をアタックしているところだ。
     もちろん,料金は 最も重要である。我々は料金のリーダーであり続けるつもりだ。料金が不満でチャーンする人もいるが,それは当社には当てはまらない。
     H:ネットワーク,カスタマーケア,広範な店舗展開をチャーンと結び付けて考えておられるらしいが,それでは いつになったら リアルな改善が何か見られるとお考えか?2~3年の時間軸で考えておられるのか? チャーンの数字が他社の数字と同じようになるのは,いつと考えているのか? [当然ながら 厳しいね (笑);結局 いつ?には答えられない。仕方ないよね]
     R:今四半期には チャーンが前四半期より +15 bp 増加するとと予想している。私の記憶では,この数字は 1年前の同じ四半期の +20 bp 増加より改善していると思う。したがって,いずれは チャーン [の増加率] が下がるでしょう。
       < まだまだ続く。フリーキャッシュフロー,経費節約 の話 >
     H:[最後の質問] まとめとして,私は戦略の話から始めたので,戦略で終わりたい。明らかに,無線と有線を結合するとか,SoftBank が数多くのイニシアティブに係わっているとか 長期になるかもしれない投資をしているとか ・・・。独立会社として 5年先の Sprint をどう見るか?スプリントの資産がうまく所を得る明らかな場所が何かあるか ・・・ SoftBank が動いている中でも,広範な通信の領域でも。Sprint が上場会社としてとどまることが Sprint にとっても SoftBank にとってもどのくらい重要なのか?
     R:もしも Masa の靴の中に入れば,彼は Vision Fund で膨大な資本を持っており,それを TMT 空間で使う。Sprint を補完するさまざまの投資がある。ARM は,我々がやろうとしている IoT。 OneWeb は衛星接続;これは おそらく 3~4年で たくさんの LEO を軌道に送り,ユビキタスになる。これらすべては,我々を Masa のビジョンの震源地にする。これ全部が,彼が支配を譲るのに不快だった理由である。
     これで 初めに戻りました。
     彼は これらすべての資産を一体にして これから展開する新しいバラエティにシナジーを何とか生み出そうとし始めるときに,実に 何ができるかを示したがっている。これは 莫大な 莫大な機会である。 衛星を使う様々の種類の通信である。
     それゆえ,我々にとっても この文脈の中で生き生きとした時期であろう。我々は SoftBank Group とつねづね議論を行なっている。我々は SoftBank と非常に密接に作業する。Marcelo は ちょうど今日本にいる。私は2日前に彼と話した。我々は E-メールを交換する。24 時間ごとに 我々は新しいアイデアが出てくる。だから いつもワクワクする。
     最後に 上場 あるいは 非上場か … が重要か否かに関してひとこと。プラスとマイナスがあり,議論が始まっては消え,また始まる。これは Masa と SoftBank に向けるべき質問だ。いずれにせよ,我々は,経営チームとして今の状態でハッピーである

  87. [$$] Sprint Execs Sell $3 Million in Stock as SoftBank Buys
    [$$] Sprint 幹部らは,SoftBank が Sprint 株を買い支える中で,$300 万を売却した。
    Barron's,2017/11/29,@4.10 pm (引け後) ET
    By Ed Lin
    最高財務責任者 Tarek Robbiati と 最高法務責任者 Jorge Garcia が 初めて売却した。
    Sprint と T-Mobile の合併の可能性が潰れた翌日から,11月6日~13日まで SoftBank は Sprint 株を 1830 万株,$1.10 億,平均単価 $6.04 で買い増した。S&P Capital IQ によれば,SoftBank は Sprint の 33.3 億株 (83% 超) を所有する。11月13日,最高財務責任者 Tarek Robbiati は 90,500 株のオプションを実行し,363,500 株を $220 万 (平均単価 約 $6 ) で売却した。
    Yahoo Finance を見ると,2017/11/12 付で Tarek Robbiati の持ち株が 12,201 株となっている。
     したがって,12,201 という数字は売却後の株数であろう。つまり,持ち株のほぼ全部を売却したと思われる。
     ここから先は 想像であるが,
     (1) 間もなく Sprint を辞める予定 (就職活動が順調に進んでいる)。
     (2) Sprint 株が大きく値上がりするとは期待できない考えた。

  88. Sprint: Is There Any Reason SoftBank Would Want to Own 100%? Asks BTIG
    Sprint:SoftBank が 100% 所有したいと考える理由はあるか? ── BTIG が問う。
    Barron's,2017/11/28 @02:15 pm ET
    By Tierman Ray
    SoftBank は,Sprint の残りの 15% を買うつもりだろうか?
     Sprint 投資家にとって重大な問題と思われるが,BTIG Research の Walter Piecyk は今日,次のような意見を開陳した:SoftBank による公開市場からの Sprint 株の買い付けは,"テコ入れ" に役立ち, 株価が $6 を割らないよう喰い止めた。Sprint の株価は 今日 −$0.05 安の $6.10 である。
     Masayoshi Son 議長は,85% 以上買うつもりは無いと言った。しかし,状況は変わり得る。Piecyk は,Son が考えを変えるかどうかを問う。
     Piecyk は,SoftBank が最近 猛烈な買いを入れた後 そこで止まった事実に気づき,あらためて今日 この疑問を提起した。
     Sprint と T-Mobile が合併協議を打ち切ったとの今月初めの発表を受けて Sprint は急落し,そこへ SoftBank が介入して 約 430 万株を1日で買い,その後さらに 1700 万株を 8日間で買った。
     Piecyk によれば,SoftBank は その後 買いをやめ,過去7営業日の間,何もしていない。SoftBank は,85% の上限まで まだ 5800 万株を買うことができる。
     Piecyk は そこで,SoftBank が Sprint の全株を買っても ほとんど意味が無い理由をあれこれと数え上げる。 Sprint は SoftBank の連結決算の対象になっている;だから 買っても意味が無い。しかも,残りを買い上げるのに必要な $49 億程度のカネは,時代を切り開く技術のためと Son が言う "Vision" fund のようなものに使う方が良さそうである。
     "Sprint の残りを買い増すことが,(過小評価されていると SoftBank が主張する) 資産を買う以外に,SoftBank にとってどれほど意味があるかは不明である。" … と Piecyk は書いている。
     Sprint に関しては,"ここからの下げは重大であると我々は考える。" … と Piecyk は言う。彼は Sprint の株を 2019 年の予想 EBITDA の 7.5 倍の $4 に評価する。
     "SoftBank の公開市場からの買い付け または 株主からの公開買い付け無しに $6 を維持することは 大変な難題であろう。" … と Piecyk は結んだ。
     Piecyk は,アメリカの無線市場での営業を比べれば,T-Mobile の方が良いと考える:
     『SoftBank は,Sprint の株価を安定化させただろう。だが,協議が打ち切られた後,T-Mobile 株の成績の方が良い。両社の株価の比は 今や 10:1 であり,我々は これが更に開くと予想する。この比の動きは,ドイツ・テレコムが交換比と経営権の要求を貫いた決定が正しかったことを意味する。実際,交渉が "時価" に基づくと報道されていた頃は,この比が 8:1 であった。我々は 以前,10:1 より厳しい比でも Sprint 株主にとって 寛大すぎると議論した。単独ならば T-Mobile の株価は 2018 年末には $84 の値打ちがある。』
     T-Mobile の本日の株価は,−$1.31 安 (−2%) の $61.47 である。 [引けは $61.38, −$1.40 (−2.23%)]
    $6.065, −$0.085 (−1.382%), At close: 3:59 pm EST, 2017/11/28
    もう Sprint は ほんとに手遅れである。手の打ちようが無い。
     とにかく "Sprint has come" から4年以上もの間,社長が何もせずに放っておいたのだから。
     この先 Sprint がどうなるかと言うと,実に分かりやすい。
     (1) 合併などの相手は見つからない。
     (2) IoT, 5G で「不可欠」という旗印は,お題目に過ぎない。
      理由は簡単である。カネは何とか なるかもしれないが,人材流出により実行できる人がいない。
      「企業は人である」… これを社長が理解していない。「すべてはカネである。金の卵である」
     (3) Sprint の株価は長期的に下がり続ける。
     (4) どこまで下がるかは,社長が我慢しきれなくなって,バイアウトを決断するところで決まる。

  89. Sprint faces 'treacherous' path in wake of collapsed T-Mobile deal: MoffettNathanson
    Sprint は,潰れた T-Mobile 取り引きの余波を受けて,"騙されやすい危うい道" を歩く ── MoffettNathanson
    FierceWireless,2017/11/27 @11:50 am ET
    By Colin Gibbs
    MoffettNathanson Research によれば,T-Mobile と Sprint の合併の失敗は,苦しんでいるアメリカ無線市場を益するらしい。ただし Sprint は,依然として 自分より大きなライバルたちに追い付こうとして大きな苦難に直面する。
    この両キャリアは 今月はじめ,合併後の会社を誰が支配するかを巡る懸念から,合併交渉を取りやめた。もしも両者が提携すれば,ほぼ $500 億の付加価値が生まれたと New Street Research は言い,アナリストらは 概ね 3社に再編された市場は,業界全体にとって恵みになっただろうと言う。
     しかし,Sprint がこれに不同意だったために,Sprint はシェア獲得よりも 利益を確保するのに汲々とする羽目に追い込まれるだろう … と MoffettNathanson の Craig Moffett が書いた。そして,これは 当然ながらライバルを利する。
     "過去数ヵ月 出回っていた話では,3社が互いに競合する方が 間違いなく4社より良い。" … と Moffett は投資家向けのレポートに書いた。"もしも この業界が4社から3社に縮小していれば,業界の構造が 快適なものになっていたかもしれない。しかし,現実世界の考察は これとは異なる。(1) 合併の見込みを ── 少なくとも当面は ── 奪われた Sprint は,企業の持続可能性に注力せねばならない。このため プロモを (多くではなく) 減らすことになる。プロモの減少は,料金引き下げを弱め,顧客純増の減少につながる。 ・・・ このため,Sprint 以外の全社の増加につながる。(2) 他方,T-Mobile は,株主に現金を戻すと約束した。これも,プロモを (多くではなく) 減らすことを意味する。"
     しかし,Sprint が独立企業として競争を続けられるかどうかは,明らかと言うには程遠い。Sprint は $380 億の債務を抱えており,その約半分が 向こう4年以内に満期を迎える。しかも,競合他社とのギャップを埋めるために ネットワーク更新に数十億ドルを支出する計画である。
     "Sprint の行く手の道は,treacherous である [= (安全なように見えて実は危険であることに) 騙されやすい]。" … と Moffett は書いた。"同社は,低品質の顧客を獲得することにより契約数を維持する; [合併の] 交換比を嵩上げする目的で CapEx をケチってフリーキャッシュ・フローを維持する … など もはや 待ちゲームで時間稼ぎはできないだろう。
     おそらく 現在 最も重要な展開は,ピカイチのレベルのネットワークを手に入れるために カネを掛ける必要が無いと 何年も言ってきた後で,この四半期に料金を引き上げる意向を Sprint は発表し,中期的ネットワーク支出ガイダンスを1年あたり $50~$60 億に劇的に増額したことである。ハッキリ言わせてもらえば,これは 今の Sprint が持っていないカネである。"
     MoffettNathanson は,Sprint の "売り" 格づけを維持し,目標株価を $6 → $2 に引き下げた。他方 T-Mobile を "買い" に引き上げ,目標株価を $69 → $73 とした。
    当サイトは このような状況を表現する適切な 標語として「3強1弱」あるいは「3社独占 (tri-poly)」 を使い始めたが,まさに それがピッタリ当て嵌まる。
     ネットワークに掛けるカネをケチりにケチって,それでもアメリカで最高のネットワークを作ることができたと自慢したのは,Sprint CNO 兼 SoftBank CEO である。その方針がここでは もろに批判されている。責任を感じないのかね。
     しかし,$6 → $2 というのはすさまじい。
     証券会社お抱えのアナリストには,到底できない芸当である (クビが飛ぶだろう)。

  90. Marcelo Claure’s full memo explaining Sprint’s new management reorg
    Marcelo Claure のメモの全容が,Sprint 経営陣の新たな再編を物語る。
    FierceWireless,2017/11/20 @11:30 pm ET
    By Mike Dano
    Sprint の Marcelo Claure CEO は,Sprint の経営陣に広範な組織改革を行なっている。
    直属の部下の数を減らし,オフィスを再設計し,何人かの幹部を昇格・退任させる。
     "この新しい構造は,顧客体験を改善し;パートナーの係わりをふやし;新しいアイデアを従来より早く市場に持ち込むことを可能ならしめる。" … と Claure は FierceWireless が取得した社内メモに書いた。"我々は,我々が細身で強力になるように,リーダーシップ・チームを合理化するアクションを今 取ろうとしている。"
     このメモは,この記事の最後で読めるようにしてあるが,Sprint における広範な注目すべきアクションをカバーする:
    1. Sprint Prepaid 総裁で Sprint の Virgin Mobile 再立ち上げを支援する Dow Draper は,新設の 最高コマーシャル責任者に昇格する。
    2. Sprint の Omnichannel Sales 総裁 Kevin Crull は,新設の 最高戦略責任者に昇格する。
    3. Günther Ottendorfer, Jeff Nelson, Jim Hyde の3名は Kansas City Star が報道したように,退社する。Jeff Nelson は Roger Solé の直属の部下だったが,Roger Solé は,後払いの最高マーケティング責任者の役割に留まる。
    4. Claure に直属する部下は,16 人から9人に減り,John Saw CTO,Jan Geldmacher Sprint 事業総裁, Nestor Cano COO, Draper, Crull が含まれる。
    面白いことに Claure は,"高い業績を挙げるチームが目標を達成できるようなモダーンな作業空間を新たに数多く設置する。これらの新しい作業空間は,チームが互いに協同作業しやすいように設計される。協同作業は 革新に火を点け,隣り合って作業するチームは何でも達成できる。" … と Claure はメモに書いた。"手始めに,私が 何人かの上級リーダーとそのチームと共に,オーバーランド・パーク・キャンパスの 6550 ビルの新しい作業空間へ移る。私自身がこの新しい作業空間を試し,そのメリットを確信できたら,オーバーランド・パーク全体のキャンパスとアメリカ中の Sprint のオフィスについて作業空間を再設計するつもりだ。"
     "この新たな章を始めるに当たり,我々は これまでより顧客に対して 平らで 速く 近い組織を建設する。" … と Claure は結びに書いた。"それと同時に,我々は パートナーが容易に協同作業しやすく,Sprint の成功を可能にする決定をしやすい環境を生み出す。"
     Claure の行動は,T-Mobile との合併交渉の潰れに起因するものであろう。Wall Street Journal によれば,Masayoshi Son Sprint 議長は,(ロボットやその他 数百万の機器を接続する上で重要な役割を持つと考える) Sprint の経営権を失いたくないために T-Mobile との協議を打ち切った。合併協議が終了してから数日後,Sprint の株を買い増し,Sprint の CapEx を昨年の $20 億から 今年は $60 億に増額すると Son は言った。
     "今後 2~3 年は厳しいとしても,5年とか 10 年の時間枠では,Sprint は戦略上欠くべからざる企業である。" … と Son は SoftBank の決算説明会で言った … とロイターは伝える。
     "ご支援を感謝する。" … と Claure は Son にツイートした。"あなたの @sprint パートナーは あなたを誇りに思う。"
    Marcelo Claure の社内メモ (PDF) (2017/11/17) 06:47 am
    #より良い毎日を手に入れる。 Sprint Now!
     親愛なるパートナーさんたちへ。
     先週 タウンホールの全社員集会で,我々は 我々の新しい計画について話した;そして信じ難いチャンスが我々の前にある。
     我々は,顧客体験を改善するために莫大な投資を行なっている ── 我々のネットワークの 大幅なアップグレード および 良好な店舗内経験とオンライン・ケアの提供を含む。
     Sprint にとって これは 新しい章であり,私は それを始めるのにワクワクしている。
     「単純化 Sprint」
     我々が新しい計画を実行する中で,我々は 働き方を変えねばならない ── 我々の組織の単純化に手をつけることだ。
     我々は,(経営陣の層を減らし,リーダーシップを顧客に近づける) 従来より単純な新たな 組織構造を発表しているところである。これは,パートナーの説明責任を増大し,意思決定を合理化する。
     新しい構造は,顧客体験の改善を可能にし,パートナーの係わりを増し,新しいアイデアを従来より早く市場にもたらすことを可能ならしめる。
     我々は 今や,我々が細身で強力になるよう,リーダーシップ・チームを合理化するアクションを取る。
     本日,我々は 以下の組織変更を発表する。
     (1) ネットワーク
     (2) 販売 および マーケティング
     (3) その他の重要な役割
    ほとんど同時に幹部が3人も退社していたんだわ (笑)。
     組織改革で業績が好転するなら ハッピーハッピー。人は代わっていないのにね。
     「組織改革」というのは,新設事業の立ち上げと並行するのが普通だが,ここではそういうものは無く,肩書の名前が変わる程度の形式的なものに過ぎない。
     オフィスの衣替えは,Claure が着任したときに大がかりなのを実行した。それが機能しないのだろう (笑)。
     Masa 買収から4年超,Marcelo CEO 就任から3年超。
     その間に何もできず,ただ ずるずる低迷 ・・・ 。
     赤字会社を立て直すのに 経費削減だけでうまくいくはずが無い … ことも分からないヘボ経営者たち。
     Masa は,シャープの戴正呉社長のところに1年くらい弟子入りして 赤字企業の立て直し方を教えてもらうとよい。
    ──────
     2年半前には,こんなことをほざいていたのを スッカリ忘れてるらしい (笑)
      『スプリントの Claure:18~24ヵ月後には,我々は ネットワーク性能で1位か2位になる』 (FierceWireless, 2015/05/28)
    ──────
     そうそう 大事なことを忘れていました。
     この Claure メモの「ネットワーク」のところに CNO (最高ネットワーク責任者) の記述がありません。
     ネットワークの専門家でもないのに,毎日 先方の昼間に日本から電話を掛けてうるさがられていたあの CNO さん,決算説明会では自分が Sprint の CNO であると威張っておられた方が見えません。クビになったのでしょうか。ネットワークの仕事は全部 John Saw が引き受けています。

  91. Sprint’s affiliates, wholesale and MVNO president Jim Hyde is also leaving the company
    Sprint の アフィリエイト+卸売り+MVNO 担当副総裁 Jim Hyde も会社を去る
    FierceWireless,2017/11/20 @11:12 am ET
    By Mike Dano
    Sprint は FierceWireless に アフィリエイト および 卸売り担当の副総裁 Jim Hyde も会社を去ることを認めた。
    Jim Hyde
     Hyde は,Günther Ottendorfer と共に アメリカ No. 4 の無線営業会社を去る。
     "当社は 彼の貢献のすべてを多とし,その将来の発展を祈る。" … と Sprint は Hyde の退社を認める FierceWireless への声明で言った。
     Sprint は 2016 年に Hyde を雇い, 前払いグループを引き受けさせた。 当時,Sprint の前払い担当トップだった Dow Draper は,Sprint の Virgin Mobile 前払い事業のトップへ異動した。
     2016 年に Hyde を雇った時のリリースで,Sprint は次のように言った:"前払いと卸売りサービス部門の総裁として,Hyde は Boost Mobile, Sprint Prepaid プラットフォーム および Virgin Mobile 事業全般にわたる前払いの戦略と事業を発展・推進する役目を負う。彼はまた,Sprint の MVNO 顧客との関係にも関わる。"
     今年 Virgin Mobile ブランドを Sprint が再立ち上げしたことにより,前払いは Hyde の権限を外れた。
     重要なのは,Hyde が Sprint の MVNO を受け持っていることだ。Sprint は,おそらく我が国で MVNO に最も優しいキャリアであり,何ダースもの MVNO が同社ネットワーク上で運用されている。さらに,Sprint は ほんの1ヵ月前に Altice が Sprint ネットワーク上で MVNO サービスを始めると発表したばかりである。
     Sprint に入社する前,Hyde は nTelos Wireless, Lomus Networks の CEO, 総裁,取締役だった。T-Mobile UK の CEO 兼 専務でもあった。
     Hyde と Ottendorfer の退社は,Sprint にとって危急のときに発生した。過去2週間,同社は T-Mobile との合併協議を打ちきり,数日前には Sprint の親会社 SoftBank の CEO が Sprint の権益を買い増し,同時に CapEx を1年あたり $20 億から $60 億に増額すると発表したばかりである。
    やはり 予想した通り (笑),退社が続きます。
     まだまだ 続くでしょう。Sprint の弱さを示す。
      Sprint は経営権を放棄するとして T-Mobile と交渉してきたから,幹部は必死で就職活動をしてきたのであり,必然の結果である。
     いずれにせよ Masa が経営者の能力に欠けることを 自ら証明したことは疑い無い。
      Kansas に豪邸を買っているんだから,常駐して 経営の腕を振るっては いかが?(笑) 自信無い?

  92. Sprint’s Günther Ottendorfer, COO of technology, leaving company
    Sprint の Günther Ottendorfer, COO of Technology が会社を去る
    FierceWireless,2017/11/17 @05:34 pm ET
    By Mike Dano
    Sprint は,同社の COO of Technology Günther Ottendorfer が "オーストリアの家族と一緒になり, さらに他の可能性を追求するために",12 月に会社を去ると発表した。
     "当社は,彼のリーダーシップと献身に対して,彼に感謝する。我々は寂しく感じるだろうが,次の努力での最善を祈る。" … と会社は声明で言った。
     Sprint によれば,同社のネットワーク, 技術, および 製品開発は John Saw が率いる。Saw のポストは CTO [最高技術責任者] のままであり,Marcelo Claure CEO に直属する。
     Ottendorfer は,Sprint のネットワーク発案者の中で,際立って目に見える存在であり,しばしば 記者会見や見本市のイベントで話した。
     Ottendorfer の退任のタイミングは,SoftBank CEO 兼 Sprint 議長 Masayoshi Son が Sprint の持ち株を 83% から 85% に引き上げると言い,同時に Sprint の CapEx を $50~60 億に3倍増すると言った わずか数日後のことであるので,注目に値する。このアクションは,Sprint と T-Mobile の間の合併協議が潰れた数日後になされた。
     Günther Ottendorfer は,2015 年8月に Sprint の COO of Technology に任命された。彼は,Sprint のネットワーク,技術,製品開発の組織を任されていた (関連する戦略 および ネットワーク運営, ならびに ベンダーとの提携を含む)。
     John Saw CTO は,2003 年に Clearwire に2番目の従業員として入社し,Clearwire の WiMAX ネットワークを建設し,2013 年に Sprint が Clearwire を買収したときに Sprint に移った。
    ・・・ という記事であるが,Sprint の広報には未だ出ていない。
     これまでの例では,退任する人について 広報を出さないことが多い。
     Ottendorfer は,2年前に Claure がリクルート会社に依頼して外国から集めた人材の1人である。
     どの程度の実力があるのかは分からないが「魔法の箱」をドローンに乗せて飛ばす記事などは,好感を持てる人であることが分かる。
    ──────
      『Sprint が,空飛ぶ「魔法の箱」をテストする』 (FierceWireless,2017/09/26)
    ──────
     この時期に辞めたことに特に意味は無いだろう。
     ただ,Claure 以下すべての役員について言えることは,もしも T-Mobile と経営統合されれば 全員がクビになったはずである。だから,めいめいが職探しをしていて当然である。… ということは,今後も続々(?)。有能な人から。
     この面からも Sprint の衰退は 早まるかもしれない (補給が追い付かずに)。
     何といっても,企業は人である。カネより前に人である。
       ↑ ウチの社長は,この意味で頭がおかしい。
    ──────
     これは,2017/11/18 早朝の Ottendorfer のツイッターである。
     2年の勤務であったが "精一杯やった" と言っているようだ。
     Sprint から退社の広報は未だ出ない。

  93. Sprint to launch free Hulu service for unlimited users: Wave7
    Sprint が,無制限プラン利用者に Hulu サービスを無料で提供 ── Wave7
    FierceWireless,2017/11/13 @12:36 pm ET
    Wave7 Research によれば,Sprint は,T-Mobile の教本から1ページを借りて,無制限プランを契約している顧客に Hulu の動画ストリーミング月極め契約を無料で提供する。
     T-Mobile は 今年9月,"T-Mobile One" プランで2回線以上を契約した顧客に Netflix の月極め契約を無料で提供し始めた;それ以前の顧客は T-Mobile One にアップグレードすれば,この取り引きをゲットできる。T-Mobile は,基本的には Netflix を再販していることに相当する;顧客は Netflix の月極め契約料 $10 を払うが, $10 のクレジットをもらう。
     Sprint の広報担当者は,このサービスについて FierceWireless からのコメント要請に応じなかった。
     Netflix 無料は,T-Mobile のマーケティング活動にとってカギを握る重要なメッセージであると Wave7 は言う。Huru の基本サービスは 初年度 $5.99/月 であり, 2年目からは $7.99/月に上がる。
     Hulu は,ディズニー, 21 世紀フォックス, コムキャスト, タイムワーナーの JV であり,基本サービスには TV シリーズ番組,映画,オリジナル・コンテンツ および その他広告なし または 広告を抑えた番組を含む。これは (アメリカの無線市場が全体的に落ち着いてきた中で,プロモーションの弱くなっている) Sprint にとって,カギを握る重要は差別化要因である (実際,Marcelo Claure CEO は先週,来四半期からサービス料金の値上げを計画していると語った)。
     だが ここで浮上する問題は,無線ネットワークに極度に金を必要とする動画の利用が大幅に増大した場合に, Sprint のネットワークが処理できるかどうかである。Claure は先週,Sprint のネットワーク欠陥を埋めるために小型セルを使う戦略は 100% の成功には達していないことを認め,同社が 数ヵ月後からネットワーク投資を劇的に増やす見込みであると述べた。
     T-Mobile が Netflix 無料サービスを発表したとき,John Legere CEO は,T-Mobile のネットワークが最近のスピード・テストで見事な結果を上げたことを指摘し,動画の消費増に同社が対応できることを暗黙のうちに示した。この意味で,Sprint は 同社のネットワークも同じようにうまく捌くことができると 明らかに賭けている。
    どうやら Sprint は無理をしている。
     広報が言葉を濁すのは,Hulu 無料が広く知られた場合,動画の利用者が急増して ネットワークがパンクするのを恐れている。そうかと言って,これを宣伝しなければ,顧客獲得に不利である。つまり,ソコソコに増えて欲しいが,あまり増えるとネットワークが不十分なために困る。
     「経営権」にこだわる様子とは,天地の差である。
    ──────
     11月15日になって,Sprint が正式に発表した。

  94. How Sprint fits into billionaire Masayoshi Son's grand plan
    大富豪 Masayoshi Son の大計画に Sprint はどう嵌るのか
      Kansas City Business Journal,2017/11/11, 06:08 am CDT
      By Elise Reuter
    Sprint は,そのオーナー SoftBank Group の情報革命の推進に役割を担う… と SoftBank の Masayoshi Son CEO は月曜日の決算会見の英語訳で言った。
     Sprint と T-Mobile を合併させようとして SoftBank が持つ過半数株式を手放すしか方法が無く追い詰められた Son は,10 日前に T-Mobile の親会社 ドイツ・テレコムに 合併協議を中止すると電話した。
     土曜日に両者は東京で直接に会い,この決定を確定した。
     "私は 晴れやかな気持である。私には 非常にハッキリ見える。" … と Son は言った。"短期的には株価は下がるだろう。それでも 私は,合併協議を打ち切るという この決定に晴れやかである。"
     SoftBank が合併後の会社の経営権を持たないとしても,少なくともドイツ・テレコムと同等の経営権を持ちたいものだと彼は言っていた。しかし,それは叶わなかった。
     SoftBank が合併協議から降りる選択をしたのは,Sprint のような通信インフラが IoT の将来に不可欠と考えたからである。
     Sprint 買収と ARM 買収の間で,SoftBank は携帯インターネットの将来を用意するのだという。
     "IoT が普及すれば,我々は他社に比べて はるかに進歩した立場にいるだろう。" … と Son は言う。"このような重要な市場で Sprint の経営権を手放すならば,5~10 年後には後悔するだろう。"
     Son は続けて OneWeb LLC への投資が 地球低軌道 (LEO) 衛星からの "光ファイバー" 速度を提供するのに使え,これにより SoftBank の通信容量を拡大すると言う。
     この3社の結合は "絶対的差別化要因" となるだろう。
     "これらの資産を容易に買うことはできない。" … と Son は補足した。
    Sprint の地元紙が ことの成り行きを心配している記事である。
     な~んか 笑ってしまう。これでは経営者として落第だろう。
     (1) T-Mobile と同等の経営権だなんて笑わせる (笑)。そんな会社は,意思決定が混乱して何がどうなるか分かったものじゃない。先方がどういう会社であれ,受け付けるはずが無い。
     (2) T-Mobile が Sprint を買収する … という形で交渉が進んでいたんじゃないか?
     (3) 「Sprint は SoftBank Group の IoT 戦略に不可欠である」。そうかもしれないが,それを言うなら,4年前に買収してから今まで Sprint で IoT ができるようにどれだけのことをしたの?(笑) 報道を見る限り,ほとんど何もしていない。だから,こんな取ってつけた理由を持ち出しても,見る人は見破ってしまう。
     (4) Sprint の経営権を持っていれば,今から 5~10 年後にはグループとして後悔しない立派なことができるらしいが,4年前にさかのぼってみれば,経営権を握ったのに グループは何もできずに 現在 後悔しているのである。
     (5) OneWeb を Wyler さんが何のためにやっているかを 全く理解していない。
     Wyler は, 『1日の収入が 2ドルの人にとっても無理無くインタネットにアクセスできるようにしたい』と言った。
     全然 儲けにならない。社会福祉である。
     (6) 「SoftBank+Sprint+OneWeb が 2強への差別化要因」と言うに到っては,まったく何も見えていない社長である。会社と株主に迷惑をかけぬようさっさと辞任するのが最大の善行である。

  95. How Verizon, AT&T, T-Mobile, Sprint and more stacked up in Q3 2017
    Verizon, AT&T, T-Mobile, Sprint は,2017 年第3四半期に どれだけ積み増したか。
    FierceWireless,2017/11/10 @02:26 pm ET
    By Mike Dano
    第3四半期の決算発表シーズンが終りました。我が国トップの無線キャリアが 互いにどれだけ積み増したかを 重要な数字により調べる時期がやってまいりました。
    契約数 (万)契約純増 (万)後払いスマート
    フォン純増 (万)
    ブレンドされた
     チャーン (月平均)
    Verizon14887.4+164.2+48.61.19%
    AT&T13882.6+232.3+9.91.32%
    T-Mobile 7073.1+132.9+64.72.42%
    Sprint 5307.4+40.5+26.22.39%
      「契約数」には,卸売りを含む。
      機器接続 (M2M) を含む [だったら,自動車接続も含まれる]
      Sprint は,卸売りを含むが,アフィリエイトを含まない
      「ブレンドされたチャーン」は,前払いと後払いの平均か?
      Sprint の9月期決算では アフィリエイトまで含めて 5402.7 万 (+37.8 万) と報告されている。
    ──────
     けど まぁ 細かいことはどうでもよろしい (笑)
     社長は 決算説明会の席で,この表をスクリーンに大写しにして,比較として 自分が買収した直後の数字を並べて見せればよい。
     買収した時点では,Sprint は T-Mobile の上の No. 3 だったのである。「アメリカ No. 3 のキャリア」という枕詞は 間違いなく Sprint のものだった。"Sprint" と言わなくても「アメリカ No. 3 のキャリア」で通用していたのである。
     それが今では,抜かれたばかりか,1,700 万を超える差をつけられた。純増数の開きは,差が今後とも拡大しそうなことを示す。
     この事実を 株主に率直に示し,その原因をどのように反省しているかを語るべきである。"Sprint has come." などと浮かれたことを言って株主に期待を持たせたのであるから,責任ある経営者として逃げてはならない。
     そうは言っても株主は,このような厳しい現実から目を逸らして,アリババや Nvidia の値上がりに浮かれたいだろう(笑)

  96. Sprint's Claure: Tower companies 'going to be very happy' with our capex
    Sprint の Claure:鉄塔会社は,当社の CapEx に「大喜びするだろう」
    FierceWireless,2017/11/08 @02:17 pm ET
    By Colin Gibbs
    Sprint CEO は今朝,同社がネットワーク CapEx を来年から大幅に引き上げると述べて,アメリカの営業会社に倍賭けするという SoftBank の Masayoshi Son の公約を確認した。
    そして,そのためのやり方として 伝統的な教本に戻ると言う。
     我が国 No. 4 の無線ネットワーク営業会社は,これまで2年以上にわたって CapEx ガイダンスを何度も引き下げ,ライバル企業のネットワーク更新との競争を維持する能力を問題視するアナリストらの眉を上げてきた。ところが Son は月曜日,SoftBank は Sprint の持ち株を 83% → 85% に引き上げるだけでなく,Sprint の CapEx をざっと3倍増の $50億~$60 億にすることを 数四半期後に始める (beginning in a few quarters) と言った。
     この予想は,Sprint の現実のネットワーク支出に及ばないかもしれない … と Claure は今朝の [Wells Fargo 証券主催の] 投資家向け会議で言った。
     "当社が来年しようと計画していることは,私が思うに,当社の CapEx を劇的に増やす [こと] である。Masa は,$50億~$60億と言ったのだと私は思う;これは 下限だと私は言いたい。" … と Claure は言った。"もしも可能であれば,当社は 実際にはもっと多く支出する。"
     Sprint はまた,小型セルに集中してネットワークを稠密化することにより経費削減しようとしていることを批判されてきた。だが その戦略は,同社が期待するほど 必ずしも有効ではなかった。Claure は,CapEx の増強と同時に マクロセルに高い優先度を与えるつもりだと言う。
     "昨年1年と半年,この2年は偉大な学習経験だった。当社は ネットワーク建設の方法の破壊 (disruption) を試みてきた。当社は 或る地域では成功を納めたが,正直に言って,別の地域では 成功しなかった。" … と彼は認めた。そこで 当社は 伝統的ネットワーク建設に進もうとしている。鉄塔会社の我々の友人は とても喜ぶだろうと思う。"
     Claure は,同社の貴重な 2.5 GHz 電波にアクセスできる電波塔が 同社の全電波塔の半分未満である … と続けた。Sprint は,すべてのマクロセルが 3バンドの電波をサポートするものと期待する [3バンドとはたぶん,800 MHz, 1.9 GHz, 2.5 GHz だったか?]
     Sprint は,もちろん,依然として 債務の山に直面している:$380 億の債務の 約半分は4年以内に償還を迎える。しかし Claure は,同社が現在行なっている経費削減努力が実を結び続けており,同社の革新的資金調達メカニズム (端末リース・プログラムや改善を続けるキャッシュ・ポジション) が ネットワーク投資のための資金捻出に役立つと言う。
     "Sprint は,債務を確実に返済する能力を持つだろう。第1に,我々には 流動性がある。我々は 良い立ち位置にいる:流動性は $113 億を超える。そのうちの $60 億強が現金である。したがって,債務の返済には これで 基本的に十分な現金になる。" … と彼は言う。"事業のファンダメンタルズは 現金を生成している。あなた方は,過去3年にわたる 当社事業の発展を見るべきである;四半期ごとに良くなってきた。"
    過去3年 … ずっと見てきたんだけど … it’s just been getting better quarter after quarter とは 気が付きませんでした。
    ロイター報道によると,次のように言ったらしい。
     "当社は 可能な別法を見つめるのに常にオープンであろう。当社は,通信会社とケーブル会社の間に提携の必要が最終的にあると信じる。"
     "We're always going to be open to looking at possible alternatives," he said, adding that "we believe that eventually there's going to need to be a tie-up between a telco and a cable company."

  97. Sprint, T-Mobile Merger Collapse Could Lead to Cheaper Cellphone Plans
    Sprint と T-Mobile の合併の潰れは,さらに安い携帯電話プランにつながるだろう
    Wall Street Journal,2017/11/06 @12:48 pm ET
    By Chelsey Dulaney
    T-Mobile/Sprint 合併協議の死は,強烈に過熱した競争を 無線プロバイダの間にもたらすと予想される。 消費者にとっては,さらに安い携帯電話プランを意味する。
     アメリカ No. 3 と No. 4 の無線キャリアは 土曜日,結合会社の経営権を巡る意見の違いの中,合併を断念した … と Wall Street Journal は報道した。アナリストらは,合併しない独立企業が更に猛烈な料金カットを繰り広げるので,無線企業は圧迫されるだろうと言う。
     携帯電話の個数がアメリカの人口を超え,成長が厳しくなる中,無線業界は近年 ますます 猛烈な競争を繰り広げるようになった。Sprint と T-Mobile は料金を引き下げ,猛烈に 無制限データ・プランを売り込み,業界のリーダー AT&T と Verizon を無制限プランの再導入に追い込んだ。
    無線の叩き売り
    2017年11月6日(月) の4社の株価。
     T-Mobile と Sprint の取り引きは,市場の競争者たちのプールを縮小することにより,料金引き下げの圧力を緩和するものと期待されていた。その取り引きが死んだ今,"グローブ外しを予想せよ" … と Wells Fargo のアナリストらは リサーチ報告に書いた。
     Wells Fargo は,T-Mobile が "初の全国 5G ネットワークを自慢する権利" を求めて,高速電波のビルドアウトに集中するものと予想する。
     これに対し Sprint は,ネットワークへの会計年間支出を 予算 ($35億~$40億) から 最大 $60 億に増額する計画を既に発表している。Sprint は また,ケーブル会社 Altice USA との提携を発表した。
     ウォール街の一部のアナリストは,シェア獲得でこの業界を率いてきた T-Mobile が Sprint より遥かにうまくやるものと期待する。
     "我々は,両社が独立企業として続き,T-Mobile は シェアを更に奪い続けるものと期待する。" … と SunTrust Robinson Humphrey のアナリストらは書いた。"これに対し Sprint は,猛烈な料金設定なしに高品質の顧客の契約者基盤を持続的に成長させるには,苦戦を続けるだろう。"
     KeyBanc Capital Markets は Sprint を格下げし,他方 T-Mobile の Overweight 格づけを維持し,そのシェア獲得の勢いを理由に挙げた。
     "無制限データの世界では,顧客のデータ利用増加に対し課金することはできない。したがって,サービス売り上げを増やす唯一の方法は,シェアを奪うことである。" … と KeyBank のアナリストらは言う。
     Sprint の株は 月曜日,4社の先頭を切って下げ,−11.54% 安の $5.90 で引けた。T-Mobile は −5.72% 安の $55.54 だった。Verizon は −5% 安,AT&T は −2% 安だった。アナリストらは,これらはどれも,契約者争奪戦が過熱する中で,圧迫されるだろうと言う。
    どこまで 社長さんは 読んでいたのだろう。
     「叩き売り」チャートは 想定内か?
     Sprint だけでなく,通信業界全体に影響が及び,それが Sprint に跳ね返ってくる。
     いずれは,日本でも "グローブ外し" が始まるだろう [ボクシングでグローブを外せば,パンチは強烈になって危険である]
    無制限データの世界では,顧客のデータ利用増加に対し課金することはできない。したがって,サービス売り上げを増やす唯一の方法は,シェアを奪うことである。
     言われてみればその通り。だから それだけ 顧客獲得戦争が熾烈になる。
     料金引き下げはその有力な手段であるが,T-Mobile のように「顧客が何を求めているか」に絶えず アンテナを張る必要がある。そこから生まれるのが "Un-Carrier" という名前で統一された サービスやプロモーションである。これらは,やられてみると,確かに お客さんは喜ぶだろう … という内容であるが,それを思いつくのが難しいことは,他社が先行できないことから分かる。これが「T-Mo はうまい」と言わせることの内容である。

  98. Sprint, Without T-Mobile Deal, Says It Will Spend Billions More on Network
    T-Mobile との取り引きが無くなった Sprint は,ネットワークへの投資を 数十億ドル増やすつもりだと言う。
    Wall Street Journal,2017/10/06 @11:54 am ET
    By Ryan Knutson
    無線キャリアは,今会計年のネットワークへの支出を $35~$40億 の予定を $50~$60 億に増額する計画である。
     Sprint Corp (−10.42%) は,ネットワークへの支出を増額するつもりだと言った。T-Mobile との合併協議が週末に瓦解したことを受けて,独立企業として計画を練り直した。
     アメリカ No. 4 のキャリアは,今会計年 $35~$40 億と計画していた 年間ネットワーク支出を,向こう数年間 $50~$60 億に増額すると発表した。
     同社はまた,主として ニューヨーク州地域で営業するケーブル会社 Altice USA との提携も発表した。この協定によれば,Altice は 同社の足型の範囲内に Sprint の無線サービスを Altice ブランドで売ることができ,Sprint は Altice のケーブル・ネットワークに特殊アクセスができ,それにより電波基地をインターネットに接続可能になる。
     Sprint の株価は,月曜日 −13% 下げ,T-Mobile の株価は −5% 以上 下げた。
     月曜日のアナリストらとの電話会議で Sprint の最高財務責任者 (CFO) Tarek Robbiati は,協議を断念したことに対する投資家の失望を認めた。"T-Mo と合併していれば得られた 合わせて数百億ドルのシナジーの埋め合わせとして,この Altice との取り引きを売り込むつもりはありません。" … と彼は言った。"これらのシナジーは どのアナリストの計算でも 莫大なものです。"
     それでも,Robbiati は Altice との提携が 真の価値を与えると言った。その第一の理由は,Sprint が新しいアンテナを 速やかに設置するのに役立つことだと言う。また,Altice との提携は,T-Mobile との取り引きとは無関係に成立しただろうと言った。
     ところで,Sprint の親会社 SoftBank Group は,Sprint の株を公開市場で買い,その権益を約 82% から 85% に引き上げると発表した。もしも 85% を超えれば,残りの株を株主からバイアウトしなければならない。これは Sprint を買収した際の条項 (provision) である。
     Sprint は,ネットワーク投資の資金を調達する計画であると言った。同キャリアは 黒転に苦労しているので,通常の方法は 高すぎる。近年,同社は 自社の資産を利用して安いローンを手に入れる創造的な方法を発見した。
     Robbiati は,この手をまた使うと言う;電波免許を担保にカネを調達する。
     Altice にとって,Sprint との提携は,アメリカで成長を続けることを可能にする。親会社 Altice はフランスでかなりの規模の ケーブル営業を行なっており,アメリカへは 2015 年に 地域ケーブル会社 Suddenlink を買収して参入した。
     2016 年,同社はニューヨークに拠点を置く Cablevision を買収した。この会社は,アメリカでの足型を積極的に拡大するつもりだと明言している。
     今回の無線再販取り引きは,Comcast が Verizon と結んでいるものとよく似ている。
      Write to Ryan Knutson at ryan.knutson@wsj.com
    これでも AT&T の $180 億には全然及ばないが,独立してやっていく臍を固めたのでしょう。
     でも やっぱりおかしいのは … そこまで T-Mobile との合併に期待して交渉していたのであれば, 「経営権」の問題は 真っ先に決着していたはずであり,それを最後の最後でちゃぶ台返しするとは,余りにも異常である。人間同士の交渉でこれはあり得ない。今後,ソフトバンクは 人間同士の交渉ができなくなるだろう。
     ちゃぶ台返しが「次の再編」なんてあり得ない。
       あり得るのは [1] 上場廃止 (醜態を人目に晒すのを避ける) [2] 独立縮小均衡路線
     のいずれかである。
     社長の責任問題とならないところが,普通の企業と違う点である。強み? 弱み?
    ──────
     85% を超えた場合の決まりは,当サイトでも知っていることであるが,社長はこれを正しく理解しているのか 疑問が残る。株主総会を開いて … とか言ってたが,そんな暇があるはずがない (笑)決算説明会に出る前に,当然 復習すべき重要事項であった。おかしいよ。周りも正しく理解しているのか。おかしいと思ったら助けなければいけない … 君和田和子常務執行役員 経理部長!
     Sprint,今日ばかりは,株価よりも出来高に注目が集まる (笑)
     1:30 pm 現在 株価は −11.24%
     出来高は 3日分を超えた! 買っているのは SoftBank だけだろう。空売りの買戻しもあるか。
     この分では 今日とか明日,弾切れになる。そのあと どうするんだろう?
     弾切れになれば,株価がストンと下がる? ニューヨークは値幅制限が無いからね。
     [2017/11/06 引け]
    $5.90,, −$0.77 (−11.54%), At close: 4:00PM EST
    Volume 61,924,919 (Avg. Volume 13,698,312)
     4.4 日分の商いだった。社長さんが用意できる弾は 6日分。
     今日は もったが,今週中の弾切れは必至,とりあえず明日の株価が注目となる。
    ──────
     Sprint は,債券も暴落しているんだと! こちらも買い支えているんだろうか?
       だとすると,笑って話せるような金額じゃないよ。認識かなり甘かったんじゃないの?
     鉄塔会社は その反対に 暴騰している。3社が 軒並み +6%。
    ──────
     今日のニューヨークは,SoftBank の決算そのものは ほとんど話題になっていない。
     Charter がまた上げている。Masa を含む 大金持ちさんたちの転がし玉。笑いが止まらないだろう。
    $348.40, +$12.97 (+3.87%) At close: 4:00PM EST

  99. Sprint’s MVNO for Altice doesn’t fill the T-Mobile merger void
    Sprint の Altice 向け MVNO は,T-Mobile が抜けた穴を埋めることにはならない。
    FierceWireless,2017/11/05 @11:59 pm ET
    By Mike Dano
    Sprint と T-Mobile が この週末に合併協議を打ち切ってから ざっと 24時間後,Sprint は 我が国 No. 3 のケーブル営業会社 Altice 向けの無線サービスを請け負うと発表した。
     何ヵ月もの あぁだこぅだのウワサと憶測の後で,T-Mobile と Sprint は 土曜日,合併交渉を (少なくとも当面) とりやめた;しかし 両社は 短いぶっきらぼうな声明を発し,両社の交渉が取りやめになったと言った。
     すると 日曜日の午後,Altice と Sprint は,Altice が Sprint の MVNO により無線サービスを立ち上げ,Sprint は "Altice USA のブロードバンド・プラットフォームを利用してネットワーク稠密化を加速する" … と発表した。
     この発表のタイミングと調子は,間違いなく Sprint の Marcelo Claure が投資家と市場全般に向かって,Sprint は 自分の成功のためには T-Mobile なんか不要だ;T-Mobile/Sprint を超える選択肢がある … と言っているかのようだ。
     たぶん Claure は本当にそう思っているだろう。明らかに Claure は,Sprint の市場での位置とブランドの位置を改善し,勢いに点火するのに大きな役割を果たした。
     だが,ここで重要な点を指摘すると,Sprint による Altice の MVNO は,Sprint と T-Mobile の合併ほどの大きな意味を持たない。
     第一に,Sprint は 既に数多くの企業と MVNO 契約をしている;大きい企業もあれば,小さいのもある。例えば,インターネット・サービス企業 Tucows は 長い間 Sprint を経由する MVNO を営業してきた。最近の四半期に Tucows は 約 170,000 アカウントと 278,000 個の機器を数える (ただし,このうちの一部は T-Mobile の顧客かもしれない。この MVNO は,T-Mobile のネットワークでも動く)。このほかに有名な Sprint MVNO は,グーグルのプロジェクト Fi および 2人のミレニアル富豪が創立した 新しい MVNO Wing がある。
     したがって,Altice USA との MVNO は Sprint の立場を傷つけないことは確かであるが,Sprint にとって新しい事業モデルの開始ということでは 決してない。
     おそらく さらに重要なのは,Altice が,たとえば Comcast ほどの地位を アメリカで持っていないことだ。Comcast は Verizon を頼る MVNO であり,Verizon のネットワークを利用して Xfinity Mobile サービスを ざっと 0.25 億人の顧客に提供する。このサービスを 今年初めに立ち上げて以来,Comcast は 250,000 の Xfinity Mobile 顧客を獲得した。この数は,顧客基盤の約 1% である。
     他方 Altice は,アメリカで 僅かに 5,000,000 の顧客を数えるに過ぎない。従って,無線サービスを始めたとしても,この小さな顧客基盤しか相手にできないだろう (Altice の MVNO が Comcast の Xfinity Mobile と同じ成長パターンに従うと仮定すれば,Altice MNVO の顧客数は,立ち上げから6ヵ月で 僅かに 50,000 に過ぎないだろう)。
     それでは,Altice が Sprint をネットワーク稠密化で助けるという約束はどうか? Sprint が 主として 2.5 GHz 電波の配備を通してネットワークの稠密化に熱を入れて取り組んできたことはその通りである。この電波は,Sprint の 800 MHz と 1900 MHz 電波ほど 遠くに伝播しない。実際,約1ダースの端末で現在使用可能な 同社の HPUE 技術は,2.5 GHz 電波の届きを改善するよう設計されている。
     しかし Sprint の 2.5 GHz 電波のビルドアウトは,電波塔や小型セルを建設したい場所で有線接続を得るのが面倒とか,ネットワーク装置を取り付けるために用地規制当局から許可を得る際の面倒により 障害に遭っている。これらの問題は Sprint に限らないが,Sprint の 2.5 GHz 電波により 特に悪化する [設置個所を多く必要とするためか?] ことは確かである。
     Altice は,Sprint に有線バックホール接続へのアクセスを与えて助けることもできる。その場合,地元の線引き規制当局が要求する公共先行使用権の許可の類を Altice は持っているだろう。
     実際,この種の協定は,Claure にとって初めてではない:Sprint は 今年5月 FierceWireless に,同社無線ネットワーク用の小型セルをビルドアウトする方法のテストについて,某ケーブル会社と協定を結んだことを認めた。ただし,その会社は,この取り組みについてそれ以上の詳細を提供しなかった。
     ただし,ここでの大きな問題は,Altice が Sprint のネットワーク稠密化を支援できるのは,Altice が現実にネットワークを持っている場所に限られる … ということだ。Altice は,アメリカ 21 州でサービスを提供している。その中には,ニューヨークなど Sprint がネットワークを稠密化したい都市部が含まれる。しかし Altice は決して Sprint の無線ビルドアウトの全国的膏薬ではない。
     さらに,小型セル業界の中に,ビルドアウトがそんなに急にはできないとの警告もある。たとえば [鉄塔会社] Crown Castle の CEO は,小型セルの配備は 完了まで最大2年を要すると言う。
     そこで話は,潰れた合併協議に戻る。あの取り引きは,600 MHz のような低バンドから 2.5 GHz のような高バンドまで,かなりの電波を持つ全国的無線キャリアを生んだだろう。顧客基盤も生んだだろう ── それに付随して 市場支配力 (market power) も生んだだろう。基本的には,2人の断片的チャレンジャーの寄せ集めから 市場の大物を生んだだろう。
      The agreement between Sprint and Altice is many things, but it is not a replacement for a merger between Sprint and T-Mobile

  100. Sprint, Altice USA Announce Strategic MVNO Agreement
    Sprint と Altice は,戦略的 MVNO 合意を発表する
    Sprint 広報,2017/11/05
    戦略合意は,Sprint ネットワークの稠密化の取り組みを加速する;Altice USA の接続ソリューションを拡大する。
     Sprint と Altice USA は本日,新しい多数年 戦略合意を発表した。この合意の条件の下で,Altice USA は Sprint のネットワーク利用して 携帯音声+データサービスを全国の同社顧客に提供し,Sprint は Altice USA のブロードバンド・プラットフォームを利用して 同社ネットワークの稠密化を加速する。
     In this first of its kind agreement, Sprint will provide Altice USA with access to its full MVNO model, allowing Altice USA to connect its network to the Sprint Nationwide network and have control over the Altice USA mobile features, functionality, and customer experience. In exchange, Altice USA will leverage its network to support Sprint’s network densification efforts and establish a differentiated network operating model going forward.
     “We are incredibly excited to work with Altice USA on this innovative win-win solution that benefits both of our companies,” said Sprint President & CEO Marcelo Claure. “As content and connectivity continue to converge, we believe this approach will be a model for future strategic arrangements across multiple industries including cable, tech and others.”
     Claure continued, “Sprint has more spectrum and capacity than any other carrier in the U.S. This is a tremendous advantage, allowing Altice USA customers to experience our best-ever network that offers the speed, capacity and reliability that customers demand in this data-driven world. This agreement also gives us a unique opportunity to accelerate the work we are doing to massively densify our network across Altice’s U.S. footprint.”
     “Sprint is an ideal strategic partner for Altice USA given our shared vision around converged customer experiences,” said Altice USA Chairman & CEO Dexter Goei. “Altice is a convergent leader with more than 26 million mobile customers in countries including France, Portugal, Israel, and the Dominican Republic, and we are excited to bring our global expertise to the U.S. to enhance and strengthen our offerings. Working together we will be able to capitalize on Sprint’s vast mobile network, which fits well alongside Altice USA’s deep WiFi network, and leverage Altice’s global mobile experience to deliver greater value, more benefits and seamless connectivity for our U.S. customers.”
     Altice USA is one of the nation’s largest broadband communications and video service providers, providing internet, TV, WiFi and phone products under its Optimum and Suddenlink brands. The company is currently building a next-generation fiber-to-the-home network and is the only major U.S. cable provider to have announced a large-scale fiber deployment. Altice USA has more than 4.9 million residential and business customers making the company a strong starting point in Sprint’s efforts to leverage the convergence of the connectivity marketplace. Sprint is working to significantly densify its network through the deployment of small cells and other solutions, with the goal of further improving network performance and the customer experience. Sprint’s Densification and Optimization toolkit includes a variety of solutions from traditional macro towers to small cells including Sprint Magic Box, airpoles, strand mounts and repeaters. With spectrum holdings of 204 MHz of spectrum and more than 160 MHz of 2.5 GHz in the top 100 markets, Sprint has more spectrum capacity than any other U.S. carrier enabling it to keep pace with customer’s growing demand for Unlimited data now and well into the future.
    この MVNO は,Claure さんが言うように,確かに win-win だろう。
     Sprint にとってメリットは,おそらく Altice の高速有線ネットワークをバックホールに使わせてもらうことだろう。これによりネットワークが安定する。
     Altice USA の契約者数は 490 万とある。ケーブルだから 490 万の (家庭, 企業) であり,携帯に換算すればその何倍になるのかな。

  101. Here Are Sprint's Options If Merger Talks With T-Mobile Fail
    T-Mobile との合併協議が潰れた後の Sprint の選択肢は,以下の通りである。
    Fortune,2017/10/30
    By Aaron Pressman
    何ヵ月にもわたる断続的な合併交渉にも拘わらず,Sprint と T-Mobile の間の取り引きは 月曜日,双方が条件で合意できなかったという報道の中,急に墜落した。
     Sprint の株は,月曜日午後の取り引きで −13% も下がって $6.05 をつけた;Donald Trump の当選が 合併協議の再現に拍車を掛けて以来の最安値である。
     Sprint の大株主 SoftBank Group は T-Mobile のオーナー ドイツ・テレコムとの交渉を打ち切ることに決めたと 日本の Nikkei Asian Review が 月曜日の午後に伝えた。Fortune は 両キャリアに問い合わせを行なっており,コメントが得られ次第 本稿を改定するつもりである。
     一部のアナリストは,今回のリークを駆け引き戦術であると見る。アメリカ No. 3 の無線キャリア T-Mobile は,Sprint より大きく,しかも 速く成長している。ドイツ・テレコムと T-Mobile は,結合後の会社の経営権を保持し,全株合併で Sprint 株の最近の評価 $7~$8 を超えるような額は払わないことで交渉を進めてきた。Sprint 株にプレミアム無しで,しかも経営権譲渡というのでは,SoftBank は魅力を感じなかっただろう。
     この協議の打ち切りは,間違いなく ウォール街を失望させたが,消費者と労働者にとっては 良いことだろう。 4つの大手無線キャリアの競争は,ここ数年にわたって料金を引き下げた。もしも3社に減れば,キャリア各社が この方針を反転させて,値上げすることを許しかねない。しかも,合併されたキャリアは,30,000 人もの労働者を解雇して 数十億ドルの経費節減を図るだろう。
     今後何が起こるかは,推測の域を出ない。
     さまざまの 可能性の中で,(1) Sprint は,財務を強化するために,(電波免許の一部を売却 または スピンオフすることにより) 別の企業と合併しようとするかもしれない。(2) あるいは 現状のままを続け,従来に増して困難ではあるが T-Mobile, Verizon, AT&T に対して競争を挑むかもしれない。
     今年5月に T-Mobile との合併協議を再開してから1ヵ月後,Sprint は この交渉を棚上げにして,(無線市場への参入を試みている) ケーブルの巨人 Comcast および Charter Communications と取り引きの可能性を交渉した。しかし,ケーブル企業は 独自に無線事業をすることに決め,Sprint を T-Mobile へ追いやった。アナリストらは,$340 億の債務とその他の負債を貸借対照表に抱える Sprint を買収する関心は,ケーブル企業には ほとんど無いと見る。しかも企業びいきの Trump 政権の下でさえ,規制当局が Sprint の Verizon, AT&T への売却を認可することは 高度にあり得ないだろう。それ以外に根拠の無いウワサとしては,Warren Buffett や John Malone のようなアメリカの大富豪投資家から支援を得る … というのがある。こんなことは ありそうも無い。
     過去数年にわたって,Sprint の Marcelo Claure CEO は,さまざまの資産や電波装置などを売却・リースバックすることにより,同社の財務の お掃除に努めてきた。昨年秋 Claure は,Sprint の電波免許の一部を担保にして $35 億を借り入れた;必要があれば,さらに多くを調達できると言っていた。Claure は,このゲームを繰り返すこともできるだろう;実際 Sprint は 向こう数年に亘って (ライバルに振り落とされないために) 高速 5G ネットワークの建設に かなりの金額を必要とする。
     競争を続けることは,容易では無かろう。5回線の無制限データ・サービスを 月額たったの $90 のような大幅な料金カットにも拘わらず,Sprint の契約の伸びは減速した。今年の年初からの9ヵ月間の全契約増 +439,000 は,2016 年同期の +1,200,000 増に遥かに及ばない。
     アナリスト Craig Moffett は,合併が無ければ,Sprint の株価は $3 に急落することもあり得ると警告した。

  102. CONTRACTS
    国防総省契約 (2017/10/30)
     (1) 海軍
     AT&T,T-Mobile, Verizon は,海軍,海兵隊,空軍 および その他の国防省機関 ならびに 連邦機関を支援する無線サービスと機器の 推定 $198,700,000 の数量不定/納期不定の固定単価確定契約を与えられた。
     この契約は 1年を基本とし,1年契約を4期続ける選択肢がある。これが実行された場合,総額は $993,500,000 となる。作業は,2018 年11月の完了を予定している;すべての選択肢が実行される場合には,2022年11月の完了を予定している。(以下省略)
     (2) ミサイル防衛機関
     (3) 陸軍
     (4) 防衛兵站機関
     (5) 空軍
    もちろん,だれでも分かる (笑)。社長さんでも分かる。
     国防総省から Sprint の無線サービスは頼りにされていない。であれば 民間からも ・・・ 。
     Sprint の こういう「実力」では T-Mobile が相手にしたとは 考えられない。
      だって,一緒になったら 共同で T-Mobile も国防省から締め出されちゃうリスクがあるでしょ。
     T-Mobile 以外だって,相手にしてくれないだろう。
      「おタク,国防省の調達で蹴られたんでしょ。そんな無線は使いものにならない」 これで終わり。
      そもそも,誰も相手をしてくれない "協議" なんて本当にしたんだろうか?
      合併交渉なんて,社長さんがでっち上げたとしか考えられない。
    ──────
      ・・・ と 書いたのであるが,Sprint が御禁制の華為の通信機器を使っている (Sprint 広報が認めている) ので,調達から締め出された可能性がある。なぜなら 国防総省は華為の機器を使うことを禁止されているからだ。
     いずれにしても,そういう Sprint との合併を T-Mobile が望むことはあり得ない。

  103. Just How Much Is Sprint Worth Without a Deal for T-Mobile?
    T-Mobile との合併が無ければ,Sprint の値打ちは 一体いくらか?
    The Street,2017/10/31 @12:10 am
    By Chris Noletr
    Sprint がライバルとの合併協議を間もなく打ち切るとの報道の中,独立な Sprint の評価は 今より 50% 低いか ・・・ あるいは 高いか。
     SoftBank がその子会社である Sprint と T-Mobile の合併協議を打ち切りそうとの報道の中,両者の株価は 月曜日 急落した。
     T-Mobile との合併は 今では Sprint の株価に織り込まれており,合併が無いとすれば,Sprint 単体でどれだけの値打ちがあるかという難問が持ち上がる。アナリストらの目標株価は,Sprint 単独の評価が 月曜日の株価の 50% 下 ── あるいは 上らしいことを示す。
     月曜日,Sprint 株は,SoftBank が協議を打ち切る意向であると Nikkei が伝えた後,−8.5% 安の $6.39 となり,$6.05 まで下げた。これで 年初からは −23.5% 下げたことになる。
     他方,T-Mobile は −5.3% 安の $59.60 だった。それでも年初からは +4.3% 高である。
     両通信会社の合併は,クリントン政権下であれば,"非出走馬" だったろう。しかし トランプ大統領の選出が合併のドアを開いたようである。昨年11月9日,トランプが当選した後,Sprint の株価は $6.27 から $7.11 へと +13% 急騰した。
     T-Mobile との合併は,Sprint の株価を $7~$8 に上げるだろう … と MoffettNathanson LLC のアナリス Craig Moffett は最近のレポートに書いた。ただし合併が無ければ,"Sprint は $3 より下で取り引きされるだろう" … と Moffett は書いた。
     BTIG LLC のアナリスト Walter Piecyk は 現在 Sprint の目標株価を $4 にしている;これは,2019 年の予想 現金 EBITDA の 7.5 倍に基づく。
     T-Mobile への売却が無い場合には,投資家はこの倍率を下げるだろうと彼は言う。そこで 2019 年の予想 EBITDA の7倍 $3.25 まで Sprint の株価は下がるだろうと彼は言い,6倍で 株価が $1.65 になることもあり得ると言う。
     高い方には,CFRA のアナリスト Angelo Zino が 12ヵ月先の目標株価 $9 を唱える。これは 2019 年の予想年間 EBITDA の 5.9 倍に基づく。
     "目標株価 $9 は,通信業界全体に 好ましい M&A 環境が依然として続くという我々の信念を仮定する。" … と彼は言う。
     Zino の目標株価は T-Mobile との合併を特定して織り込んではいないが,もしも T-Mobile との合併が壊れた場合には 他の選択肢があることを前提とする。Sprint は,たとえば Comcast や Chater Communications と取り引きを結ぶこともあり得る。
     他方,Cowen & Co のアナリスト Colby Synesael は,独立 Sprint を $6 に評価する;これは,2018 年キャッシュ EBITDA を 7.5 倍 したものと,平均資本支出に 9.5% の重みを掛け [て加えた?] 数字である。
     1年近く M&A のローラーコースターに乗った Sprint であるが,株価は,T-Mobile との合併がロングショットのように見えた トランプ選出の前とほゞ同じ水準に戻っていることは面白い。

  104. ‘Sprint’s stock would fall to under $3’ without merger speculation: MoffettNathanson
    「Sprint の株は,合併の思惑が無ければ $3 より下に落ちるだろう」─ MoffettNathanson
    FierceWireless, 2017/10/12 @11:50 am ET
    By Colin Gibbs
    Sprint 投資家は,Sprint が T-Mobile と合併するものと 大きな賭けを張っているように見える。
     MoffettNathanson によれば,もしも 期待される T-Mobile との合併が 成立しなければ,Sprint の株は $3 より下に急落しそうである。
     両キャリアは 何週間にもわたって合併協議を行なってきた。そして 報道によれば,月末に発表されるかもしれない取り引きに "仕上げのタッチを加えている"。この動きは,市場を大幅に再編し,ほゞ 同じような規模の3つのネットワーク営業会社体制を生むことになる。
     Donald Trump 大統領の当選は,数ヵ月前の FCC インセンティブ・オークション終了と並んで,携帯市場に M&A 活動に関する憶測の奔流を生んだ。その話の大部分は,我が国大手2弱キャリア間の何らかの形の合併が中心である。
     とは言え,Sprint/T-Mobile 提携が 現実に規制当局の認可を得るかと言えば,明らかと言うには程遠い。
     ドイツ証券のアナリストは 今週,この合併が青信号を得る可能性について "熊さんである" と言い,2018 年11月の中間選挙前に この取り引きが完了しなければ,認可の可能性は 遥かに下がる … と注意した。
     更に ロイターは昨日,取り引きの審査の実務に当たる司法省の "専門スタッフ" が,これを拒否せよと勧告するだろうと報道した。これらのスタッフは,T-Mobile が Verizon, AT&T から単独でシェアを奪い続けることを望んでいる … と ロイターは書いた。
     これは,Sprint にとって特に悪いニュースである … と MoffettNathanson の Craig Moffett は今朝の投資家向けレポートに書いた。合併が失敗する可能性は,T-Mobile の株価に 概ね織り込み済みと思われるが,Sprint の投資家は,両社が結局は合併するものと大きな賭けを張っているように見える。
     Sprint 株は,木曜日の日中に $7.16 で取り引きされている。
     "我々の目には,取り引きが瓦解する ── これは非常に現実的な可能性である ── 下向きのリスクは,適切に検討されてこなかった。" … と Moffett は書いた。"合併の見込みが無ければ ── すなわち ,合併が明確に拒否されれば ── シナジーが失われるだけでなく,複数の企業が係わるということも無くなる。"
     "このリスクは,Sprint の側に非対称に下向きに傾く;Sprint の株価は 取り引きが認可される確率を 85% として織り込んでいると見える。" … と Moffett は続ける。"我々は,M&A の期待無しに 独立企業としてであれば,Sprint の株価は $3 より下に落ちるものと予想する ・・・ 。他方 T-Mobile の方は,合理的に評価されており,下向きのリスクは 13% に過ぎず,本日の株価に そこそこの確率で下向きとなるに過ぎない。"
    FierceWireless は,業界の専門誌であり,Sprint の株を売買するような人は ほとんどこれを読んでいないだろう。実際,株価は −0.5% 程度下げているに過ぎない。
     いろいろな記事の読者コメントを読むと,Sprint の株に賭けている人は,日本の SoftBank 株主よりも遥かに "Masa" への信頼が 信じられないくらい 篤い。

  105. Mattel Taps Former Sprint CFO in Executive Revamp
    Mattel が,前 Sprint CFO を幹部交代に採用する
    Wall Street Journal,2017/10/03 @07:10 pm ET
    By Ezequiel Minaya & Tatyana Shumsky
    赤字に苦しむ玩具メーカーは,新任の "技術+顧客+コミュニケーション 責任者" も指名する。
    マッテルは, 6月30日に終了した3ヵ月に $0.561 億の赤字を計上した。
    2016 年の同時期の $0.191 億より赤字が急増した。
    Reuters)
     トラブっている玩具メーカー [着せ替え人形バービーで知られた] Mattel は 火曜日, この業界の外部関係者によるトップ従業員の見直しを発表した ── その中には 新任の CFO が含まれる。
     この動きは,最近指名された CEO Margo Georgiadis が,ディジタル分野での立ち遅れに苦しむ会社の方向転換を図る中でなされた。
     Mattel は,財務のトップを長らく務めた Kevin Farr に Sprint の 前 CFO Joseph Euterneuer が交代すると発表した。Farr は CFO のポストを約 17 年務めた。
     "彼は 様々の業界の筆頭企業において,変革と方向変換の時期を通じて重要な役割を果たした。これは Mattel にとって貴重である。" … と Georgiadis は声明で言った。元 アルファベット幹部 Ms. Geordiadis は,2月から Mattel に在籍している。
     Euteneuer は,4年と ちょっと Sprint の CFO を務め,2015 年8月に退社した。その後 彼は,2016 年春に バージニア州に拠点を置く 電波取り引き企業 Americas of Rivada Network の共同 CEO 兼 CFO に就任した。 Mattel のスポークスマンによれば,Euteneuer は Rivada の取締役として留まる。
     Euteneuer は,2件の合併の前にも CFO の地位にあった;CenturyLink Inc を合併する前の Qwest Communications と,Sirius と合併する前の XM Satellite Radio である。
     彼は,Mattel で急峻な学習曲線を持つ [=呑み込みが早い] であろう。Euteneuer の注目すべき経験のすべては,Mattel のような消費者製品企業とは事業モデルが異なる 無線業界時代からのものである … と D.A. Davidson & Co の上席アナリスト Linda Bolton Weiser が言う。
     "Mattel が 消費者とのディジタル・コミュニケーションにますます係わることは承知しているが,それでも Sprint の事業と Mattel の事業の間には 大きな違いがあると申し上げたい。" … と Ms. Bolton Weiser は言う。
     Mattel のスポークスマンは,同社の新しい幹部らについての Geordiadis CEO の声明を繰り返した。"当社が重視するのは,最も優れた 最も有能なリーダーを Mattel に引っ張ることである。" … とスポークスマンは言った。
     Mattel は, 6月30日に終わった3ヵ月に −0.561 億の損失を計上し,2016 年の同四半期の損失 −$0.191 億から急増した。同社は また,ディジタル世界向けのブランドを現代化し,新興市場へと拡大するための資金需要のために,第3四半期から半分以上の減配を発表した。
     Bolton Weiser は,Mattel の第3四半期が弱く,通年の1株利益を $0.47 と予想する。
     "こういう状況に誰が 熱心に入りたがっているかは,私の予想では考えていません。" … と彼女は言う。
     これとは別に,Mattel は 火曜日,高位の幹部の採用を発表した:Sven Gerjet (最高技術責任者),Amy Thompson (最高従業員責任者),Nancy Elder (最高コミュニケーション責任者) である。このうち 玩具業界で働いた経験のある人は1人もいない。
     "当社の成功のカギの1つは,当社のビジョンを信じ,新鮮な視点と強いスキルを Mattel にもたらす前向き思考を持つリーダーを引っ張ることである。" … と Georgiadis CEO は声明で言った。
      Write to Ezequiel Minaya at ezequiel.minaya@wsj.com and Tatyana Shumsky at tatyana.shumsky@wsj.com
    最高従業員責任者 (chief people officer, CPO)
     自社の従業員の満足度を最大化する,つまり従業員の定着率を最大化しつつ,労使紛争を最小化する役目を持つ幹部役員である。有能な人材をできるだけ安く集め,従業員による内部告発をなるべく減らす。
    (笑) Sprint が如何に有能な人材を逃がしているかを 強調したいらしい。
     Wall Street Journal は 6月期から Sprint の決算報道をやめちゃったけど,関心は大ありなんだ。
     Joseph Euteneuer の退社の経緯を (当然ながら) 当サイトは記憶している。
      "Joseph" よりも "Joe" と呼ばれて,仕事をまじめに こなす印象だった。
       ・・・ それが,Claure の "外国人材リクルート" により退任した (させられた?)。
     このとき 東京から せっかく派遣されていた (ネットワークに関する 孫さんの右腕, 懐刀と言われる) 宮川潤一氏がネットワーク責任者から「単なる 顧問」に降格された (当サイトが SoftBank と Sprint CEO の不仲を疑い始めたのは,この人事がきっかけである。社長が Sprint に頻繁に電話を掛けて 自ら CNO を名乗るようになったのは, この頃からである)。
     
     この WSJ 記事が原因で Sprint の株価が 本日 −4.05% 下げた? ということは無いだろう。
     David Faber さんが熱弁をまたもや振るっているが,ほとんど既報の内容なんだけど。
     タイトルも「前進している」でしょ?
     それにしても 出来高が大きい。2:30 pm あたりから急落した。
     Volume 26,849,322 (Avg. Volume 12,223,782) ← 平日の2倍強である。
    ──────
    『スプリントが,Mattel の CFO 交代で株価が下がる??』(笑)
      『スプリントが,CFO 交代で株価が下がる』 (Wall Street Journal,2015/08/03)
      『スプリントが上級幹部チームを強化』 (スプリント広報,2015/08/03)

  106. 3 Huge Reasons to Hang up on Sprint (S) Stock
    Sprint 株を切る3つの特大理由
    InvestorPlace ,2017/09/28
    By Laura Hoy
    Sprint Corp は,過去1週間 町のウワサの種だった。投資家は,この無線プロバイダを買うのが好機であるかないかを議論した。ある者は,Sprint が 結局は T-Mobile との待望の合併を手に入れるだろうと言い,また ある者は この会社が上向きの可能性を持つと言い,$8 以下の株価は かなり魅力的に見えると言った。
     けれども,合併は Sprint 株を買う唯一の理由であり,最近のウワサにも拘わらず,この合併は見込みが無いと私は言いたい。
     Debt for Days
     Sprint の最大の問題の1つは,巨額の債務の山である。Sprint の長期債務は $340 億を超え,キャッシュフローを健全に保とうとしても,返済のために喰われる。
     アメリカの無線顧客は キャリアを全く自由に選べるので,激しい料金戦争が起き,プロバイダは新規顧客獲得のために互いに 身を削り合う。ここから生じるトラブルは,超低料金の取り引きが 持続不可能なことである。つまり,Sprint が たとえ 前の四半期に契約数を増やすことが できたとしても,それを続けられるかどうかは不明である。 さらに重要なのは,契約増は コスト増を伴うことである。
     The Merger
     上にも述べたように,Sprint 株を買う唯一の理由は,今のところ T-Mobile と合併する可能性があるからだ。しかしながら,合併が仮に確実だとしても ── 実際には そんなことはないが ── この合併は S 株を買うための貧弱な理由でしかない。
     Sprint と T-Mobile は 2014 年に 一度 トライしたことがあり,そのときには,合併により誕生する会社が強すぎて,無線顧客の選択を制限するという理由で,規制当局に撥ねられた。そこから3年経って,両社は再び合併を検討している。多くの人は,今回は事情が違うと信じる理由として,企業に優しい Trump 政権を挙げる。しかし,私は Sprint を買う理由として これに頼るのは危険であると言いたい。
     私を含めて多くの人は,Walgreens Boots Alliance (WBA) と Rite Aid (RAD) の合併を 新政権を理由に楽観視していた。だが,両社は [FTC に] 拒否された。
    両社は,ドラッグストア業界の大手らしい。両社の合併交渉の経過は,
      Walgreens Wins U.S. Approval for Rite Aid Deal on Fourth Try (Bloomberg 2017/09/20 @06:21
     に詳しい。
     2年越しの交渉が FTC の "競争を弱める" との反対に遭い,計画を4回変更,買収する店舗数を減らし,金額を減らして漸く成立した。この結果,発表を受けて,Rite Aid の株価が急落した。Walgreens の CEO は,この結果に驚いたと語っている。
     薬局の合併で 250 も店舗を減らされちゃったらどうなのかな。
     ごく最近のニュースである。「新政権」が葵のご紋ではないらしい。
     仮に FTC が この取り引きを認めると望みを懸けるとしても,合併が 本当に S 株主の利益になるかという問題がある。Sprint のオーナーである SoftBank Group Corp は,報道によれば,Sprint を市場価格に評価する取り引きを受け入れる意向だと言う。これは,T-Mobile が当初希望していた割り引きより 良い取り引きであるが,株主にとって喜ぶほどのことではない。
     売却は絶望 (Desperate for a Sale)
     Sprint 株がギャンブルであるもう1つの理由は,同社の Masayoshi Son 議長が できるだけ早く Sprint を処分しようとしているらしいことだ。これは, "できる限り良い取り引きを得よう" と努力しないことを意味するので 株主にとって懸念であるだけでなく,明らかに彼が Sprint を重荷と考えているという意味で懸念である。
     不安定な財務に加えて,Sprint は 芳しくない評判で苦戦しており,顧客を引っ張るために同社が使える唯一の方法は,Sprint の利益を大幅に削る 度を超えた (over the top) プロモーションだった。
     Son は既に Sprint を Charter Communications に売りに出したが,Charter からの返事は きっぱりと "関心ありません" だった。今では,T-Mobile が関心ありそうだと目をつけ,Son は あらゆる可能な手立てを使って この取り引きを成立させようとしている。
     Sprint 株への結論 (The Bottom Line on Sprint Stock)
     もしも T-Mobile との取り引きが成立すれば,S 株は上がるだろう,特に もしも 今後数ヵ月下がった後ならば。
     ただし,たとえ この合併が 当局の認可を得て完了したとしても,投資家にとって 上値は殆ど望めないだろう。合併が無ければ,Sprint は 競合と債務により 良い買値になるまで 単に沈む ── 同社議長が絶望して Sprint から縁を切ることは言うに及ばず。
     無線は 今 買うには 手強い空間であるが,ポートフォリオに1社を加えたいのであれば,Sprint は最良の選択ではない。
      As of this writing, Laura Hoy did not hold a position in any of the aforementioned securities.

  107. Essential has sold just 5,000 phones through Sprint since launch: BayStreet
    Essential は,立ち上げ以来 Sprint を通じて 僅か 5,000 台 売れた ── Baystreet
    FierceWireless,2017/09/27 @09:39 am ET
    By Mike Dano
    BayStreet Research の推定によれば,Essential Products は,今月アメリカで大売出しを始めて以来,Sprint を通じて推定 5,000 台を売った。この数字は,アメリカで1四半期に数千万台を売るアップルやサムスンのような重量級を遥かに下回る。
     BayStreet は,電話 および その他の機器について 全米での出荷を追跡する。
     Essential の広報担当者は,BayStreet の推定について コメントの求めに応じなかった。
     BayStreet は さらに,5,000 という数字が Essential の売り切り (顧客が製品を小売りから買った場合) の推定数であり,セルイン (小売りが製造業者から買った場合) ではないことを明らかにした。Sprint は,この電話を独占販売するキャリアである;アメリカでは,大部分の電話はキャリアを通じて販売される。ただし,Essential は アンロック版を自分でも販売する。
     Essential Products は,Aondroid 創業家 Andy Rubin のベンチャー資本企業 Playground の初の大型スタートアップ企業であり,現在 アンドロイドを搭載した $699 の Essential Phone を Sprint を通じて販売する。今年は これから スマートホーム・ハブ Essential Home をリリースする予定である。Essential は FierceWireless の 2017年 注目すべきトップ 15 スタートアップ企業の1つに選ばれた。
     同社の電話 Essential PH-1 は,ハイエンドの携帯電話であり,クアルコムのスナップドラゴン 835 プロセッサを搭載,内部記憶は 128 GB である。チタンとセラミック製であり,磁気モジュール アドオンが可能,ロゴがついていないことで知られる。今月になって 1ヵ月以上遅れて漸く Sprint から販売された。
     Sprint は,これを 前金無し $14.58 を 18ヵ月払いで売っている;これは 50% 割り引き [sic] の $262.44 で売っていることに相当する。Sprint は,Essential のモジュラー・アドオンである 360° カメラを $200 (あるいは 12ヵ月払いの $16.67 月賦) で売る。
     BayStreet による Essential 電話の比較的低い販売数は,この会社の評価と対照的である:Bloombergコラムニスト Tim Culpan は最近,Essential を ざっと $12 億に評価すると計算した … と the Verge が伝えている。
     Essential にとって 販売は 明らかに手に余る仕事だった。同社の電話は,アメリカの大手キャリア唯1社を通じて販売される:我が国最小で,しかも毎四半期顧客獲得に苦戦しているキャリアである。おまけに,Essential は 新しい大型のスマートフォン (アップル iPhone 8, 8 Plus および サムスン Galaxy S8, Note 8) が発表されるマーケットに登場した。この後にも 後続が控えている。アップルは $1,000 の iPhone X を今年 発売する予定であり,グーグルは 来月 Pixel 2 スマートフォンを発表するものと広く見られている。
     加えて,Essential 電話の評価は並み (middling) であり,批評家はそのデザインを称えるものの,際立った特色にやや欠けると懸念の声を挙げる。
     Time との最近のインタビューで Rubin は,スマートフォン市場について自らの見解を披瀝し,同社の電話は,広範な機器群に亘るパーソナル・ディジタル支援を開発する 更に広範な計画の一環に過ぎないと述べた。

  108. Sprint tests flying Magic Box
    Sprint が,空飛ぶ「魔法の箱」をテストする
    FierceWireless,2017/09/26 @02:47 pm ET
    By Monica Alleven
    Sprint が,魔法の箱から更なる革新に手を広げるようと決めた;ドローン技術と組み合わせて ほんのちょっぴり独自の魔法を披露する。
    Sprint Technology COO Günther Ottendorfer
    魔法の箱は Sprint が顧客に無料に配っているものであり,Günther Ottendorfer 技術 COO によれば,必要とする場所でカバレッジを得るために非常に役に立つ製品であることが判明した。そこで Sprint は,別のアイデアを考えた:ある種の応用のために,魔法の箱を使って空中からカバレッジを提供する。
     Sprint は,ドローン製造会社 CyPhy Works と提携を組んだ。魔法の箱の電源を工夫して,小型のバージョンにして,ドローンの下部に据え付けた。
     先週 Sprint は,テキサス州ダラスから 約 50 km のミッドロージアンで,改良された魔法の箱を 空中小型セルとしてテストした。この空中小型セルは,当初は 最大 10 平方マイルに Sprint の 2.5 GHz データ・サービスを拡げる能力を持つように設計された。自然災害や スポーツ/コンサートのようなイベントの際に使うことができる。
     "どうなるかと思ったが,非常にうまく行ったのには とても興奮した。" … と Ottendorfer は FierceWirelessTech に語った。"我々は,魔法の箱を空中に上げた",魔法の箱は 10 km 離れた電波基地につながり,そこから地上につながった。"コンセプトが 実際にうまく行くことを見事に証明できた。"
     魔法の箱は今年5月に導入され,小型セルの製造会社 Airspan が生産し,Sprint 顧客向けにカバレッジを改善するよう設計されている。これは 単なるリピーターではない;LTE-Advanced の UE (User equipment) リレー技術を使っている点で独特である。
    ドローンの下部に取り付けた「魔法の箱」, YouTube 動画
    "Sprint works for me." いいですね。

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