(started 2014/01/06)
  1. Exclusive: Sprint closer to $40 billion-plus T-Mobile deal financing - sources
    特ダネ:スプリント 400 億ドル強 の T-モバイル 取り引きの融資へ近づく - 情報源
    Reuters, 2014/06/19, 9:11 pm EDT
    By Soyoung Kim, Sophie Sassard and Michelle Sierra
    (ロイター,ニューヨーク/ロンドン発)この件に詳しい複数の人に拠ると,Sprint は, T-Mobile 買収提案の融資手当てのため,銀行8行を これまでにラインアップした。これにより,アメリカ大手第3位と第4位のモバイル営業会社を合併しようとする取り引きに また一歩近づいた。
    コロラド州,Broomfield の T-Mobile 店舗のサイン。2014年2月25日撮影。
     負債パッケージは 400 億ドルを越える。これには,日本の SoftBank から Sprint へのブリッジ・ローン (つなぎ融資) 約 200 億ドル ならびに T-Mobile が現在持っている負債の リファイナンス 200 億ドルが 含まれる。・・・ 今週,上の人たちが そう言った。
     5つのグローバルな銀行 (JPMorgan Chase & Co, Goldman Sachs Group, Deutsche Bank AG, Bank of America Merrill Lynch and Citigroup Inc) が,これまでに,T-Mobile を買収するための Sprint の提案に応じて,融資に合意した。
     他方,SoftBank が過半数を握る Sprint は,日本の銀行たち (みずほ フィナンシャル・グループ,三菱東京 UFJ 銀行,三井住友フィナンシャル・グループ を これまでに打診した。
     この両社は,8月ごろに買収発表できるように,来月,融資の詳細を詰めるべく模索する。・・・ この件が未公表であることを理由に匿名を要求した複数の人がそう言った。
     SoftBank と T-Mobile のオーナー Deutsche Telekom は,取り引きの広汎な条項に これまで合意した。それによると,T-Mobile は 320 億ドル弱に評価され,T-Mobile 1株につき 約 40 ドルが支払われる。これは,ロイター および 他社が報道した。
     Deutsche Telekom は,この取り引きから抜けたいと思えば,ざっと 10 億ドルの Breakup Fee を払えばよい。他方,規制当局が この取り引きを阻止した場合に SoftBank が支払わねばならない 所謂 Reverse Breakup Fee は,約 20 億ドルである。・・・ これは,1人がそう言った。
     アナリストたちは,アメリカ FCC と 司法省の両方が 業界リーダー AT&T と Verizon に対抗する ネットワーク営業会社を 少なくとも 2社 欲しいと これまで表明しているので,規制のチャレンジは,両社が直面する最大のハードルになるものと観測している。
     JPMorgan, Bank of America および Citi は,コメントを控えた。Goldman Sachs, Deutsche Bank, みずほ, 東京三菱銀行,住友三井銀行は,コメントの求めに応じなかった。Sprint, Softbank, T-Mobile および Deutsche Telekom の代表者たちも,コメントの求めに応じなかった。
     3年前,規制当局は,AT&T が T-Mobile にビッドを仕掛け,390 億ドルで合意していたのを拒絶した。その結果,AT&T は,T-Mobile のフル・オーナーである Deutsche Telekom に Reverse Backup Fee として 現金と アメリカのモバイル資産を合わせて 60 億ドルを支払った。[通説では,40 億ドルのはずだが]
     いま提案されている Sprint への売却で,Deutsche Telekom は,合併後の会社の株 15 % を残すものと見られている ・・・ この件に詳しい複数の人が そう言った。
     アメリカのテレコム・セクターは,既に,大型の広汎な再編成の真っ只中で 苦しんでいる。AT&T は,衛星 TV 営業の DirecTV の買収を求め,ケーブル会社 Comcast は,ライバルの Time Warner Cable との合併を試みている。
     これらの変化は,一群のメディア および テレコム巨人たちを生み出し,Sprint と T-Mobile を ビジネスの劣る等外馬として残す。その結果,両社の考え方に詳しい人たちによると,結合へと ますます 追いやられる。
     SoftBank 社長 Masayoshi Son は,T-Mobile を買収して Sprint と合併させるという宿願を隠そうとはしない。これにより ネットワークを更新するための資源を十分に持ち,AT&T および Verizon と これまでより良く競争できるキャリアを生み出そうとしている。
     Deutsche Telekom にとっては,アメリカからの静かな撤退が,来たる電波オークションと 光ファイバー・ブロードバンドへの更なる投資とが待ち受ける 本国ドイツを含むヨーロッパ事業への集中を可能にする。

  2. Regulatory Risks in Sprint and T-Mobile Deal Outweigh Stretched Finances
    スプリント / T-モービルの取り引きでは,規制のリスクが 伸びきった財務には重過ぎる
    The Street, 2014/06/14: 10:39 am EDT
    By Antoine Gara
    ニューヨーク (TheStreet) もしも Sprint の大株主 SoftBank が,最低1億人の契約者を抱えるアメリカ第3の無線キャリアを誕生させんと,T-Mobile とのテレコム合併を押さんとすれば,この取り引きが内包する規制のリスクが 財務のリスクに対して重過ぎることがあろう。Moody's Investor Service によれば,これは,たとえ Sprint / T-Mobile がアメリカ第3位のジャンク級負債会社となっても 事実であり,財務を安定させるところまで "完全無欠の" 経営を実行することが必要になる。
     Moody's は,この取り引きが発表される まさにその当日に,合併のリスクが 始まると考えている。なぜなら,両社とも ネットワーク更新の真っ只中にあり,M&A は,営業成績を へこませ得るからだ。これに対し, 長々続くと見込まれる規制の審査 ならびに 反トラスト規制当局が 全国無線4キャリアを維持せんと努力して 一歩たりとも引かない可能性は,Sprint と T-Mobile にとって,如何とも越え難い (insurmountable) 挑戦となろう。
     取り引きが 司法省 または FCC により阻止された場合の巨額の Breakup Fee は,T-Mobile を その競争相手 AT&T,Verizon および Sprint が買収するには,依然として あまりにも困難な物件であることを意味する。2011 年,390 億ドルで T-Mobile を AT&T が買収しようとして失敗したことは,結局のところ,テレコム業界の中で,多年に亘る再編成に火花を点火した。
     Moody's Investor Service の上級アナリスト Mark Stodden は,火曜日の電話インタビューで,Sprint / T-Mobile が取り引きを成功裏に完了する賭け率として,50 % という数字を示した。
     結局のところ,合併に付きまとう反トラスト問題が どういう賽の目を出すかだが,おそらく,それは SoftBank が一番やってみたいと思っているだろう。合併が内包するリスクに対して,アメリカ第3位と第4位の無線キャリアが合併に成功した場合に見込まれる利益は,見劣りがするだろう。Moody's は,月曜日の特別コメントで,これまで長い間 憶測されている この取り引きを "高リスク,高リターン の提案" と呼んだ。
     正式には何の取り引きも発表されていないが,メディア報道は,Sprint が T-Mobile 1株あたり 40 ドルを払う見込みと伝えている。これは,T-Mobile の株式価値を 約 320 億ドルと見積もることに相当する。Sprint の広報担当 Scott Sloat は,"うわさや憶測にコメントしない" という同社の決まりを引用して,コメントを控えた。
     Projected Finances of Combined Company (合併後の会社の財務内容の見込み)
     もしも この取り引きが 50 % 現金,50 % 株式と分割されれば,最終的に,Sprint は 160 億ドルの資金手当てを必要とする。これに T-Mobile の現在の負債 230 億ドルを加え,さらに Sprint の負債 330 億ドルを加えると,合併後の会社は,合計 720 億ドルの負債を抱え,Moody's の計算に拠れば,Ba3 以下のレーティングとなる。
     負債 720 億ドルでは,合併後の会社は EBITDA 比で,大まかに 5倍の負債を抱えることになる。この 負債 / EBITDA 比の値は,AT&T や Verizon の ざっと2倍であり,同社が財務の面で不利なことを示している。他方,Moody's の分析によれば,2018 年まで,負のフリーキャッシュ・フローが予測される中で 債務負担 (debt load) が続く。
     明らかに,財務の過失 (financial misssteps) のため マージンは小さいだろう。しかし,もしも ジャンク級の大きな債務負担が 会社にとって財務リスクであるならば,結局のところ,両社は 合併を追求する方が 財務の点でましだろう と Stodden は結論する。
     Cost Structure Can Improve Dramatically (コスト構造は,劇的に改善しうる)
     もしも Sprint のオーナーである SoftBank が,合併後に完全無欠の経営を行えば,この取り引きは 年率 30 億ドルを越える支出削減を生む可能性がある。全体として,Moody's は 合併後の会社について,次のように予測する:1年の売り上げは 180 億ドル,G&A は 売り上げの ざっと 28%。万一 この割合が 25 % に落ち, 原価が売り上げの 45 % にまで下がれば,年率 約 30 億ドルが浮く。
     以上のコスト削減は,来たる数年間の 資本支出低減の見通しと絡んで,この合併に 高い報酬という性格を与える。Sprint と T-Mobile の大手ヘッジ・ファンド株主たち (たとえば Paulson & Co., Omega Advisors, Owl Creek Management, Glenview Capital Management) は,同様に,再編成の利益を予期している。近年等外馬 (also-ran) キャリアのあいだで 一連の合併が起こっていることは,無線業界の再編成に 財務の面で メリットがあることを 示すものである。
     Sprint が Nextel を買収した際に起こった技術的な問題から,あの買収を悲惨なものだったと恐れる考えもあるが,T-Mobile についてまで 似たものとして 恐れるのは,言い過ぎであろう。確かに,Sprint と T-Mobile の対照的な [までに異なる] ネットワークを統合するのは,いささか頭痛のタネではあろうが,とりわけ,合併までには規制の審査が長期にわたることを思えば [その間に解決策を講じることができるだろうから],多くの人が想像するほどのことではない。
     Barely Better Than a Duopoly ? (2社独占より 僅かに ましか?)
     All told, Sprint's possible merger effort with T-Mobile could underscore the extent that the telecom industry may be coming full circle. AT&T and Verizon stood as a virtual duopolies at the dawn of the smartphone age, and after tens of billions spent on wireless spectrum, capital projects and mergers, the industry may only expand by one carrier.
     Still, were a merged Sprint and T-Mobile to become a viable and price-competitive alternative to AT&T and Verizon, it might also prove that years of industry realignment has created more choice for customers. Such a conclusion, however, would require a dramatic change of heart in Washington.
    make a dice
    He can roll a dice and make it show any number he likes.
     彼は,博打うちであり 賽の目を思い通りに出せる。
    also-ran: "Also-Ran" という表現は,競馬の世界で使われる。賞金を獲得できなかった馬は, "Also Ran" という見出しで 一括りにされる。ここから,
    1. レースで競争したが,勝てなかった 馬 または 人。
    2. 比喩的に,敗者, あるいは すぐに忘れられる人。

  3. SoftBank CEO: Less resistance from regulators on merger over the past few months
    ソフトバンク CEO:過去数ヶ月間,合併について規制当局からの抵抗が減ったと発言
    TmoNews (T-Mobile 非公式 ブログ), 2014/06/17
     今朝早く,東京で 報道記者たちとのインタビューで,SoftBank CEO Masayoshi Son は,アメリカ市場の状況 ならびに Sprint と他のキャリアとの統合の可能性について 議論していた。彼は,過去数ヶ月にわたって 規制当局から 何かの合併に関する彼らの感触 (feelings) に関して 新たな動きがあったと主張する。
     Son は,今年始めと比べると 今の方が抵抗が少なくなっていると感じており,"多くの異なった角度からの" 更なる議論が有益であろうと言う。
     SoftBank 社長は,アメリカ市場は,2つの大ネットワーク営業会社と2つの小会社がある現状よりも,3つの強力な競争会社がある方が良いと 強く信じている。"我々は,大きな規模を得ることにより それをもっと効率よくできる" と宣言し,さらに "規模の点で もっと信頼される競争会社になることが,アメリカ消費者と市民にとって何か良いことだ" とも言う。
     このようにコメントはするものの,当然とは言え,Sprint とT-Mobile の合併について,直接には何も話さない (話すつもりは無い)。しかし,現実には,Sprint が ほんとうに合併できる相手で,しかも AT&T と Verizon に規模の点で太刀打ちできる大きさを持つキャリアは,他には無い。
     今月はじめ,SoftBank と DT (Deutsche Telekom) は,DT が持っている T-Mobile の支配株式を 約 320 億ドルの現金 および 株式により 日本のキャリアが買い取る取り引きに原則合意したと報道された。この取り引きは,伝えられるところによると,DT に合併後の会社の株 15 % を持たせる。もしも 取り引きが完了しない場合の T-Mobile / DT への補償金は,20 億ドルに設定されたとのことだ。
     話を ぐるりとまわして 規制当局に戻すと,この取り引きの成立を阻むことができるのは,実際,ここだけである。日本とドイツの会社は,どちらも,取り引き成立に熱心である。そのうえ,Son は,規制当局に彼の見解を伝えるべく懸命にロビー活動をしているとのことだ。この取り引きが来月になされると考える人がいるようだが,そんなに早く終わるとは想像し難い。
     ところで,明日は,期待すべき Uncarrier 5.0 のイベントがある。ライブ・ストリームが期待できるので,後で,そのリンクを ここに貼ることにしよう。

  4. Sprint-T-Mo Tie-Up Could Carry $75B Debt, Says Moody’s; Street Sees Further Cost Cuts
    スプリント / T-モービル連携は,750 億ドルの負債を持つと ムーディーズが言う;ウォール街は,更なるコスト削減を見込む。
    Barrons, 2014/06/17, 3:01 P.M. ET
    By Tieman Ray
    Sprint が T-Mobile を買収するとの憶測が絶えず続く中,Sprint 株価は 1セント下がって 8.60 ドルになった。一方,何人かのアナリストたちが,合併あり / 無しの場合について Sprint の業績見通しを,今日,評価・発表した。
     この数週間の報道は,Sprint が 現在の T-Mobile 株価 33.01 ドルより高い 40ドルで T-Mobile と買収合意したと伝えている。
     この取り引きに 最新の一色を添えるのが,ロイターからの 笠井哲平,志田義寧(よしやす) による東京からのニュースある。そこでは,昨年 Sprint を再資本化した SoftBank の社長であり,T-Mobile 買収に非常な関心を持つと信じられている Masayoshi Son の発言が 引用されている。Son は 報道関係者の集まった中で発言し,アメリカ無線サービスが AT&T と Verizon に集中している状況では,"我々が 規模の点で 今より もっと信頼できる競争相手になれば,アメリカの消費者と市民にとって 何か良いことだ (something good)" と述べた。
     Moody's Investors Service 社の Mark Stodden とそのチームは,今日,潜在中の (potential) 取り引きについて計量を行ない,合併後の Sprint / T-Mobile は,"最大 負債 750 億ドルを負い,レーティングは Ba3 以下であり,負債 / EBITDA (Moody's 調整値) が 5~5.5倍のレンジの財務水準,2018 年まで負のフリーキャッシュ・フロー,そして,本来はコスト削減により統合効果をもたらすべき作業が 多大のコストを要する複雑な作業になる" と注意した。
     仮に 連携したとしても,両者は AT&T と Verizon に対して不利な立場に置かれるだろうと Stodden は考える:
    Sprint / T-Mobile は,AT&T および Verizon と太刀打ちできる規模には なるだろう。だが,比較はそこまでだ。今後 何年もの間 (for several years),Sprint / T-Mobile は,劣勢な下部基盤,弱いコスト構造, および (実証可能なことだが) 持続不可能な資本構造を持つ。Sprint / T-Mobile がこれらの弱点に集中している間,AT&T と Verizon は 先を急ぐ。さらには,もしもこの取り引きが許可された場合には,規制当局への譲歩が,なかんづく,Sprint 会長が約束している料金戦争が,マージンの改善を いっそう 骨の折れるものにする。
    潜在的負債の輪郭 (profile) について容赦の無い発言をするのは,Snodden だけではない。Gimme Gredit の Dave Novosel は 先週 次のようにレポートを書いた:"債券所有者は,明らかに いっそう苦しい (worse off) だろう。" この取り引きが成立した暁には,レバレッジが 5.7 倍になるからだ。
     他方,最近 Sprint 経営陣のところに会いに行ってきたアナリストたちは,Sprint がコスト基盤とネットワーク更新を 再建・改善する作業について,今日,楽天的な (upbeat) 調子の発言をした。
     Barclay の Amir Rozwadowski は,Sprint 株の目標価格を 9 ドルにして,レーティングを Equal Weight としているが,次のように書いている:自分は最近 Sprint 社を訪れ,CEO Dan Hesse, CFO Joe Euteneuer, CMO Jeff Hallcock, ネットワーク最高責任者 John Saw, 広報チームの Brad Hampton, Jud Henry に会ってきた。この訪問で次のようなことが分かった。Sprint は,営業効率を改善するというゴール達成の路線上にいるように見える。それと同時に,かつて そのブランドの認識に打撃を与えたネットワークのハングオーバーを除去するチャンスを改善するために,契約者体験 (subscriber experience) の強化を図っている。
     同社には,依然としてコスト削減の機会があるとして,彼は次のように書いた:
     Sprint は,コスト最適化計画を背景に 実行を続ける途上にあるように見える。明らかに,手の届く低いところにある果実は取り入れを終えたが,中期的な機会 (ネットワークの効率,G&A,ローミング など) が 残っている。さらに長期では, SoftBank / BrightStar のパートナー関係が,広いエコシステム上で装置とサービスを買うレバレッジを改善してくれる可能性が高い。こちらの方は,とっつきに時間がやや掛かったが,経営陣は,2015 年に始まることに安堵しており,多くのパートナーとの話し合いの声の高さから これが続くことに期待しているようだった。
     さらに,チャーンが減っていく兆候もある。
     さらに,Network Vision イニシアティブが 実質的に終了した市場では,同社のチャーン・ダイナミクスに明らかな改善が見られ,ネットワークの改善が進むにつれて チャーンのパフォーマンスも改善するとの安心感を得ていると経営陣は述べた。具体的には,Network Vision イニシアティブがほぼ完了した市場では チャーン・レベルが平均より 40 bps 低いのに対して,Network Vision イニシアティブが 70 % 未満完了達成の市場では,チャーンが Sprint 平均より 15 bps 高い。
    同様に,RBC Capital の Jonathan Atkin は,目標株価を 8 ドルに設定し,Sprint 株のレーティングを Sector Perform としているが,最近,Sprint の CFO と CTO に会い,"経営陣が 2014 年前半に Sprint の営業メトリクスとネットワーク性能の改善に自信を持っていることを示す議論をした。"
     コストを切り詰めるために,Sprint は,いくつか異なることをやっている:
    1. SoftBank は,もっと効率的な供給者マネージメント,顧客サービス ならびに その他さまざまの改善を通じて,全ての分野で コストを最適化することに注力しているらしい。
    2. 2015 年中に WiMax ネットワークを退役させれば,コスト削減になる;現在 これは四半期営業経費 2億ドル弱を招いている。
    3. BrightStar 関連の効率が,第3四半期の終わりから第4四半期にかけて,ハッキリ見えてくるが,そのインパクトの大半は,2015 年に感じられるようになる。
    weigh in  計量する:〈レスラー・ボクサーなどが〉試合の前に〔何キロ・何ポンドだと〕体重検査を受ける。あるいは,騎手がレース後に体重検査を受ける。
    WiMAX:ワイマックス (Worldwide Interoperability for Microwave Access) とは,無線通信技術の規格のひとつである。
     人口希薄地帯や,高速通信 (光・メタル) 回線の敷設や DSL 等の 利用が困難な地域で,いわゆる ラストワンマイル の接続手段として期待されている。近年は,高速移動体通信用の規格も策定されている。WiMAXは当初,中長距離エリアをカバーする無線通信を目的としていた。
     Market Perform=市場全体と同じくらいの平均的なリターンになるだろう。
     Sector Perform=同業各社の株と比べて 平均的なリターンになるだろう。
     Sector Outperform=同業他社の株に比べて 値上がりの可能性が高いだろう。
     Sector Underperform=同業他社の株と比べて 株価の動きは弱いだろう。
     Over Weight = 買い推奨。投資対象として魅力的である。
     Under Weight = 売り推奨。投資対象として避けるべきである。
     Equal Weight = 買い推奨と売り推奨の間でどちらでもない。
    ロイターが伝える原文は,以下の通りです。
    孫社長は「大きなプレイヤーがより大きくなり,われわれが除外されたら,差は より大きくなる。これは米国の消費者にとっていいことか」と指摘。「効果をより強くするために規模を大きくして, われわれが信頼できる競争相手になることは,米国の消費者と市民には良いことだ」と強調した。
    ムーディーズ・ジャパン株式会社 格付記号と定義
    グローバル・スケール長期格付
    Aaa 信用力が最も高いと判断され,信用リスクが最低水準にある債務に対する格付。
    Aa 信用力が高いと判断され,信用リスクが極めて低い債務に対する格付。
    A 中級の上位と判断され,信用リスクが低い債務に対する格付。
    Baa 中級と判断され,信用リスクが中程度であるがゆえ,一定の投機的な要素を含みうる債務に対する格付。
    Ba 投機的と判断され,相当の信用リスクがある債務に対する格付。
    B 投機的とみなされ,信用リスクが高いと判断される債務に対する格付。
    Caa 投機的で安全性が低いとみなされ,信用リスクが極めて高い債務に対する格付。
    Ca 非常に投機的であり,デフォルトに陥っているか,あるいはそれに近い状態にあるが,一定の元利の回収が見込める債務に対する格付。
    C 最も格付が低く,通常,デフォルトに陥っており,元利の回収の見込みも極めて薄い債務に対する格付。
    注: ムーディーズは,Aa から Caa までの格付に,1,2,3という 数字付加記号を加えている。1は,債務が文字格付のカテゴリーで上位に位置することを示し,2は中位,3は下位にあることを示す。

  5. Dish: J.P. Morgan Ups to Buy, Many Paths to $72 a Share
    ディッシュ:J. P. Morgan が Buy に引き上げた。株価 72 ドルへの道は たくさんある。
    Barrons, 2014/06/16, 12:32 P.M. ET
    By Tiernan Ray
    T-Mobile と Sprint のあいだの合併交渉が 広まる中,J. P. Morgan の Phillip Cusick が 今朝,Dish Network 株式のレーティングを Neutral から Overweight に引き上げ,目標株価を 72 ドルに設定した。その理由として,同社が "たぶん確実に 別のキャリアと組んで その電波 および 卸の容量をライト・アップ (light up) するだろう" と。さらに,T-Mobile を買うのが 一つの可能性だろうと。
    Dish の株価にとって "触媒" となりそうは見込みのある多くのもののうちの一つが,T-Mobile の買収である。Cusick は言う。
    T-Mobile について,報道が これまでに 広く書き立てているのは,Sprint または Dish により買収されるかも知れないということだ。そして,Dish 会長の Charlie Ergen は,2014 年第 1 四半期の決算説明会で T-Mobile 買収に関心があると言った。
     我々の考えでは,Sprint / T-Mobile 合併の経営統合によるコスト削減は,莫大なものだ。だが,この取り引きによる収益への経営統合効果は,大したものではないし,そもそも規制のリスクが大きい。その反対に,Dish と T-Mobile の結合は,経営統合による年間経費削減を 比較的小さな 10 億ドルにするものの,収益への経営統合効果は,劇的なものになる。なぜなら,一方で T-Mobile は,これまでのモバイル顧客に馬鹿でかい容量を提供できるようになるし,Dish 衛星顧客に 無線でビデオを見る道を開く。他方,Dish は,モバイルでも固定無線ブロードバンドでも両方で提供可能という懸案事項が可能になる。これは,とくに,Dish の OTT ターゲット層 ― ライブだけを好みがちで,今では ビデオに金を払わず,スマートフォンを持つ可能性が非常に高い,家庭用ブロードバンド線を切りたいような 若い人たち ― に 魅力的だろう。
    T-Mobile 買収は,経営統合により,毎年 株価を 4ドル押し上げるだろうと 彼は書いている。
    T-Mobile 買収での 最大の心配ごととして懸念されてきたことは,Dish 株へのインパクトである。というのは,あの もともとは売却可能な電波資産を 合併後の会社のモバイル・ビジネスで頼りにされるからである。しかし,合併により誕生する会社を 思い描くと (model out),2016 年 プロフォーマ EPS は 4.13 ドル,経営統合効果 10 億ドルという数字が浮かび上がる。この統合効果は,主として, 両社の国内の顧客向けサービスの統合,G&A および 配信努力 (distribution efforts) によるものであり,T-Mobile / Sprint 合併での遥かに大きな経営統合よりも ずっとたやすく得られる。Dish 株式は 現在 プロフォーマ 2016 年 EPS の 14.3 倍で売買されているが,我々は,株式を処分する (sell-off) ことを予期していない。実際, もしも投資家が売り上げの統合効果に興奮して合併後の会社が脚光を浴びることになれば,其の逆が正しいだろう。
    可能性が高そうなのは,Dish が T-Mobile に Sprint より高値をつけられなかったのだから,T-Mobile の株を買い取ることだろう。
    つまり,T-Mobile の株を全部買うのではなく,Deutsche Telekom から T-Mobile 株を買えるだろう。合併が無ければ,T-Mobile は,今年の AWS-3 オークションと 2015 年 放送電波オークションの両方で電波を買うため,資金調達を起債により計画する。DT (Deutsche Telekom) にしても,追加の負債を増やすよりは,67 % の T-Mobile 持ち株の一部を売り下げたいだろう。もしも DT がそれを公開市場で売れば,その時点でのトレード価格より割り引くことになろう。その代わり,DT は T-Mobile の一部分を,たとえば 20 % を,Dish に市場価格よりも高く売ることだってできる。これは,DT に優雅な draw down を許し,Dish には,無線業界でのテーブルに (ひとつまたはふたつの) 座席を与える。これが,更に広いパートナーシップへの第 1 段階ともなろうし,あるいは また Dish による T-Mobile の全面的買収につながるかも知れない。
    G & A:General and Administrative Expense, 一般管理費。
    draw down:(井戸,貯水池の) 水位低下。転じて 削減,縮小。
    EBITDA:"イービットダー",Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation & Amortization. 日本語に訳せば,利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前利益, あるいは 金利・税金・償却前利益などとなるが,訳語が定まっていないため「EBITDA」と表記されることが多い。
     EBITDAは次の式で求められる。
     EBITDA = 税引前利益 + 特別損益 + 支払利息 + 減価償却費(有形固定資産償却費と無形固定資産償却費の合計)
     EBITDA を売上高で除した値は,EBITDA マージンと呼ばれる。
     企業の収益力を測る最も基本的な指標は,当期純利益である。その値は,法人税額,特別損益,支払利息, および 減価償却費が すべて 控除された値である。 EBITDA は,国の政策,税法,金利,会計基準などの影響を受けにくいので,多国籍企業の業績を評価する場合や,異なる国の同業他社間で業績を比較する場合に有用な指標であるとされていた。
     また,企業が設備投資や M&A などの先行投資を積極的に行なえば,短期的には減価償却費が増大し,償却費が発生するなど,現金支出を伴わない費用が大きくなり,会計上の利益は小さくなる。EBITDAでは,このような短期的な影響が除かれるため,「電気通信事業などの巨額の設備投資を伴う業種では,EBITDA は,長期的な視点で企業価値を評価するには適切な指標である」というような説明がなされることもあった。
    ( EBITDA の問題点 )
     一方で,EBITDA には,過剰な設備投資や M&A によって生じた損失を,マイナス要因として取り込むことができないという欠点がある。インターネット・バブルの頃,この欠点をアメリカの通信事業者 ワールドコムが不正に活用した。ワールドコムが取った手法は,他の通信事業者が敷設した光ファイバー回線について 同社がリースを受ける際に,その代金を設備投資として計上するというものであった。リース代金は,本来は 販売費及び一般管理費として計上すべきものであるが,設備投資として計上したために,EBITDA が水増しされたのである。ワールドコムの株価は,水増しされた EBITDA に基づいて過大に評価されたが,やがて経営実態が明らかになり,同社は 2002 年に 経営破綻した。
     エンロンやワールドコムの破綻をはじめとする一連の会計不祥事を経て,EBITDA のような会計基準に基づかない指標は,厳格な会計基準に基づいて算出された指標よりも 企業が不正に操作しやすいという批判がなされるようになった。SEC が 2003年 に公表したレギュレーションGでは,EBITDA のような 会計基準に基づかない指標を企業が公表する際には,会計基準に基づく指標を併記しなければならない と規定されている。

  6. Sprint could disappear after merging with T-Mobile, pay $2 billion if deal falls through
    スプリントは,T-モービルと合併後 消滅,取り引きが実現しなければ 20 億ドルを支払う。
    TalkAndroid, 2014/06/14, 6:13 pm
    By Justin Herrick
     Sprint と T-Mobile の合併により,現在ある 2つのブランドのどちらか片方だけが 残る。どちらだろうか? CNBC の David Faber によれば,T-Mobile とその名前が そのまま残る。John Legere という野獣が道を率いて,Sprint ブランドは 消える。
     実は,John Legere が合併後の会社を引き受けることを Faber は 確認した。Sprint CEO の Daniel Hesse は,自分が消えても問題は感じないと既に言明した。T-Mobile の伸び盛りの成功が,sticking around (こだわり) の理由であろう。この数年間,Sprint は,貧弱なネットワークと高いコストのために,負の報道をされてきた。T-Mobile は,よく知られているように,競争相手に つねに喧嘩を挑み,消費者には良い待遇でサービスを行ってきた。
     David Faber による報道の別の部分では,もしも合併が実現しなければ,Sprint は高額の小切手を書く羽目に陥る。もしも政府規制当局が この合併の邪魔をすれば,Sprint は,T-Mobile に 20 億ドルを払わねばならない。この金は,アメリカ政府に行くのではない。T-Mobile に向かうのだ。もしも全てが順調に進めば,この合併は,今夏 のいつの日にか,たぶん 7月か8月に,正式なものになるだろう。Sprint は また,社名をシリーズ名称に使っている NASCAR との間に存在するような スポンサーシップも処理する必要がある。このスポンサーシップを T-Mobile が買い取ることはなさそうである。なぜなら,T-Mobile は既に MLB,NBA と太いつながりがあるからだ。とは言え,スポーツへの投資を拡大することもよいだろう。
     いずれにせよ,John Legere が 勝者 (winner) であることに変わりは 無かろう。
    stick around: Merriam-Webster Dictionary によれば,
     stick around:= to stay or wait about.
    その場にとどまる,あるいはブラブラしながら待つ。
     しかし,時には,その実際の意味は深いらしい。日本語で何と言えばよいのか・・・。映画,演劇,コンサートなどで,会場からすぐには "立ち去りがたい" 状況を表すのに使われるらしい。
    用例:The kids stuck around for a time after the party was over.
     Oh, Ann. Please stick around for a while. I want to talk to you later.

    TalkAndroid
     TalkAndoid は,2008 年に設立された,オリジナルの アンドロイド・ブログであり,Android 端末,OS,キャリア,アプリ・ニュースを これまで5年以上伝えてきた。
    Official Sponsors of MLB Advanced Mediaアメリカ野球大リーグ,公式スポンサー 21 社のリスト. 何と通信4社の中では,T-Mobile だけが入っています。U. S. Army も!

  7. T-Mobile brand to remain if Sprint merger’s approved, $2B compensation if blocked ?
    スプリントの合併が認可されれば,T-モービル ブランドは そのまま残り,認可されなければ 20 億ドルの埋め合わせってこと?
    TmoNews (T-Mobile 非公式 ブログ), 2014/06/13
    あなたは,Deutsche Telekom と SoftBank が,Sprint と T-Mobile を合併させて Verizon と AT&T に対抗できるような一つの巨人キャリアを作ることを目的とする取り引きに関する憶測と分析に 奥歯までいらついているでしょう。ところが,今日,CNBC で うわさ発生の水車 (rumor mill) が 更に回り出しました。もしも これが本当なら成功です。合併がもしも失敗なら,T-Mobile は 今より良い状態になるのです。
     CNBC で,名前を不特定とした情報源から David Faber が得たという情報は,もしも 合併が前進すれば T-Mobile ブランドがそのまま無傷に残ることを意味する。つまり,マジェンタ色の Tシャツ,T-Mobile というブランド,そして John Legere が このショーを動かす
     この情報は,今週はじめのうわさを打ち消す。あのうわさは,新しいネットワーク運営は SoftBank というブランド名の下でなされるというものだった。もう一つのうわさは,同じ週の遅くに,この取り引きでは,Sprint ブランドが生き残り,[羽根の色が] 黄色ではなく ピンクになるというものだった。
     その場合,もしも全ての情報源がどれも信頼できるものならば,T-Mobile,Sprint または SoftBank のどれかになるだろう。我々は,"内情に詳しい" うわさが,どういうオプションがありうるかを伝えてくれることを必要としていた。(おふざけを お許し下さい)
     この取り引きの全容については,当然のことながら,T-Mobile も Sprint も 沈黙を保っている。しかし,さまざまの経営者たちの これまでのインタビューから,彼ら全員が,市場の将来と消費者の利益にとって 再編成が必要であると考えていることは想像できる。
     もちろん,Sprint という名前と あの黄色が消えて,T-Mobile のマジェンタ色が残れば,我々はうれしい。もっと言うと,(私は,思うのだが) 合併が全くナシになって,SoftBank が T-Mobile を独り身にしてくれれば なおうれしい。あるいは,規制当局が,この動きを阻止してくれても,うれしい。これは,T-Mobile を現在よりも 更に良い財政状態に置くだろう。
     Faber の報告によると,両社は 寛大な Break-Up Fee で合意したらしい。もしも 司法省がこの取り引きを 反トラストの理由で拒絶する場合,T-Mobile にとって 20 億ドルの儲けになる。これは,以前の報道よりも 10 億ドルほど多い。
     もしも Faber の情報がすべて正しければ,T-Mobile にとって,本当に悪いことは ひとつも無い。というのは,一方では,T-Mobileは 基本的には 現在の2倍の大きさになるのだし,他方では,20 億ドルの儲けになる。Win, Win ?
    sick to the back teeth(イギリス,オーストラリアの口語) 奥歯までいらつく。
     悪い状況が余りにも長く続いたか,同じ話が何度も繰り返されて,飽きた または 怒りの状況を表す表現である。
      用例:He's been treating me badly for two years and, basically, I'm fed up to the back teeth with it. 彼は,2年ものあいだ私にひどいことをしてきた。ほんとに いらつくよ。
    You're probably sick to the back teeth of hearing about my problems! 私の繰り言なんて聞き飽きたでしょ。

  8. Report: Sprint brand may go away after T-Mobile merger
    レポート:T-モービル合併後は,Sprint ブランド消滅か
    FierceWireless, 2014/06/13, 19分前
    By Phil Goldstein
    CNBC TV のレポートによると,Sprint と T-Mobile が合併すれば,T-Mobile ブランドは繁栄し続け (continue to thrive),Sprint ブランドは,T-Mobile の後部座席に座る (take a back seat) らしい。
     CNBC の David Faber によるレポートは,無名の情報源を引用して,さらに,両社が 20 億ドルの Reverse BreakUp fee で合意したと報道している。この金額は,この取り引きが 規制当局により拒否された場合に Sprint から T-Mobile に支払われる。これは,Wall Street Journal が 今月はじめに (この取り引きが阻止された場合には,Sprint が T-Mobile に 10 億ドルを現金 および その他の資産により支払う) と報道したのより 高くなっている。CNBC の新たなレポートは,さらに,この取り引きが 7月遅く または 8月はじめに発表されるだろうと言う [注: 実際には,以下の書き起こしから分かるように,何週間も何週間も先のことだ (It's weeks and weeks away) と その前に発言した]
     Sprint の広報担当者は,コメントを控えた。T-Mobile の広報担当者は,コメント要請に 直ちには応答しなかった。
     両社が取り引きに近づいているとの憶測は,正式合意が無いにも拘わらず,今月 エスカレートしてきた。複数の報道によると,Sprint は T-Mobile に 320 億ドルと払う用意があり,(Bloomberg によると) T-Mobile の CEO John Legere が 合併後の会社を率いるよう打診されたとのことだった。
     この CNBC レポートは,さらに,Legere と彼のマネージメント・チームが運営を引き受けると言う。Sprint の CEO Daniel Hesse が会社を去るのかどうかは 不明である。彼は以前,[合併会社の] CEO にならなくても OK だと言った
     T-Mobile ブランドの方を生き残るブランドにすることは,広汎な影響を及ぼす。とりわけ,Sprint が NASCAR Sprint Cup Series のようなスポンサーシップを持っているからだ。しかし,この選択は,おそらく,T-Mobile の "脱キャリア" ブランディング戦略の成功を反映したものだろう。T-Mobile は,他社から同社に切り替える顧客に "早期解約手数料" を肩代わりして支払う決断により,大きな歩みを進めた。第 1 四半期には,後払いの契約者 130 万人を含めて,全顧客数を 240 万人増やした。これは アメリカの全キャリア中で最大の数字である。
     他方,Sprint はネットワークの現代化作業に邪魔されて,高い チャーン率となった。おまけに,3バンド Spark LTE サービスは,投資家たちが望んでいるよりも遅れている。
     この取り引きは,依然として これまで国内に無線競争会社として4社を望むと言明している FCC と 司法省との long odds に直面する。この議論の核心は,Sprint の親である SoftBank と その CEO である Masayoshi Son が主張したいのが,"現在アメリカのテレコム市場には じっさい 3つの巨獣 (Comcast, AT&T, Verizon) が おり,Sprint と T-Mobile を結合することにより 合併後の会社が 他社に対する counterweight となり,更なる競争を提供する" という点にある。この主張は,FCC が,AT&T / DirecTV および Comcast / Time Warner Cable について提案されている巨大取り引きを熟慮する際に,重みを持つ。

     詳しくは,この CNBC ビデオをどうぞ。
    take a back seat:原義:自動車の後ろ座席に座って,他の人に運転してもらうこと。転じて, (…に)一目置く。用例:I won't take a backseat to anyone. 私は 人の下につくのは まっぴらだ.
    long odds:原義は: 差の大きい賭け率,差の大きい賭け金。
     転じて,競争 または 賭けの結果,全く起こりそうもないこと。
     用例:Long odds are that he'll ever finish the work. : 彼が仕事を終わらせるのは,不可能だろう。
    counterwight:釣り合い重り。天秤計りで,負荷 (load) の反対側に掛ける重りを言う。
    Transcript:2014/06/13, 09:32 am ET (例によって ソフトウェアによる書き起こしなので,おかしなところが多々ある。David Faber さんは,明らかに メモを読み上げながら 話している。):
     Never has a deal been reported on more that actually has not yet happened than this one.
    But I did want to add a couple of things as we move towards what appeared. It appears to be an expected announcement of a transaction in which Sprint will acquire T-Mobile with the Germans owning some substantial part of it. Still, it's weeks and weeks away. Late July, early August, I can't tell you with any ー exactly. I can, however, give you a couple of new, uh, headlines about it, which is ー that they have agreed on a [reverse] break-up fee.
     They have?
     They are now at the $2 billion level.
     No one knows that?
     No, that's news.
     Congratulations on that.
     A $2 billion [reverse] break-up fee. Also, I've talked about many times and something we're fairly certain of is going to come to pass which is if, in fact, this deal does get announced, the plan is that T-Mobile would be the brand they go with. And John Legere's management team would be in charge.
     Where does Dan Hesse figure in?
     He doesn't. That will, of course, put more risk on the Sprint side, if the deal doesn't happen. There are many month believe the likelihood of rejection by the DoJ and the FCC and their inability to get the deal through is high. So even more risk on Sprint if you say, hey, we aren't going to be adopting T-Mobile as a management team.
    David H. Faber (1064/03/10 - ) は,ケーブル TV ネットワーク CNBC の財務関連アナリスト 兼 マーケット・ニュース・アナリストである。彼は,現在,CNBC のモーニング・ショー Squawk on the Street (月-金: 9 a.m.-12 p.m. ET) の 共同ホストの1人である。
     Faber は,1985 年 Tufts 大学の cum laude 卒業生である。
     Faber は,機関投資家として勤めた後,1993 年に CNBC に入社した。 彼は,CNBC の同僚たちから "The Brain (頭脳)" という綽名で呼ばれている。これまで Wal-Mart や eBay のような会社のドキュメンタリをいくつか主催した。"The Age of Walmart (ウォール・マートの時代)" により Faber は,2005 年 Peabody Award and an Alfred I. duPont-Columbia University Award for Broadcast Journalism を受賞した。

  9. Dish Decision: Disrupt Or Join Sprint-TMUS Wedding ?
    ディッシュの決断:スプリント / T-モービルの結婚式を 壊すか 参列するか?
    Investor's Business Daily, 2014/06/11, 04:26 PM ET
    By Reinhardt Krause
    Dish Network が,Sprint / T-Mobile の合併ダンスに 切り込んでくる可能性がまだ残っている。
    もっとも,アナリストたちは,衛星 TV 放送の Dish は,波風の立たない この結婚式に bridesmaid の役を演ずるくらいかな ・・・ と言う。
     日本に本拠地を置く SoftBank に支配されている Sprint は,今夏 T-Mobile にビッドを仕掛けるものと広く期待されている。Deutsche Telekom が 67 % を持つ T-Mobile の株価は,Sprint が 1株あたり 40 ドルを支払う (半分現金,半分株式) との報道が浮上しすると 落下した。アナリストたちが言うには,40 ドルよりも高い価格を期待する T-Mobile 株主たちもいるそうだ。Sprint との合併は,規制当局の厳しい審査に直面し,この取り引きが阻止される訴訟も ほのかに見えている。法廷闘争が,2016 年にまでずれこむことも ありうるだろう。
     アメリカ第3位無線サービス・プロバイダ Sprint と第4位 T-Mobile は,合併無しには,自分たちより遥かに大きい Verizon と AT&T に 有効に対抗して競争することは 不可能だと主張しているらしい。だが,規制当局は,国内3社ではなく,4社の無線市場を望むと これまで合図を送ってきた。

    Ergen Focuses On Video (Ergen が [モバイル]・ビデオ に注目)
     それでは 衛星 TV 放送 Dish の共同設立者 兼 会長の Charlie Ergen は, いったい どこに割り込むのか? Dish は,これまで かなりの幅の電波を買い取った。Ergen が 言った:"Dish の成長は,モバイル・ビデオ サービスの配信から生まれる。"
     AT&T は,5月に 第1位の衛星 TV 放送 DirecTV を買収することに合意し,モバイル・ビデオを売り上げの牽引役として もう宣伝している。
     或るアナリストたちは,Dish が T-Mobile にビッドを仕掛けると憶測している。つまり,Sprint に もう1回挑戦する (take on) ということだ。昨年,Dish は Clearwire 争奪戦で Sprint に敗れた。いわば,その仕返しである。
     だが,それには Dish は負債を引き受ける (take on) 必要があろう。さらに,合併後の会社は,なお,AT&T / DirecTV より遥かに小さい。
     Dish [の存在] が,Sprint / T-Mobile 合併に規制当局の認可を得やすくすることも考えられる。そういうシナリオの下では,Spirnt / T-Mobile は,電波を Dish に売り払い,ネットワークを共有する取り引きを でっち上げ,規制当局が好む4社市場を維持するかもしれない。
     Macquarie Capital のアナリスト Kevin Smithen は,レポートで言った:"我々は,Dish が T-Mobile の件で Sprint とビッド戦争に突入するとは思わない。新会社とのパートナーシップの方が可能性が高い。"
     AT&T は,1株あたり 95 ドルで (うち 28.50 ドルを現金で,残りの 66.50 ドルを AT&T 株で) DirecDV を買収することに合意した。Dish は,DirecTV の合併相手としても,AT&T の買収ターゲットとしても登場した。
    bridesmaid:結婚式で 花嫁に付き添う若い娘

  10. Sprint-T-Mobile Talks Give Chance to Ditch Brand Stigma
    スプリント / T-モービルの交渉は,ブランドの汚名を捨てる機会を与える
    Bloomberg, 2014/06/10, 11:11 PM GMT+0900
    By Scott Moritz and Alex Sherman
    スプリント と T-モービルは,合併提案を通じて,両者が成長を目指すというメッセージを伝えようとする一方で,スプリントの過去のつまづきに関したお荷物を捨てるチャンスを得る。
     問題は,名前なのだ。
     ノースウェスターン大学 経営学 Kellogg 校のマーケティングとブランディングの教授 Tim Calkins が言う:取り引きを行う最大の理由の一つは,自分たちの名前を変えることだ。たとえば,SBC Communications は,2005 年に AT&T を買収後,自分の名前を もっと広く分かりやすい AT&T に変えた。さらに 2000 年には,Bell Atlantic Corp. と Vodafone Air Touch Plc は,やぼったい企業ブランドを捨てて,彼らのベンチャーに "Verizon" というそれまで全く存在しなかった名前を付けた。
     Sprint と T-Mobile の合併会社は,現在のどちらか片方のブランドに固執することもできるし,2つのブランド名を潰して,Sprobile (スプロービル) あるいは SprinT-Mobile (スプリンティーモービル) とすることもできるし,全く新しい名前を選ぶこともできる。
     アトランタで マーケティング戦略会社 Ries & Ries を共同設立した ブランド・コンサルタント Laura Ries は言う:"一番大事なのは,AT&T と Verizon に対して 最もよく競争できるような名前を見つけることね。もしも 私が決めるとすれば,T-Mobile にしたい。なぜなら,こちらの名前の方が新鮮だし,名前の中に mobile があるから。"
     Nearing Agreement (合意まぢか)
     東京の親会社 SoftBank と ボンの親会社 Deutsche Telekom は,この取り引きの買収価格と資本構造については, 合意に近づいている。だが,懐疑的なアメリカ規制当局からの審査に対する準備と,マネージメントの細部が 未だ アイロン掛けをすべく残っている。・・・ この議論の知識を持つ複数の人が言った。したがって,合併に伴なうブランドをスタンプすることは,いま 中心的な問題ではない。・・・ この件に通じた人が,交渉が 未だ水面下であることを理由に,匿名を条件として そう語った。
     Sprint の広報担当 Bill White と T-Mobile の広報担当 Anne Marshall は,ともにコメントを控えた。
     T-Mobile 株価は,両社が 40 ドル弱の取り引き [の合意] に近づいていると Bloomberg News が報道して以来昨日,1.1 % 下がって 33.89 ドルをつけた。Sprint は,昨日 6.7 % 下がった。
     Tim Calkins が言う:"この2つの会社が一緒になる場合,ブランディングは,大きな問題になる。T-Mobile 側は, Sprint が 何を言いたいかを理解する必要があるし,Sprint 側は,T-Mobile 側が何を言いたいのか理解する必要がある。"
     Millward Brown Optimor のブランド専門のストラテジスト Oscar Yuan は言う:これをどうやるのが正しいかについては,がんじがらめの決まった (hard and fast) 規則は存在しない。

     Losing Users (顧客の流出)
     Oscar Yuan が言う:"一番普通のやり方は,2つの名前を [マッシュポテトのように] 一緒にして潰すことだ。だが,そうすると,時折,それぞれのブランドの特殊性が失われる。Sprint の場合,遺産を何か残したいと思うだろう。"
     アメリカ第3位の無線プロバイダ Sprint は,ネットワーク更新で仲間たちに遅れを取った。そのため,過去5四半期で,250 万人を越える顧客を失った。
     これとは対照的に,T-Mobile は,この直近の四半期に 月間契約者を 130 万人増やした。これは,AT&T と Verizon を合計した数字 116 万人より多い。業界第4位の T-Mobile と,自称 反逆者の CEO John Legere は,標準的な2年契約を廃し,端末購入に割賦を導入し,サービスを他社から T-Mobile に乗り換える顧客に 早期解約手数料を肩代わりなどを行ない,同社を再生させようと努めてきた。

     ‘More International’ (もっと国際的な名前を)
     拡大された会社の名前を変更することは,NASCAR Sprint Cup Series (自動車レース), Kansas City の Sprint Center (広大なアリーナ) のようなスポンサーシップと T-Mobile が持っている MLB (メジャー野球リーグ) の公式無線スポンサーの地位に影響を及ぼす。
     ニューヨークの街角でインタビューした T-Mobile 利用者の Naresh Biala さん (63 歳) は,合併後の会社が T-Mobile という名前を保存すべきだと考える。Sprint が買収交渉を進めている T-Mobile は,確かに アメリカだけで営業しているけれど,親会社の Deutsche Telekom は,T-Mobile ブランドをヨーロッパでも売っている。
     "T-Mobile の方が Sprint よりも遥かに国際的だ。" ・・・ ニューヨーク在住で 定年前は投資銀行に勤めていた Biala さんは,6ヶ月前に AT&T から T-Mobile に 良いプランを求めて乗り換えた。
     ‘Un-Carrier’ Campaign ('脱キャリア' キャンペーン)
     一方,Sprint 利用者の Alan Leventhal さん (76 歳) にとって,選択は簡単だ。
     "T-Mobile の評判は悪く,Sprint はとても良い。" ・・・ ニューヨーク在住の Leventhal さんはそう言う。 "Sprint は,顧客サービスが一番良い。だから 14 年間 ずっと 契約を続けてきた。合併後の会社を T-Mobile と呼ぶのは,おそらく 最悪の選択だろう。"
     T-Mobile ブランド (27位) が Sprint ブランド (100 位圏外) よりも上位であることは確かだが,それでも 上位の競争相手に比べれば,遥かに後塵を拝している。AT&T は,最も価値の高い グローバルなブランドの第8位であり,Verizon は 11位である。・・・ Millward Brown Optimor のランキングによる。
     T-Mobile は,近年 最も急速に成長を遂げているキャリアである。とは言え,"脱キャリア" マーケティング 戦略を始めたのは,たった1年強 前の話に過ぎない。しかも,それは AT&T が同社を買収し損ねて T-Mobile が 未だ ぐらついているときに始まった。
     T-Mobile は また,契約者を取るために,収益を犠牲にしてきた。T-Mobile は,4四半期連続で赤字である。もっとも,Sprint は直近の 26 四半期中 25 で純損失を計上している。
     Tim Calkins は言う:"Sprint も T-Mobile も どちらも お荷物をたくさん抱えている。だから,新しい名前を創るのが取るべき道だ。"
     Mondelez, Allegis
     新しい名前というのは,いつも 成功したわけではない。1980 年代,United Airlines の親会社 UAL Corp. は,Allegis Corp. という名前で1年間火遊びをしたあと,TV トークショー司会者 Johnny Carson の たび重なるジョークを受けて,その新しい名前を取り下げた。
     2012 年,Kraft Foods Inc. が その名前を ("monde" [フランス語の "世界"] と "delicious" を合成して) Mondelez International Inc. に変えたとき,ブランド専門家たちは,この名前を紛らわしいと言った。だが,同社はこの名前にこだわった。
     また,ブランド名変更は,必ずしも円滑に進むとは限らない。2005年,当時 Federated Department Stores として営業していた Macy's Inc. は,Marshall Field's の店を買収して 伝統的なダウンタウン商店街を Macy's と改名したとき,シカゴの怒りを買った。
     Tim Calkins が言う:"ブランド決定には,現実にダウンサイドがありうる。あるブランドから別のブランドに動けば,一部の顧客を失うことがありうる。Macy's は,Marshall Field's を買い取って,その名前を急に変えたとき,シカゴでは ボイコットが起こった。"
    NASCAR Sprint Cup Series:スプリント・カップ・シリーズ は,NASCARが主催するストックカーレースのトップ・カテゴリーである (ウィキペディア)。
     1949年に Strictly Stock Series としてスタートし,・・・,2004年からスプリント・ネクステル社がスポンサーとなり,NEXTEL Cup Series となった。2008年からは,現行のシリーズ名称に改称した。
     シリーズを構成する多くのレースの起源は,アメリカ合衆国南部にあり,南部で根強い人気を持つが,次第に成長し,現在では アメリカ合衆国における最も人気のある6つのプロ・スポーツの1つとなった。最も有名なデイトナ 500 は,2009年には 約 1,600万人がテレビで観戦した。シリーズは カナダでも開催され, エキシビジョン・レースが,日本とオーストラリアで開催された。
    NASCAR:NASCAR(ナスカー,National Association for Stock Car Auto Racing, 全米自動車競争協会) は,アメリカ合衆国で最大のモーター・スポーツ統括団体であり(本部はノースカロライナ州シャーロット), 同団体が統括するストックカーレースの総称でもある。
     統括団体としての NASCAR は,1948年に ビル・フランス・シニアとエド・オットーによって設立された。 NASCAR は,四輪市販車をベースに改造を施した車両(ストックカー)のレースであり,主に北米大陸で行われる独自のレースカテゴリーである。
    Sprint Center
    Sprint Center:Sprint Center は,ミズーリ州 Kansas City のダウンタウンにある大きな室内多目的アリーナである。その命名権を Sprint が持っている。Sprint Center は,2007年10月10日に一般に開場され,その3日後に Elton John が 最初のイベントを行った。
     収容人員は,19,252 (コンサート),18,972 (バスケットボール),17,544 (ホッケー),17,297 (アリーナ フットボール)。
    Macy's:アメリカの 百貨店チェーン。
    2013年売り上げは,277 億ドル。
    記事に書かれている経緯 (改名の際のボイコットなど) は,Wikipediaに詳しい。
    MLBMajor League Baseball。このリンクをクリックすると, T-Mobile の広告がたくさん見える。
    Millward Brown Optimor2014 BrandZ Top 100 Ranking.
    トヨタ自動車 26位,DOCOMO 95位,ソフトバンク と KDDI は,圏外。
    ブランディング:(branding) 顧客や消費者にとって価値あるブランドを構築するための活動をブランディングと言う。ブランドの特徴や,競合する企業との製品・サービスとの違いを明確に提示することにより,顧客や消費者の関心を高め,購買を促進することを目的とする。消費者との信頼関係を高めることにより,ブランドの訴求力が向上し,競合他社に対して有利な立場に立つことができるようになる。

  11. If Sprint buys T-Mobile, it may have to slash prices: analysts
    もしも T-モービルを買収すれば, スプリントは 価格を大幅に下げざるを得ないだろうとアナリストたち。
    Reuters, 2014/06/09, 05:08 pm EDT
    By Marina Lopes
    (ロイター) もしも Sprint が T-Mobile を買収すれば,ネットワーク,設備 および 運営などのコストで 最大 66 億ドルを節約できそうだ。しかし,標的会社の急激な割り引きに合わせるためには,その料金を大幅に引き下げる必要があろう。・・・ 月曜日に アナリストたちが語った。
     Sprint は,Masayoshi Son 会長の下で,これまで, 他社の料金カットに 付き合うことを,売り上げが減るという理由で ためらっていた。・・・ そう アナリストたちは言う。その株価は,Deutsche Telekom から T-Mobile を買い取ろうとしているとのうわさにより 12月12日には 8 % 上がった。
     MoffettNathanson のアナリスト Craig Moffett が言う。 "私が思うに,Mr. Son は,板ばさみの状況にあることをよく理解している。Sprint の料金は あまりにも高すぎる。だが,もしも Sprint が料金をカットすれば,株価が下がるだろう。彼らは,自分たちの株価を正当化するぎりぎりまでしかやらない。"
     料金格差は,日本の SoftBank が 80 % を所有する Sprint が T-Mobile 買収の取り引きを追求するときに直面するハードルのひとつに過ぎない。
     Son は,これまで アメリカ規制当局に向かって,合併が AT&T と Verizon に対して競争するための梃子を自分たちに与えると主張してきた。新会社は 1億人以上の契約者を自慢するだろう。これは,AT&T と Verizon にほんの少し及ばない数字である。
     だが,2011 年に AT&T の T-Mobile に対するビッドを拒絶した FCC は,無線業界に4社の競争会社を維持したい旨を 繰り返し言っている。
     未だ潜在的な状態のビッドの詳細が 浮上して以来,規制のハードルを Sprint が越えられるかとの不安から,Sprint の株価は この水曜日に 9.3 % 下がって 8.77 ドルとなった。
     Sprint の顧客は,平均して1ヶ月に 62 ドルを消費する。T-Mobile では 50 ドルである。
     Jefferies の筆頭アナリスト Michael McCormack が言う。"こんな状況は,長くは持たない。もしも合併すれば,新会社全体で 同じ料金設定が必要になる。"
     Sprint も T-Mobile も,コメントの求めに 直ちには応答しなかった。
     先週 この件に詳しいひとりの人がロイターに教えてくれたところでは,Sprint は,T-Mobile を買収するために 1株につき 約 40 ドルを払うことに合意した。ただし,これに関わるどちらの会社も,取り引きが差し迫ったものとは 認めていない。
     この合併提案は,Sprint ネットワークの点検整備が 電話呼び出しの品質を劣化する最中になされている。同社は,過去5四半期に 250 万人の顧客を失う代償を払ったと言っている。
     他方,T-Mobile は,競争会社たちに 料金カットを強いるような激しい割引を打ち上げて,2014 年の第 1 四半期には,最大の契約者数増を獲得した。
     しかし,T-Mobile の戦略も また大きな犠牲を伴なった。T-Mobile は,第 1 四半期に 1.51 億ドルの赤字となり,アナリスト達の業績予想に及ばなかった。

     
  12. T-Mobile is at a crossroads, so is the U.S. wireless industry
    T-モービルは,十字路にいる。同様に,アメリカ無線業界も十字路にいる。
    CNNMoney, 2014/06/08, 3:01 pm ET
    By James O'Toole
    アメリカ無線業界の将来は,まもなく,オバマ政権の手中に。
     Sprint と T-Mobile は,今週の報道によると,320 億ドルの合併提案に まもなく決着をつけそうだ。もしも規制当局の認可が得られれば,国内第3位と第4位のキャリアを一緒にして,業界リーダー AT&T と Verizon に匹敵する契約者数を持つ結合体を生むことになろう。
     うわさされる合併は,さらにもうひとつのテレコム巨獣を生むことを懸念する業界観測者たちから,懐疑の念を呼び起こした。だが,Sprint も T-Mobile も,これまでずっと赤字続きであり,自分より大きな競争相手に挑むには,合併が必要だと論じている。
     T-Mobile は,この数ヶ月,競争の利点について強い主張をしている。昨年初めから,同社は "uncarrier (脱キャリア)" 戦略と綽名をつけた 積極的なマーケティング・キャンペーンに没頭してきた。そのゴールは,モバイル業界をひっくり返す (upend) ことである。具体的には,契約をなくし,国際ローミング料金を廃し,競争相手の会社から乗り換える顧客に 650 ドルを支払った [注:他にも まだ いろいろある]
     同社は また,その下部基盤を更新するため および 高速 4G-LTE ネットワークを拡大するために,大規模な投資を実施中である。Sprint,AT&T および Verizon は, T-Mobile のキャンペーンに応答して,3社とも全部が料金をカットした。また 2年契約の縛りも止め始めた。
     これは まさに,2011 年,T-Mobile を買い戻そうとした AT&T に対して,"独立な会社である T-Mobile が市場にもたらす 料金,製品の多様性 および 技術革新 などの 重要な競争を その取り引きが抹殺する" と言って 司法省が これを阻止したときに 思い描いていたシナリオである。
     これまでのところ,T-Mobile の努力は,市場シェアの増加という形で,報われている。同社の先月の発表に拠れば,今年はじめの3ヶ月で,契約者数 240 万人増の記録を打ちたて,続く四半期には 100 万人純増を達成した。
     だが,この努力は 実を結んだものの,マージン幅の減少と赤字増大と言う犠牲を伴なった。T-Mobile の第1四半期は,1.51 億ドルの赤字となり,2013 年最後の3ヶ月より,赤字幅が 0.20 億ドル増加した。
     業界アナリストの Jeff Kagan は言う:"こんなことを 永久に続けられるはずが無い。赤字の犠牲が大き過ぎる。だから,問題は 次にどうするかだ。"
     或るアナリストたちは,同社の最近の動きは,見込まれている買収で 言い値を吊り上げる努力の一環だろうと見る。 T-Mobile CEO の John Legere は 先月 こう発言した:業界再編成は,"when (いつ) の 問題であり,if (もしも) の問題ではない。わが社は,合併により得られる 規模の拡大 および 資産から利益を蒙る。"
     Sprint の親会社 SoftBank 社長の Masayoshi Son は,アメリカ無線業界 [の状況] を 2社独占と呼び,競争が持続可能なためには,第3の強力な競争相手の出現が必要だと言う。
     合併提案は,まだ 正式には発表されていない。しかし,反トラスト官僚たちには,やるべきことが もう 山ほどある。
     AT&T は 先月,アメリカ最大の衛星 TV プロバイダ DirecTV を 500 億ドル弱の取り引きで買う意向を発表した。他方,Comcast は,Time Warner Cable を買収しようとしている。この 450 億ドル 取り引きは,テレビ・チャネルとインターネット接続の 国内最有力プロバイダを生むことになる。
     Kagan は言う:"いろんなことが変わり始めている。この業界は変化している。規制当局は,この状況を新しい展望から見るべきだ。"
     Gartner のアナリスト Akshay Sharma は, AT&T が数年前に失敗したときと比べて,T-Mobile に対する Sprint のビッドを 司法省が好意的に見る可能性があるだろうと言う。その理由として,彼は Sprint が AT&T より小さいことを挙げた。
     万一 この取り引きが実現しなければ,T-Mobile は,(Dish や 他の海外キャリアのような) 別の大きなテック会社にとって魅力的な買収標的になりうる。はっきりしていることは,T-Mobile も Sprint も,どちらも この先 長い間 現状を維持できないことだ。
     Sharma は言う:"革新か 死の どちらかだ。何もせず そのままということはできない。"

     
  13. T-Mobile’s Legere Said Likely CEO After Sprint Merger
    T-モービルの レジャーが スプリント合併後の かっこうの CEO との うわさ
    Bloomberg, 2014/06/07, 06:21 am
    By Scott Moritz
    Sprint が T-Mobile 買収合意に近づくに連れて,ホット・ピンクの T シャツを着たあの男が,まもまく ライムライトに踏み出す。
    会社のブランド入りの T-シャツを着て,競争相手の会社を ツイッターで
    あざけることで知られる T-モービルの CEO ジョン・レジャーは,
    合併後の会社を動かすものと見られている ・・・ この件に詳しい2人が,
    この計画がまだ正式ではないことを理由に,匿名を条件として語った。
     会社のブランド入りの T-シャツを着て,競争相手の会社を ツイッターで 嘲ることで知られる T-Mobile の CEO John Legere は,合併後の会社を動かすものと見られている ・・・ この件に詳しい2人が,この計画がまだ正式ではないことを理由に,匿名を条件として語った。2007 年に壊れかけの Sprint を引受け,その修復に十分 力を果たし,赤字営業のときにも 新たなオーナーを 昨年 招聘した Sprint CEO の 60 歳になる Dan Hesse よりも,Legere は [新会社の CEO として] 好ましいと考えられている。
     Negotiator が 合意の些細な点にまで 頭を絞る (hammer out) ように,Legere は,拡大した会社の展望に 今後 ますます責任を負うだろう。彼の上に降りかかる仕事は,ばらばらの経営チーム ならびに てんでに発散気味のマーケティング戦略を統合し,さらに,最大のライバル AT&T と Verizon の技術的進歩に何年もの遅れを取った 2つのネットワークを結びつけることである。
     New Street Research のアナリスト Jonathan Chaplin が言う:"Legere が職務に就けば,T-Mobile は ほんとに Verizon と AT&T に対して やれるんじゃないか。T-Mobile は,規制当局から好かれている。これまで,Legere は 半人前の一匹狼 (half a maverick) に過ぎなかった。これからは,2倍の基盤資産を動かせるようになって,2倍 クレージーになるだろう。"
     56 歳の Legere は,自己のスタイルを貫く 無線業界の反逆児 (rebel) である。彼は,T-Mobile を "Un-Carrier (脱キャリア)" としてブランド化した。彼の おふざけとも見えるマーケティングと料金カットは,同社を アメリカで最速に成長する無線会社に育てた。彼が T-Mobile で これまでに手がけた最大の取り引きは,昨年 MetroPCS を買収したことである。
     Deal Terms (取り引きの条件)
     Hesse は,合併後の会社を動かさなくても 気にしないと これまでに言った。
     昨年7月に SoftBank が支配権を買収している Sprint は,約 50 % の株式と 50 % の現金を T-Mobile に提供する。ボンを本拠地とする T-Mobile の親会社 Deutsche Telekom は,合併後の会社の株式を所有する。 ・・・ この件に詳しい複数の人が 今週 そう言った。T-Mobile を 1株あたり 40 ドル弱に評価するこの合意は,早くも7月に発表されうる。・・・ その人たちが言った。
     T-Mobile の株価は,今日,0.8 % 上がって 33.77 ドルとなり,Sprint の株価は 2.7 % 下がって,8.78 ドルとなった。
     これらの人たちによれば,新会社のマネージメントを決めることを含めて,取り引きを発表できるまでには 未だ 沢山の作業が残っている。
     SoftBank 社長 Masayoshi Son は,昨日,日本での別件の記者会見で [買収案件について] コメントを控えた。Sprint の広報担当者 Bill White は,コメントを控えた。Deutsche Telekom の広報担当者 Andreas Fuchs もコメントを控えた。T-Mobile の広報担当者 Anne Marshall は,コメントを求めるメッセージに応答しなかった。
     Phone Freedom (電話の自由)
     AT&T への売却が 2012 年に失敗した後,アメリカ最小の無線キャリア T-Mobile を任された Legere は,ひとつの主たるゴールを目指した。それは,顧客を獲得することだった。
     昨年3月,un-carrier (脱キャリア) 戦略を展開するや,T-Mobile は,電話機のコストをサービス料金から分離する 電話ファイナンスを導入した。こうして,電話機の支払いを月賦支払いに分割した。これにより T-Mobile は,法外な割り引きで電話機を売る必要から解放され,顧客は,2年契約の縛り無しに 新しいスマートフォンを取得できるようになった。
     Jonathan Chaplin が言う:"我々は,脱キャリアが出た当初は,これを笑っていたものだ。ところが,今では,消費者が 気に入っている。脱キャリアというブランドが,人々と よく 共鳴しているのだ。"
     大手のライバル会社に照準を合わせた おそらく最大の挑戦は,他社との契約を打ち切って T-Mobile に乗り換える顧客に 早期解約手数料を 肩代わりして支払ったことだ。
     Verizon,AT&T,Sprint の どれもが,顧客が舟を飛び移るのを見るまでもなく,同様のセールス・プランを採用した。
     販促活動は T-Mobile のセールスを押し上げるのに役立ったが,それは 相当な代償を伴なった:4四半期連続の純損失を招いたからである。
     Framily Plans (Framily プラン)
     他方,Sprint は,料金について積極的に競争しなかった。その結果,過去5四半期で 250 万人を越える月間契約顧客を失った。同社は,ずっと赤字続きである。
     Hesse は 料金戦争を避けてきたが,今年に入って,Framily プランを打ち出した。これは,友人と家族をコミにするプランである。彼が言うところによると,最初の 40 日で 100 万人のユーザが これに契約した。
     Hesse は また,超高速ネットワークにも投資を進めている。これは,Sprint が 料金よりも スピードと品質で競争できるようにするものである。Splint の LTE は,まだ用意されておらず,多くの都市でそのサービス品質の妨げになっている。
     ユタ州 Provo の Jackdaw Research のアナリスト Jan Dawson が言う:"Hesse は,両手で確実に捕球する野手のように思える。彼は,秩序だったやり方で Sprint の形を元に戻し,将来の成長と収益性の基礎を築いた。"
     Batman Tweets (Batman ツイート)
     Sprint ブランドは,T-Mobile ブランドのように強いものを 何も表現していないので,合併後の会社は おそらく Sprint ブランドを いくつかのビジネス向けにのみ保存するだろうと Jonathan Chaplin は言う。
     Legere を [合併会社の] CEO に残すことは,(懐疑的なアメリカ規制当局に直面して,だらだら 長引きかねない) 合併 [審査] の手続き中に ビジネスが崩壊することを防ごうとして Deutsche Telekom が取った措置であろう。これは また,バットマンや TV ショーに関する ツイッターとか ライバル・キャリアをあざけるツイッターが Legere から さらに沢山出ることを意味する。問題は,彼が ツイッター上で #Sprintlikehell (スプリントは地獄みたい) と呼んでいる Sprint を [合併審査中に] 相変わらず 野次りまくるかどうかである。
     彼の 反スプリント ツイッターの中には,こんなのがある。
     “You guys, #Framily is not a thing. It’s a typo.” とか “Oh @Sprint – you really #FruckedUp that imitation of our #uncarrier move! #ContractFreedom for all.”
      "おい,みんな。#Framily ってのは,実体が無い。あれは,誤植だよ。"
     "おー @Sprint ― お前は,俺たちの #uncarrier 作戦の真似をでっち上げたな! 全ての人に コントラクトからの自由を。"
     Air Conditioning (空調)
     Legere は,サンアントニオの AT&T センターで 空調システムが壊れて,そのために LeBron Jamesこむら返りを起こし,その前夜の NBA ファイナルの緒戦の決着を付け損ねると,AT&T をコケにした。そのとき, 電気系の故障により空調が止まったために,温度は 90°F(32℃) を越えた。すると Legere は ツイートした。
     “It’s bad enough when you can’t power a network, but now you can’t power the AC during the finals?!?! Come on @ATT!”
     "ネットワークに電気をよこさないのは,ひどいことだ。だが,いまは NBA ファイナルの最中に AC をよこさない ?!?! いい加減にしろ! @ATT!"
       [AC は交流の電気を意味するが,ここでは,ATT と掛けている。"C" と "T" は,発音が似ていますね。"Come on"=いい加減にしろ(反語表現)]
     Legere は,慣習にとらわれない Tシャツとブレザーの衣装で,不遜な,だが良く練られた話を 記者会見でも ツイッターでも 率直にする (shoot from the hip)。今年の CES では,AT&T が主催したパーティーを,自分は ラッパー Macklemore のパフォーマンスだけを見に来たのだと言って,潰してしまった。
     Hesse も Legere も,どちらも AT&T での取締役クラスを通して のし上がった。そして,Ma Bell を去った後,ふたりとも それぞれ独自の 反企業的,セミ反抗的なスタイルを開花させた。
     Hesse’s Legacy (Hesse の遺産)
     先月,Bloomberg TV のインタビューで,Hesse は,合併後の会社を動かすことにならないとしても 気にしないだろうと言った。
     "私は,60 歳だ。まだ人生でやりたいことが沢山ある。"
     Jonathan Chaplin によれば,Hesse は,Sprint を救った男だという遺産を 楽に手にすることもできる。
     "彼は 事業を安定化させ,シッカリした電波のポートフォリオを買い求め,SoftBank を惹きつけた。彼は, '私がこの会社に来たときには,ゼロだったのに,今ではホントの未来がある。私の役目は終わった。夕陽に向かって行こう。' と言ってもおかしくはない” ・・・ Jonathan Chaplin は,インタビューで そう言った。
     Hesse を失えば,SoftBank 社長 兼 Sprint 会長の Son は,確かな片腕を失うことになる。Son は,Legere と同様に その フツパーで名高い。Son は 或るとき,自分は 300 年事業計画を持っており,2040 年までには 5,000 の会社に投資をすると主張した。
     Jan Dawson が言う:"タイヤが地面を捉えるとき,Masa Son からの誇張されたレトリックが (アメリカのテレコム市場でビジネスを行う経験の深い) Dan Hesse により 和らげられ,水路を流れて行く。'陰' が '陽' に対するような Hesse とは違って,Son は Legere を自分と同類の気性だと見ているだろう。"
    negotiator:交渉者,競技者;手形の裏書人。手形を裏書して譲渡した人は,その手形に対して責任が生じる (手形譲受人に対して,抗弁の主張が原則として 制限される)。
    a safe pair of hands:(idiom) 野球で,両手を使って安全に捕球すること。転じて,"安心して任せられる人","的確な判断ができる人" を意味する。
    LeBron James:ルブロン・ジェームズ(LeBron James (発音は [ləˈbrɒn];, 1984年12月30日 - )は,アメリカ合衆国オハイオ州アクロン出身のプロバスケットボール選手である。
     NBA のマイアミ・ヒートに所属。愛称は「キング」。 背番号は「6」。クリーブランド・キャバリアーズに在籍していたときは,憧れだったマイケル・ジョーダンと同じ「23」を着用していた。身長203cm,体重113kg。ポジションは,スモールフォワードだが,ポイントガード,シューティングガード,パワーフォワードもこなせるオールラウンダー。2009~2013年の5年間で MVP を4回受賞するなど,輝かしいキャリアを積み上げている。 現在の NBA を代表する選手の1人であり,圧巻のパフォーマンスと近年の実績から,ジョーダンとそのプレイを比較される NBA 随一のスーパースターである。
    Shoot from the Hip:腰から撃つ。
    1. 文字通りには,腰に構えた拳銃を撃つ。(この場合,素早く撃てるが,精度は ずっと下がる) When I lived at home on the farm, my father taught me to shoot from the hip. I quickly shot the snake before it bit my horse. I'm glad I learned to shoot from the hip.
    2. 比喩的に,直接に率直に話す。(腰から撃つ速さを譬えている) John has a tendency to shoot from the hip, but he generally speaks the truth. Don't pay any attention to John. He means no harm. It's just his nature to shoot from the hip.
    CES:コンシューマー・エレクトロニクス・ショー (Consumer Electronics Show, CES) は,毎年1月,全米家電協会 (CEA) が主催し,ネバダ州ラスベガスで開催される見本市である。通称「CES」(セス)。取引専門のショーであり,一般公開は されていない。
    Ma Bell:The Bell System was the system of companies, led by the Bell Telephone Company and subsequently by AT&T, which provided telephone services to much of the United States and Canada from 1877 to 1984, at various times as a monopoly. In 1984, the system was broken up into independent companies by a U.S. Justice Department mandate.
     The colloquial term Ma Bell (as in "Mother Bell") was often used by the general public in the United States to refer to any aspect of this conglomerate, as it held a near complete monopoly over all telephone service in most areas of the country, and is still used by many to refer to any telephone company.
    ラッパー(rapper):ラップ(rap) とは,音楽手法,歌唱法のひとつである。小節の終わりなどで韻を踏みながら,あまりメロディを付けずに,リズミカルに喋るように歌う方法のことである。
     この歌唱法で作られた音楽のジャンルを指して,ラップと呼ぶこともある。ただし,ラップとは,上記のような歌唱法を指す言葉なので,ジャンルを指しては,ラップ・ミュージックやヒップホップ・ミュージックなどと呼ぶ方が正しい。
     ラップをする人のことを ラッパー(rapper) と言う。
    Macklemore:マックルモアー (Macklemore,1983年6月19日 - ) は,アメリカの ラッパーである。シアトル出身で,本名はベン・ハガティ。2000年からミックステープや EP などをリリースしており,長いアンダーグランドでの活動を通じて知名度を獲得。2012年には,音楽プロデューサーのライアン・ルイスとタッグを組み,デビューアルバム『The Heist』を発表。全米アルバムチャートにて初登場2位を記録した。また,このアルバムからのシングル "Thrift Shop" は,全米シングルチャートにて首位を獲得している。
    ride out (off) into the sunset: 起源は,西部劇で。好漢が 荒れた町にやって来て,悪漢のために人々が苦しんでいた問題を次々に解決し,馬にまたがり,絵のように沈む夕陽の方角に向かって西へ走り去るときの決まり文句。
     My work here is finished, its time for me to ride off into the sunset.
    フツパー:(英語: chutzpa(h), hutzpa(h);ヘブライ語: חוצפה‎,イディッシュ語: חוצפה‎) とは,もともとは 大胆さや厚かましさを意味するヘブライ語の言葉で,善い意味でも悪い意味でも使われている。イディッシュ語(フツペ, khutspe, חוצפה)経由でアメリカ英語にも流入したが,本来はヘブライ語である。
     本来は 否定的な意味で使われる言葉だったが,英語に取り入れられるにつれて,"普通には できないことを 敢然と行う勇気に感嘆する" といった肯定的な意味に変わってきた。レオ・ロステンは,著書『イディッシュの喜び(The Joys of Yiddish)』の中で,フツパーの意味を「鉄面皮,毛の生えた心臓,生意気さ,すさまじいガッツ,他のどんな単語でも,いかなる言語でも表現できないような尊大きわまる僭越ぶり」と定義している。たとえば,両親を殺しておきながら,法廷で「哀れな孤児にお恵みを!」と求める少年は,フツパーの体現者である。
    When (Where) rubber meets the road,タイヤ (のゴム) が地面を捉えるとき
    何かの理論 または アイデアが実地に試されるとき。
    重大な局面に達するとき,ものごとの真価が問われる場面で。
    用例: How much is it going to cost? Let's go down to where rubber meets the road.

  14. T-Mobile Drop Shows Regulatory Risk Trumps Deal: Real M&A
    T-モービルの株価下落は,規制のリスクが この取り引きを トランプ*することを示す:M&A の現実とは
    Bloomberg, 2014/06/05, 12:29 am GTM+0900
    By Brooke Sutherland and Tara Lachapelle
    合併に対して 規制当局がどんなに大きなパワーを持っているかを知りたければ,昨日の T-Mobile の株価に如くものは無い。
     Sprint が 1株当たり 約 40 ドルで T-Mobile を買収間近との Bloomberg News 報道を受けて,アメリカ第4位の無線キャリア T-Mobile の株価は,3.7 % もの下げを演じて 33 ドルで引けた。株式価値 310 億ドルという評価には 不満な人がいるものの,この取り引きが規制当局により阻止される懸念が このディスカウントの最大の理由である。・・・ と MKM パートナーズ合同会社は 説明した。
     反トラスト問題のために審査を受ける買収は,US Airways が AMR に合併したときのように,規制当局の決定が読みにくいため,かなりのディスカウントで売買されることが よくある。MoffettNathanson 合同会社のように懐疑的な人たちは,T-Mobile 取り引きが認可される確率を,10 % などと 小さく見積もっている。他方,Albert Fried & Co. は,それより楽観的であり,たとえ 失敗しても,Charlie Ergen の Dish Network が T-Mobile にビッドを仕掛けるだろうと言う。いずれにせよ,Sprint との取り引きが実現した暁には, T-Mobile 株式を昨日の終値で買った投資家は,19 % の利益を得る。
     合併と イベント・ドリブン型リサーチに特化した Wall Street Access Corp. のディレクタ Tom Burnett が 電話インタビューに答えてくれた:"一切合財コミにして,マルティーニに混ぜ合わせれば (shake up),私の出す数字は,おそらく 良くて 50/50 だろうね。だから,Sprint / T-Mobile については,やっては いけないとは言えないよ。"
     コロラド州の Englewood を本拠地とする Dish の Bob Toevs は,発表すべきコメントが無いと言った。
     Deal Details (取り引きの詳細)
     この手続きが まだ プライベートであるという理由で匿名を条件に話してくれた 本件に詳しい複数の人によると,約 310 億ドルの企業価値に上るこの取り引きで,T-Mobile に Sprint は,約 50 % を株式で,50 % を現金で提供する。
     T-Mobile は,昨日,2.3 % 下げて,33.49 ドルで引けた。これまで 12ヶ月のあいだには,買収の思惑から 65 % 上げていた。ワシントン州,Bellevue に本拠地を置くキャリア T-Mobile は,その過半数を Deutsche Telekom が所有している。
     今日,T-Mobile の株価は,ニューヨークで 午前11時27分現在,1.2 % 上がって,33.90 ドルとなった。
     MKM パートナーズ合同会社のイベント・ドリブン型ストラテジスト Keith Moore は 言った:"Sprint への売却は これまで広く予期されたことだったので,投資家たちは,今週のレポートを 'ニュースで売る' 機会と捉えた。"
     買収価格を知った Commerzbank の Heike Pauls は,リサーチ・ノートに "このオファーは,最近の評価よりも低い" と書いた。
     Spread Wideners (スプレッドを拡大する要素)
     この取り引きのタイミングが,鞘取り (arbitrage) トレードを狙う人たちに 不確定要素を加える。鞘取りトレーダーは,取り引きが最初に発表される時点での 目標会社の株価と 買収される時点での株価との差額から 利益を上げようとする。取り引きが完了するまでの間の時間の長さと,取り引きが発生しないリスクとが,鞘取りのスプレッドの大きさを決める。ただし,このスプレッドは,取り引きが完了が近づくにつれて縮まる。
     この件に詳しい複数の人たちによると,これまで 早くも7月に発表があるだろうと言ってきたが,[それより後れて] T-Mobile の取り引きの場合には,合意発表が まだ 数週間 (several weeks) 先のことと見られている。1人によれば,たぶん,8月にずれ込むこともありうる。そして,その後には規制の懸念が控えている。
     MKM パートナーズの Moore は,電話インタビューで言った:"40 ドルという価格が発表されても,実際の売買は,でぶでぶの (real fat) ディスカウントになるだろう。なぜなら,認可が得られる確率が とても低いからだ。"
     MoffettNathanson によると,規制当局は,T-Mobile の買収を許可することに 異議を唱えそうだ。なぜなら,T-Mobile が 業界の "先鋒に立って" 競争を激化してきたと,司法省の Bill Baer が 認めているからだ。
     Keeping Promises (約束を守る)
     AT&T は,2011 年,T-Mobile を買収する計画を,(T-Mobile を吸収することによる市場へのインパクトを取り除けると) 規制当局に説得できず,取りやめる羽目に陥った。他方,Sprint の過半数を所有する SoftBank の設立者である Masayoshi Son は,取り引きが認可されれば 料金をカットすると約束した。しかし,MoffettNathanson のアナリスト Craig Moffett は,昨日のレポートで,それでは 競争を保証するのに不十分だろうと書いた。
     "たった一人の 本心に反する(going against the grain) 約束が,(市場に多くの競争会社を残す [今の] 単純なやり方に比べて) 無線業界に長期の価格競争を保証する確かな方法だろうか?"
     Sprint の Son と CEO Dan Hesse は,2月3日,FCC 議長 Tom Wheeler に 取り引きがありうるかも知れないと提言したとき,"高度に懐疑的な (highly skeptical)" 応答を得た。・・・ これは,このセッションが私的なものだという理由で匿名を条件として,その会合をブリーフした人たちが,当時語ったことである。Sprint 経営陣は,司法省での初期の会合でも抵抗に遭った ・・・ その人たちが言った。
     Beating Odds (賭け率に勝つ)
     規制のハードルは,必ずしも,取り引きが認可されないことを意味するものではない。3つの例:Medico Health Solutions,US Airways,Smithfield Food を見てみよう。
     2012 年3月,薬剤給付管理の Express Scripts Holding が Medco 買収を完了する1ヶ月前,スプレッドは とても広く,Bloomberg がまとめたデータによると,トレーダーたちは,年率にして 90 % のリターンを得るチャンスがあった。懸念材料は,FTC が この連携を業界の競争を傷つけるとみなすかどうかにあった。
     約1年前に 司法省が American Airlines の親会社である AMR と US Airways との合併阻止に訴えたとき,市場全体に冷や水を浴びせ,規制のクリアを待ち望んでいた その他の取り引きも スプレッドが拡大するという結果を招いた。その2ヵ月後,両社が譲歩して,反トラストの挑戦は取り下げられ,その取り引きは その後まもなく完了した。
     CFIUS の場合には,中国最大の豚肉会社 WH Group が アメリカの会社 Smithfield Foods を買収する取り引きを認可するのに 約 4ヶ月を要した。Bloomberg がまとめたデータによると,スプレッドが最大であった7月に買ったトレーダーたちは,9月に取り引きが完了するまでに 年率 17 % のリターンを得た。
     Reward Potential (リターンの可能性)
     昨日の終値 33.49 ドルで T-Mobile 株を買った投資家は,12ヵ月後に取り引きが完了する Sprint に [40 ドルで] うまく売れば,年率 19 % のリターンが得られる。取り引き完了がそれより早ければ,リターンは それより大きい。
     Albert Fried の特殊状況 および 合併裁定ストラテジスト Sachin Shah に拠れば,規制の認可のチャンスは,批評家が言うほど小さなものではないという。Son と Hesse は,合併後の企業は 超一匹狼であり,料金を引き下げることができる 強力な競争相手だと主張してきた。・・・ この件に詳しい複数の人が2月にそう言った。
     1,300 億ドルにのぼる テレコムとケーブルの巨大合併が立て込んで,軒並みに 規制の審査を必要としている状況は,Sprint / T-Mobile の認可にプラスに働くだろう。・・・ シカゴを本拠地として 合併の裁定取引に注目するヘッジファンド Chicago Capital Management LP の創立者 兼 総裁の Steve Gerbel がそう言った。
     Sandbox Time (砂箱の時間)
     Steve Gerbel は,電話インタビューで言った: "機会の窓が ここにある。ちょうどいまだ。規制当局は,今度はこれを見て言うだろう:'ちょっと待て,何もかも変わったぞ。'   彼らは,砂箱の中で一番弱い人種だ。だが,砂箱の中にいることはできるだろう。そこで合併もしなければ,一緒にもならなければ,無関係にはならないか?"
     Albert Fried の Shah は言う:Sprint との取り引きが駄目になっても,T-Mobile 投資家は,おそらく なんらかの商取引が得られるだろう。Dish の Ergen は,T-Mobile に対する ビッド戦争に割り込むつもりは無いとこれまでに言っているが,Shah の説明によると,規制の不確実性と 株式+現金方式は 彼にオファーするチャンスを与えている。
     "もしも きみが Ergen ならば,ここで一発 狙ってみないかね。T-Mobile の株主として,きみは,Ergen からお礼をもらえるだろうよ。"
    トランプ (trump):カード・ゲームで使われる用語であるが,日本では (若い人にはよく知られていることだが) 古くから 誤用されている。本来は「切り札」を意味する。これは 動詞としても使われ, 「切り札で切ること (to trump)」をも意味する。このタイトルでは,規制当局が 強い切り札を持っていて,それで合併提案を「切る」という意味に使われている。
     ブリッジを好む著者であれば,正確に "ruff" と書いたかも知れないが,それでは,意味が通じないと考えたのであろう。
    イベント・ドリブン (event-driven):ヘッジファンドの投資手法のひとつ。企業の合併・買収,再編・提携,新商品開発など企業の流れを変える大きなイベントが発生することを予想して,ポジションを取る運用手法えを言う。買収されることが予想される企業,新薬実験に成功しそうな製薬会社,大きな油田を発掘しそうな石油会社などが,イメージしやすい。成功が見込まれる場合は,買い持ちのポジションを持ち,失敗が見込まれる場合は,売り持ちのポジションを持つ。
    MKM Partners LLC:MKM Partners LLC is an institutional equity research, sales and trading firm. MKM Partners provides clients with timely and unbiased economic, technical, derivatives, event-driven and fundamental research. We have extensive experience in the agency execution of U.S. and international equity orders.
    Real FatREAL FAT とは?
    going against the grain:"grain" は,木材,石材などの 木目(もくめ),肌理 (きめ) を意味する。転じて,"自然な気持ち" を意味する。したがって "going against the grain" は,"本心に反して", "自分の性質,気質に反して" という意味になる。
    Pharmacy Benefit Management (PBM):薬剤給付管理。
    薬剤請求とコスト管理を行うことによって,臨床的 および 経済的に最高のベネフィット(利益) をもたらす管理,臨床情報や介入を提供する組織。PBM は,米国では 25~150社あり,上位8社で市場シェア 75% を占める。Merck や Lilly などの製薬企業が保有する PBM や ヘルス・システムなど,所有形態,サービス形態は多様である。
    CFIUS:対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)
     外国投資委員会(CFIUS)による対内資本買収の審査
    米国は,外国からの米国内直接投資(FDI)を歓迎するとともに,外国投資家を公正かつ同等に扱う。ただ,国家安全保障を保護するための例外はある。外国投資委員会(CFIUS)による審査の目的は,FDI を規制するのではなく,外国からの投資内容を精査し,米市場をできる限り公開するというもの。
     しかし,投資内容が米安全保障にかかわるものと大統領が判断した場合には,究極的には買収案件を拒否することも可能である。FDI を尊重しながら も国家安全保障を守る目的で国防生産法(Defense Production Act)を修正した条項が,通称,エクソン・フロリオ修正条項で,1988 年に成立した。エクソン・フロリオ条項は,財務省が議長を務める外国投資委員会(CFIUS)が監督する。2006年2月にアラブ首長国連邦(UAE)政府資本の企業ドバイ・ポーツ・ワールド(DPW)が,米国東海岸を中心に6つの港を運営する港湾管理会社を買収すると発表したことを契機に,審査体制の見直しを巡る議論が湧き起こった。2007年7月に改正法案が成立,2008年12月から新規則が施行されている。
      《CFIUSによる審査》
     外国人(政府・法人を含む)による米企業買収・合併・取得が「支配」となり,米国の国家安全保障に脅威を与えると判断される場合に同条項が適用される。
    WH Group:香港の WHグループ (万洲国際),豚肉供給で世界最大手である。
    機会の窓:window of opportunity. 機会が存在するごく短時間。
     用例:This afternoon, I had a brief window of opportunity when I could discuss this with the boss, but she wasn't receptive.

  15. Sprint or T-Mobile: An Easy Call Ahead of Deal
    スプリントか T-モービルか:取り引き前の安易な呼びかけ
    Wall Street Journal, 2014/06/05, 04:22 pm ET
    By Miriam Gottfried
    スプリント と T-モービルは,祭壇に一歩近づいた。だが,礼服を身に着けると,片方が他方よりも魅力的に見える。
     木曜日,Sprint が T-Mobile を 1株当たり 約 40 ドルで現金 および 株式で買う取り引き (純負債を含めて 全額 約 490 億ドル) が近づいているというニュースを受けて,両者の株価は,ともに下がった。もしも成功すれば,合併後の会社は,Verizon と AT&T に対して競争する3番手の大手となり,アメリカ無線市場の下部 (bottom end) を完成する。
     ところが,この取り引きが 規制当局の認可を得るチャンスは,ありそうもない。とくに, T-Mobile よりも Sprint の方に 極めて悪い含み (implications) がある。
     規制当局は,これまで,合併に対する反対を 明確に表明してきた。そして,ひとりの FCC メンバー Jessica Rosenworcel が,報道によれば,この買収について 予断を持たないと表明したものの,司法省の険しい懐疑論は そのままである。
     却下の確率が高いことを考慮すれば,投資家は,Sprint を評価する際に,この取り引きにより うわさ されている (UBS の試算によれば,毎年 35 億ドル以上の) 経営統合効果を考えるのではなく,これを独立会社と見なして 評価せねばならない。
     T-Mobile の株は,2014 暦年 EBITDA の 7.8 倍で 売買されているのに対して,Sprint は 9.3 倍であり,しかも 契約者を競争他社に奪われ続けている。Sprint の売り上げは,この先 2会計年にわたって,落ち続けることが予想されている。もしも 未婚のままでいれば,この倍数は,たとえば,7倍にまで下がり,株価は今日の 9 ドルから 6ドルあたりに転げ落ちることもあろう。
     他方。T-Mobile は,契約者数増の記録が,コスト増を招いた。だが,その見通しは,Sprint より明るい。業績予想に拠れば,売り上げは 2014 年に 17 % 増,2015 年に 8 % 増である。これは,T-Mobile が市場のシェアを取り続けるからである。もちろん,同社は,周波数を買い,さらなる資本支出のための資金を必要とする。だが,もしも Sprint との取り引きが実現しなければ,T-Mobile は 10 億ドルを越える違約金 (すなわち,1株あたり税引き前 1.25 ドル) を 現金とその他資産により Sprint から受け取る。
     重要なのは,T-Mobile も 買収の魅力的な目標だという点にある。同社の過半数を握る Deutsche Telekom は,売り手として成功している。そして,将来の アメリカ無線市場への参入者に,唯一の明確な道を示した。
     T-Mobile に ビッドする会社として 主に 考えられるのは,Dish Network である。Dish は 新たなビジネスへの転換を目指して無線電波を買っている。Comcast さえも,AT&T が そのビデオ領域を侵食すれば,ある時点で 無線への参入に関心を示すだろう。もしもこれらの婚姻がご破算になれば,T-Mobile が 掘り出し物として残る。
    UBS:ユービーエス・エイ・ジー(UBS AG)は,スイスに本拠を置く世界有数の規模を持つ銀行(ユニバーサル・バンク)である。
    スプリント社の会計年度:スプリントは,2014/03/31 をもって,それまで 12月31日決算であったのを,ソフトバンクに合わせて,3月31日に変更した。したがって,2014/01/01~03/31 の決算は,3ヶ月決算となる。このため,暦年 (calendar year) / 会計年 (fiscal year) の区別が必要となる。なお,世界の事実上の標準は,12月31日決算であり,日本の多くの会社は (とくに外国に子会社を持つ会社は),このところ 12月31日への移行を早めている。ソフトバンクの動きは,これに逆行している。

  16. Masayoshi Son Presses to Turn Sprint Around,
    For Japanese Billionaire, T-Mobile Is Crucial Piece to Telecom Puzzle

    Masayoshi Son が スプリントの好転を急ぐ。日本の億万長者にとって,T-モービルが テレコム・パズルを埋める欠かせないピースだ。
    Wall Street Journal, 2014/06/05, 07:44 pm ET
    By Ryan Knutson
    スプリント と T-Mobile は,約 320 億ドルの買収について 広汎な条件で合意に達し,最終合意に向けて詰めをおこなっている。このこと自体は 銀行家にとってすばらしいが,消費者にはどんな意味を持つだろうか? WSJ の記者 Ryan Knutson が News Hub に加わり,その詳細に立ち入る。
     昨年,Masayoshi Son が Sprint を買収したとき,テレコム業界とテック業界は,彼が何をするかを熱心に見守った。その答が "fall behind" (後れを取る) だと予想した人は,ほとんど いなかった。
     億万長者の Mr. Son は,成功を収めた 破壊性の強い成金として日本では うわさ が高く,彼の SoftBank は Vodafone から小さなキャリアを買い上げ,それを使って,日本の巨人2社を震撼せしめた。こうして,彼は,アメリカでも同様の効果を期待されていた。
     テック会社の経営者たちは,彼の計画について がやがやと話した。たとえば,AT&T の無線部門責任者 [後に CEO] Ralph de la Vega は,日本へのビジネス旅行の際,アメリカでは何が用意できそうかを知るために,SoftBank の無線ネットワークを品定めした。
     Mr. Son は,大きな変化を約束した。2012年10月に Sprint 買収を発表したとき,Mr. Son は投資家に向けてこう言った:"この会社は,我々の新しい資本を注入して,今後 非常にすばやく好転しようとしている会社です。さらに,我々のトラック・レコードは,歴史が証明しています。ちょっとのあいだ 見ていて下さい。"
     だが,220 億ドルの買収が完了した ほぼ1年後,Sprint は,アメリカ市場をひっくり返すには 遥かに遠い。 それどころか,Sprint は 手の込んだ (tricky) ネットワーク更新の中で,ライバル会社から加速する競争に追い立てられ,顧客を 大量に流出している。
     現在は,なお,SoftBank が Sprint を所有する初期段階であり,戦略と戦術の大きな変化は,これからであろう。しかしながら,ライバルの T-Mobile が,SoftBank 流の 積極的マーケティングと 斬新な料金設定という戦術を使って,Sprint を打ちのめし,多年に亘る契約者減を逆転し,市場のリーダー Verizon と AT&T に挑戦を始めた。
     このような結果を背景として,Mr. Son は,今度は それから1年も経たないうちに もうひとつの大きなアメリカ無線取り引きを追求している。それは,約 320 億ドルの値打ちを持つ T-Mobile の買収である。
     発散を続ける2社の資産は,(Sprint の努力が失敗に終わり,独立会社となることを強いられた場合の) Sprint のリスクを目立たせる。さらには また,高度に集中化した業界に T-Mobile が 持ち込んだ "競争という名の火花" を高く評価する規制当局の懸念をも際立たせる。
     2社は どちらも バルク・アップし続ける 大きなライバル会社と競争するためには,もっと大きな規模が必要だと言う。Verizon は,今年,Vodafone との無線ジョイント・ベンチャーの Vodafone 持ち分 45 % を 今年 1,300 億ドルで買い取った。AT&T は,最近 490 億ドルで DirecTV 買収を発表した。他方,Comcast は,Time Warner Cable を 450 億ドルで買収し,主として Wi-Fi ネットワークで 動作するサービスを通じて 無線市場に参入する意志を明らかにした。
     T-Mobile との取り引きは,(現在のところ Sprint が 絶望的なまでに 渇望している) 払いの良い契約者を Mr. Son に もたらすだろう。過去5四半期を通じて,Sprint は この業界で 価値の高い 後払い顧客を 250 万人流出した。他の3社は,どれも 何百万人も増やした。
     Sprint の株価は,今年 16 % 下がった。木曜日には,38 セント,すなわち 4 % 下がって,9.02 ドルとなった。

    後払い契約者数の増減 (100万人単位)。
    SoftBank は 2013/07/10 に Sprint を買収。
    T-Mobile は 2013/05/01 に MetroPCS と合併。
     Sprint も Mr. Son も,Sprint の好転が 一夜にして起こるとは 見込んでいない。同社は,予想より多くの顧客減に見舞われたことを認めている。だが,4G LTE ネットワークの配備中にも拘わらず,キャッシュ・フローが改善し,売り上げが伸びたと言っている。
     アメリカ第3位のキャリア Sprint は,2005 年の Nextel 350 億ドル買収により びっこを引く羽目になった。この取り引きは,結果として,互換性の無い 2つのネットワークと多年にわたる赤字とを残した。
     それでも Mr. Son は,Sprint を,彼の成長プランを推し進め,アメリカ市場に参入する手段と見なした。
     SoftBank CEO の Sprint に対する印象は,彼が Sprint の買収合意を発表して以来,進化を遂げた。当時 投資家との会見で Mr. Son は,CEO の Dan Hesse を賞賛して,Sprint が "強力な経営陣" を持っていると言った。[ところが] 次の秋には,Sprint を公然と批判して,Sprint は "負け犬根性" を持っていると言った。
     Mr. Son は,アドバイザたちに,Sprint のカルチャーを 動きの遅いテレコムから もっと攻撃的で柔軟な様相の新興企業らしく変換するのが 如何に困難であるかに驚いたと話した。Mr. Son は,Sprint 再生に助力すべく シリコンバレーに設立したオフィスに 1,000 人に のぼる SoftBank 従業員に異動を命じた。
     ひとつの大きな問題は,Sprint のネットワークだった。長年にわたり 設備投資が過少であったために,Sprint は,2010 年,ばらばらのネットワークを結合し,新たな 4G 技術への更新を促進するため,オーバーホール (点検整備) を発表した。技術者たちは,必要な修復のレベル [の低さ?] に驚いた。建設が始まると,顧客流出は さらに膨らんだ。・・・ これは,Sprint 経営陣が話してくれたことである。
     この作業は,Sprint のマーケティングに びっこを引かせることになった。経営陣は,手直し期間中は,新たな顧客を積極的に増やすことに躊躇すると言った。なぜなら,新たに来る顧客も その品質に満足しないと思われたからである。
     昨年,Sprint は,セールス部門とマーケティング部門で,リーダーの すげ替えを行った。今年は,ネットワーク技術関連の取締役を2人昇任させ,ネットワークの点検整備を監督してきた Steve Elfman の退任を発表した。
     Sprint 経営陣は,顧客の減少は,点検整備が 概ね完了した地域では 鈍化していると言う。だが,その成功は,点検整備が完了するまでは 分からない。Sprint は,この第 1 四半期に 33 万人を越える後払い顧客を失った。
     先月,[SoftBank の?] 発表会で Mr. Son は言った:"これには 数年 (a few years) を要する。私が Sprint を所有したのは たったの6ヶ月だ。"
     他方,T-Mobile は,テレコム業界の多くの人たちを ビックリさせた。長年の契約者減を すばやく ひっくり返し,ライバル会社たちから顧客を奪い返し始めたからである。同社は,長期契約を廃止して,タブレットのデータバンド幅を無償で提供し,キャリアを乗り換える顧客に支払いを行った。これにより,業界を揺り動かしているとして 面目を施した。
     Mr. Son は,T-Mobile のクチの悪い CEO John Legere を賞賛すると言った。Legere は,双方が合意に達すれば,合併後の会社を率いるものと見られている。T-Mobile は コメントを控えた。
    アップスタート,成金:(upstart)
     "急に立ち上がる" という意味から,成り上がり者,俄か分限 (にわかぶげん)

     
  17. Sprint, T-Mobile deal to face fierce U.S. antitrust headwinds
    スプリント / T-モービルの取り引きは,アメリカ反トラストの猛烈な向かい風に直面する模様
    Reuters, 2014/06/05, 07:17 pm EDT, 1時間前
    By Diane Bartz and Alina Selyukh
    ワシントン発 (ロイター) Sprint と T-Mobile は,合併に対する規制当局の懐疑の念を 和らげる新鮮な論法を 何か用意したらしい。しかし,政府は 依然として アメリカ無線市場を大手4社から3社に減らす認可には,乗り気でない。
     アナリストたちは,木曜日の両社の株価の下げは,規制のハードルの高さを反映していると言う。
    T-Mobile は,2.30 %,Sprint は 4.04 % 下げて引けた。
     日本の SoftBank に 2013 年 買収された Sprint は,(この件に詳しい1人が 水曜日に 話したところによると,) T-Mobile の1株あたり 約 40 ドル,すなわち 320 億ドルを払うことで合意した。これにより,Sprint は,これまで長いあいだ議論され かつ 論争のタネであった取り引きを,アメリカ携帯市場を作り直すべく,臨界点へと向けた (bring to a head)。
     だが,アメリカの 反トラスト および 通信の トップ執行官たちは,無線市場が密集し過ぎていると これまで 既に警告してきた。2011 年には,市場第2位の AT&T が T-Mobile を買収しようとするビッドを 司法省が 阻止した。
     勝ち犬の (top dog) Verizon と AT&T は,どちらも,契約者数で3位と4位の Sprint や T-Mobile の ざっと2倍の契約者を持っている。
     反トラストの司法長官代理 Bill Baer は,1月,彼の機関が大きな無線合併に賛成するのは 難しかろうと言った。
     Baer は,ニューヨーク・タイムズに話した:"4社を3社に減らすことが アメリカ消費者の利益の観点から 競争を現実に改善すると 説得できる主張をすることは,誰にとっても難しいだろう。"
     SoftBank の CEO である Masayoshi Son は,2月,ワシントンに講演旅行を行ない,FCC 議長 Tom Wheeler の助言を求めたが,予想される合併について冷たい応答を受けた。Wheeler は,そのスタンスを和らげるような暗示を一切 与えなかった。。
     反トラストの専門家たちは,Wheeler および Baer からの 異例の公開警報 (public cautions) を警告と受け止めている。
     ビジネス上の関係を守るための必要から 匿名を条件として話してくれた或る専門家が言った:"これは,彼らにとってタフな (つらい) 道だ。タフ,AT&T / T-Mobile の結果から見れば,この取り引きは,long odds (全然 起こりそうにないこと) だ。"
     司法省は,前回 取り引きを阻止した理由として,T-Mobile の役割を一匹狼 かつ 価格カッター (price-cutter) として注目した。あのダイナミックは 変わっていない。・・・ かつて FTC のベテランであり,今は自営をしている David Balto が言った。
     "市場には,競争を守る必要があるセグメントが存在する。それは,バリュー(ディスカウント)セグメントだ。そこでは,誰もが接近戦 (head to head) をする。"
     もうひとり,3人目の 反トラスト専門家は,これらの会社が 認可を勝ち取るために,未だ 出していないカードを持っているのだろうと言う:我々が 未だ知らない 立派な論拠があるのだろう。しかし,・・・ その確率は 天地の差だ。"
     SoftBank は,おそらく,Comcast / Time Waner Cable および AT&T / DirecTV の でかい 差し迫った合併が,メディアとテレコムの巨人たちをいくつも発生させるという危険を言い立てるだろう。
     この惧れは,5月,2015 年の 価値ある低周波電波のオークションで AT&T と Verizon の入札を制限することに FCC が投票により決定したときに強調された。
     だが,別の人たちは,今年 US Airways と American Airlines の合併が認可されたことを,競争会社の数を減らして強い3社を作る取り引きの長所を 規制当局が理解している しるし だと言う。
     共和党員で 以前 FCC のコミッショナーを務めたことのある Robert McDowell が言った:"彼らには,一発逆転の (game-changing) アイデアが必要だ。"
     "国内無線4社から3社に移行することに反対する '宗教的な' 信念を抱いている オバマ政権の思考様式 (mindset) を揺り動かすためには,新たな提案が無ければならない。私には,その提案が 何か 未だ分からない。だが,おそらく 彼らは それに基づいて動いているのだろう。"
    FTC(Federal Trade Commission:米連邦取引委員会)は,連邦の独占禁止法と消費者保護法を管轄する組織である。FTCは,国内市場が競争原理に基づき運用されることを確保し,活発かつ有効で,不当な制限から自由な状況を確保することを目指している。
    Game Changer:「試合の流れを変える選手」というのがおそらく元々の意味だったのではないかと思います。私が訳した原稿の文脈では「従来のやり方を一変させるもの」という比喩的な意味で使われていましたので,ここにメモしておきます。(なるほど! 訳語発見)

  18. Let's Be Clear: T-Mobile CEO John Legere Has A $42 Million Interest In This Sprint Buyout
    ハッキリさせておこう:T-モービル CEO の ジョン・レジャーは,このスプリント買収で 4,200 万ドルの利益を手にするのだ。
    Business Insider,2014/06/05, 4:40 EDT, 1 hour ago
    By Jim Edwards
     T-Mobile の CEO John Legere は,T-Mobile を Sprint に売却すれば,4,200 万ドルの報酬を受け取ることになっている。2社は,まさに そのために いま 320 億ドル合併の協議を行っているのだ。
     これは,いわゆる,利益相反 が 見られるひとつの例である。
     両社の意図は,これまで,さほど神秘的なものでは なかった。ニューヨークタイムズが [照準を合わせる] 記事で 報道するように:
     ・・・ Sprint と T-Mobile の競争会社たちによる合併と買収は,これら弱小2社をますます 極限状況に追い込み,それぞれが 5,000 万の契約者を持ち,無線サービスだけを行うという状況に到った。
     Sprint も T-Mobile も,どちらも 財源が十分ではないために,大手2社と競争できず,顧客を引きつけるだけのものを 一式そろえることもできない。その結果,両社とも,生き残る唯一の道は 合併だと信じている。
     したがって,(もしも Legere が T-Mobile を売却すれば 4,200 万ドルの支払いを会社から受け取れることになっている) Legere と T-Mobile との契約は,彼が T-Mobile を売却するように 動機付けるために特別に設計されたものである。これについては,T-Mobile が SEC に提出した有価証券報告書の 48 ページをご覧いただきたい。なお,昨年は,たった1年の在職で 2,900 万ドルを稼いだ。
     Legere さんは,交渉に当たって どのくらい強腰だったのでしょうか? たった一言 "yes" とさえ言えば,宝くじが当たったのですよ。彼は,T-Mobile の株主さんたちが 最良の取り引きを獲得するように 強腰だったのでしょうか?
     我々は,そうだったのだと思います。唯一の問題は,4,200 万ドルとパッケージになっているために,そうではないとも見えることなのです。
    利益相反:Conflict of Interest (COI).
    個人の自己利益と職業的 または 公的な利益が衝突する可能性のために,その個人の公平性を根底から損なう可能性のある状況を 利益相反と言う。
    John Legere $42,646,516
    J. Braxton Carter $13,797,559
    James C. Alling $12,423,015
    Thomas C. Keys $14,041,797
    Neville R. Ray $10,471,344

    SEC に提出した報告書:その 48 ページを見ると,確かに T-Mobile を売ることに成功した場合,John Legere が 42 億円を会社からもらえるほかに,腹心の4人も それぞれ 約 10 億円をもらえる契約になっている。これを全部合計すると,$93,380,231 となる。すなわち,T-Mobile をどこかの会社に売却できると,この5人が 約 94 億円という巨額を T-Mobile から受け取れる仕組みである。
     売却先はどこでもよいのだから,何も Sprint とは限らないでしょう。手っ取り早いのは,Ergen さんの Dish Network でしょうね。問題は,売却金額もあるでしょうが,経営権ですね。Ergen さんが Legere さんに社長職を渡すかどうか。これを巡って水面下の交渉が続いているかも知れない。 こちらは,相手が Sprint の場合とは違い,FCC などの審査に1年は掛からない。したがって,場合によっては,Sprint / T-Mobile の前に Dish / T-Mobile の提案が出て,Sprint が1人さみしく取り残される可能性は 否定できない。[ここに書いたことが ほぼ1年後に当たってしまった!]
     なお,ここで重要なのは,以前 日経で報道されたように "T-Mobile が Sprint を買収する" 方が自然なのですが,上記の事情を考慮すれば,それはありえない話であり,T-Mobile は 売却により消える必要があります。
     あと,ここで 一つ面白いのは,T-Mobile が なぜ 1年ほど前から 営業に新機軸をあれこれと打ち出して見事な成績を上げてきたか ・・・ が不思議でしたが,上のようにタネを明かしてもらえば, それは 全く不思議ではなかった。合計 94 億円をせしめるために 日夜粉骨砕身 Legere + 幹部4人が努力を重ねてきたと考えれば,つじつまが合います。
     それに,これは確かに 利益相反 では あるけれど,T-Mobile にしても,Deusche Telekom にしても,こういう契約は,損ではありませんね。 94 億円損するように見えても,それは企業の規模から見たら ほとんど タダみたいなものであり,たとえば,100 億円高く売ってもらえれば,それで十分お釣りが来る。

  19. T-Mobile and Sprint Zeroing In on a $32 Billion Merger
    T-モービルとスプリントが 320 億ドル合併で照準を合わせる
    New York Times, 2014/06/04, 08:51 pm
    By David Gelles and Michael J. de la Merced
    テレコム業界の再編成の波に呼応して,国内大手3位と4位の無線電話会社が 力を合わせる取り引きの条件に合意した。
     Sprint と T-Mobile は,これまで 何年ものあいだ 合併について交渉を行ってきたが,いつも先延ばしにしてきた。これは,どちらもが それぞれの取り引きに集中してきたためであり,また,反トラストの規制当局の審査を懸念したためでもあった。
     しかし,最近になって,双方は 320 億ドルの取り引きという条件で折り合いをつけた。この取り引きは,今夏 発表される見込みである。・・・ この件をブリーフした人たちが水曜日に言った。
     この取り引きの条件によれば, (まだ 予備的な条件であるが),Sprint は,T-Mobile を 1株あたり 約 40 ドルで 現金と株式により 買収する。この価格は,水曜日の終値の 17 % 増しである。
     交渉は,未だ完了しておらず,依然として 壊れる可能性がある。しかし,条件についての合意は,長いあいだ合併を模索してきた両社のあいだの関係にとって,転回点にあたる。
     Sprint と T-Mobile が いま 決断を急いだ理由は,ライバル2社,Verizon と AT&T が それぞれ 1億を越える契約者を抱えて,さらに恐ろしいまでに成長を続けているためである。
     Verizon は,昨年,1,300 億ドルで Vodafone から Verizon Wireless の支配権をフルに獲得することに合意してから,そのバランス・シートがさらに強化された。Verizon は,アメリカ最大の無線営業会社であり,地上腺,ケーブル TV および ビジネス用のサービスを提供している。
     第2位の大手無線プロバイダ AT&T は,最近,DirecTV を 490 億ドルで買収することに合意した。これにより 同社は,アメリカ最大の衛星 TV 営業会社を支配下に置く。
     ところが,ケーブル業界もまた 再編成中である。Comcast と Time Warner Cable は,452 億ドルで 最大のケーブル TV 運営会社を生むことに 既に合意している。合併により生まれる会社は,地上腺,インターネット および ビジネス用の強力なサービスを提供する。
     全体として,Sprint と T-Mobile の競争相手による これらの合併と買収は,これら弱小2社を ますます 置き去りにする (どちらも 契約者が 約 5,000 万人で,無線サービスだけを営業するという) 風景を作り出した。
     Sprint も T-Mobile も,どちらも 財源が十分ではないために,大手2社と競争できず,顧客を引きつけるだけのものを 一式そろえることもできない。その結果,両社とも,生き残る唯一の道は 合併だと信じている。
     Sprint も T-Mobile も,どちらも 過半数の株式を 大手国際テレコム・グループが所有している。これらのグループは,固有の行動計画 (agenda) を持っている。T-Mobile は,その 67 % を ドイツ テレコムが所有している。昨年,T-Mobile は MetroPCS と合併した。
     Deutsche Telekom は,多年にわたり,T-Mobile への投資から手を引く (get out of) ことを目指してきた。Sprint とのあいだに提案された取り引きでは,アメリカへの投資を減らして,合併後の会社の株式を 僅か 20 % 所有することになっている。
     他方,Sprint は,億万長者 Masayoshi Son が支配する日本のグループ SoftBank が過半数を所有している。Masa と呼ばれる Mr. Son は,日本の無線業界を作り変えた企業家であり,アメリカでも同じことをしようとする野心を隠さない。昨年 Sprint の支配を握ったのが,彼の第 1 ステップであった。そして,その取り引きを発表すると同時に,T-Mobile をも買収したいという願望を自ら認めた。Verizon および AT&T と競争するためには,規模が必要と考えたからである。
     BTIG Research のアナリスト Walter Peicyk が,財務成績の共通の指標を指して言った:"AT&T と Verizon は,この業界の EBITDA と資本投資を牛耳っている。そして,Son は,説得性のある主張をしている。彼らが無線業界で もっと有効に競争するために規模が必要というだけでなく,有線ブロードバンドのために新たな しかも 必要な競争を提供できると言っている。"
     もしも この夏に発表が行われれば,Sprint と T-Mobile を合併させるという取り引きは,きっと,規制当局の審査に直面するだろう。司法省の 反トラスト官僚たちは,既に,Comcast の Time Warner Cable 買収提案と AT&T の DirecTV 買収提案を検討中である。そこへ 第3の megadeal (メガ 取り引き) が 入り込む。規制当局は,これら3件の取り引きのメリットを同時に見ることになる。
     Mr. Piecyk は言った:"規制官たちは,たくさんの取り引きを目の前にして,今から 5年後に 市場がどうなっているだろうか とか 競争を最も良くシミュレートするにはどうすれば良いか とか,それも低い料金というだけでなく,投資が多い競争とはどうだろうか などを考える必要がある。"
     AT&T は,3年前に T-Mobile を買おうとした。この買収は,この業界を再編成するはずであったが,規制当局が,消費者の選択を狭めるので消費者のためにならないと強く主張して,それを実質的に阻止した。
     規制当局の判定の不確実性を考慮に入れて,この取り引きの初期の条件には,取り引きが完了しない場合には,Sprint が T-Mobile に 10 億ドル以上の Breakup fee を支払うとの条項が含まれていた。
     この取り引きには,数多くのハードルが残っており, 依然として如何なる発表も ずっと先のことである。両者は まだ 互いに Due Diligence を行っておらず,最終合意書の草案も作成しておらず,融資の手配も これからである。手続きをブリーフした1人によれば,7月発表もありうる。
     付け加えると,あまりに急に拡大したために,日本の Mr. Son は,かなりの負債を抱えた会社を作ってしまったことになる。合算すると,(SEC への報告書によると) 3月31日時点で,両者は,長期負債を 約 540 億ドル抱えている。
     T-Mobile の がむしゃらな CEO John Legere の問題もある。Legere は,この合併を支持しており,合併後の会社のリーダーとして浮上しそうである。Sprint の CEO Dan Hesse は,以前,降りる意志を表明した。
     Mr. Legere は,T-Mobile を好転させたものの,彼の小さめの会社は,長期にわたって Verizon と AT&T と戦うには,財務の火力が不足していると公然と言う。
     最近の決算説明会で 彼は言った:"5年やそこら このゲームをプレイすれば,資本の要請もある; 積極的にプレイを続けるやり方は 何通りもある;大きな奴らとの差を縮めるやり方もある。我々は,つねに言ってきた。この業界で最終的には,再編成ゲームなのだ。これは When (いつ) の問題であって,If (もし) の問題ではない。"

     Bloomberg と Wall Street Journal は,両社が取り引きの条件に合意済みであると夙に報道した。
     MoffettNathanson の上級リサーチ・アナリスト Craig Moffett は,予期される買収のタイミングは,ひとつには,Mr. Son が Sprint の株価が比較的高いうちに,Sprint 株式を 取り引きの通貨代りに使おうと やっきになっているためだと言った。
     しかし,Mr. Moffett は また,司法省 反トラスト部門と FCC の強い反対の可能性を,私的 ならびに 公的なコメントを引用して言った。
     彼は言う:"私は,この取り引きに 成功のチャンスを 10 % よりも多くは つけられない。"
     FCC と司法省が秤に掛ける3つの取り引き提案のうちで,Mr. Moffett は,Comcast と AT&T の提案の2つが通るだろうと考えている。なぜなら,3つ全部を認可するとか,3つ全部を拒否するとかは,政治的にどちらも支持されないだろう。"彼らは,少なくともひとつの買収だけは,生贄の子羊を見つける必要があるだろう。"
    due diligence:デューディリジェンス,口頭で「デューディリ」「デューデリ」,文章では「DD」と略すこともある。
     デューディリジェンス(Due diligence)とは,ある行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する際に,その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力のことで,転じて投資や M&A などの取引に際して行われる,対象企業や不動産・金融商品などの資産の調査活動である。
     法務,財務,ビジネス,人事,環境といったさまざまな観点から調査する。不動産に対しては,土地建物の状況を把握する不動産状況調査,権利関係を把握する法的調査に加えて,マーケティングを把握する経済調査を行ない,対象敷地の鑑定評価の前提条件とする。
     合併や経営統合などに伴う,契約締結前に行われたデューディリジェンスの結果は,契約内容に反映され,発見した問題点に応じて価格を決め,また,表明・保証対象とするなどの対応をする。(Wikipedia)

  20. Sprint, T-Mobile Said Near Accord on Price, Termination Fee
    スプリント と T-モービルが 買収価格と違約金で合意間近とのうわさ
    Bloomberg, 2014/06/05, 11:16 am
    By Alex Sherman
    この件の知識をもつ複数の人によると,Sprint は,T-Mobile 買収で,1株 40 ドル弱に T-Mobile を評価して,買収価格,資金構造 および 違約金について 合意に近づいている。
     この手続きがプライベートであることを理由に匿名を条件とした複数の人によると,Sprint は 約 50 % を株式で,50 % を現金で T-Mobile に提供し,ボンを本拠地とする親会社 Deutsche Telekom には,合併会社の株 15 % を残す。これらの人たちによれば,この合意は,早くも7月に発表されるかもしれない。1株あたり 40 ドル弱では,T-Mobile の株式価値 (時価総額) は,約 310 億ドルになる。
     取り引きは,アメリカ大手第3位と第4位の無線キャリアを一緒にして,AT&T と Verizon に対して,さらに恐るべき競争相手を発生する。Sprint を 80 % 所有し,日本を本拠地とする SoftBank の創立者である 億万長者 Masayoshi Son は,懐疑の念を抱く規制当局に対して,無線サービスとインターネット・サービスで消費者の利益になるとして,この取り引きを これまで 売り込んできた。
     2人が言った:T-Mobile の 約 67 % を所有する Deutsche Telekom は,少なくとも 1株 40 ドルを求めていた。SoftBank は,30 ドル台後半を払うことを望んでいる。これらの人たちによると,両社が折り合って,隙間を埋めた。これらの会社たちは,発表の日取りを まだ 設定しておらず,取り引きを完了する前には,新会社のマネージメントの決定を含む 多量の作業が依然として残っている。・・・ 上の人たちが言った。

     Bulking Up (バルク・アップ)
      T-Mobile は,ニューヨークの午後の取り引きで,6.5% 上がって 36.50 ドルとなり,Sprint は 4.8 % も上がった。SoftBank は,東京市場で 1.6 % も上がった。
     Sprint の広報担当者 Bill White はコメントを控えた。同様に,Deutsche Telekom の広報担当者 Andreas fuchs もコメントを控えた。T-Mobile の広報担当者 Anne Marshall は,コメントを求めるメッセージに応答しなかった。SoftBank の広報担当者 Hiroe Kotera は,コメントを控えた。
     Son は,通信業界にわたって業界再編成が 激しさを増すに連れて,Sprint をバルク・アップしようと狙っている。Verizon は,今年はじめ,Vodafone との無線ベンチャーの Vodafone 持ち株を 1,300 億ドルで買収・完了した。Comcast と Time Warner Cable は,合併を既に発表した。そして,AT&T は,衛星テレビ会社 DirecTV を 485 億ドルで買収しようと計画している。
     Enterprise Value (企業価値)
     企業価値に加えて,T-Mobile には,負債 約 145 億ドルと現金 55 億ドルがある。したがって,これらを加えて,同社の理論的企業価値は,約 400 [ママ,510?] 億ドルとなる。Bloomberg がまとめたデータによると,これは,これまでの T-Mobile の 12ヶ月の EBITDA の 8.6 倍である。他方,Sprint では,EBITDA の 9.7 倍である。
     この先 まだ残っている作業には,Sprint と T-Mobile の将来を合わせて および 独立に予測するモデルと構築することが含まれる。・・・ と2人が語った。これらの投影作業は,合併許可が消費者の最良の利益に適うことを規制当局に納得させるための要 (かなめ) である。2人によると,AT&T の DirecTV に対する取り引きが,強い主張をできるという更なる自信を Son に与えた。
     2人が言った。両サイドは,違約金についても 合意に近づきつつある。Son は,約 10 億ドルの支払いを希望しており,Deutsche Telekom は,30 億ドル近くをこれまで押している。・・・ と この件に詳しい複数の人が今月始めに言った;

      Bloomberg ニュースは,以前,取り引きが おそらく 6月 または 7月に発表されるだろうと報道した。この取り引きの発表は,8月にずれ込むかもしれないと 一人が言った。8月までに取り引きが達成できなければ,両社とも交渉を止めて,新しいアメリカ政権が発足するまで 数年間 (several years) 待つだろう とその人が言った。
    バルクアップ (bulk up) とは,ハードな筋肉トレーニングと食事により,筋肉を大きくして体全体を大きく強くすることである。ボディビルなどでは,バルクが先ずあることが大前提なので,よく使われる言葉である 。

  21. Sprint, T-Mobile Move Closer to a $32 Billion Deal,
    Sprint Would Buy T-Mobile for Around $40 a Share in Merger That Likely Would Face Regulator Scrutiny

    スプリント と T-モービルが,320 億ドルの取り引きへ これまでより近づく,
    スプリントは,規制当局の審査に直面する可能性のある合併に 1株 約 40 ドルで T-モービルを買おうとしている。

    Wall Street Journal, 2014/06/04, 8:04 pm
    By Ryan Knutson
    この件に詳しい複数の人によると,Sprint と T-Mobile は合併について,最近の規制当局の状況が 両社経営陣をして 取り引きの認可を得る好機到来と確信せしめ,T-Mobile を 320 億ドルと評価して,大筋合意に達した。
      これらの人たちが言った:契約条件によれば,今年夏早くに発生するかも知れない買収で, Sprint が T-Mobile 1株あたり 約 40 ドルを支払う。両社は 依然として正式の契約に向けて交渉を重ねており,その努力は 無駄に終わるかもしれない。しかし,もし完了すれば,この合併は,アメリカ第3位と第4位の無線営業会社を結合させて,業界のリーダー Verizon と AT&T に対抗する大きな競争会社を作り,消費者にはサービス選択の余地を今より少なくする。
     Sprint と T-Mobile のあいだの取り引きは,テレコム業界とメディア業界を一体化させる 業界再編成の波を押し広げ,規制当局からの強い反対に直面し,また 反トラストの長い審査に直面すると思われる。
     取り引きは,FCC と司法省の認可を必要とする。Sprint は,勝てるという大きな賭けをすることになろう。協議中の条件では,取り引きが拒絶された場合,Sprint は T-Mobile に 10 億ドル以上を払う。
     このギャンブルは,Sprint にとって危険が大きい。なぜなら,今でも借金を多く抱えており,過去7年のあいだ赤字を続けてきたからである。しかし,経営陣は,最近の FCC での展開(いわゆる ネット中立性についての論争 ならびに Sprint や T-Mobile のような小さ目のキャリアに対して好意的でない 新しい電波オークション規則) が,ここで素早く動くのが序盤戦術として有利との見方を生み出したと考えている。
     この件に詳しい人たちによると,両社ともに,現在行っている取り引きに 長期の生き残りが掛かっていると感じている。AT&T と Verizon は,この業界の価値ある無線顧客と収益の大部分とを支配している。しかも,T-Mobile は過去1年に ライバル他社から顧客を奪い,契約者減を増に反転させて,見事な競争を行ってきたが,どちらの経営陣も 無意味でない競争を長期にわたって行う最良の方法は,力を合わせることだと これまで言ってきた。
     Sprint 会長の Masayoshi Son は,激烈な競争家であることを誓い,これまで 合併を推進してきた。両方のサイドは,2015 年に有効となる (放送局が現在所有する電波の) 枢要なオークション規則を FCC が先月投票により認可した後,緊急性の新たな認識を持って取り引きの作業を進め始めた。この件に詳しい何人もの人たちによると,機関がオークション規則に行った改定を,この両社は合併に資するものと受け止めたという。
     FCC は,もともと 弱小キャリアのために取り置いた大きな電波帯を AT&T と Verizon にビッドさせない方針であった。ところが,主として AT&T による駆け込みのロビー活動により,FCC は,取り置く電波の量を減らすことに決定した。Sprint と T-Mobile は,この決定が 政府が合併を許可するのに必要な布石を与えると信じている。なぜなら,この決定は,自分たちが競争するのに十分役立たないからだ。
     FCC は,上位4社のいかなる合併があっても, 取り置きについては 再検討すると これまで言ってきた。
     両社は また,FCC の民主党員コミッショナー Jessica Rosenworcel が ウォール街の人たちとの私的な会合で,執務に予断を抱かないと発言したことにも 励まされた。共和党員のコミッショナー2名も この取り引きを どちらかと言えば歓迎するものとみられている。ただし,FCC 議長 Tom Wheeler と コミッショナー Mignon Clyburn は,どちらも 民主党員であり,反対の可能性の方が高い。
     FCC は,コメントを控えた。
     この取り引きが 今後浮上するタイミングは,ケーブル TV の巨人 Comcast が Time Warner Cable を 450 億ドルで買収することに 今年2月に決め,さらに,AT&T が 490 億ドルで 先月 衛星放送 DirecTV を買収決定したという2つの件について 規制当局が 熟慮する時にぶつかる。これら2つの取り引きは,通信ビジネスを新しい形にする。そして,以前の規制当局者たちは,政府が これらの結合した効果を考慮に入れるべきだと言っている。
     反トラストの権威筋は,2011 年,AT&T が 390 億ドルで T-Mobile を買う取り引きを打ち落とす前の 過去 10 年間 無線取り引きを次々に承認した。司法省は,競争を維持するには,アメリカ市場が4つの国内キャリアを必要とすると論じ,T-Mobile を,大手キャリアの料金を抑制するのに役立つ一匹狼であると称えた。
     規制当局は,あの決定の結果に満足の意を示し,それ以上の取り引きに不快の意を明らかにした。 T-Mobile は,2年契約や国際データ料金のように儲けになる無線業界の standby (頼りになる金づる) とは縁を切ることによって,顧客を勝ち取る積極的な戦いを仕掛けてきた。その結果,それまで長年にわたり契約者を減らしていたのに,2013 年には,いわゆる後払いの顧客を 200 万人以上 増やした。
     この件に詳しい人たちが言うところによると,この契約者数増を Sprint は 実体の無いものと言いたいようだ。そして,Verizon と AT&T がライバルよりもこんなに大きいままの状況では,いずれは 消え行くと言いたいらしい。Sprint の主張は,この取り引きが アメリカの真の競争会社を2社から3社にすることであり,4社から3社にするのではないということらしい。

     A deal, however, would complete the hollowing out of the U.S. wireless industry's midsection. In particular, recent deals have removed big sellers of cheaper prepaid wireless service, a market where Sprint and T-Mobile are now the main competitors.
     Sprint and T-Mobile are also considering forming a joint venture to bid together in upcoming auctions of wireless airwaves, the people familiar with the matter said.
     Under the broad terms the deal would be roughly 50% cash and 50% stock, the people said. T-Mobile's largest shareholder, Germany's Deutsche Telekom AG, would retain a stake of 15% to 20% in the new company, the people said. Based on roughly $40 a share and T-Mobile's outstanding share count at the end of the first quarter, a deal would value the company at around $32 billion.
     —Dana Mattioli contributed to this article.
     
  22. Sprint Chairman Makes Good Points for T-Mobile, But Will It Matter?
    スプリント会長は,T- モービルの件で なかなか良い点を衝いている。だが,問題は そこなのか?
    The Motley Fool, 2014/06/02
    By Brian Nichols
    Sprint Chairman Masayoshi Son, in a recent interview, made his case for being able to acquire T-Mobile without regulatory concern ー and it was a good one. He pointed to the countless and enormous mergers and acquisitions among telecom and cable providers involving peers Verizon and AT&T. While good points, investors shouldn't get their hopes up.
     Son makes a strong case (Son の強硬な主張)
     If Sprint were to be successful in its attempt to acquire T-Mobile, the outcome would result in the third- and fourth-largest U.S. telecom companies combining into one. Granted, this company would still have far fewer subscribers than both Verizon and AT&T.
     In an interview with The Wall Street Journal, Son makes a solid case for why Sprint's attempted acquisition of T-Mobile should be accepted without any controversy or resistance from regulators. Most notably, Son mentions Verizon's recent $130 billion acquisition to gain the remaining 45% stake of its wireless business.
     Also, AT&T recently made a $45 billion acquisition to bolster its video properties, adding more than 11 million new subscribers, and consequently sparking fears of a competitive advantage within both telecom and the satellite segments.
     Son's point is that each of the noted acquisitions are both larger and likely more significant from a competitive perspective than a combined Sprint/T-Mobile would be. AT&T's deal gives the company a large Latin American presence and a method to better combine video with telecom, while Verizon gains more control over the nation's largest network and will accumulate cash faster for acquisitions and capital expenditures.
     An acquisition of T-Mobile would give Sprint a growing and profitable business with valuable spectrum to improve its existing network.
     Here's the problem (ここが問題)
     Conveniently, the day following Son's comments, T-Mobile's parent company officially signed off on a bid by Sprint to acquire its 67% stake for an undisclosed sum.
     Yet, despite Son's efforts, his seemingly logical reasoning, his official bid, and promises to lower prices for consumers, this is a deal that's highly unlikely to occur. As you'll remember, one of the key complaints from the Federal Communications Commission, or FCC, when it blocked AT&T's attempted purchase of T-Mobile was that it would lower the number of national carriers from four to three. As a result, consumers would have fewer options, and despite promises for short-term price cuts, there are no guarantees that a merger wouldn't result in long-term price hikes or job losses due to consolidation.
     Another issue is spectrum, which allows for data to flow seamlessly. Telecom companies have been acquiring it aggressively in recent years because more spectrum means better flow of data. However, the FCC has been implementing new rules as of late, specifically restricting how much spectrum can be purchased by Verizon and AT&T in next year's massive low-frequency auction.
     But also, the FCC is set to vote on a cap related to acquiring spectrum in specific markets -- essentially, not allowing one carrier to own too much of the available spectrum in a market. Given the results of the first vote, many think this will be voted in, which would put a larger damper on Sprint's plan to acquire T-Mobile due to its exposure in urban areas. Combined, these things make it very unlikely that Son's efforts will pay off.
     Final thoughts (最後の考え)
     これら全てのこと [すなわち,4社を3社に減らすことが消費者の不利を招くという FCC と司法省による反対 ならびに 合併により 電波が増え過ぎることによる FCC の反対] を考慮に入れても,この合併提案を FCC が阻止しそうな 最後の理由が存在する。そして,Son の論理は,これとは 無関係だ。その理由とは,Sprint が 外国の1会社により所有されているということだ。この外国の1会社が,T-Mobile を買収すれば,アメリカ国内4社のうちの2社を支配する。それだけでなく,とても重要なアメリカの電波を 外国の1会社が 沢山持つようになる。Son の意図は正しいであろう。なぜなら,彼の計画は 消費者側に立っているからだ,しかし スプリント株主にとっては 不幸なことに,これが実現することは ありそうもない (unlikely)。
     
  23. Sprint T-Mobile would face hurdles getting merger approved, says Bernstein
    Bernstein:スプリント / T-モービルは,合併の認可を得るのに ハードルに直面するだろう
    theflyonthewall.com, 2014/06/02, 07:02 EDT,9時間前
    規制当局は,Sprint / T-Mobile の合併について いくつかの (several) 質問をして,それに対する回答を評価した後,短期で考えて直ちに認可を得るための好材料とは その回答を見なさないだろうと Bernstein は 考える。そして,両者の株を Market Perform レーティングに据え置く。
    Stanford Bernstein:Sanford C. Bernstein & Co., also known as Bernstein, is a US financial research company which has been a subsidiary of Investment management firm AllianceBernstein since 2000. It is the sell-side research unit focusing on providing services to investment managers, but also has its own sales and support functions for private clients. The company is majority-owned through its parent by the French insurance company AXA
     Market Perform:Definition of 'Market Perform'.
     An investment rating used by analysts when the expectation for a given stock or investment is that it will provide returns in line with those of the S&P 500 or other leading market averages.
     Market perform is a neutral assessment of a stock and is neither strongly positive or negative. If, however, the stock has gone through a period of market underperformance, it is an indication that the stock is expected to improve its performance relative to market averages.

  24. Deutsche Telekom willing to keep stake in T-Mobile-Sprint tie-up
    ドイツ テレコムは T-モービル / スプリント 連携に株を残したい意向
    Reuters, 2014/05/29, 3:19pm EDT,1時間前
    By Nicola Leske and Harro Ten Wolde
    状況に通じた複数の情報源によると,ドイツテレコムは,日本のソフトバンクに T-モービルを売る取り引きにおいて,少数の株式 (~15 %) を残したい意向である。買収価格や資金調達などその他の詳細は,まだ残っており,今後 詰めることになっている。
     SoftBank は,アメリカ第3位の無線キャリア Sprint の過半数を所有する。Deutsche Telekom は, T-Mobile の 67 % を所有する。T-Mobile は,アメリカ第4位の無線キャリアであり,その市場価値は 276 億ドルである。
     木曜日 朝早く,共同通信は,SoftBank が T-Mobile を買う計画に Deutsche Telekom が同意したと報道した。
     だが,この交渉に詳しい複数の情報筋は, 両社がこの取り引きに熱心であるものの,(アメリカの大手モバイル競争会社の数を4から3に減らすので) 規制当局の認可を得る問題を含めて,この取り引きの扱いは 複雑である ・・・ とロイターに 告げた。情報筋は,如何なる決定も差し迫っていないと言った。
     Deutsche Telekom と Sprint の代表者は,コメントを控えた。T-Moble には 直ちに連絡が取れなかった。
     SoftBank 社長 Masayoshi Son は,T-Mobile を買収して これを Sprint と合併させ,新会社を 市場のリーダーである AT&T と Verizon に対抗して能く競争せしめんと,これまで 長い間 ずっと熱心であった。Son は,これまでに,AT&T と Verizon が実質的に寡占状態にあり,消費者にとってブロードバンドの速度を遅くしていると言った。さらにまた,Sprint / T-Mobile の結合が,大掛かりなネットワーク更新をするのに十分な金を持った企業を産み,新たなサービスにより市場を震撼させるであろうとも言った。
     2週間前,Deutsche Telekom CEO の Timotheus Höttges は,アメリカ・テレコム市場での業界再編成には,何の偏見も持たないと言った。アメリカ市場からの退場は,ドイツ グループに 本国市場でのネットワーク更新に 多量の投資を可能にし,さらに,東ヨーロッパへの営業を増強することを可能にする。
     しかし,アメリカ FCC 議長と アメリカ司法省長官は,消費者にとって料金が挙がる結果になるというリスクを含めて,そのような連携に 繰り返し 懸念の声を挙げてきた。2011 年,規制当局は,AT&T が T-Mobile に 390 億ドルの買収ビッドを掛けたのを拒絶した。
     不成功に終わった取り引きの break-up fee として,AT&T は T-Mobile に かなりの現金とモバイル電波 [注:合計で 30 億ドルと言われている] を与えた。これが,結果として T-Mobile を若返らせ,顧客を取り戻し始めることを可能にした。T-Mobile の最近の成功は,市場が4社を維持できることを示すものだと規制当局は言う。
     Deal Terms (取り引きの諸条項)
     SoftBank / Deutsche Telecom に詳しい情報源によると,如何なる取り引きであれ,規制当局を説得して 彼らを心変わりさせられるかどうかに掛かっているという。
     この両者は,他の問題も これまで少しずつ片づけてきた。
     情報源が言った:ひとつの可能性として,Deutsche Telekom は,この取り引きの一部として,T-Mobile 株 約 15 % を手許に残す。< ロイター日本語版は,ここでカットした。>これは,Sprint が T-Mobile に対して書かねばならない equity check の大きさを小さくするのに役立つ。同時に,Deutsche Telekom は,合併から得られる経営統合効果から利益を得るチャンスを見込める。
     Deutsche Telekom は また,AT&T のときよりも break-up fee に関して SoftBank の言い分を呑むらしい。その理由は,結合後の新会社を率いるのが T-Mobile の CEO たる John Legere になりそうであり,しかも [合併後の会社の] ブランドは,T-Mobile ブランドの方が生き残る (survive) と見られているからだ。これにより,T-Mobile は,[たとえこの合併が不成立に終わっても?] 前回 AT&T との合併で長引いた規制手続き期間中に取り組まねばならなかったような契約数減と勢いの衰えとを回避することができる。・・・ 2人の情報源が言った。
     今月はじめ,或る情報源は ロイターに,Sprint が銀行団と交渉中であり,ライバル T-Mobile に推定価格 500 億ドル (~5兆円) の値札をつけて,買収の資金手当てをしていると語った。
     決断を迫るイベントとしては,2015 年前半に予定されている アメリカでの電波オークションがある ・・・ Deutsche Teleckon の考えに詳しい1人の情報源が言った。
     このオークションは,強さと届きやすさの両面で値打ちの高い電波へのアクセスを購入する機会をキャリアに与える。しかし,売り出しの規則は,最新の競争的風景に依存する。そして,もしも Sprint と T-Mobile が一緒になれば,FCC は その規則について改定を必要とするだろう。
    Equity Check:What is Equity Check ?
    Equity Check gives you a quick and clear understanding of any customer’s equity position. Whether you’re trying to evaluate the risk of acquiring a new customer or assessing the collectable assets of an existing borrower, Equity Check gives you accurate and up to date equity information so you can make informed decisions that minimise your business risk.
     Equity Check provides a snapshot of an individual’s net worth (excluding savings and investments), identifying positive and negative equity positions, and revealing how much equity an individual holds in a property, either as an amount or as a %age of total value.

  25. 速報:ソフトバンクの Tモバイル 買収,親会社が容認
    GGSOKU: 共同通信, 2014/05/29
    速報 ― 共同通信は29日,Tモバイル の親会社であるドイツテレコムが,(米スプリント経由の) ソフトバンクによる Tモバイル の買収を容認したと伝えている。これを経て,ソフトバンクが進める米国携帯キャリア再編の流れが,また一歩進む。
     今月初めには,スプリントが Tモバイルの買収にむけて JPモルガンやゴールドマン・サックスなど,複数の銀行と資金調達交渉を行っていると報じられており,日本からは,ソフトバンク・グループと強い結びつきがある「みずほフィナンシャルグループ」の名前も挙がっていた。
     一方で,米司法省やFCC(連邦通信委員会)は,業界4位である Tモバイル が スプリントに買収されることを望んでいないといった見解を示している。
     また,ドイツテレコム側は,スプリントによる Tモバイル 買収が失敗した場合に手切れ金(違約金 / Break-Up Fee)を10億ドル程度要求しているとされており,その条項について どのように折り合いがついたのかについても 注目が集まる。
     今後,関係当局との交渉を進めていく上で,Tモバイル とスプリントの両方が持つ周波数帯の開放や,市場競争が弱まることに対する打開策を模索する必要がありそうだ。
     
  26. Sprint Chairman Makes Case for T-Mobile Deal,
    Masayoshi Son Argues Internet Access in U.S. Is Dominated by Three Giants

    スプリント会長が T-モービル取り引きについて自説を主張する,
    Masayoshi Son が アメリカのインターネット・アクセスが3つの巨人により支配されていると論じる
    Wall Street Journal, Updated 2014/05/28, 4:15 p.m. ET,1時間前
    By Douglas MacMillan and Ryan Knutson
     Sprint 会長 Masayoshi Son は,もしも彼の会社が ライバルである T-Mobile を買うことが許されるならば,ネット中立性の原則を守ると約束した。この発言は,議論の多い取引について彼の主張を打ち建てる中で,規制当局にニンジンを提供するものだ。
     Mr. Son は,最近のテレコムとケーブルの合併にも言及し,インターネットへのアクセスが 現在は 3大巨人により支配されており,Sprint と T-Mobile を結合させれば,恐ろしい競争会社になりうるだろうと述べた。
     この動きは,Sprint / T-Mobile の取り引きに対する反トラスト機関と規制当局の抵抗を柔らげることを狙いとしてなされた。政府は,アメリカ無線業界での国内競争会社数を4から3に減らすという理由で,このような取り引きに反対する意向であるとのシグナルを これまで伝えてきた。
     しかし,Mr. Son は,新たな議論の筋道を開始して,政府が,(単に無線市場だけを見るというのではなく,テレコム会社提供であれ ケーブル会社提供であれ [区別せずに]) インターネット・アクセスというレンズを通して 競争を 見るべきであると言った。
     Sprint を現在 支配している 日本の会社 SoftBank の社長でもある Mr. Son は言った:"今,3つの大きなプレイヤーがある。そのどれもが ますます大きくなっていく。もしも 誰かが 3より4が良いというのなら,私は,それに合意する。我々が 4番目になるべきだ。"
     Mr. Son が暗に言っているのは,次の3つの大型買収の件である。まず,今月はじめ,AT&T が 衛星放送の DirecTV を 490 億ドルで買収すると発表した。2月には,Comcast が Time Warner Cable を 450 億ドルで買収すると発表した。もうひとつは,今年はじめ,Vodafone Group が アメリカで Verizon と共同事業を行っていたのを,Verizon が 1,300 億ドルで買い取った件である。
     Sprint は 未だ正式には T-Mobile にビッドしていないが,これまで地ならしをしてきており,もしも規制当局の認可が得られれば,両社は 明らかに 合併するだろうと見られている。これまでのところ,規制当局は そこまでの恩恵を示してはいない。カリフォルニアで開かれた Code Conference で Mr. Son は言った:
    "彼らは,我々に話しかけようとするつもりは無い。"
     これらの取り引きは,多年にわたって予期された (別々の業界の巨人たちが 新たな市場で ますます激しく 戦うに連れて,競争が さらに激化するという) インターネットを取り巻く 収束への動きである。しかし,批評家たちや 以前の規制当局者たちは,このような合併に警告を発してきた。その理由は,前宣伝されるような競争の波が 実際に現れなければ,消費者にとって 選択肢が減ってしまうだけなので,それらの各業界ごとに まず 再編成を行うべきだ ・・・ というものだった。
     これらの取り引きは また,FCC に これまで法廷で面倒に遭ってきた案件について 徹底した合併審査の機会を与える。連邦判事は,これまで FCC が いわゆる (インターネットのトラフィックは平等に扱われるべきであるという) ネット中立性を強化しようとした試みを 2度 却下した。だが,Comcast と AT&T は自分たちの合併の一部として,ネット中立性の規則を遵守することを誓っている。水曜日,Son も同様のことを Sprint から付け加えた。
      Mr. Son は,いつ取り引きが発生するかについては,コメントしようとしなかった。しかし,両社の結合が,業界の最大手たちと競争するに十分なネットワークを展開する為に必要な 効率と売り上げとをもたらすだろうと言った。
     "今のところは,そういうことだ。大手3社が情報スーパーハイウェイを支配しようとしている。"

     
  27. Dish Network ponders options after AT&T deal for DirecTV
    Dish Network が選択肢を あれこれ考える。AT&T の DirecTV への取り引きを受けて
    Financial Times, 2014/05/22, 04:21 am
    By Paul Taylor in New York
    今週始め,AT&T が DirecTV とのあいだで 490 億ドルのビッドに合意したと発表した。この取り引きにより,Dish Network 社と (かつて ポーカーのプレイヤーだった) その会長 Charlie Ergen は寒空の中に放り出されたように見える。
     この取り引きの余波を受けて,Dish の株価は ほぼ 6 % 下がった。これは,投資家のあいだで DirecTV へのビッドが,Sprint の T-Mobile への(予想される) ビッドと合わせて,Dish の戦略的パートナーを事実上消すという考えを反映したものである。
     だが,Dish を共同設立して,アメリカ第2位の衛星 TV 営業会社に育て上げた Mr. Ergen は,busted hand を手にしているのではないか? あるいは,アメリカのビデオ,ブロードバンド, および モバイル・テレコム市場の再建に先陣を切ることができるのだろうか?
     Dish は,これまでに,破産した会社たちから衛星用周波数を買い上げ,かなりの大きさの周波数ポートフォリオを作り上げ,それらの周波数を 固定された無線ブロードバンド・ネットワークとして使えるように再分類するよう アメリカ規制当局を説得した。
     この合意により,Dish は,ネットワーク建設を始めるか,懐の深いパートナーを見つけ,必要な多額の資本支出に資金提供してもらうか,あるいは,清算して周波数を売却するか ・・・ それまで2年の余裕がある。
     AT&T の取り引きが発表されるまでは,大多数のアナリストは,Mr. Ergen が,確立されたモバイル・ネットワーク営業会社に 周波数を売るか または Dish を丸ごと売るか,さもなければ,もう一度 DirecTV に合併を提案して規制当局に挑戦するか ・・・ そのいずれかであろうと考えていた。しかし,今では その選択肢は ずっと限られているように見える ・・・ そう アナリストたちは言う。
     MoffettNathanson のアナリスト Craig Moffett が言う:"Dish Network は 立ちんぼのまま 残された。"  彼は また,FiOS の ブロードバンド,テレコム, および TV サービスを営業する Verizon が Dish にビッドを掛けるという見方に疑いを投げ掛ける。"Verizon が買ってくれるというのは,分析 (アナリシス) というよりは,希望的観測 (wishful thinking) である。"  と 彼は言う。Moody のアナリストも,Verizon のビッドは,"大いに疑わしい" と言い,"Verizon は,むしろ FiOS の建設を拡大し,Redbox との共同ベンチャーで始めたような コンテンツの集積と配布 (ビデオ・オンデマンドと OTT) に更に投資する可能性の方が高い。"
     何人かのアナリストが考えている選択肢は,Dish が DirecTV に対抗してビッドすることだ。しかし,10 日前の第 1 四半期決算発表で,Mr. Ergen は,Dish の財政状態では,DirecTV に対して AT&T より高値をつけるとか,T-Mobile に対して Sprint と 日本の親である SoftBank より高値をつけられるような状況にはないと認め,そのような可能性を排除したように見える。
     それにも拘わらず,Moody のアナリストたちは,もしも Dish が固定された無線ブロードバンド・ネットワークの計画を追求するつもりなら,T-Mobile との取り引き以外には方法が無いと論じる。
     彼らは,今週,ノートで言った:"Dish は,資本と財政の柔軟性を十分に持っており,T-Mobile の支配を買うことができる。しかし,T-Mobile が AT&T と Verizon の資本消費に対抗するのに必要な資本を提供するだけの力は無いし,固定された無線ネットワークを建設するために必要な十分の資本も持っていない。"
     Mr. Ergen も,これを ひとつの可能性と考えているようだ。もしも規制当局が Sprint のビッドを阻止した場合,T-Mobile にビッドを掛けることに関心があるか? と問われた同氏は,答えて言った:"もしも Sprint が前進しなければ,あるいは 拒否されれば,T-Mobile は,我々にとって戦略的関心の対象であろう。"
     Mr. Ergen は,Sprint が じっさい T-Mobile に対してビッドを仕掛けて,規制当局が結合を拒否し,その結果 Dish が割り引き価格で 支配を買う機会が来ると望んでいるのだろう。
     Moody のアナリストたちは,買収の合意が得られないとしても,DirecTV の代りになるような 懐の深いパートナーが,Dish には,別に必要だろう ・・・ と言う。 "問題は,Dish の支配株主である Charlie Ergen と 誰が喜んでパートナーを組むかということだ。この社長は,法廷でパートナーシップを打ち切るようなことをして,支配を維持しようとしているのだから。"
     Mr. Ergen は,その胸の近くにカードを持っている。先週,記者たちに自分の戦略を説明して,彼は言った:"私が ポーカーをしていた頃,誰もがチップを投げて,夢中になってテーブルに賭けていた。私は ほんとに良いカードを持っていた。私は いつも傍観する方がよいと感じていたし,みんながどうするかを観察していた ・・・ 彼らが何かをすれば,私は何かに気づいた。そして ・・・ 私が傍観していると,彼らは,私が何を持っているかを何も気づかなかった。私は,自分のカードを信じればよいことに気づいた。"
     さらに付け加えて言った:"私は,ポーカーのプレイヤーとして,さほどうまくはなかった。しかし,飲んだくれたちが あたりに金を投げ散らしたとき,私は一日の終わりには,大金を集めることができた。"
     busted hand:ポーカーで,ワン・ペアにも勝てないような 無意味な手。それでも,ポーカーであるから,弱みを全く見せずに勝つこともありうる。
      deep-pocketed:懐の深い,深いポケットの。
    "Deep pocket (深いポケット)" は アメリカのスラングであり,"広大な金融資産" を意味する。通常,大企業について使われる。
    [用例] The American tobacco companies have "deep pockets".
     ただし,稀に個人について使われる (たとえば,Bill Gates について)。
     Verizon FiOS:Verizon FiOS is a bundled Internet access, telephone, and television service that operates over a fiber-optic communications network.
    要するに,全てのサービス (インターネット,電話,テレビ) を 光ファイバーで行なう Verizon のサービスである。
     Redbox:Redbox Automated Retail, LLC is a subsidiary of Outerwall, Inc. specializing in DVD, Blu-ray Discs, and video game rentals via automated retail kiosks. As of the end of November 2012, Redbox had over 42,000 kiosks at more than 34,000 locations.
     ISP:(Internet service provider)
    ISP = インターネット・サービス・プロバイダ。
     OTT:(Over-the-top content)
     通信会社や ISP とは無関係に,インターネット上で提供される 通信容量を大量に使用するサービス, および そのようなサービスを提供する事業者を言う。
     パソコン/スマートフォンからインターネットを通じて 誰でもオープンに利用できる動画や音声の配信サービス,音声通話,ビデオ通話サービスなどが,これに当たる。
     従来このようなサービスは,インフラの構築・維持や代金回収などに 通信会社や ISP の協力が 不可欠と考えられ,通信事業者自身あるいは提携・合弁した企業などにより 提供されることが多かった。これに対し,OTT事業者は,通信回線を単なるデータの通り道と考え,インターネット上の独自の Web サイトや,独自のソフトウェアや端末などを通じて こうしたサービスを提供している。

  28. Deal-Making Patience May Prove Dish's Virtue
    取り引き成立への忍耐が,Dish の*を証明する
    Wall Street Journal, 2014/05/20, 04:50 pm
    By Miriam Gottfried
    Dish Network の戦略的選択肢は,だんだん減っていくかのように見える ・・・ もちろん,それは,意図的に削ぎ落としてるのでなければ の話である。
    4社の時価総額の比較(単位は 10 億ドル)
     Dish は,衛星 TV では成長が止まるとして,新たな事業への転換の助けとして,電波をこれまで購入してきた。このため,日曜日に AT&T が DirecTV を買収すると発表したとき,多くの人たちは,Dish に想定される2つの合併相手が テーブルから消えたものと思った。
     AT&T は,これまで Dish を買収する筆頭候補と見なされてきた。なぜなら,Dish は,衛星 TV の顧客を持っている上に 値打ちのある電波を持っているからだ。そして,もしも Dish 会長の Charlie Ergen が支配権を手放すことを厭わなければ,多くの投資家は,衛星ライバル DirecTV との合併を 既に見ることができただろう。この合併は 大まかに言って 300 億ドルになるだろうが,もうひとつの良い賭けである。
     このどちらの選択肢も浮上してこなかったことから,Mr. Ergen が,そのような取り引きに さほど熱心でなかったことが分かる。支配株主として,もしも AT&T に自分の会社を買って欲しかったのであれば,値付けの野心を下げることだってできただろう。また,その代わりに,もしも 衛星 TV で double down するつもりがあったなら (しかも 規制の厳しいハードルに直面することも 想定できていたならば),DirecTV にビッドを掛けることもできたはずだ。今月始めに開かれた 第 1 四半期の電話会議で,Mr. Ergen は,AT&T は "DirecTV に目を向けないとは,気違いじみている。" と言い続け,どちらのプランも公然と不採用の方針を示した。
     こうなると,Dish への投資家は,Mr. Ergen が 価値を創造してくれる 何か もっと良い計画を練っていると 信じるに違いない。ひとつの可能性は,Verizon が Dish を買うことに関心を持っているかどうかだが,火曜日,Verizon の CEO Lowell McAdam が投資家向け会議で,自分は 衛星会社を持つ気はないと言ったために,頓挫したらしい。だが,そうは言っても,Verizon が Dish とパートナーを組んで Dish の周波数を使うとか,あるいは Dish が電波を売りに出せば,すぐさま買うというようなことが,無いとは言えない。
     Dish にとって 最も有利なのは,おそらく,Dish と Sprint,あるいは Dish と T-Mobile の合併だろう。 T-Mobile は,これまで 熾烈なプロモーションにより市場シェアを獲得してきた。その結果として,無線業界を料金戦争に追い込んだ。Sprint は,ネットワークのスピードを回復しようとする中で,顧客を失いつつある。T-Mobile を買いたいことは明らかだ。だが,規制当局は,この取引についての懐疑心と国内無線業者を4社に保持したいという関心を,異常なまでの声で挙げている。
     Dish が この2つのどちらかの会社と 取り引きできれば,競争を維持したいという政府のゴールが果たされる。どちらの場合にも,AT&T / DirecTV が (両社とも ペイ-TV を営業しているために) 直面しそうな 規制のハードルは,避けられる。
     T-Mobile の市場での位置 ならびに Sprint の大株主 SoftBank が Sprint 買収後1年も経たないうちに Sprint を売ることはありえないという事実から,この可能性のほうが魅力的に見える。
     Dish は,Sprint が T-Mobile にビッドを仕掛けるのを待っているのだろう。そして,規制当局が邪魔をすれば,急襲しようと待ち構えている。だが,待っていれば,Sprint のビッドが認可されるリスクがある。とは言え,その場合には,合併した両社とパートナーを組むこともできる。そして,もしも Sprint のビッドが そもそも成立しなければ,Dish は,T-Mobile が受け取るはずだった 法外の breakup fee の恩恵に与かることもできよう。
     Dish は,依然として,テーブル上に いくつかのオプションを持っている。
    virtue:日本語では「徳」と翻訳されます。しかし,辞書を引くと,(1) 美徳,高潔 (2) 貞節
    (3) 美点,長所 (4) 効力,効き目 などがあり,どの訳語を与えるべきか 多くの場合に 迷います。
     この単語は,vir (Lat.,man,男) を語源とする virtus (Lat, manliness,男らしさ) から生まれました。「男らしさ」には,いろいろの種類があります。たとえば,戦場での勇敢さ,それから 優れた人徳,さらには,艱難辛苦に耐える男らしさ,・・・ などがあるため,さまざまの訳語が発生します。この記事のタイトルに見られる "virtue" は,記者が古典の素養が深いために,最後の意味を込めて,このようにしたものと想像されます。
    double down:(idiomatic, by extension) To double or significantly increase a risk, investment, or other commitment.  リスクを2倍,または 著しく大きく取ること。

  29. AT&T-Comcast Deals Forming Regulatory Logjam: Real M&A
    AT&T と Comcast の取り引きが規制当局で 糞詰まり:現実の M&A
    Bloomberg, 2014/05/20, 11:39 pm GMT +0900
    By Tara Lachapelle, Elizabeth Wasserman and David McLaughlin
    アメリカのケーブル業界とテレコム業界を規制することは,ますます複雑になり,AT&T から 日本の SoftBank まで,取り引きに飢えている会社たちにとって 更に遅れが出そうだ。
     Bloomberg Industries によれば,Comcast による Time Warner Cable の買収と AT&T の今回の DirecTV 買収との間には,認可を求める ケーブル および テレコム プロバイダたちを結ぶ 1,300 億ドルを越える取り引きが存在する。それらは,FCC を含む規制機関の目の前に いちどきに 押し寄せる大量の ペイ-TV 資産である。だが,これで終わりにはならないだろう。アナリストたちは,Dish Network が合併相手をさがしているのを知っているし,Sprint の親である SoftBank が T-Mobile を目指して争い続けているのも見ている。
     ニューヨークに本社を置く Telsey Advisory Group の Tom Eagan は,電話インタビューで言った:”これは,すべての取り引きを押し戻す。なぜなら,規制当局は,市場の振れが大きくなることを理解すべく務める必要に迫られるからだ。彼らは思案しているかもしれない。ここに,もうひとつ別の取り引きがあってもよかろうとか・・・。彼らは,全く何も無いところで決定を下すつもりは無いのだ。"

     アイオワ大学法学教授 Herbert Hovenkamp は言う:"AT&T と DirecTV との連携は,合併した Comcast / Time Warner Cable に対する強力な競争相手を生み,Comcast が逃げ場を見つけるゆとりさえも奪うかもしれない。"  また,ニューヨーク大学法学教授で 元法務省の弁護士であった Chris Sprigman は言う:"2011 年に AT&T が (無線キャリアの数を4から3に減らしたかも知れない) T-Mobile 買収を阻止されたことを考えると,Sprint と T-Mobile は,今回の AT&T の買収により,さらに高いハードルに直面するだろう。
     ‘Dizzying’ Relationships (目の眩むような相互関係)
     ニューヨークを基地とする New Street Research 合同会社のアナリストで,以前は M&A 銀行家をしていた Jonathan Chaplin は,電話インタビューで言った:"規制当局は,考えなければならない相互関係とインパクトが 目の眩むほど たくさんある。これまで チェッカーで遊んでいたのが 4次元のチェスを指すことになった。"
     Comcast は,2月に 約 680 億ドルで Time Warner Cable の買収を発表した。この金額には,純負債が含まれる。アメリカ最大のケーブル会社を更に大きくするこの取り引きの知らせから数日以内に,AT&T は それに対する応答を計画していた。そして 5月18日,AT&T と DirecTV は,純負債を含めて 約 670 億ドルの取り引きに合意したと発表した。
     規制当局の決定は,2つのターゲット会社のあいだの 約 3,500 万人に上る アメリカ顧客に影響を及ぼす。
     Easier Path? (通りやすい?)
     かてて加えて,Sprint と T-Mobile が,この6月 または 7月に アメリカ規制当局に 300 億ドルの合併話を持って来る。これは,国内第3位と第4位の無線キャリアを結合する話だ。
     上の電話インタビューで Strigman は言った:"パイプを伝って沢山の買収が束になって一斉に降りてくる。そのどれもが競争と言う点では無視できない。正直,反トラストの権威たちが何をしようとしているかは,私にはとても難しくて,何も言えない"
     審査の対象になっている2件のうち,Comcat / Time Warner Cable の方が 認可を得やすい。なぜなら,彼らは互いに競争していないからだ。・・・ Telsey Advisory Group の Eagan が言う (彼は,この取り引きが完了する確率を 75~80 % と見積もっている)。他方,AT&T と DirecTV の合併は,いくつかのマーケットで契約者に対して或るオプションを取り除くことを意味するので,規制当局にとって,決定するのは難しい。・・・ そう Eagan は言う。
     シカゴを基地とする Morningstar のアナリスト Michael Hodel は,昨日のレポートで,この確率を 50 % だと言う。一方,Buckingham Research Group は,約 90 % としている。
     Less Competition (競争の減退)
     3年と少し前,AT&T は,T-Mobile へのビッドを放棄した。この取り引きが "競争を大きく弱める" という理由で,司法省がこの取り引きを阻止せんと告訴したとき,AT&T は,最大の無線キャリア Verizon を超えるという野望を挫かれた。
     Sprint と T-Mobile の結合は,同様の抵抗に直面するだろう。アメリカ 反トラストのトップ Bill Baer は,今年 初め T-Mobile が ライバル他社から 顧客を獲得しようとする努力により 消費者が利益を得ていると述べて,T-Mobile が やっている競争を これまで賞賛してきた。Baer は,先週 FCC に提出した文書の中で,司法省が,無線業界の競争会社たちの数を減らすことに反対すると書いた。
     司法省と FCC は,反トラスト実施に責任を共有する。
     Booomberg Industries のアナリスト Paul Sweeney が言う:この業界に対する 規制当局の審査にこれほどまでの高い活気が見られるのは,2001 年 Comcast が AT&T のケーブル・テレビ事業を 約 590 億ドルで買収して,後に 2005 年,破産した Adelphia Communications から資産を買い取って 以来のことである。それらの取り引きは 数年 (several years) に亘り,しかも,現在の取り引きの規模に比べれば,足元にも及ばないものだった。
     ‘Uncharted Territory’ (地図に無い領域)
     電話インタビューで Sweeney が言った:"規制当局は,一時 (いちどき) に審査する取り引きの金額の点だけでも,地図に無い領域に入りつつある。"
     Sprint と T-Mobile は,ケーブル業界には属しないけれども,さらに広く テクノロジー,メディア,テレコムの分野で考えれば,"同じ規制当局から見て,3番目に大きな取り引きであろう。" ・・・ と Sweeney は言う。
     そして,あの Dish だ。Bloomberg News は 3月,Charlie Ergen 会長が DirecTV に 合併について接近したと報道した。一方,DealReporter は 昨日,その件を要約した匿名の人の話を引用して,最近の業界再編成の中で Verizon が Dish と交渉を重ねてきたと言った。
     ニューヨークに本拠地を置く Macquarie Group Ltd. のアナリスト Amy Yong は,電話インタビューで言った:"現在のような M&A 環境では,だれもがパートナーを求めており,Dish も きっと 同じことをするに違いない。" そして,AT&T の DirecTV へのオファーに占める現金部分は かなり小さく,Dish が 対抗オファーで急襲することはできないだろうと付け加えた。
     Deal Timeframe (取り引きの時間枠)
     Dish の広報担当者 Bob Toevs は 昨日,同社は 買収の憶測にコメントしないと言った。Verizon の CEO Lowell McAdam は,ボストンで開かれた JPMorgan Chase & Co. 会議で,同社は Dish を買収する交渉をしていないと言った。
     New Street Research の Chaplin が言った:Comcast の Time Warner Cable に対する買収が未決のままであったことが,熱狂に火を点けた一因であり,おそらく Dish の時間枠を 加速して,[他社から買収されるのを待つのではなく] 自分から取り引きを打つだろう。
     "この業界には,取り引きを FCC に提出したければ,Comcast / Time Warner Cable の一件を FCC が審査している今のうちにせよ ・・・ という一種の勘がある。"
    チェッカー (Wikipedia):ボードゲームのチェッカー (checkers) は,相手の駒を穫り合うゲーム。赤・黒12個ずつの丸い駒と,縦横8マスのチェスボードを用いる。

  30. AT&T-DirecTV Deal Puts Pressure on Rivals,
    Dish, Verizon Are on the Sidelines in Communications Consolidation

    AT&T-DirecTV の取り引きがライバル各社に圧力を掛ける,
    Dish と Verizon は,業界再編成を傍観.

    Wall Street Journal, 2014/05/18, 07:26 pm ET
    By Ryan Knutson
    大手通信会社は,再び2社づつ 組みに成り始めている。相手のいない会社に 圧力を掛けながら。
     最新の動きでは,AT&T が DirecTV を 490 億ドルで買うことに合意し,合計売り上げ 約 1,600 億ドル,1.2 億人を上回る契約者を持つ ペイ-TV と 無線電話の巨人が誕生する。
     これに先行したのが,Comcast による Time Warner Cable の 450 億ドル買収である。この合併は,巨大なブロードバンド・インターネット・プロバイダを生む一方で,通信業界 および テクノロジー業界を横断して,経営者たちに,如何にすれば 固まり合って競争できるかという戦略を展開するよう強いた。
     他方,Sprint は,自分より小さなライバル T-Mobile に ビッドをしようと考え続けてきた。

     契約作りの仕事から最近 縁遠いことで注目を集めているのは,Charlie Ergen の Dish Network である。この会社は,DirecTV と同様に,衛星放送を手がけており,無線業界にも目を向けている。
     AT&T の この取り引きは,Dish から2つの魅力的な選択肢を殺ぐ:ひとつは,AT&T による Dish の買収であり,もう一つは,Dish と DirecTV との合併である。ウォール街の多くの人たちは,AT&T にとって良い取り引きは,Dish を買収することだと考えていた。なぜなら,Dish は,これまで 値打ちのある無線電波を買い集めており,これは,或るキャリアたちにとっては,電話 および タブレットからのビデオ・ストリーミング および その他のデータに対する 拡大する需要に応えるために必要なものだからである。
     今や Dish の選択肢は,厳しくそぎ落とされた。政府は,同社にその周波数を 来たる数年以内に 使用開始せよと要求しているが,Dish は ネットワークを持たず,効率よく連携できるパートナーを 持たない。
     注目は,Verizon にも向けられている。同社は,無線事業では AT&T よりも大きく,しかも いまだにビデオ戦略を展開している。Verizon は,UK を本拠地とする Vodafone が Verizon との無線共同事業に持っていた 45 % 株を 1,300 億ドルで買収し,今年 2月に 完了した。同社は,その無線事業と有線事業を統合することに的を絞ると言い,大型の取り引きを見据えていない。
     大手のライバルたちが 長打 (clout) を放ち,新たな取り引きを開拓し,新たなテクノロジーに金を投下する中で,Dish と Verizon が 傍観を続けるかどうかは,不明である。
     これについて,Verizon はコメントしない。
     Dish の広報担当者は,Mr. Ergen が同社の戦略的選択肢の概要を述べた最近の電話会議に注意を促した。そこでは,Mr. Ergen は こう言った:"我々は,何が起ころうと,それは我々にとって とても良いことなのだと言えるように,良い位置にいなければならないし,実際,そういう位置に いま いると思う。"
     FCC のスタッフのチーフを 以前務めた Blair Levin は,最新ラウンドの取り引きを,1984 年 AT&T の解体以来 最も意義深い契機 (moment) と呼ぶ。彼が言うには,DirecTV に対する AT&T の動きは,Comcast に対する防戦であり,無線 および ブロードバンド・インターネットが飽和した現状では,他社もまた 多数の契約者を足止めにするために 同様の動きをするという意味だ。
     "What you see is that there is now starting to be this convergence of all the services, which means you really want to lock down customer bases," said Mr. Levin, a fellow at the Aspen Institute think tank.
     Verizon said it isn't interested in buying Dish and is focusing on building a video service it can deliver over the Internet and to mobile devices.
     Verizon Chief Financial Officer Fran Shammo told investors in Boston last week that the spectrum Dish owns is interesting, but that the carrier would focus on buying what it needs in a pair of coming government auctions before it would entertain any other large spectrum purchases, according to a Wells Fargo research note by Nicole Black.
     Verizon this year unveiled a system called multicasting, which will allow some of its smartphone and tablet users to tune in to live concerts or sporting events without overloading its network. It also has made small acquisitions that will help it complete the online video service.
     Dish may have some hope in Sprint. The two companies have been working in Corpus Christi, Texas, on a trial of technology to deliver high-speed Internet into homes using wireless networks. And a network-sharing deal of some sort could help Mr. Ergen put Dish's spectrum to use.
     Sprint Chairman Masayoshi Son in March told reporters he would like "to partner with Dish in many possible ways," although he declined to be specific. "They can be our great ally," Mr. Son said.
     Mr. Ergen said in a recent conference call that he would see strategic value in T-Mobile if Sprint's acquisition of the company falls through.
     Content companies may feel the need to bulk up also as a counterweight to Comcast and AT&T, which will now have the largest concentrations of video customers, said Aspen's Mr. Levin.
     The deals will shift the landscape for regulators, too, who had been hoping to tackle tough policy issues such as net neutrality and a technology transition within the core of the phone network. Now the FCC, which reviews telecom transactions to see if they are in the public interest, may be forced to turn its attention to consolidation. FCC Chairman Tom Wheeler has stressed the need for competition to counterbalance heavy regulation.
     "The question is, what happens when the guy whose mantra is 'Competition, competition, competition' meets a market whose mantra at the moment is 'Consolidation, consolidation, consolidation,' " Mr. Levin said.
     
  31. Deutsche Telekom CEO says not in any merger talks
    ドイツテレコム CEO が言う:いかなる合併交渉もしていない。
    Reuters, 2014/05/15, 9:53 AM EDT
    ドイツ,ケルン発 (ロイター) Deutsche Telekom は,いかなる合併交渉もしていない・・・ 木曜日 (5月15日),同社は株主にそう告げた。
     Deutsche Telekom が フランスの Orange と火遊びをしているのかと質問されて,CEO の Tim Höttges が言った:"我々は,誰とも合併の話をしていない。Orange ともしていない。もちろん 火遊びもしていない。"
     Höttges は,付け加えて言った:国境を越えた合併に有利な環境を生成するために,規制当局は,ヨーロッパのテレコム市場を 各国市場の寄せ集めとしてではなく,単一の市場として扱って欲しい。

    (Reporting by Harro ten Wolde)
     
  32. Glint of Hope at FCC for Sprint, T-Mobile Deal,
    Some FCC Commissioners Worry Firms Won't Survive on Their Own

    スプリント と T-モービルの取り引きに FCC で ほのかな希望の輝き,
    FCC コミッショナー数人が,両社が立ち行かなくなるとの懸念を示す。

    Wall Street Journal, 2014/05/14, 6:45 p.m. ET
    By Ryan Knutson and Gautham Nagesh
    FCC の 民主党員コミッショナーたちは,以前に考えられていたほど Sprint と T-Mobile との取り引きに 一致して反対しているのではないようだ ・・・ この件をよく知る人たちの話による。
    これらの人たちによると,民主党員コミッショナー Jessica Rosenworcel は,ウォール街 および テレコム業界の人たちとの私的な会合で,Sprint と T-Mobile が独立な会社として生き残れそうにないとの見解を示した。
     この点は,Sprint および 何人かのアナリストたちが 合併に味方して述べてきた主張の鸚鵡返しになっており,多くの人がこれまで やっても即死 (dead on arrival,病院に着いたときには死んでいた) だろうと考えていた取り引きに 小さな,しかし決定的な風穴を開けるかも知れない。
     Ms. Rosenworcel の広報担当者は 言った:"コミッショナーは,申請されていない売買に 前もって判断を下すことはありません。"

     確かに,この取り引きは,依然として長丁場 (long shot) だと見られている。FCC の規制官たちと 司法省の反トラスト権威たちは,無線市場の競争のレベルに満足していると これまで語ってきた。しかし,これら小さいほうのキャリアたちが 独力で長期に亘って戦うだけの力が 十分に無いのであれば,現在の競争の流れ (streak) は 続かないだろう。
     FCC は,我が国トップのテレコム規制者であり,すべてのテレコム取り引きを審査して,公共の利益に適うか否かを決定する責任を負っている。その議長 Tom Wheeler は,これまでに強い合図を送りつづけ,アメリカ大手第3位の Sprint と第4位の T-Mobile の合併を競争を害すると見なしてきた。
     最近まで,FCC の 他の [Wheeler 以外の] 2人の民主党員コミッショナーが Mr. Wheeler に反対するとは ありえないと見えた。他方,2人の共和党員コミッショナーは,合併支持の方だろうと見られている。

     だが,ブロードバンド・プロバイダが インターネット会社に高速サービスのために課金できるようにしようという議長の最近の提案 ならびに Sprint と T-Mobile に対して来年の リバース・オークション*で周波数を取り置くという提案は,FCC で亀裂を発生させた。
     ブロードバンドに関する提案の方は,シリコンバレーのテクノロジー会社たち ならびに ネット中立性 (インターネット上のトラフィックは,全て 平等に扱われるべきであると言う概念) を擁護する公共利益グループたちから猛烈な反対を食らった。
     このように かなりの反発 (backlash) がある中で,Ms. Rosenworcel は,FCC が木曜日 (5月15日) の投票を延期するよう求めた。その一つの理由は,コミッションが,公共のインプットを考慮できるようにするためである。

     Sprint と T-Mobile は,これまで 連携が可能かを数ヶ月に亘って交渉してきた。この件を知る人たちが言うところによると,規制当局の抵抗にも拘わらず,Sprint 会長の Masayoshi Son は,押し進める決意である。両社は,この取り引きが阻止された場合に備えて,T-Mobile に対する breakup fee の条項で折り合いをつけねばならない。そして,Sprint は,依然として, もっと後まで待つことに決めることもできるようだ。・・・ それらの人たちが言った。
     もしも 何らかの取り引きが FCC をクリアーしたとしても,これまで高度な懐疑を示している司法省を通過せねばならないだろう。
     この取り引きが姿を現す時期は,テレコム規制当局が 1年のうちで 最も忙しく 最も複雑な案件に直面している時である。Sprint が T-Mobile に目をつけているだけでなく,AT&T も衛星通信の DirecTV に 約 500 億ドルで合意間近であり,Comcast は,Time Warner Cable を 450 億ドルで合意した。

     ところで [合併案件とは別に],FCC は,ネット中立性のための新たな規則 ならびに 将来の無線業界の形 (shape) に大きな影響を与える周波数オークションの規則を討論している。
     FCC 高官たちは,水曜日,以前テレビ放送が持っていた電波を来年オークションに掛けるとき,どれだけの量の周波数を弱小キャリアに取り置くかについて 交渉を続けた。Ms. Rosenworcel の考えに詳しい人たちが言った:Ms. Rosenworcel は,周波数の取り置きが 過大になることを懸念している。なぜなら,彼女の主たる関心は,公共安全官僚たちのために,全国的コミュニケーション・ネットワークに資金供給をする目的であり,オークションが それに十分な金額を調達するよう確保することだからである。

     Mr. Wheeler は,競争のためには 選りすぐりの周波数がいくらか必要だと主張する弱小キャリアのために,テレビ電波の一部分を取り分けようと これまで 努めてきた。
     市場のリーダーである Verizon と AT&T は,ライバルの下位2社よりも遥かに大きい。どちらの会社も,Sprint と T-Mobile を合わせた以上の後払い顧客を持ち,この業界の収益の大部分を握り,高品質の周波数を持っている。
     Sprint とT-Mobile は,合併により規模を拡大することが許されなければ,巨人2社に対して有効な挑戦を仕掛けることはできないと これまで 論じてきた。
     合併を拒否する別の方法は,他の規制目標を実現するように条件を課することだろう。たとえば,2010 年 Comcast による NBC Universal 買収の一部として,会社は,2018 年まで ネット中立性規則を堅く守ることを合意した。Comcast は,もし買収が進む場合,この合意を Time Warner に拡大することを約束した。
    リバース・オークション あるいは 逆オークション(Reverse Auction)とは,売り手が買い手を選定する通常のオークションと異なり,買い手が売り手を選定する 逆(Reverse)のオークションである。政府による調達(Procurement)の際に行われる競争入札が,これに対応する。通常のオークションでは,売り手が商品を拠出し,買い手が価格を入札して最も高い価格を入札した者に商品が渡る。(つまり,売り手が買い手を選定している。)
     具体的な内容としては,ある商品を買う者が,売り手のあいだで価格入札を行わせて,最も安い価格を入札した者から購入を決定する。(すなわち,買い手が売り手を選定している)。 ある電化製品を購入する時に,いくつかの店を訪問して他店の販売価格を提示しながら値引き競争を行わせることも,一種のリバースオークションである。 A社が社内改装をしたい場合,改装業者 B, C, D, E 社に 内装工事費の価格を競売により競わせて一番安い会社に工事権を得させる時などに有効である。

  33. T-Mobile Seeks Big Fee, Management in Sprint Talks,
    Deutsche Telekom Wants a Breakup Fee of More Than $1 Billion, Promises on Brand

    T-モービルが 大きな違約金を要求,・・・ スプリント経営者が言う,
    ドイツテレコムが 10 億ドルを越える違約金を望む,ブランドを約束.

    The Wall Street Journal, 2014/05/09, 19:06, ET
    By Ryan Knutson
    T-Mobile は,規制当局が 2社の合併を潰した場合には,Sprint がその埋め合わせをすべきだとの 強い要求をしている。これは,取り引きに合意する前に詰めている ひとつの主要な因子である ・・・ この件に詳しい人たちが言った。
     T-Mobile の 67 % を所有する Deutsche Telekom は,10 億ドルを越える breakup fee を望み,T-Mobile のブランド および その経営チームが,合併後も残ることを約束している ・・・ 何人かの人たちが言った。
     この要求は,アメリカ第3位キャリア Sprint と第4位 T-Mobile の結合を (懐疑的に眺めているという合図を送った) 規制当局が撃ち落した場合の副産物を制限することを 目的としている。この交渉には,政府による反対の強さのレベルとか,両社の周波数所有を支配する規則の変化など 他の要因もある。
     これらのキャリアは,取り引きを 短期に確保すべく 作業をしている ・・・ これらの人たちが言った。ただし,規制機関の反対が明らかな状況なので,いま 取り引きを試みる値打ちがあるのか あるいは 2015 年に予定される無線電波の政府による競売の後まで待つのがよいか あるいは また ホワイトハウス政権交代の後がよいのかを 量りに掛けている ・・・ この件に詳しい人たちが言った。
     この先の進め方の 要 (かなめ) となる ひとつの要因は,キャリアが持つ周波数の量を支配する規則の改定を FCC が投票に掛ける来週 やってくる。FCC は,さらに,テレビ放送会社が売る電波のライセンスを キャリアが買うときの (周波数オークションを支配する) 規則を仕上げることになっている。
     FCC が提案する [新しい] 規則の下では,Sprint の電波は,これまでよりも多くが,いわゆる 周波数スクリーンにカウントされる。その意味は,将来 スプリントが 周波数を増やす売買をするときに,難しい状況になるということだ。

     このオークション規則は,AT&T と Verizon が 買える高品質の電波の量を 制限すると見られている。
     もしも Sprint と T-Mobile が,T-Mobile ブランドを何らかの形で残して,経営陣メンバーのいくらかも残して,取り引きに進めば,長きに亘る規制審査中にキャリアのビジネスに起こりかねない崩壊を最小に抑えるだろう。これは,Deutsche Telekom にとって重要である。というのは,3年前に 390 億ドルで T-Mobile を AT&T に売却したとき,司法省が これを撃ち落して,しなびた T-Mobile を残されたからである。
     ただし,そのとき,T-Mobile は,現金 30 億ドルに加えて,周波数 および 価値あるローミングの合意を浚ったのが 慰めであった。
     もしも取り引きが 短期で前進すれば,T-Mobile を上振れさせるだろう。同社は,今年はじめの3ヶ月だけで 契約者を 130 万人以上増やした。これは,この業界全体の数字を越える。他方,Sprint は 同期間中に 33.3 万人の顧客を失った。
     合併の暁には,T-Mobile の CEO John Legere が 結合した会社を率いる先行馬 (front-runner) と見られている

     Deutsche Telekom CEO の Timotheus Höttges は,木曜日 (5月8日) に開催された第一四半期の決算説明会で,規制のリスクを強調した。
     "アメリカで,我々は,規制権威筋と反トラスト監視機関の両方から,そのような合併は適切とは見なされないとのシグナルを 現在 得ている。この背景の上に立って,我々は,株主に最大価値を提供するために いかに ビジネスを展開するかを考えねばならない。"
     この問題は,過去7年に亘って赤字続きの Sprint にとって,トリッキーな (細かい気配りを必要とする?) 問題である。
     この件に詳しい ひとりの人の話では,Sprint 会長の Masayoshi Son は,"無謀な" ことは 絶対にしない。取り引きが阻止されて,何十億ドルもの breakup fee を T-Mobile が 掻っ攫って行き,それを使って 市場で Sprint と戦うような状況は,避けようとする。

     どちらの側にも,この取り引きが 意味を持つという 広汎な合意がある。
     アナリストたちとの会見で,Mr. Höttges が言った:"市場で本当に価値を生み出すとは,最高のスピードで,さらに良いネットワークで,さらにもっと多い周波数で,たとえば,片方のプレイヤーが物分りがよく,AT&T に対抗する 超風雲児 (super-maverick) を生み出すことだ。"
     どちらの側も,数年後の政権交代後ならば,規制当局が 取り引きを認可する可能性が高まると踏んでいるらしい。だが,そこまで待つのは,この業界の利益の大部分を吸い上げ,約 2/3 の顧客ベースを握っている AT&T と Verizon に対する Sprint と T-Mobile の両方の競争的地位を弱めるのではないかと心配しているらしい。
     しかし,この業界の或る人たちは,FCC が オークション後を待つよりも,業界再編成問題を いま取り上げるべきだと言う。
     T-Mobile の CEO John Legere は,先週のインタビュー (5月1日?決算発表) で言った:"それらのこと全ては,文脈の中で見る必要がある。"
     Sprint の CEO Dan Hesse は,先週,結合会社を率いることにならなくとも 気にしないと言った。Bloomberg TV とのインタビューで,Mr. Hesse は 未だ やりたいことが 山のようにあると言った。
    — Archibald Preuschat と Thomas Gryta がこの記事に貢献しました。

     
  34. Revitalised T-Mobile grabs market share
    再び活気を取り戻した T-モービルが,市場のシェアを 掻っ攫う
    Financial Times, 2014/05/08, 10:33 am
    By Paul Taylor in New York
    1年の停滞を終えて,いまや アメリカ モバイル市場は, 主として 接続されたタブレットの販売 ならびに 4大モバイル運営会社の中の1社の再活性化により拍車を掛けられて,再び成長している。
     T-Mobile ならびに そのライバル大手3社 (Verizon, AT&T, Sprint) の最新の数字は,契約者数の合計が 今年の第一四半期に 4.1 % 成長したことを示している。これは,2012 年始め 以来 最も急な成長である。
     しかしながら,要 (かなめ) をなす変化は,全体のパイが成長していることではなく,T-Mobile が最も大きな分け前を 掻っ攫ったことである。
     MoffettNathanson の Craig Moffett は言う:"1年前,T-Mobile は等外馬として戦っていた。だが,2014 年の第一四半期には,Verizon, AT&T, Sprint の3社を完全に叩き潰した。"
     72 % を Deutsche Telekom が所有する T-Mobile は,最新の四半期に,ライバルのキャリアたちを圧倒して, 契約顧客数を 130 万増やした。じっさい,T-Mobile の (この業界の最も価値あるセグメントでの消費者の選択の最良の目安である) 後払い電話純増のシェアは,過去 5四半期の間に3倍に増えた。他方,Sprint のシェアは,40 % 落ちた。
     ただし,これには 犠牲が 伴なっている。アメリカで顧客を獲得するために要した支出増が,Deutsche Tlekom の水曜日 (5月7日) の発表に拠れば,第一四半期の売り上げを 前年比で伸ばしたものの,コア収益を落としたという。
     調整された EBITDA は,第一四半期に 前年の €43 億から 4.6 % 落ちて,€41 億となった。
     それでも,Deutsche Telekom の CEO Timotheus Höttges は言った:"アメリカに大胆に投資するという決定は,的を射て 正しかった。"

     T-Mobile の復活は,昨年 Sprint の株 80 % を買収した 日本の SoftBank が,規制当局が反対する見込みであるにもかかわらず,なぜ T-Mobile へのビッドを前進させたがっているかを説明するのに役立つ。
     Sprint は,まだ これから [買収の] 正式な提案を進めねばならないが,資金手当てのための銀行団との協議は,これまでに行っている ・・・ この業界の情報源 [複数] による。
     他方,Deutsche Telekom と T-Mobile は,更なる業界再編成が不可避であるとは ほのめかしているものの,SoftBank のビッド [の有無] については,コメントしていない。
     先週のアナリスト向け決算説明会で,T-Mobile の CEO John Legere は言った:"我々は,これまで言ってきた。いつかの時点で,業界用語を使えば,それは再編成ゲームだ。"
     ところで,T-Mobile は,同社が "un-carrier 戦略" と名づけた,伝統的ビジネス・モデルに対する,一連の過激な変化を追求しており,Sprint との契約者数のギャップを埋めつつある。

     T-Mobile は,現在,同社に切り替える顧客の早期解約手数料を 肩代わりしている。その圧力を受けて, T-Mobile のライバルたちも,同じ方向に動かざるをえなくなった。
    A year ago, T-Mobile was a struggling also-ran. In the first quarter of 2014, they absolutely crushed Verizon, AT&T and Sprint.
    - Craig Moffett, MoffettNathanson

    その結果,New Street Research によると,この業界の重要な指標である ARPU (契約者数当たりの平均売り上げ) が,この3年間で 初めて低下している。ただし,この低下は,アメリカのモバイル営業会社が 割賦プランでスマートフォンを売ることにより得る売り上げにより 現在は 打ち消されている。
     第一四半期に記録された ARPU の前年比 0.5 % の減少は,反面,つながったタブレットの販売の成長を反映している。 タブレットは,スマートフォンより著しく低い売り上げを生成する。なぜなら,タブレットは 追加で購入する機器であり,大部分の顧客はスマートフォンの方を よく使うからである。タブレットは 現在,月間契約者アカウント全数の 約 8 % を占める。
     この業界の 第一四半期サービス売り上げが わずかに 2.4 %伸びたと推計する Mr. Moffett が言う:"それらのタブレットは,すべて,ARPU が遥かに低い。以前に電話から来ていたのより遥かに値打ちが低い。これが,ARPU に下げの圧力を掛けている。"
     つながったタブレットの販売は 強いものの,アメリカ市場でのスマートフォンの普及率は,いまや ほとんど 78 % に達している。アナリストたちは,この水準では,スマートフォン市場が飽和点に近づいていると考える。すなわち,Samsung や Apple のようなスマートフォン・メーカーは,将来,スマートフォン利用者に ・・・ <以下 省略 >

     Additional reporting by Jeevan Vasagar in Berlin
     
  35. T-Mobile Owner Voices Doubt U.S. Deal Would Be Approved
    T-モービルのオーナーが,買収は認可が得られないだろうと疑いの声を上げる
    Bloomberg, 2014/05/08, 11:09 PM GMT+0900
    By Cornelius Rahn
    Deutsche Telekom の CEO が,T-Mobile と Sprint の合併は 規制当局の認可を いつでも すぐには勝ち取れないだろうと言って,SoftBank の子会社に T-Mobile を加えようという SoftBank の野心に冷や水を浴びせた。
     今日,Deutsche Telekom の第一四半期決算発表の席上で,CEO の Timotheus Höttges が言った:"我々は,規制権威筋と反トラスト監視機関の両方から,そのような合併は適切とは見なされないとのシグナルを 現在 得ている。この背景の上に立って,我々は,株主に最大価値を提供するために どうビジネスを展開するかを考えねばならない。"
     Höttges が T-Mobile を それより大きな AT&T と Verizon への更なる真剣な挑戦者に育てることを目標とする中で,T-Mobile は,収益を犠牲にして 売り上げを伸ばしている。
     Masayoshi Son の SoftBank が支配するアメリカ第3位の無線プロバイダ Sprint は,資金手当てを確保するため複数の銀行との協議を終えて,T-Mobile へのビッドを進めることを計画している ・・・ 先週,状況の知識を持つ人たちが言った。
     T-Mobile は,第一四半期に,AT&T と Verizon を合算したよりも多く,240 万人の顧客を増やしたが,Höttges は,弱小無線営業会社の合併は 意味があると言った。その理由として,周波数 および ネットワーク更新への不可避な投資が,長期的には,大会社に比べて不利に はたらくからと言う。
     アメリカ司法省と FCC は,2011 年,AT&T が T-Mobile を買収しようとする努力を阻止した。AT&T の CFO John Stephens は,Höttges の気持ちに こだまを 返すように 今日 言った:もしも 再編成が いま 許可されたら,自分はびっくりするだろう。SoftBank の広報担当 Matthew Nicholson は,コメントを控えた。

     Cash Drain (現金流出)
     アナリストたちは,T-Mobile の売り上げ成長は,第 2 四半期の 13 % から 第3四半期には 8 % に減速するだろうと予想する。Deutsche Telekom の CFO Thomas Dannenfeldt が,今日 言った:当社が 成長と収益性のバランスと取ろうとするに連れて,アメリカでの拡張は遅くなるだろう。
     ロンドンの Espirito Santo Investment Bank のアナリスト Andrew Hogley が言った:"T-Mobile が成長可能なビジネスをしようとするのなら,規模を獲得するように投資を続ける必要があるだろう。問題は,どれだけの期間 必要なキャッシュフローに現金の流出を続けるつもりがあるかだ。"

     Comcast, AT&T
     Berenda Bank のアナリスト Paul Marsch が 反トラスト弁護士たちとの議論を引用して,今日,ノートで言った:Sprint との結合のチャンスは,"せいぜい (at best)" 40 % だろう。
     Sprint は,規制当局が Time Warner Cable による Comcast 買収を審査中の間に この取り引きを追求したいと望んでいる。つまり,規制当局が両方の取り引きを [同時に審査して] 通信業界を変革する取り引きだと見てもらいたいのだ ・・・ この件に詳しい人たちが言った。
     Höttges は,さらに 今日 言った:同社は 11 月にロックアップ期間が切れた後,市場で T-Mobile 株を売却するかどうかは オープンである。アメリカからの退場は,ボンを本拠地とする Deutsche Telekom を再び,収益性の高いヨーロッパでの営業に回帰させるだろう。

      < 以下 省略。ドイツテレコムの ヨーロッパ営業に関する記述が続く >
     Earnings Miss
     German Progress
     
  36. Sprint CEO Says Strong No. 3 Needed Amid Price Wars
    料金戦争の中で スプリント CEO が言う:強い No. 3 が必要だ
    Bloomberg, 2014/05/07, 12:09 AM GMT+0900
    By Scott Moritz
    Sprint CEO の Dan Hesse が言う:今の無線料金戦争は持続可能ではなく,もっと強い第3位競争会社の必要性を示している
     今日,Bloomberg TV で,Erik Schatzker と Stephanie Ruhle とのインタビューで,Hesse は言った:
    ”No. 3 がもっと強ければ,No. 1 と No. 2 をもっと攻撃的に反応させて,結果,誰もが [消費者が] 利益を得る。もしも あなたが もっと小さくなれば,大きい2つは,さほど攻撃的には反応しない。"
     億万長者 Masayoshi Son は,Sprint を支配し,T-Mobile との合併について懐疑的な規制当局から抵抗に遭ってきたが,両社の結合を消費者に益するものとして再構築を試みている。この取り引きは,AT&T と Verizon に次ぐ アメリカ大手第3位と第4位の無線キャリアを結合させるだろう。T-Mobile が プロモーションと料金カットで先導する中で,Sprint は,ますます激化する無線競争から身を守ろうと努めてきた。
     "消費者が [この料金戦争を] 肯定的 (positive) に受け止めているフシは,たくさんある。しかし,どうすれば [この料金戦争は] 持続可能なのか?" ・・・ Hesse は,料金戦争について,このように語った。
     Sprint と T-Mobile は,どちらも,第一四半期で 純損失を計上した。Sprint は,今日,"Boost pay-as-you-go" 顧客に対して,さらに安いプランを導入した。これは,T-Mobile の MetroPCS ブランドの 40 ドル前払いプランに対抗するものである。
     Hesse は言う:"T-Mobile と Sprint は,ネットワークに 顧客1人当たり [上位2社より] 多く投資しなければならない。全国的ネットワークを考えれば,このコストは 大きい。ジャンボ・ジェットのようなものだ。AT&T と Verizon は,その規模のおかげで,多くのお客さんを乗せて,コストをたくさんのお客さんで分けて,なおかつ広告にもっと多くの金を掛けることができる。"
     状況の知識をもつ一人の人が先週言った:東京を基地とする Sprint のオーナー SoftBank は,6月 または 7月に 正式のビッドをすると期待されている。
     一人が言った:T-Mobile CEO の John Legere が結合会社を動かす筆頭候補だ。
     Hesse は,今日のインタビューで,Sprint と T-Mobile の結合会社を わざわざ動かすつもりは無いと言った。
     "私は 60歳。まだ やりたいことが 山ほど あります。"

     
  37. T-Mobile Q1 Misses, Shares Surge: Street Loves ‘Staggering Growth’; Snowball’s Chance of Sprint Merger
    T-モービルの Q1 は期待はずれ,株価上昇:ウォール街は "千鳥足成長" をお好み;スプリント合併は,雪ダルマのチャンス
    Barrons, 2014/05/01, 2:15 PM ET
    By Tieman Ray
    Bloomberg West
    (経済に関する 人気の高い テレビ報道)
    第一四半期の全売り上げが,47% 上昇した。
     T-Mobile の株価は,今朝 同社が第一四半期の売り上げ および EBITDA の期待外れを報告し,また 通年の収益見通しを引き下げ,さらに契約者を掴むべく投資する必要性を述べた後に,2.14 ドル (7%) 上げて,31.43 ドルとなった。
     今日の株価の振る舞いは,おそらく,昨夜の Bloomberg の記事を反映している。その内容は,Sprint が たぶん 今年6月か7月までに,T-Mobile にビッドを仕掛ける目的で,資金調達を組み立てている (putting together) というものだった。
     Sprint 株価は 0.21 ドル (2.5 %) 上がって,8.71 ドルだった。ところが,Bloomberg のニュースが届くと,夜間の取り引きで 7 % 以上 上がった。
     T-Mobile は 3月に終わった3ヶ月間の売り上げを 前年同期比で 15 % 増の 68.8 億ドルと報告した。これは,コンセンサス 69.2 億ドルに達しなかった。
     これは,プロフォーマ・ベース (pro-forma basis) の数字であり,1年前には無かった MetroPCS の結果を含むように調整されている。
     EBITDA 11 億ドルは,コンセンサス 12 億ドルに及ばなかった。その説明として,同社は,乗り換え契約者に対して もとの無線請求書の支払い (Early Termination Fee, 早期解約手数料) を肩代わりしたり,端末コストをに補助金を払う "Uncarrier 4.0" プログラムを追求した結果,費用が高くなったことを挙げた。一株当たりの純損失 11 セントは,予測値 9 セントより悪化した。
     T-Mobile は,ブランド後払い契約者を 130 万人増やした。また,チャーンの水準が 1年前の四半期の値 1.5% から 0.4 %低下したといい,これを ”ブランド後払いチャーン" の記録だと言っている。全ての種類を合わせると,契約者の増加は,正味で 240 万人だった。
     T-Mobile の CEO John Legere は,今朝,ホストを務める Emily Chang と Bloomberg West に登場し, 収益性の懸念を打ち消して,こう言った:"これは,顧客獲得ゲームであり,"   会社が 今年の EBITDA 予想を 引き下げたのは,今四半期に押しかけてきた契約者が "巨大な大きさ" だったからである。"これは,今後対処したい トレードオフである。"
     スプリントによる買収の見通しについて,Legere は,再編成は悪いことではないと言い,"我々の株主もオーナーも,あらゆる機会を考慮するだろう"  と Bloomberg が見つけたことに関して 何も知らない素振りを見せた。
     今朝のレポートを強気筋 (bulls) は 喜んでいるが,誰も彼もが (just about everyone) Sprint が同社を買えるチャンスがあるか疑問に思っている。
     創始者の名前を取った調査会社 MoffettNathanson の所有者 Craig Moffett はこう書いた:"これら全ての 根底 にあるのは,既に門前払いのように (pre-emptively) 拒否した意向と目的にも拘わらず,SoftBank が, 規制当局を説得して認可を得る「雪ダルマのチャンスを持っている」という疑わしい仮定である。"
     T-Mobile のオーナー Deutsche Telekom が "拷問のように長い" プロセスに耐えられるためには,"恐ろしく高額の破約金 (breakup fee) があるべきだろう。" と Moffett は考える。
     T-Mobile の業績報告そのものについては,"第一四半期の成長は,千鳥足であった。"  と彼は考える。そして,"アメリカ無線株価の中で,ファンダメンダルだけを基にすれば,唯一 T-Mobile だけが過小評価されているように見える。"  と 彼は言う。
     William Blair & Co. の Jim Breen は,T-Mobile 株を Outperform にランクづけしており,同社が純増で競争に鞭打ち続け,それゆえ,FCC が同社を買収させることは 起こりそうもないと書いている:
    これらの結果は,T-Mobile の競争相手より良かったし,引き続き 23 % の収入増 および 引き続き 0.2 % 低下したチャーンの改善 の 相次ぐ勢いから生まれた。
     このように加速したパフォーマンスの結果として,同社は ブランド後払いの顧客純増の見通しを 引き上げ, 2014 年の調整 EBITDA の見通しを引き下げた。我々の見解では,独立キャリアとしての T-Mobile の相次ぐ成功は,規制当局が同社を上位会社により買収させることを許す確率を下げる。
     我々は,T-Mobile が 4G LTE を さらに多くのマーケットに配備するに連れて,独立会社として, 市場シェアを取り続けるものと予想する。現在の水準では,我々は,株価が魅力的な価値を持つと判断し,Outperform レーティングを繰り返す。
    R.W. Baird の William Power は,Sprint と T-Mobile の両方に ニュートラル・レーティングを与えているが,合併のうわさに上がっているどの名前も,投資家は追いかけるべきではないと,今朝,書いている:
    "この2社の合併を,我々は 両社にとっても 業界にとっても プラスと考えたいが,規制当局からのコメントは,認可の見込みが無いことを示唆し続けている。"
     "Sprint は既に かなりのプレミアムで取り引きされている。これは,T-Mobile との著しい経営統合効果の仮定を反映している。買収は確かに経営統合効果の機会を生むとは思うが,少なくとも今後2年間は,机上の論理である。"
     Nomura Equity Research の Adam Ilkowitz は,T-Mobile について ニュートラル・レーティングを そのまま変えず,大きな純増は,おそらく,解約手数料の支払いにより助けられたと書いている:
    T-Mobile は,この四半期に ブランド後払い契約者を 126 万人増やした。これは,我々の予想 100 万人を越え,コンセンサス 93.2 万人をも越えた。これは,端末の 120 万増加と,タブレットの 6.7 万増加による。  < 以下,だらだらした業績説明なので,省略 >
    彼は書き続ける:"これは,全体として 強い結果である。だが,株価は,短期のファンダメンタルズよりも M&A の期待により駆動され続けている。"
    雪ダルマのチャンス:(snowball's chance)
     成功のチャンスが全く無いという意味。
    プロフォーマ・ベース,仮の,未監査の :(pro-forma basis)
     pro forma (プロー フォールマー,Lat.) の意味は,"(整った) 形の前の" ということなので,英語では,"informal (略式の,非公式の)" に相当する。
     財務用語としては,予想ベースの数字に基づいて財務諸表を作成したり,一定の仮定に基づいて計算書を作成したりするときに使う言い方である。
     典型的な使い方は,まだ 正式の監査を経ておらず,飽くまでも暫定的なものとして 決算書を示す場合がある。
     このほか,年度中に新たな会計基準を適用するようになった場合,その新しい会計基準に従って前年度の数字を計算し直して示すような場合に「プロフォーマ ベース」で表示する ・・・ という形で使われる。

  38. T-Mobile's John Legere Sees Inevitable Consolidation Ahead
    T-モービルの ジョン・レジャーが 避けがたい合併を前方に見る
    Bloomberg, 2014/05/01
    By Joshua Brustein
    Sprint and T-Mobile are continuing their unlikely flirtation, despite all evidence pointing to regulators squashing any attempt to merge.
    あらゆる証拠は,規制当局が合併の試みを ぺちゃんこにする方向を指し示しているにも拘わらず,Sprint と T-Mobile は,とても考えられない恋愛遊戯 (flirtation) を続けている。

     スプリントは,予定される買収の資金調達を手配するため,銀行と協議を開始した。一方,T-Mobile CEO の John Legere は,今週,合併を 競争を強める手段として賛美の歌を歌った。そして決算説明会でこう言った: "このゲームを5年やそこら続ければ,でっかい奴らに追いつくお金とやり方ならいくらでもある。我々は いつも言ってきた。業界用語を使えば,ある時点で,再編成ゲーム (consolidation game) なのだ。"  Legere は,Sprint を名指しはせず,わざわざ,自分より小さな会社との取り引きをも可能性として検討しているとも述べた。
     それは [T-Mobile 決算説明会は],競争を自社が支援する必要性を説くという奇妙なフォーラム (forum) だった。 レジャーの自信あふれる雄叫びは,今や 彼の名刺 (calling card) となっており,しかも,彼は自慢のタネを山ほど持っている。T-Mobile は,この四半期に,130 万人の新規月間契約者を増やした。これは,予想を遥かに上回り,大手競争会社3つを全て合算した数字を凌ぐ成長である。ただし,純利益は 1.51 億ドルの赤字だった。Legere は 言った。"これは,やりがいのある短期トレードだ。"

     ただし,長期では,AT&T や Verizon のような巨獣と競争するのに,T-Mobile は 骨を折るだろうと Legere は言う。大きな問題は,無線会社がネットワークを建設するのに必要な 電波のアクセスである。T-Mobile は,じっさい,これを今年早くするために,Verizon と大きな取り引きを完了した。しかし,今後5年間に,Verizon と AT&T は,競争を締め出そうと 電波の支配を強固にしようとするに違いない ・・・ と Legere は言う。
     FCC 議長 Tom Wheeler は,昨年その職に就いて以来,電波へのアクセスを いかに分与するかに 心を砕いてきた。Legere は言う:周波数に関連した問題に片をつけてしまえば,"再編成に公正な目を" 向けるだろう。彼は,競争会社がいくつあるかの問題が,未だに議論の余地があると考えているらしい。しかし,これは,多くの人たちの見解とは 異なる。規制当局は,無線市場が4大競争会社を持つことを望むと,これまで繰り返し言ってきた。
     著者 Brustein は,ニューヨークの Businessweek.com の記者である。

     
  39. Sprint Said to Plan T-Mobile Bid as Banks Pushed Funds
    銀行が資金調達を後押しして Sprint が T-Mobile にビッドするとの うわさ
    Bloomberg, 2014/05/01, 9:04 AM GMT+0900
    By Alex Sherman
    状況の知識を持つ人たちが言う:買収のための負債の手配をするための 銀行との会合を 先月 終えて,Sprint は,T-Mobile へのビッドを前進させるよう計画している。
     この協議がプライベートであることを理由に匿名を求めた3人の人たちが言った:Sprint CFO Joe Euteneuer と 経理部長 Greg Block は,Sprint が買収の追求を決断したとき,貸し手が資金提供の structure を直ちに進めてくれることを確保するため,6銀行と会った。
     そのうちの一人が言った:Sprint の株 80 % を保有する SoftBank の CEO Masayoshi Son は,6月か7月に正式にビッドするものと期待されている。規制当局は,一貫して,アメリカ第3位と第4位の無線キャリアの結合に懸念を示し続けてきたが,Son とその助言者たちは,アメリカ無線業界の長期的健全性に関して,FCC と司法省を納得させると期待する議論を構築しているところだ。
     東京の岩井コスモ・ホールディングのアナリスト 川崎智明が言う:"孫は 諦めない。T-Mobile の買収は,Sprint が,規模を拡大し,コストを低減して,アメリカで競争する能力を高めるだろう。"
     SoftBank の株価は,東京の取り引きで,午前 9:01 に 1 % 上がって,\7,667 となった。T-Mobile の株価は,昨日引け後の時間外取り引きで,11 % も上がった。ニューヨークでの引け値は 29.29 ドルであり,これを同社の時価に換算すると ほとんど 240 億ドルになる。Sprint のほうは 8.50 ドルで引けて,時間外取り引きで 6 % 上がった。
     これらの人たちが言った:銀行団との交渉は,この取り引きのために Sprint が いくら借りるべきかが 中心だった。これは,T-Mobile がこれまでに貯めた純負債の 87 億ドルを Sprint が 引き受けるためである。融資の確約は未だ署名されておらず,Son は依然として,この取り引きにどう支払うかを議論している。
     FCC の審査
     これらの人たちが言った:T-Mobile を 67 % 保有する Deutsche Telekom と Sprint は,未だに 誰が会社を動かすかを決めるための話を互いにしている。そのうちの一人が言った:T-Mobile CEO の John Legere が第一候補だ。別の一人が言った:Deutsche Telekom は,なるべく多くの現金が欲しい。
     3人が言った:Sprint は,司法省と FCC が Comcast の Time Warner Cable 買収を審査している間に,この取り引きを追求したい。なぜなら,規制当局が,両方の取り引きを 通信業界を変化させるものと見てくれる望みがあるからだ。当局は,2011 年,AT&T が T-Mobile 買収しようとする努力を阻止した。
     不用意だった AT&T
     一人が言った:Sprint は,また,高額の解約料に同意するのを避けたがっている。なぜなら,規制当局が この取り引きを拒否する誘因となるからだ。AT&T は,その試みが阻止された後,現金と周波数で 60 億ドルを払う羽目に陥った。これを Son は戦略の失敗と見る。なぜなら,その結果,T-Mobile が 以前よりも強い競争会社になったからだ。
     状況に明るい人たちによれば,Sprint 経営陣は,Goldman Sachs, Citigroup, JPMorgan Chase & Co, みずほ フィナンシャル・グループ,Bank of America, Deutwche Bank の銀行家たちを会った。
     みずほの代表者にコメントを求めたが,返事は無かった。その他の銀行の広報担当者は,コメントを断った。
     これらの人たちが言った:いかなる取り引きも,SoftBank, Deutsche Telekom, Sprint および T-Mobile の取締役会で承認される必要がある。これは,かなり長いプロセスになる可能性があり,取り引きが発表されても,スケジュール表を遅らせることが ありうる。

     
  40. Comcast's Hot Spot Signal for Sprint,
    Comcast's Idea for Wi-Fi Phone Service Could Aid Sprint if It Tries to Buy T-Mobile

    スプリントが T-モービル買収を試みれば,Comcast の Hi-Fi 電話サービス計画が,その助けとなろう。
    The Wall Street Journal, 2014/04/20, 2:50 pm ET
    By Miriam Gottfried
    Wi-Fi's signal may be getting stronger. That is seemingly Comcast's dream—and one that may be shared by Sprint.
     As Comcast seeks regulatory approval to buy Time Warner Cable, the cable giant has been raising the idea of a wireless phone service using Wi-Fi hot spots for most of its voice and data traffic. Users would move onto a traditional wireless network only when Wi-Fi isn't available. Comcast has about a million hot spots...
    ────────────
     cf: (WTMA_Comcat_102306.pdf) Welcome to Mobile Access from Comcast and Sprint.
     
  41. Comcast said to be concocting a wireless mobile phone plan
    Comcast が 無線モバイル電話計画を策定中とのニュース
    CNET, 2014/04/08, 05:12 pm PDT
    by Dara Kerr
    ケーブル営業会社が,主として Wi-Fi により 音声/テキスト/データ のサービスを行うモバイル・サービスを検討中とのニュースがある。このサービスは,Wi-Fi が使えない場所/時 には,これまでの携帯電話キャリアの周波数を使う。
     Comcast は,袖の下に新しいトリックを隠しているらしい。このケーブル営業会社は,報道によると,主に Wi-Fi に依存するモバイル電話サービスを新たに始めようとしている。・・・ The Information の報道 ("特ダネ:Comcast が無線キャリアに対する挑戦を水面下で用意中") による。
     [同社幹部が社外の人に伝えたという報道によると,] このサービスは,無線ルーター および 公衆ホットスポットから Wi-Fi を使えるエリアでは それらを使い,農村地域では,Verizon, Sprint, AT&T のような 一般携帯キャリア から周波数をリースする。
     大手では 確かに これは 初めてであるが,アメリカのもっと小さなキャリア (たとえば Republic Wireless) は,この種のサービスを既に行っている。Republic 社の低料金プランは,Wi-Fi ホットスポットだけの場合,無制限の 通話/テキスト・メッセージ/データ のサービスを含む最も基本的なサービスで,月額料金 5ドルから始まる。
     Comcast が策定中の計画と同様に,Republic は,Wi-Fi および 携帯無線技術の両方を使って,利用者に モバイル・サービスを提供する。Wi-Fi が 使用不可能なときには,自動的に 携帯無線ネットワークに切り替える。後者の目的には,Sprint から容量をリースしている。つまり,Sprint が携帯サービスを提供する所であれば,どんな場所でも,利用者は Republic のネットワークにアクセスできる。
     Republic は,これまで時間を掛けて そのサービスにアイロン掛けをして,皺を伸ばしてきた。たとえば, Wi-Fi と 携帯無線との間の切り替え/切り戻しにより サービスを処理するデバイスとして,どれが適当かを見極める作業がある。これらは,Comcast が これから対処せねばならない問題でもある。
     Comcast の Wi-Fi モバイル計画が,過去2年間に亘って建設された公衆エリアでの Wi-Fi ネットワークと一致するかどうかは,不明である。
     昨年6月,同社は,新たに,家庭を基地とする 近隣ホットスポット作戦の開始を発表した。これは,他の Comcast 顧客もブロードバンド・サービスの一部として使えるように,契約者が Wi-Hi ホットスポットをホストするという仕組みである。また,Comcast は,全米 12 以上の大都市で 屋内 および 屋外の Wi-Fi ホットスポットを 150,000 増やしたと発表した,
     Comcast がモバイル・サービスを策定中とのニュースは,同社が Time Warner Cable との 452 億ドル合併のための 規制検閲プロセスをキックオフするのと同時に飛び出した。火曜日,Comcast は,合併の有益性を詳細に説明し,この取り引きが競争を阻害するとの主張に反論する文書を発行した。

     CNET contact Comcast for comment on the hybrid Wi-Fi and cellular mobile service.
    We'll update the story when we get more information.
     Dara Kerr, a freelance journalist based in the Bay Area, is fascinated by robots, supercomputers and Internet memes. When not writing about technology and modernity, she likes to travel to far-off countries.
     
  42. Another mobile carrier bites the dust: Cincinnati Bell sells its spectrum to Verizon
    モバイル・キャリア,さらにもう1社 戦いに敗れる:Cicinnati Bell が Verizon に周波数を売却
    GIGAOM, 2014/04/07, 9:39 AM PDT
    by Kevin Fitchard
    中堅モバイル・キャリアの地位が,下降中である。Cicinnati Bell がモバイル・ビジネスから退場し, 有線業務に注力する。その結果: Verizon の周波数は増え,Cincinnati でのキャリア選択は減る
     以前にも書いたように,アメリカのモバイル業界は,メガ・キャリアにより支配されており,小さな地域キャリアが生き延びるのは,ますます難しくなっている。Cicinnati Bell は,その最新の事例である。同社は 月曜日に 無線ビジネスから撤退し,その周波数を 2.1 億ドルで Verizon に売却すると発表した。  その名前から想像できるように,Cincinnati Bell は,オハイオ州南西で営業しており,同地では,電話,DSL, IPTV, ファイバー・ブロードバンド および 電気ユーティリティなどのサービスを,Cincinnati とその周辺に提供する有力な電話会社である。その無線営業は,それまでの有線足型を越えて,ケンタッキー州北西部とインディアナ州南東部に広がっている。
     Cincinnati Bell は,その地元地域では,依然として 主力モバイル・プロバイダのひとつである。だた,その無線ビジネスは,明らかに山を越えた。2007, 2008 年の絶頂期には,顧客数が 60 万人に近かった。2013 年には,契約者が 34 万人になった。
     Cincinnati Bell CEO の Ted Torbeck は,声明で言う:"顧客に 業界最大のサービスを提供するのに必要な水準の投資を 無線ビジネスで続けていくことは,経済的に厳しくなった。"
     Verizon は,この地域キャリアの周波数を買い上げる。Verizonは 我が国最大の CDMA 営業会社であり,Cincinnati Bell は,音声には GSM 標準を,データ・サービスには HSPA を併用している。昨年見られた地域キャリア買収と同様に ・・・ T-Moble による MetroPCS 買収,AT&T による Leap Wireless 買収 ・・・ この取り引きは,電波についてであり,ネットワーク資産や顧客を対象としていない。
     Cincinnati Bell のモバイルの顧客は,新しいキャリアを見つけようと慌てる必要は無い ・・・ 少なくとも しばらくは。 同社は,この取り引きの 完了を 今年後半に予定しており,契約成立後 8 ないし 12ヶ月 顧客にサービス提供を続けるという。
    • IPTV (Internet protocol television) インターネットの IP 技術を利用してテレビ映像を配信するサービス。
    • CDMA(Code Division Multiple Access)符号分割多元接続。第三世代携帯電話 (3G) の無線アクセス方式の一つである。広範囲にわたる周波数の帯域幅をすべて共有して通信する軍事技術として開発された。
    • GSM(global system for mobile communications)は,FDD-TDMA方式で実現されている第二世代携帯電話 (2G) 規格である。
    • HSPA:NTTドコモなどが採用している第3世代 (3G) 携帯電話方式「W-CDMA」のデータ通信を高速化した規格。3G 方式の改良版であることから「3.5G」とも呼ばれ,従来の5倍以上の通信速度を実現する。
      HSPA は下り (基地局→端末) 方向を高速化する HSDPA (High Speed Downlink Packet Access) と,上り(端末→基地局)方向を高速化する HSUPA (High Speed Uplink Packet Access) の総称。

  43. Cellular competition shrinks as Verizon swallows another small-time carrier
    ベライズンが三流キャリアを呑み込むに連れて,携帯電話競争は縮みこむ
    engadget, 2014/04/08, 8:22 pm
    By Jon Fingas
     もしも Sprint が T-Mobile を買収した場合,携帯電話競争が減退する可能性が 多くの人により懸念されているが,その懸念が 既に現実のものとなっている。
    Licking River の河口から見た Cicinnati Bell の夜景
     Cicinnati Bell は,その全ての周波数を 2.1 億ドルで Verizon に売却し,無線業界から撤退する。地域無線会社である同社のネットワークは,2014 年後半に予定される契約完了まで 通常通り動くが,それ以後は,顧客を他社に移すよう 同社は計画中である。同社が身を引く理由は,単に競争を続けられないからである。CEO Ted Torbeck は言う:先進ネットワークを建設するのは "経済的に 余りにも 骨が折れる"。
     この措置は,Cicinnati Bell がファイバー・インターネット および テレビへの計画に専念することを助ける。しかし,これは,なるべく多くのキャリアが選べることを頼りにする契約者にとって,うれしいニュースではない

     
  44. Vodafone ticks higher amid SoftBank rumors; Sprint, T-Mobile lower
    SoftBank 買収とのうわさの中,Vodafone 株価上昇,Sprint および T-Mobile 下落
    Seeking Alpha, 2014/04/07, 10:45 am
    • Masayoshi Son の PR キャンペーンにも拘わらず,アメリカ規制当局が Sprint / T-Mobile 合併に反対のままである状況下で,アメリカ第3位と第4位のキャリアを融合する努力が挫折した場合には,SoftBank が Vodafone 買収に目を向けるだろうとの うわさ が 浮上した。
    • ここで注意しておきたいが,Vodafone (時価総額 960 億ドル) は,SoftBank (870 億ドル) にとって,T-Mobile (260 億ドル) よりも 遥かに消化しにくいことである。SoftBank がこれを試みると仮定すると,近く上場を予定されている アリババの 37% の株 (税引き前で 500 億ドル以上) を利用することは,疑いない。

  45. Vodafone Stock Rises On SoftBank Speculation
    Vodafone 株価上昇,SoftBank が買収とのうわさで
    Investor's Stock Daily, 2014/04/07,09:51 am
    By Reinhardt Krause
    Vodafone のアメリカでの株価は,日本を本拠地とする無線電話会社 SoftBank が 英国を本拠地とする無線電話会社を買収するだろうとの思惑により,月曜の 寄りで 1% アップした。
     SoftBank の株は,月曜日,東京証券取引所で 4.5 % 下がった。他方,AT&T の株は,3月始め 同社が Vodafone 買収を talk down し始めて以来,上がった。何人かのアナリストは,AT&T が 英国を本拠地とする無線キャリアの買収に なお関心を持っており,まず Vodafone の言い値を値切ろうとしていると憶測している。
     Vodafone は 今年1月,Verizon Wireless 株 45% を Verizon Communications に売却した。Vodafone の残りの無線資産は,ヨーロッパ,インド,トルコ および 他の新興国に及ぶ。
     SoftBank は 昨年,Sprint の 80% を取得して,Verizon と AT&T の後塵を拝する 第3位と第4位の無線キャリア Sprint と T-Mobile との間の合併を 点火しようと頑張ってきた。
     新しいニュースによると,もしも Sprint と ドイツの Deutsche Telekom が支配する T-Mobile を合併させる取り引きの工作が不首尾の場合には,SoftBank は その関心を Vodafone に向けるだろうとのことだ。アメリカ規制当局は,競争を減らすとの懸念から,Sprint と T-Mobile の間の合併を阻止するつもりとの 合図を送っている。
     SoftBank は,中国最大の電子商取引会社 アリババの アメリカ IPO から期待される数兆円のドルを掻き集めそうだ。SoftBank は,アリババの株 37% を保有している。アメリカの ウェブ・ポータル Yahoo は,アリババの株 24% を所有しており,これが利いて,同社の株価は これまでに上がった。
     アナリストたちは言う:日本の銀行は,Vodafone 買収に必要な資金提供の源となりうる。もし Vodafone が そのヨーロッパ資産を SoftBank に売却すれば,インド および 新興国市場での無線ビジネスも スピンオフしうる。
     Vodafone は,無線サービスからブロードバンド および TV へこれまで展開してきた。この3月 Vodafone は,スペインの トップのケーブル運営会社を約 100 億ドルで買収すると発表した。昨年は,ドイツ最大の ケーブル・テレビ会社 Kabel Deutschland を買収した。
    この記事について,ヤフー掲示板で,筆者が koji_stock 氏に感想をお尋ねしたところ,このようなお返事 (No. 1987667) を頂きました。

  46. Google Seen Adding Wireless Service To Fiber Push
    グーグルが 光ファイバー押しに 無線サービスを加える
    Investor's Business Daily, 2014/04/04, 10:10 am ET
    By Reinhardt Krause
    グーグルが,超高速 光ファイバー・ブロードバンド・ネットワークを建設中の地域に,無線サービスを加えるのではないかとの思惑が,アナリストたちに広い範囲のオプションを生んでいる。
     この情報 (pay-walled website) は,木曜日,Google が 卸し取引について Verizon Wireless と接触したと伝えた。ひとつのシナリオでは,最大の 4G LTE ネットワークを持つ Google が Verizon から ネットワーク容量をリースして,自らのサービスとして提供するだろうという。
     多年に亘り,Google は,Verizon と AT&T に負けている Sprint とネットワーク・リースの取り引きをするのではないかと見られていた。また,2012 年の報道では,無線周波数を集めている衛星放送会社 Dish Network と交渉とも伝えられたことがある。
     Oppenheimer のアナリスト Tim Horan は,金曜日の リサーチ報告で,ドイツの Deutsche Telekom が 67% の株を保有する T-Mobile をすら Google が買収するのではないかと憶測した。
     2月に Google は,その 1GB/s インターネット・サービスを拡大すべく,アメリカ 9地域の 34 都市と 交渉中であると語った。Google は,既に,Kansas City (ミズーリ州),Austin (テキサス州),Provo (ユタ州) で光ファイバー・ネットワークを建設中である。同社は,さらに Portland (オレゴン州),San Jose (カリフォルニア州),Salt Lake City,Phoenix,San Antonio,Nashville (テネシー州),Atlanta, および 北カロライナの Charlette と Raleight/Durham で州政府と交渉中であると 言っている。
     Google が [光ファイバー・ネットワークを] 建設済み または 建設予定の地域には,東海岸を拠点とする Verizon が その高速ブロードバンド・ネットワークを経由して FiOS ブロードバンドとテレビ・サービスを売っている地域が含まれていない。
     Elevation 社のアナリスト Stephen Sweeney が言った:Google の別の相手としては,Globalstar Telecommunications も考えられる。同社は,大規模な都市 Wi-Fi ネットワークのために 2.4 GHz を使おうと規制当局の認可を求めているところである。
     Amazon.com は,これまで Globalstar とリンクしてきた。

     
  47. [video] Ex-FCC's Copps on Media, Telecom Consolidation
    前 FCC コミッショナー Michael Copps が,メディア業界と通信業界の再編成を語る。
    Bloomberg West, 2014/03/14, 02:39 pm EDT (05'58")
      連邦通信委員会の前民主党員メンバー Michael Copps が,Comcat による Times Warner Cable の買収と,メディア および 通信業界の再編成について,ブルームバーグ・テレビジョンの "Bloomberg West" で語る。聴き手は,Cory Johnson と Emily Chang である。

     
  48. Sprint + T-Mobile: What everyone else is saying about a possible acquisition
    Sprint + T-Mobile:買収の件について めいめいが言っていること [まとめ?]
    Engadget, 2014/03/13, 9:00 am
    By Brad Molen
     Sprint
     SoftBank CEO Masayoshi Son は,T-Mobile を買い,Now Network と合併することを これまで使命としてきた。彼のキャンペーンは 隠密に始まり,当初,ワシントンの規制当局を数回訪問した。だが 先週,彼は それまでとは違って,よく しゃべり始めた。月曜日,Son は The Charlie Rose Show と CNBC に登場し,合併後の Sprint は 無線業界にとって良いであろうと主張した。翌日,彼は "アメリカのブロードバンドが世界中で 最も遅く かつ 最も値段が高い" と論じ,その答は,モバイル・ブロードバンドの配備を促進することだと言った。
     スピード問題に対する Son の解決策は,究極的に 200 Mbps もの速さのモバイル・ブロードバンドを配備することだ。だが,T-Mobile 買収は,消費者のコストを下げるのだろうか? CEO は,きっと そう考えている:なぜなら,彼は この合併が料金戦争の火蓋を切って落とし,わが国で これまで見たこともないくらい 無線競争を激化させるだろうと言うからだ。彼は,連邦規制当局,わが国の2大キャリア および 歴史に逆らって進もうとしている:ちょうど 2年前,AT&T が T-Mobile を買おうとした試みは,FCC と司法省が それでは競争が 鼻から突っ込む (take a nose dive) と判定して,ぺしゃんこに潰れた。このように,Sprint の立場は はっきりしている。だが,この業界の他社は この状況をどう考えているのだろうか?
     T-Mobile
     火曜日,業界再編成 (国内ネットワークを4から3に合理化すること) について Deutsche Bank 主催の投資会議で質問された T-Mobile CFO Braxton Carter が言った:"これは,IF (もしも) の問題ではない。WHEN (いつ) の問題だ。"  Carter は,この不可避な過程に関与する会社を特定しなかったが,さらに続けて こう言った:"正しい事業モデルで規模の利益を得る国内第3位の会社は,アメリカで極めて競争的に伸びるだろう。" もしも Sprint が T-Mobile を買収することになれば,その契約者数は 1億に達し,あと ほんの少しで AT&T や Verizon に手が届きそうだ。Carter は言う。このくらいのサイズの Sprint は,十分に強く,たった 5,300 万人の契約者のときよりも ずっと競争的に成れるだろう。
    "The government can't have their cake and eat it too."
    Carter の考えでは,国内第3位と第4位の大手無線キャリアの合併は,(2大大手 AT&T と Verizon が支配している見本のような) アメリカ周波数オークションほどには,競争に被害を与えないのだろう。それでも Carter は言う:"政府は, ケーキを持つことと 食べることを 同時にはできない [両方ともというのは 虫が良すぎる]。 もしも 全国的に見て 市場に4社必要だと 政府が 本当に思うのならば,周波数の適切な分配を保証する何らかの構造的保護をしようとすべきである。もしも大きな会社が 最も良い周波数を かっさらって行けば,小さな会社が正当に競争することは 非常に困難になる。"
     ところで,Sprint の話がどう転ぼうと,T-Mobile は,自分の将来を心配していない。先週,Deutsche Telekom CEO Tim Höttges は,同社が将来の再編成について ”偏見なしに (with open mind)" 取り組むつもりだと言明した。彼は,付け加えて言った:"今のところ,我々は,T-Mobile を独立会社として運営するのに 何の困難も無い。"
     AT&T
     今朝,Deutsche Bank 主催の会議で,AT&T CFO John Stephens は,もしも そのような合併が認可されれば,彼はびっくりするだろう と言った。懐疑的な理由は 山ほどある:彼自身の会社が 2年前に同じことを試みて,政府規制当局に はねられたからだ。この邪魔のおかげで,結局 同社は [違約金] 40 億ドルを払う羽目になった。
    "It would be surprising if the FCC and DOJ changed or reversed that opinion."
     Sprint と T-Mobile のあいだの合併は,まだ 正式な話ではないので,Stephens は これについて 細かく考えを述べることはしなかった。とは言え,業界再編成については,横柄な話し方を こらえることができなかった。なぜなら,AT&T は 何年ものあいだ,より多くの周波数,ネットワークの更新 ならびに データ消費の高まる需要に対する必要から,業界再編成を 支持してきたからだ。
     Stephens は言った:"政府が [これまでの立ち位置を] (ママ) 変えるかどうかは,興味深い。・・・ 変えないだろうと思うが,もしも あの考えを変えるとか ひっくり返すとかすれば,びっくりものだ。"
     Verizon
     Verizon は,Sprint の提案について多くを語る立場には無いが,同社の CFO Fran Shammo は, 最近,同じ Deutsche Bank 主催の会議で,この件に触れた。合併の可能性について訊かれると,Shammo は,同社 CEO Lowell McAdam の言葉を繰り返して,こう言った:"我々は,4社体制を実に喜んでいる ・・・ もしも業界再編成があれば,明らかに,周波数が注目の的になるだろう。"
    "We are really happy with four competitors."
     面白いことに,周波数についての Shammo の論点は,Son の議論とも Carterの議論とも 相(あい) 和している:合併後の Sprint は十分大きくなり,周波数戦争で AT&T および Verizon と競争できるだろう。言い替えると,Verizon は,(これまで Sprint と T-Mobile に対して有効に働いてきた) 電波という不動産を もっと買い上げるだけの資源と実力を 最終的には 持つだろう。
     The Government
      今では誰も驚かないが,規制当局は,合併について懐疑的である。Son が政府高官と会った後,ロイターは,"FCC 議長 Tom Wheeler が,この取引の可能性について疑いを持っているが,先入観を持たないだろう" と報道した。司法省の代表は,WSJ 報道によると,同様の不信感を表明し,この取引が規制プロセスを通過するには 困難に直面するだろうと示唆した。この議論の核心は,政府官僚が,競争的な市場を維持する上で 4社体制が欠かせないと考えている点にある。
      もちろん,だからと言って,Son の使命が実りの無いものだろうとは言えない。だが,成功を見出すためには,彼が何を克服すべきかを これは 厳密に示している。彼は,その提案が アメリカ無線業界を傷つけないことを証明せねばならない。彼は,この移行が業界をこれまでよりも ずっと良い形にすることを確約せねばならない。
      皮肉な捩れというべきか,Sprint が買収したいという会社 T-Mobile は,4社体制が 現実に 料金戦争に火をつけ,かつまた 競争を激化することを 今 まさに証明している会社なのである。T-Mobile の UnCarrier 戦略のお陰で,T-Mobile は Masayoshi Son が説得しようとしているプロセスを ずっとずっと困難にしてきたのだ。

     
  49. Sprint Merger With T-Mobile No Match AT&T and Verizon
    T-Mobile を合併しても,Sprint は AT&T と Verizon には敵わない
    Free Daily Newsletter, 2014/03/11, 6:46 AM
    By Douglas A. McIntyre
    もし Sprint が T-Mobile と合併しても,その取引から生まれる会社は,依然として,アメリカの大手2社 AT&T や Verizon より小さいだろう。おまけに,母体の2社と同様に,財政状態が困難なままだろう。また,うまい具合に規制当局の認可が得られたとしても,この合併が株主や顧客にとって良いという理由を見つけるのは むずかしい。この2社を一緒にするのは,ロジスティクスの悪夢である。
     [注] ロジスティクス (logistics) とは,経済において,原材料調達から生産・販売に至るまでの物流を 企業が合理化するための手段である。
     Sprint 会長 兼 SoftBank 社長 Masayoshi Son は,放送記者 Charlie Rose に "我々は,取引を発生させたい。だが,いくつものステップがあり,詳細を詰める必要がある。"  と言った。
     T-Mobile は,昨年 顧客を 4.4 百万人増やしたと主張しており,その合計は,47 百万人となる。他方,Sprint は 54 百万人であり,この2社に重複が無いと仮定すると,合計で 1億人である。この数字は,Verizon の 1.03 億人に届かず,AT&T の 1.10 億人にも届かない。さらに重要なのは,合併後の会社は,顧客ベースを統合して 新たな独自ブランドを産み出すのに,恐ろしいほど高いハードルに直面するだろうということだ。
     Sprint は,2005 年の Nextel 買収を これまで 広く批判されてきた。Nextel のネットワークは,最終的には 2012 年に閉鎖された。それまでの間ずっと,Sprint は,2つのネットワーク,2つのブランド,2つの顧客ベースを保持するために苦闘し,何十億ドルもの資金を失った。2つの顧客ベースは,互いに異なる料金と互いに異なる契約プランを持っていた。

     他方,T-Mobile は,自分より大きな競争相手に挑戦し,一連の強烈な割引により,他の3社から顧客を引き抜く作戦に出た。この作戦は,はじめの間はうまく行ったものの,多くのアナリストは,財務の赤字の引き金になるだろうと考えている。なぜなら,T-Mobile は,このような顧客に課している料金レートを 上げることはできないだろう。もしも上げれば,顧客は逃げるだろう。そのバランス・シートは,AT&T や Verizon とは比べ物にならないし,Sprint とも比べ物にならない。
     AT&T と Verizon は,競争会社が 太刀打ちできないような利点をいくつも持っている。どちらも,よく確立したネットワークを持っている。どちらも,長年にわたって,ビジネスに,変わらないブランド,変わらない小売販路,変わらない親会社を持っている。この親会社は,多様化を産み出す 他の製品 ならびに 強力な財務基盤を提供する。ところが,合併した Sprint と T-Mobile は,巨大な地上通信線,ブロードバンド光ファイバー,および B2B 営業 を備えた 他の2社に及ぶべくもない。この新会社の顧客は,何に直面するだろうか? 新しくて,馴染みの薄い会社名か。小売店は,再編成により閉鎖されるのか? 2つのネットワークは,別々にしか動かないのか?
     T-Mobile の Sprint への合併は,仮に うまく行ったとしても,統合に何年もかかるだろう。その間に,AT&T と Verizon は,新会社の顧客を盗み取る絶好の機会をつかむだろう。

     
  50. T-Mobile CFO says industry consolidation is inevitable
    T-Mobile の CFO が,業界再編成は不可避と発言
    Reuters, 2014/03/10, 4:42pm EDT, 55 minutes ago.
    By Marina Lopes
    ニューヨーク発 (ロイター) - T-Mobile は,携帯電話業界の再編成に何らかの形で関わることを期待している ・・・ と,アメリカ第4位キャリアの CFO (最高財務責任者) が 月曜日 (3月10日) に語り,Sprint との合併が地平線上にあるかも との投資家の期待を持ち上げた。
     
      "これは,IF の問題ではなく,WHEN の問題だ。"  Braxton Carter は,業界再編成に関する同社の見通しについて,メディア,インターネット および 通信会議で述べた。
     "正しい事業モデルで規模の利益を持つ第3規模の国内プレイヤーを取ることは,アメリカで競争力を 非常に強化するだろう。"
     このコメントは,Sprint の 80% を所有する SoftBank 社長が,火曜日 (3月11日) に ワシントンで 投資家と技術政策立案者向けに行う講演の前夜に飛び出した。
     Sprint と T-Mobile の合併の望みは,先月,アメリカ司法省と FCC が合併を懐疑的に見ているだろうとの報道が浮上して,しぼんでいた。
     以前,アメリカ規制当局は,2011 年に AT&T が 390 億ドルで T-Mobile に掛けた買収のビッドを拒絶した。それ以来,T-Mobile は 成長して強くなり,市場が4社を維持できることを証明していると当局は論じてきた。
     Carter は,もしも政府が競争を保ちたいのならば,わが国の2大大手 AT&T と Verizon が 周波数のオークションを支配するのを妨げねばならない と言った。
     "政府は,ケーキを持つことと食べることを同時にはできない [両方ともというのは虫が良すぎる]。もしも政府が,国内市場に 4社が 本当に必要だと言うのなら,周波数の適切な分配を保証するよう,何らかの構造的保護を行うべきだ。"

     T-Mobile の過半数を所有する Deutsche Telekom は,先週,アメリカのモバイル市場での再編成の可能性について オープンであり,急いでいないと言った。
     Deutsche Telekom's の CEO Tim Höttges は,ニュース会見で言った:"現在のところ,我々は, T-Mobile を独立会社として運営するのに全く困難を感じていない。"  そして,さらに  "もしも アメリカのモバイル市場で再編成が起これば,我々は,心をオープンにして,その状況に入るだろう。"  と付け加えた。
     Carter の発言は,また,先週なされた 歯に衣着せぬ T-Mobile CEO John Legere による Sprint を叱りつけるような一連のツイートにも拘わらず,飛び出した。
     "Remember when people actually liked @sprint? Yeah, me either," Legere tweeted.

     
  51. Pursuing T-Mobile Could Be Risky For Sprint Given Regulatory And Operating Risks
    規制のリスクと営業のリスクのもとでは,T-Mobile を追いかけるのは,Sprint にとって危うい
    Forbes, 2014/03/06, 1:49PM
    Trefis Team, Contributor
     Sprint と T-Mobile の合併伝説は,強烈な憶測が この2銘柄への市場センチメントを揺るがせ続ける中で面白いねじれを見せている。
     最近の展開では,Deutsche Telekom の CEO Timotheus Höttges が,水曜日 (3月5日),"T-Mobile の保有株式 67% の売却は,短期的には 見込みが無い" とディレクタたちに告げたと噂されている。
     これは,SoftBank の CEO Masayoshi Son が ワイヤレス市場で さらに強力な第三の競争会社が存在することの長期的利益について,アメリカ規制当局を説得する PR キャンペーンを開始することを計画しているとの報道の ちょうど1日後のことだった。Sprint で かなりの金額を投資した Son は,T-Mobile を買収して アメリカ市場を再編成し,それにより 十分な規模と資源とを得て,Verizon と AT&T に対して これまでよりも効果的に競争しようと狙っている。他方,Deutsche Telekom の側は,米国市場からの撤退を目指しているが,2011年に AT&T による T-Mobile 買収に対して行われた規制機関の妨害を警戒している。
     Merge of Disparate Networks (ばらばらなネットワークの統合)
     規制問題は,合併の見込みを増す いかなる うわさ にも プラスの反応をする投資家の目に 大きな影となって邪魔をしているように見えるが,他方では,この買収に付きまとう 多くのリスクが割り引きされているように見える。
     T-Mobile 買収で Sprint が取得したい株式の量に応じて,この取引は 200 億ドル以上を要するし,Sprint の刻々と急成長する債務の負担に これが加わる。
     さらに また,Sprint は,異なるネットワーク周波数帯と通信技術とを複雑に統合する必要に迫られる。Sprint が (Clearwire の周波数の統合を含む) 自社ネットワークの更新に 多額の投資を行っている現状では,これは,ますます もって危険である。
     Sprint は,現在, 800 MHz と 1.9 GHz で CDMA/FDD-LTE サービスを提供しており,最近 Clearwire から取得した 2.5 GHz を使って,高速の TD-LTE ネットワークを構築中である。
     他方,T-Mobile は,1.7 GHz AWS (Advanced Wireless Service) を LTE サービスに,1.9 GHz を GSM/HSPA+ サービスに使っている。さらにまた,MetroPCS 契約者を CDMA から同社の HSPA+ と FDD-LTE に移しているところである。したがって,この両社に共通の周波数帯は,1.9 GHz だけであり,片方は CDMA/FDD-LTE サービスに,他方は GSM/HSPA+ サービスに これを用いている。
     T-Mobile を買収すれば,Sprint は,これらのネットワークの片方を閉鎖して,その契約者を移行させるという複雑な作業の実行を迫られる。Sprint は,800 MHz, 1.9 GHz, 2.5 GHz ネットワークを構築するのに多額の資源を既に投資している状況にかんがみて,結合した LTE ネットワークについて,T-Mobile の AWS を いかに処置すべきか 厳しい決断を迫られるだろう。キャリアの集合化は たしかに 答ではあるが,これらの周波数帯すべてにアクセスできる端末を確保することは,容易ではない。
     Sprint Preparing For Potential Dish Entry (Sprint は 将来の Dish の参入に備える)
     無線業界を長期的視点から見るならば,この取引には,意味がある。なぜなら,通信会社は,これから ますます all-LTE データ・ネットワークに向かって動くからだ。だが,その道のりは,営業のリスク ならびに 本質的に異なるネットワークの融合に関連した混乱を伴う。そのため,統合した経営体の犠牲の上で,Verizon と AT&T に短期的チャンスを与え,市場シェアを奪われかねない。
     T-Mobile が これまで みごとに 無線業界を震撼させ,最近では,契約なしの後払いプランと2年未満の機種更新のような 積極的 "Un-carrier" 作戦を進めてきたことを見れば,規制当局は,上のような可能性を警戒するだろう。実際,直近の3四半期で,T-Mobile は,後払い契約者を 220 万人 増やした。これは,前年に招いた 約 160 万人減からの鋭い切り返しである。
     この取引に内在する 2種類のリスク(規制リスクと営業リスク)にも拘わらず Sprint が T-Mobile 合併に突っ走る動機としては,全国的なレベルでの長期的競争相手として,Dish の浮上が考えられる。
     Dish は,これまで,無線業界に参入しようという姿勢を積極的に見せており,最近では,H-ブロックの周波数 10 MHz に 15.6 億ドルでビッドした。これが,TerreStar Networks と DBSD North America から 昨年 Dish が買い取った 40 MHz S-バンドに加わった。Dish の無線周波数資産が増加すれば,Dish が 将来 T-Mobile を買収して自らが もっと強力な4番手ライバルになろうとする企てを,Sprint は 挫こうとするだろう。
       <良い記事と思って翻訳を始めたが 長い。疲れました>

     
  52. Credit Suisse Sees Any Sprint/T-Mobile Deal Facing A Tough Slog At FCC
      Credit Suisse は,Sprint / T-Mobile の取引が FCC で厳しい苦闘に直面すると観察
    Tech Trader Daily,2014/03/06, 3:13 P.M. ET
    By Teresa Rivas
    It’s another down day for Sprint and T-Mobile, with the stocks slipping 3.4% and 1.7% at recent check. Late Wednesday, the shares began their slide when Deutsche Telekom’s CEO said that regulatory hurdles would probably prevent any M&A activity in the near term.
     この水曜日 (3月5日),"規制当局のハードルが おそらく 短期では M&A 活動を邪魔するだろう" と Deutsche Telekom の CEO が発言したのを受けて,Sprint と T-Mobile の株価は滑り落ちたが。今日もまた,両社の株価は,それぞれ 3.4%, 1.7% 下落した。
     Credit Suisse (クレディ-スイス) は,CEO のこの意見を支持した。
     アナリスト Joseph Mastrogiovanni とそのチームは,水曜日 (3月5日) FCC の何人もの官僚 (several officials) と会談し,"FCC メンバーの大多数は,Sprint / T-Mobile のような種類の (あるかもしれない) どんな合併をも評価するする羽目に なりたくない" という印象を受けて退出した:"民主党員の官僚は,無線業界の現在の競争状況に全く満足しているらしく,自分たちの前に どんな買収提案が持ち込まれても,公平な評価がなされ,良かろうと悪かろうと その真価により判定されるだろう。"
     彼らの報告によると,どんな取引であれ 消費者の利益になると FCC を説得するのは,当事者にとって,骨の折れる仕事だろう:"我々は,Mr. Wheeler の委員会が キャリアに公平なチャンスを与えて 取引の利益を証明させようとしていることに 安心を覚える。だが,消費者にとって 現在の環境よりも優れていると証明するには,ハードルは高い。我々の印象では,Mr. Wheeler のオフィスは,無線業界での 現在の '実行可能な競争環境' を 大いに喜んでいる (extremely pleased)。"

     
  53. Deutsche Telekom CEO says T-Mobile valued at $46 billion
    ドイツ・テレコム CEO が,T-Mobile の値打ちが 460 億ドルであると言った
    Reuters, 2014/03/06, 9:06 AM EST
     FRANKFURT, March 6 (Reuters) - Deutsche Telekom's Chief Executive Tim Höttges said on Thursday T-Mobile is currently valued at $46 billion after shares have gained on the back of the company's turnaround.
     フランクフルト発 (ロイター) ドイツ・テレコムの CEO Tim Höttges は,木曜日 (3月5日), T-Mobile は,現在までに 同社の方向転換を背景として 株価が戻したので,今では 460 億ドルの価値があると言った。
     T-Mobile は,昨年,それまでの4年間 契約者数が減少したが,新たな後払い顧客を 200 万人増やした。
     ドイツ・テレコムは,T-Mobile の株の 67% を所有している。

    ──── (注) ────
    この記事は,短い。これで全部です。
     ここでは,T-Mobile の企業価値が 460 億ドルとなっている。これは,以前の数値 420 億ドル より増えている。
    時間が経てば経つほど,この金額は増えるのだろう(笑)。
     なお,460 億ドルという数字は,T-Mobile の時価総額に T-Mobile が現在抱えている負債総額を加えたものである。 その内訳は,(Höttges が説明していないので)不明であるが,前者の部分を SoftBank が銀行融資により手当てして,後者の部分は,Sprint が借り換え融資を受けるものとされているらしい。

     
  54. Sprint, T-Mobile Tumble After Deutsche Telekom CEO Says No Sale Imminent
    Sprint, T-Mobile 両社の株価下落,ドイツ・テレコム CEO が 売却は差し迫っていないとの発言を受けて
    Tech Trader Daily, 2014/03/05, 4:16 P.M. ET
    By Teresa Rivas
    Both Sprint and T-Mobile were down close to 2% just after the close, on remarks from the latter’s parent company that no sale look imminent.
     Sprint, T-Mobile 両社の株価は,引け直前に T-Mobile の親会社が "売却は差し迫っていない" と発言したことを受けて,2% 近くまで下落した。
     大引けの鐘が鳴る直前に,Deutsche Telekom の CEO が,規制のハードルが絡んでいるために, T-Mobile の売却は 短期では見通しが立たないと発言した。Bloomberg 報道によれば,Timotheus Höttges は,そのドイツの会社の重役会で,長期の手法を取って アメリカでの成長を図り,新たな契約者を獲得して,即金サービスの収益力を高めると告げた。
     今週始めには,"SoftBank CEO の Masa Son が ニュース会議 (news conference) を開くことが,Sprint と T-Mobile のあいだで合併が進んでいる印だ" との思惑があった。
     [3月5日,引け値と 引け後の株価]
    T-Mobile $31.82 $0.03(+0.09%) 4:01PM EST |引け後 : $31.39 $0.43 (-1.86%) 7:15PM EST
    Sprint $9.12 $0.07(-0.76%) 4:01PM EST |引け後 : $9.10 $0.02 (-0.98%) 7:58PM EST

  55. Deutsche Telekom Said to Consider T-Mobile Sale Less Likely
    Deutsche Telekom の T-Mobile 売却は,可能性が低下との うわさ
    Bloomberg, Technology, 2014/03/06, 6:00 AM GMT+0900
    By Cornelius Rahn
    Deutsche Telekom AG Chief Executive Officer Timotheus Höttges told directors today that a sale of the T-Mobile unit is less likely in the near term because of regulatory hurdles, according to two people with direct knowledge of the matter.
      この件を直接に知る2人によると,Deutsche Telekom の CEO である Timotheus Höttges は,今日,ディレクタたちに "T-Mobile の売却は,規制当局のハードルのために,短期ではその可能性が低下している" と告げた。
     この問題の扱いが プライベートであるとの理由で,匿名を条件として複数の人が 語ったところによると,Deutsche Telekom の T-Mobile 持ち株 67% (その市場価格は 約 170 億ドル) を日本の SoftBank に売り渡すことは,依然として 望ましい選択ではあるものの,他の選択も いくつか残されている。ひとつの選択は,11月にロックアップが期限切れになってから,その株の一部を処分することだ。ただし,これは,直接売却からのプレミアムを手に入れ損なうだろうから,望ましい選択とは言えない。
     また,これらの人たちの言うところでは,Höttges は,明日の決算発表に先立つ今日の会議で,彼自身は,アメリカに長期的視点を持っており,新たに獲得した顧客をシッカリと確保し,T-Mobile の 即金払いの (pay-as-you-go) クライエントを さらに儲かる 後払い契約者に変えていくことに注力すると,執行役員メンバーに告げた。さらに,彼は,アメリカ規制当局に対して,もしも業界再編成が可能でないなら,次回のオークションで T-Mobile のような小さな会社には 周波数が十分獲得できるようにすべきだと主張するつもりである。Höttges は,株を売るかも知れない時期については,明言しなかった。

     
  56. Tycoon’s Threat to Set Himself Ablaze Shows T-Mobile Grit
    将軍様の自らを燃え立たせる脅しは,T-Mobile への不屈の気概の表れである
    Bloomberg Technology, 2014/02/12, 11:30 PM GMT+0900
    By Todd Shields, Alex Sherman and Scott Moritz
      さすが Bloomberg, これも 過去の経緯を踏まえて,読み応えがあります。
     In SoftBank billionaire Masayoshi Son,  U.S. regulators are sampling the resolve of a self-made tycoon who once threatened to set himself afire at a Japanese government ministry.
      SoftBank 億万長者の Masayoshi Son に,アメリカ規制当局は,かつて自らを燃え立たせて日本の政府行政に脅しをかけた 叩き上げの将軍様の決意を打診中である。
     Son との会談の後,規制当局は,Son 所有の Sprint が アメリカ第4位のモバイル・プロバイダを買うことについて 懐疑的であると言い,国内無線キャリアの数が 3に縮むのを 見たくないと言った。
     それでもなお,Son は 突き進む。Son の考えをよく知るひとりの人が 昨日 語ったところによると,数週間後に Son は,Sprint 経営陣 ならびに T-Mobile のパートナーである ドイツ・テレコムの経営陣と会うだろうとのことだ。Sprint CEO の Dan Hesse は,この計画を "理に適った (logical)" ものであると呼んだ。
     Son は,今日 開かれた SoftBank 四半期決算説明会の場で,アメリカ第3位の無線キャリア Sprint を なぜ立て直したいのかを説明したが,T-Mobile についての "さまざまな うわさ" と自ら呼ぶ事柄については,コメントを控えた。
     Son は言った。"業界再編なしに,Sprint 単独で アメリカ No. 1 になることは,文字通り,夢に過ぎない。私は,Sprint が No. 3 のままでいることには満足しない。なぜなら,もしもこれまでよりも大きく成長できるなら,我々は,日本でやったのと同様に,攻撃的な割引やサービスを提供するだろう。"
     境界線を押していくことは,Son の特性である。彼は 従業員に向かって,"脳が潰れるまで" 考えよと言っている。そして 彼自らは,300 年成長計画を持っている。

     "彼は,強烈かつ決然たる個性の持ち主であり,'no' という答を取らずに これまで 大変な成功を納めてきた。" ・・・ 東京の上智大学准教授で "日本の経営を理解する" を著した Parissa Haghirian は E-メールで 語った。

     Not Needed,(買収は不要)
     Son (56 歳) と Hesse は,規制当局との会合で,ほとんど 全く励まされることが無かった ・・・ この会談をメモに要約した官僚たちの言葉である。[それでも] 経営陣は道を急ぐ。Hesse と Son は,先週,バラク・オバマ大統領が 学校へのブロードバンド投資を促進するイベントに現れて,Sprint は,学生たちに "air time" を寄付することを約束した。
     この取引について質問されて,Hesse は 言った。"それ [却下] が不可避であるかどうかを憶測するつもりはない。この取引は,理に適ったものであり,業界に取ってプラスだろう。"
     これまでの会談に通じたひとりの人が語った。"Son が前に進むかどうかは,今から数週間のあいだ 不明だろう。彼は,これまで Sprint と T-Mobile が大手2社に対して 相対的に弱いと主張してきたが,この主張が規制当局に これまでより説得的に響いているものと期待してきた。"

     Outlook Bullish,(株価は上向きの見通し)
     Sprint 自体もまた,事態を面倒にしている。会社の売り上げは,昨日の決算発表によれば,アナリストたちの減益予想に反して増益であり,"上向き見通し" は,弱小会社が 市場リーダーの Verizon Wireless と AT&T に対抗するには 合併が必要だ という Son の主張を 根底から突き崩す。・・・ Vermont 州 Dorset を本拠地とする Roe Equity Research の Kevin Roe が E-メールで言った。
     Roe は,以前の E-メールで言った。"Sprint は うまく行き,最終的には,AT&T, Verizon , T-Mobile 3社に挑戦する立場になるだろう。SoftBank は,Sprint の業績を転回させるために,T-Mobile を必要としない。"
     Son は,嘲りを受けながらも 少数人種の小学生から,昨日で 世界第 46 位の富豪に登ったのであるが,昨年, 216 億ドルを使って Sprint を支配し,その会長となった。
     SoftBank は,無線契約者数で NTT Docomo ,KDDI との差を縮めているものの,日本では 著しい成長の可能性が十分ではないとして,海外での機会を模索している。

     ‘Pretty Unusual',(まことに異例)
     通常ならば,合意内容を手に 何ラウンドかの交渉を重ねるのが慣例であるが,取引がまとまる前に Son が Washington 当局に打診したのは,これを裏返しにしたやり方である。Washington を本拠地とする Guggenheim 証券の マネージング・ディレクタ Paul Gallan は,インタビューで言った。"CEO が,取引を発表する前に,規制当局と合併について直接に議論することは,まことに異例である。否定的な合図にも関わらず,SoftBank が依然として前進に興味を持っているようなのは,非常に奇妙である。"
     Kansas 州 Overland Park の Sprint スポークスマン John Taylor は,コメントを控えた。Tokyo の SoftBank スポークス・ウーマン Hiroe Kotera は,コメントを控えた。
     これまでのところ,ワシントン高官は,Son のプランを買って いない。
     アメリカで この取引が成り立てば,T-Mobile を独立な役者として 消すことになる。つまり,国内無線の競争会社を4社から減らしたくない と言う アメリカ規制当局にとって,T-Mobile は 取引の 潜在的ストッパなのだ。

     ‘Highly Skeptical',(大いに懐疑的)
      Son と Hesse は,2月3日に FCC 長官の Tom Wheeler と 将来起こりうるかも知れないこの取引について協議したとき,"大いに懐疑的な" 返答を受けた。また,それ以前に,司法省での会談でも 抵抗を受けた。
     司法省 副法務長官であり,アメリカ 反トラスト高官のトップを務める William Baer は,1月30日,Sprint が "先陣を切って競争を激化させ,アメリカ消費者に向かって 莫大な利益を与えている。" と語った。
     司法省は,2011 年,AT&T が T-Mobile を呑み込むのを 裁判により差し止めた。そのときの法廷資料によれば,アメリカ第2位のモバイル・プロバイダによるその買収は,"市場から重要な競争力を削除するだろう" と主張した。
     Sprint のロビー活動を知る人たちによると,Sprint は,Verizon Wireless と AT&T が依然として市場を支配しており,T-Mobile との取引は,第3の強い競争会社を生むと主張している。

     Inside Sprint,(Sprint の中では)
     規制当局に 取引のメリットを説得しようとしている Son の押しは,一方では,Sprint 内部からの不満にもぶち当たっている・・・ この件について通じては いるものの 経営陣の相互作用について 論じるだけの権威のない ひとりの人が語った。
     この人によれば,昨年遅くから,規制当局が国内4プロバイダを望んでいることを Sprint 経営陣が Son に伝達済みとのことだ。
     Son のキャンペーン活動は,意図的に 宣伝したかどうかは別にして,AT&T が 3年前に T-Mobile に対してビッドしたときとは,対照的である。ロビー活動に時間を掛けるリーダー AT&T は,司法省と FCC から 事前に助言を求めなかった。取引を発表したその日の朝,規制当局への矢継ぎ早の電話呼び出しにより 通知が当局に届いた
     当時,AT&T の General Counsel だった D. Wayne Watts は 言ったものだ。"彼らは,判定に先立って 意見を言おうとはしないのだ。" この発表は,9ヶ月にわたるロビー活動の騒ぎをキックオフし,AT&T がそのビッドを取り下げて 終りになった。
     これに比べて Sprint は,AT&T の水準に比べると 昨年 ロビー活動に費やしたのは 1/5 以下であるから,異なった戦略を考えたのだろう。

     ‘College Try’
     “From the point of view of many people involved, there’s a lot to be gained by giving it the old college try,” Bert Foer, president of the American Antitrust Institute, a Washington-based nonprofit group, said in an interview. “Maybe in the end it will fail, but it will generate a lot of fees in the meantime.”
     Son was born to a Korean immigrant family in Tosu, Japan, and recalls being pelted with stones as a schoolboy, according to a biography. He founded SoftBank in 1981 as a wholesaler of packaged computer software. His ambition is to grow it to rank among the world's 10 largest companies by 2040 and to continue growing for 300 years, according to a corporate document.
     Company values include “commit to be an overwhelming No. 1” and “think till our brains crush,” according to a version posted on SoftBank's website.
     Explaining his investment in mobile phones, Son in 2006 told reporters, “I don't intend to stay No. 3 forever.”
     As for the self-immolation threat: Son got what he wanted as the ministry ordered rivals to connect to his network, sparking competition, according to a 2004 article in Businessweek magazine.
     Word of the stunt circulated for years, Gerhard Fasol, president of Tokyo-based consultancy Eurotechnology Japan, said in a 2013 blog posting.
     “These rumors are true, however I did not take any petrol along with me inside the ministry,” Son said, according to Fasol's account.
     
  57. SoftBank Said to Seek Decision on T-Mobile Bid in Coming Weeks
     SoftBank この数週間後に T-Mobile 取引に決断を模索とのうわさ
    Bloomberg, Technology, 2014/02/06 7:05 AM GMT+0900
    By Alex Sherman, Takashi Amano and Scott Moritz
      さすが Bloomberg, 読み応えがあります。
       ⇒ 日本語抜粋との対照
     SoftBank Corp.'s billionaire founder Masayoshi Son and Sprint Corp. Chief Executive Officer Dan Hesse plan to decide in the next few weeks whether to move ahead on a bid for T-Mobile Inc. after speaking with U.S. regulators, people with knowledge of the matter said.
     SoftBank 設立者の億万長者 Masayoshi Son と Sprint CEO Dan Hesse は,規制当局との話を終えて,T-Mobile に対するビッドを進めるかどうかの決断を この数週間後に行う計画である ・・・ この件の知識をもつ人たちが言った。
     Son は T-Mobile のオーナー Deutsche Telekom とも会って,FCC との会談の模様を伝えるだろう。その目的は,両社が この取引を構築する作業 (structuring) に手をつけるかどうか を決めることである。 ・・・ これらの会話が 私的なものであるとの理由で,匿名を条件として,上の人たちが言った。また,このうちの2人によれば,Deutsche Telekom は,このような取引について 規制当局の感触を打診するよう Son に求めた。
     Sprint を支配する株式を握る SoftBank は,アメリカ政府を説得して,第3位と第4位の無線通信会社の合併が,Verizon Wireless と AT&T に対する競争を拡大し,[消費者のために] 料金とオプションを改善するのだと主張している。これに対して,司法省 (DoJ) と連邦通信委員会 (FCC) は,これまでのところ,このアイデアを完全に却下してはいないものの,Son との予備的な会談で,Sprint と T-Mobile が結合するという構想に,これまで抵抗してきた。・・・ 3人が言った。
     ニューヨーク大学 法学教授であり,前司法省法務官の Chris Sprigman は,インタビューで述べた。 "市場3番手が4番手と合併して競争したい ・・・ という議論は,古臭くて陳腐なものだ。もしも FCC と DoJ の専門家たちが,Sprint が望んでいるように この件を見ようとしているのなら,私はショックを受けるだろう。"

     Regulatory Uncertainty (規制の不確かさ)
     3人が言った。・・・ Son と Deutsche Telekom とが規制当局からのフィードバックを どう受け止めたかにより,次のステップが決まる。2人が言った。・・・ Son は,取引を 熱心に前へ進めようとしているが,Son と Deutsche Telekom は,規制当局の認可が下りないと思えば,この先へ進まないだろう。
    一人が言った。・・・ 規制当局の指導は,SoftBank と Deutsche Telekom が どんな種類の譲歩 (たとえば, 資産売却を含む) を 提案するかを決めるだろう。
     2人が言った。・・・ Son と Hesse は,ワシントンで 他の政治家たちや消費者運動家たちと会って,自分たちのアイデアを議論した。Hesse は,今週はじめ,アメリカの学校で 無線インターネット利用を促進する オバマ大統領のイベントに参加した。

     Duopoly Buster (2社独占の壊し屋)
      2人が言った。・・・ 彼らの主要な論点は,無線業界が たった2社 (AT&T と Verizon) により支配されていると見做すべきものを,規制当局が これまで 誤って,4社が競争している市場だと見ていることだ。2社独占の支配を壊す唯一の方法は,第3の強力な競争者を作ることだ -- これは,Sprint [ の Hesse ] が 主張していることである。
     Bloomberg が まとめたデータによれば,アメリカの大手4社の月間契約者 2.252 億人のうち,75% 以上が,AT&T とVerizon の顧客である。
     Kansas 州の Overland Park を本拠地とする Sprint は,規制機関を説得するのに いま 厳しい状況に置かれている。なぜなら,2011 年に AT&T が T-Mobile の買収を企てたとき,T-Mobile を独立にしておくことのメリットを Sprint が主張したからである。当時,Sprint は,国内4社が3社に減れば,競争が損なわれると主張した。
     じっさい,2011 年,AT&T が T-Mobile を買収しようとしたとき,その却下を FCC に求めた申請書の中で,Sprint は,次のように書いた。
     "市場から T-Mobile を取り除けば,一匹狼による市場破壊の可能性を 大幅に減殺する結果になるだろう。 T-Mobile は,国内4社のうちのひとつとして,AT&T の消費者小売価格に 決定的に重要な縛り (critical constraint) を与えている。"

     Super-Maverick Status (超 一匹狼の状況)
     2人が言った。・・・ Son と Hesse は,合併したものが いわゆる 超一匹狼になるだろうと主張する。これは,料金を抑える強力な競争者である。
     一方,規制当局は,T-Mobile の肩を持ち,料金を引き下げ,Verizon と AT&T から顧客を奪っていることを讃える。T-Mobile は,競争の "先頭に立ってきた" ・・・ 先週,司法省の反トラスト部門主任 William Baer は そう言った。
     Bloomberg がまとめたデータによると,Washington 州 Bellevue に本拠地を置く T-Mobile は,昨年 第2位の契約者数増を記録した。MetroPCS Communications の合併完了後の3四半期で,210 万人を増やした。一方,Verizon は 410 万人増,AT&T は 180 万人増であった。
     同じデータによれば,2月11日に決算発表が予定されている Sprint は,昨年,第4四半期の純損失を 13 億ドルに拡大し,昨年 契約者が 210 万人流出した。
     Baltimore の Stifel Nicolaus & Co. のアナリスト Chris King は言った。
     "SoftBank の言う 超一匹狼論は,将来 いつかの時点で意味を持つかも知れない。だが,T-Mobile が どの会社よりも市場シェアを獲得している現状では,考えられない。今週に入るまで,私は,この取引を完結する見込みが 25% だろうと踏んでいた。だが,いまでは 10% より低いと思う。"

     Breakup Fee (違約金)
     一人が言った。・・・ Deutsche Telekom は,この取引が阻止された場合の自社への補償として,高い違約金を しつこくせがんで 最初に抵抗するかもしれない。別の一人が言った。・・・ 新たに無線に参入すると思われる Dish Network は,T-Mobile とのビッドには,関係ないだろう。
     3人が言った。・・・ 双方とも取引を詰めておらず,合併会社をどちらが率いるかも 未だ決めていない。このプロセスには 数ヶ月かかるだろうが,予備的な会合は これまでに開いた。
     2人が言った。・・・ 違約金は,既に争点として浮かび上がっている。SoftBank は,リスクの大きさと,Sprint が既に負っている重い梃率 (leverage) のため,違約金を低くしたい意向である。
     他方,複数の人が言った。・・・ Deutsche Telekom は,この取引が阻止される可能性があり,規制当局の審査のあいだ 顧客と従業員を引きつけておくのが容易でないという理由で,高い違約金を望む意向である。

     ‘Risky’ Strategy (リスクの多い戦略)
     2人が言った。・・・ Deutsche Telekom は,T-Mobile の市場価値が 約 250 億ドルであるとして,取引規模 の 約 10~15% すなわち,25~38 億ドルの違約金を望んでいるようだ。
     2011 年,AT&T が T-Mobile を買収しようとしたときには,AT&T は,違約金を 現金と資産で 約 60 億ドルにすることに合意した。[買収が不成立に終り] この支払いは,T-Mobile が 買収予定者 [AT&T] に対して挑戦するのに役立った。
     一人が言った。・・・ Deutsche Telekom 現在の CEO Timotheus Höttges は,当時 これに関与しており,その経験を踏まえて,今回も高い違約金を要求するだろう。
     "[2011 年のとき] AT&T は 銃を自分の頭に向けており,反トラスト部門が "自分を撃て" と言った。これは,実に リスクが大きく,非常に できの悪い戦略だった。SoftBank ならば それほど鈍いことは ありえない" ・・・ ニューヨーク大学 の Engleberg Center on Innovation Law & Policy に所属する 副ディレクタ Sprigman [既出] が 言った。

     
  58. Microsoft Joins Sprint in Pledging to Obama's School Plan
    Microsoft が Sprint に加わって Obama の学校計画に寄付
    Bloomberg, Politics, 2014/02/05, 2:10 AM GMT+0900
    By Jonathan Allen and Angela Greiling Keane
     Microsoft, Apple, Verizon and Sprint are among the companies pledging more than $750 million in computers, software and services to an Obama administration project to give almost all U.S. students access to broadband and wireless technology.
     President Barack Obama highlighted the commitments, which will be coupled with $2 billion in funding from Federal Communications Commission reserves, during a visit today to a school in the Washington suburb of Adelphi, Maryland.
     “My country invested in me,” Obama told students, staff and local officials at Buck Lodge Middle School. “I want America to now invest in you.”
     The president’s aides said the partnership with the companies was part of Obama’s vow to use executive authority and to work with private groups to bypass Congress to advance his goals. In recent days, he has announced an increase in the minimum wage paid to some federal contractors, a new retirement-account plan for workers, and an agreement from companies to help the long-term unemployed to find work.
     Obama announced the goal of connecting 99 % of American students to high-speed Internet service within the next five years, last June.
          Obama's School Plan,各社の寄付金額
    金額 $106 (億円)  内 容
     FCC2,00015,000 校で2年以内に 2,000 万人の学生を高速インターネット接続。
     Microsoft1,000Windows OS を公立学校に割引。Office を 120万 無料。直ちに開始。
     Apple100iPad, MacBook, ソフトウェア
     Verizon100現金
     AT&Tモバイル・ブロードバンド・サービス
     Sprint低収入高校生 50,000 人に4年間 無線サービスを提供,9月開始。

  59. Sorry Sprint/T-Mobile: The U.S. Still Wants Four Mobile Carriers
    申し訳ない Sprint/T-Mobile さん:アメリカには 未だモバイル通信会社が 4社必要なのです。
    The Wall Street Journal, Markets & Finance, 2014/02/04, 4.05 pm
    By Maureen Farrell
     A lot has changed in the wireless industry since 2000 when the Department of Justice helped kill the merger between MCI/Worldcom and Sprint Corp.  But 14 years later, Sprint's ambitions could once again be thwarted by federal regulators, bent on stopping a merger between the 4 largest U.S. carriers.
      無線業界では,2000 年 に 司法省が MCI/Worldcom と Sprint の間の合併を 潰す手助けをして以来,これまでに 多くの変化があった。だが,あれから 14 年,Sprint の野望は,アメリカ4大通信会社間の合併を阻止する FCC の手により 再び挫かれそうだ。
      WSJ の報道によれば,アメリカ国内で契約者数第3位の無線通信会社 Sprint は,第4位 T-Mobile へのビッドをこれまで慎重に検討してきた。月曜日,FCC 議長 Tom Wheeler は,T-Mobile マッシュアップ (mashup) が 規制機関の検閲をパスするには もがき苦しむだろう ・・・ と Sprint 経営陣に警告する最新の政府官僚となった。
     WSJ 報道によると,Mr. Wheeler は,Sprint 取締役会メンバーに対して,無線業界での更なる合併を規制機関は警戒していると告げた。この警告は,司法省反トラスト部門の官僚が Sprint に対して同様の留保をしていると告げた ちょうど数週間後に なされた。このどちらも機関も,両者のあいだのどんな取引も審査する必要がある。
     Sprint に対する今回の警告は,アメリカ規制当局が 通信会社数を4社に維持したい とこれまで表明し続けてきた中の 最新の事例である。それでもなお,大手の会社は,このスタンスをテストし続ける。2011 年,AT&T が 390 億ドルで T-Mobile を買収しようとしたとき,司法省は,どんな組み合わせも 無線業界内の競争を減殺すると主張して,これを阻止した。
     もちろん,規制当局は,つねに同じ立場を取るとは限らない。Bush 政権は,無線業界での取引に 今よりも好意的だった。2004 年,規制当局は,当時第2位と第3位の無線通信会社 Cingular Wireless と AT&T Wireless の合併を認可した。
     もしも Sprint が 取引を追求したいのであれば,その望みは,規制当局を納得させて,T-Mobile との結合が,AT&T および Verizon に市場を支配させないような重みを持つ 真の第3者を加え,それにより競争が実際に激化することを示すことだ。
     この点,T-Mobile は,自分自身の存在が競争に拍車を掛けることを示し,ベストを尽くしているように思える。同社は,積極的なキャンペーンを打ち上げて 新規契約者を獲得し,見込みのありそうな顧客には, T-Mobile に乗り換えれば 早期解約手数料を肩代わりすると言う。この動きに対して AT&T は,最近,家族プランの料金設定を 大幅に引き下げることにより 対応した。

     Sprint 取締役会は,かつて WorldCom と Sprint の合併提案に対して Clinton 政権が取った対応を振り返って見たくなるかも知れない。当時,司法長官 Janet Reno は,この合併を "競争に対する脅威であって 受け入れられない" と述べた。そのとき,Sprint は第3位の大手であり,第2位の通信会社との合併を模索していた。最終的には,Sprint と WorldCom は合併提案を撤回した。Sprint の運命は 当時 WorldCom よりも明るかったのであるが,いまもなお アメリカ電話業界の "真ん中の子 (middle child)" として もがいている。
     
  60. FCC chief tells Sprint chair he is highly skeptical on T-Mobile deal
    FCC 長官が Sprint 会長に T-Mobile 取引について 自分は高度に懐疑的だ と告げる
    Reuters, 2014/02/03, 7:22pm EST
    By Alina Selyukh and Sinead Carew
     (Reuters) - Federal Communications Commission Chairman Tom Wheeler expressed his skepticism about a potential merger between Sprint Corp and T-Mobile Inc in a meeting with Sprint Chairman Masayoshi Son on Monday, according to an FCC official briefed on the matter.
      連邦通信委員会 (FCC) 議長 Tom Wheeler は,Sprint 会長 Masayoshi Son との月曜日の会談で,Sprint と T-Mobile の間に想定されている合併について,懐疑の念を表明した。・・・ この件をブリーフ (要約して資料にまとめる) した FCC 官僚が語った。
     昨年 Sprint を買収した 東京を本拠地とする SoftBank の社長である Son は,Sprint 社長の Dan Hesse とともに,アメリカ通信規制当局のトップと会った。
     Wheeler は,第3位無線プロバイダ Sprint が 第4位の競争相手 T-Mobile を買収するというビッドについて,高度に懐疑的であると Son と Hesse に告げた。・・・ その場に居合わせなかった FCC 官僚が語った。
     この官僚によれば,Wheeler は,想定される取引について 自分は偏見を持たないと述べ,反トラスト主任 William Baer が先週 行ったコメントを,概ね そのまま繰り返した。そのコメントとは,トップ4社無線電話会社のうち どの2社のあいだの買収にも,規制機関の認可に大きなハンディキャップをつけるというものだった。
     この状況に詳しい人 (ひとり) によると,スプリントは,さらなるモバイル業界の合併の展望が,公平な審査なしに却下されるべきではないと,これまでアメリカ規制機関を説得しようと努めてきた。
     この人によれば,Sprint の所論は,現在の市場が アメリカ消費者によく奉仕しておらず,トップ2社 Verizon Communications と AT&T が極めて支配的であるために,残りの2社が持続可能な競争をするのが 非常に大変になっているということだ。
     Sprint のスポークスマンは,月曜日,コメントを控えた。FCC は,合併の思惑についてコメントしない。FCC の首脳は,業界の経営陣と日常的に会い,広い範囲の話題をカバーする会合を開く。
     情報筋がロイターに語ったところによると,Son の SoftBank は,Deutsche Telekom が支配する T-Mobile を買収しようと 最近交渉中であるが,その取引は,司法省と FCC の規制担当者から認可を得るのに,強い逆風に直面するだろうとのことだ。
     Baer と Wheeler は,2011 年の AT&T と T-Mobile との合併の却下が さらに競争的な市場を生み出し,消費者のためになるとして,ふたりとも,これを歓迎した。Wheelerは,将来起こりそうは無線合併について 公に質問されると,いつも,自分が競争の "決然たる" 守り手であると答えた。
     この週末に掛けて,AT&T は,大量共有データ・プランで料金をカットする計画を発表した。これは,アメリカの上位携帯会社の間の対抗意識が 値引きの増加の引き金を引いている最新の兆候である。

     
  61. Four Reasons the Justice Department May Oppose a Sprint and T-Mobile Merger
    Sprint と T-Mobile の合併に司法省が反対する4つの理由
    Yahoo! Finance, 2014/02/03, 3:15pm EST
    By cgblaine22
     昨年末,Sprint と T-Mobile の合併が成立しそうだった。この合併は,これら2社を依然 第3位のままにし,おまけに,Sprint も T-Mobile も古ぼけた地上通信線を持たなくなるとのことだった。
     ところが,この取引は 未だ発表されていない。先週,Sprint, (Sprint の 80% を所有する) SoftBank, アメリカ司法省の (複数回の) 会談の後,木曜日のスピーチで,司法省の反トラスト主任 William Baer が "取引はありえない (there may not be a deal)" と発言した。
     "ビジネスの世界も,消費者も,反トラスト執行官も,反競争的合併が 計画倒れに消えてしまえば,みな,これ以上満足なことは無い" ・・・ と Baer は言った。彼は,T-Mobile と Sprint を名指しはしなかった。だが,この発言の重大性は明らかであった。
     すなわち,この合併への期待は,昨年末2ヶ月に,Sprint の株価を ほぼ 60% 押し上げ,T-Mobile の株価は 21% 上がった。光陰矢の如し ・・・ Sprint の株価は 今年 ほぼ 24% 下げ,T-Mobile の株価は 9% 以上下げた。
     では,何が問題なのか? これには,4つの理由が考えられる。

     (1) 競争の問題。
     (2) 料金戦争。
     (3) 司法省は,外国人が所有するモバイル通信会社に手助けしたくない。Sprint は,現在,80% を SoftBank に握られている。T-Mobile は,その 2/3 をドイツの通信大手 Deutsche Telekom に握られている。
     (4) 大きいものは,いつも悪い。
     First, the competition problem. The Justice Department believes a deal between the third- and fourth-largest mobile companies would reduce competition. The Justice Department and Baer sued in 2011 to block a $39 billion deal between AT&T Inc. and T-Mobile.
     Despite T-Mobile's moves, the mobile market is highly concentrated. Sprint, T-Mobile and the mobile giants -- AT&T and Verizon Communications Inc. … already control about 90% of the U.S. mobile market.
     Second, Baer's remarks last week suggest the Justice Department likes price wars. T-Mobile recently announced a promotion that will pay off early termination fees to people cancelling service with rival carriers and switching to T-Mobile. AT&T is promoting T-Mobile customers a $450 credit to switch to AT&T.  Sprint has a "family promotion" that lets up to 10 people get discounts when they sign up as a group.
     Third, the Justice Department does not want to help out foreign-owned mobile carriers. Sprint is now 80% owned by Japan's Softbank. T-Mobile is two-thirds owned by German telecom giant Deutsche Telekom.
     Lastly, big is always bad. At least at first.  The Justice Department sued to block the merger of US Airways and American Airlines parent AMR. The deal was approved when the carriers gave up landing slots at Washington's Reagan National Airport and New York's LaGuardia Airport.
     
  62. Sprint Chairman to Meet With FCC Chief,
    Masayoshi Son Is Expected to Argue That Consolidation Would Help Level Playing Field With Verizon, AT&T

    Sprint 会長が FCC 主任と会談へ,
    合併は Verizon, AT&T との合戦場を平らにするのに役立つだろうと 孫正義が 議論する模様,

    Wall Street Journal, 2014/02/02, 10:20 p.m. ET
    By Ryan Knutson and Gautham Nagesh
     Sprint Corp. Chairman Masayoshi Son is scheduled to meet with the head of the Federal Communications Commission Monday as he continues to press the case for consolidation in the U.S. wireless business.
      SoftBank Corp. 社長 孫正義は,アメリカ無線ビジネスでの合併の事例を推進し続けるなかで,月曜日,連邦通信委員会 (FCC) の長 (head) と会う予定である。
     この会合は,或る範囲の問題をカバーするためのものであり,具体的な交渉を議論するために設定されたものではない。・・・ この件に詳しい人が語った。しかし,Mr. 孫 は,生存可能な競争者を市場に生み出す合併を 許可するよう 議論するものと見られる。
     
  63. Antitrust officials deliver blow to Sprint/T-Mobile deal hopes
    反トラスト官僚たちが Sprint/T-Mobile 取引の望みに一撃をくらわす
    Financial Times, 2014/02/02 1:23 pm
    By Paul Taylor in New York
    Investors' hopes of a near-term merger between Sprint and T-Mobile are fading, following warnings from senior US antitrust officials that a deal between the third and fourth-largest US mobile operators could face strong government resistance.
     "アメリカ第3位と第4位のモバイル運営会社の合併は,政府の強い抵抗に直面するだろう" との アメリカ上級反トラスト官僚の警告を受けて,"Sprint と T-Mobile のあいだに 近々合併があるだろう" との投資家たちの望みは,消えつつある。
     両者の株価は,先月 そろって急落した。Sprint は 23% 以上,T-Mobile は 9% 以上それぞれ下げた。これは,もっと大きな通信会社 AT&T と Verizon Communications の下げよりも大きい。
     日本の SoftBank が過半数を所有する Sprint の株価の下落は,2013 年の最後の2ヶ月に,T-Mobile へのビッドの思惑が最高に達したときの上げの 2/3 を帳消しにした。
     ところが,それ以後,アメリカ官僚は,薄いベールを被った一連の警告で,これらの会社に取引を思いとどまらせようと努めているらしい。先週,司法省の反トラスト・トップ官僚 William Baer は,アメリカ4大大手無線運営会社のあいだの これ以上の合併は歓迎しない と述べた。

     Mr. Baer pushed home his point in a speech praising the Justice Department's opposition to AT&T's $37 billion bid for T-Mobile, which AT&T abandoned in late 2011. He also lauded T-Mobile’s subsequent efforts to compete in the marketplace, which he said had “spearheaded increased competition” and benefited consumers.
     “The business community, consumers, and antitrust enforcers are all better off if anti-competitive mergers die on the drawing board,” he said, without tying his remarks to a potential T-Mobile deal with Sprint. His comments, and those by other antitrust officials in recent weeks, have been interpreted by analysts and investors as sending a clear signal to the two companies and to Softbank’s chief executive, Masayoshi Son, who bought more than 80 % of Sprint last year.
     “If Sprint and T-Mobile try to merge and the DoJ opposes them, the companies will not be able to say they weren’t warned,” said Christopher King and David Kaut of Stifel Nicolaus, an investment bank. “DoJ comments this week bolster our belief that a potential Sprint/T-Mobile merger would likely face government resistance, and could well be aimed at dissuading the companies from even trying,” they said, adding that the Justice Department’s message had been getting “increasingly ominous” since last year about preferring a wireless market with four national carriers.
     The share price declines -Softbank’s shares have fallen almost 18% in the last month - suggests investors have also heard the message.
     SoftBank の株価は,先月 ほぼ 18% 下がった。このことは,投資家に,司法省のメッセージが届いたことを示唆する。
     
  64. T-Mobile Lauded by U.S. Antitrust Chief Amid Sprint Pursuit
    Sprint 追及のさなか,T-Mobile がアメリカ 反トラスト主任に お褒めの言葉
    Bloomberg, Technology, 2014/01/31, 2:01 PM GMT+0900
    By David McLaughlin
     T-Mobile has “spearheaded” increased competition in the wireless market after the U.S. blocked its takeover by AT&T in 2011, demonstrating the benefits of antitrust enforcement, a senior Justice Department official said.
     2011 年に アメリカ (司法省) が T-Mobile の AT&T による買収を阻止してから,T-Mobile は "先頭に立って" 無線市場の競争を強めてきた。これにより,反トラスト審判の利益を証明した。 ・・・ 司法省の上級官僚が語った。
     T-Mobile は,ネットワークに投資,これまでより安いプランを提供,顧客が他社から切り替えると早期解約手数料を肩代わりして支払う ・・・ などにより 顧客を獲得している。・・・ アメリカ 司法省の 反トラスト部門の首席 William Baer が語った。
     無線部門での競争は盛んになり,消費者は利益を蒙っている。・・・ Mr. Baer は昨日の ニューヨークでのスピーチの予定原稿で述べた。
     Baer のコメントは,Sprint 経営陣と 司法省官僚の間で 今月行われた T-Mobile 買収に関する会合を受けたものである。この件に通じた人ひとりによれば,T-Mobile 買収が ライバル大手 AT&T と Verizon Wireless との競争を促進するだろうとの Sprint の主張に,反トラスト官僚は,納得しなかった。
     Overland Park (Kansas 州) に本拠地を持つ Sprint の過半数オーナーである SoftBank Corp. は,想定されている取引への障害を解決するために,T-Mobile オーナーの Deutsche Telekom AG と直接協議を行っている。・・・ この件の知識を持つ人たちが,これまでに語った。
     Sprint の T-Mobile との取引は,アメリカ第3位と第4位のモバイル電話サービス会社を合体することになる。
     Sprint スポークスマン John Taylor と T-Mobile スポークス・ウーマン Anne Marshall は Baer の見解についてコメントを控えた。
    AT&T 訴訟  2011 年8月,司法省は,AT&T が提案した 390 億ドルでの T-Mobile 買収を,裁判に訴えて阻止した。その際,モバイル市場を国内4社から3社に減らすことは,競争を制限し,消費者にとって さらに高い値段へと繋がりかねないと論じた。政府は,Beelvue (ワシントン州) を本拠地とする T-Mobile が ライバル会社に競争の圧力をかけ続けているとして,T-Mobile の肩を持ち上げた。
     AT&T は,司法省が この取引を阻止しようと訴訟に訴えてから4ヶ月経たないうちに,このビッドを放棄した。
     Mr. Baer は,スピーチで語った:"合併訴訟は,高くつき,時間もかかる。しかし,これまでの数年を見れば,反競争的案件に 法廷で 挑戦することを,それが正しい途である限り,我々は躊躇するつもりは無い。"
     自動車部品  この動きは,反トラスト部門が,自動車部品に関わる 野放しの価格固定の事例を調査するに連れて明らかになり,24 社に対して告発がなされ,罰金 18 億ドルが課された。反トラスト部門は,司法省内の犯罪部門と協力して,為替市場での操作や ベンチマーク金利の設定も 調査している。
     "我々は,金融市場の詐欺と操作に関心を持ち続けている。" ・・・ Mr. Baer は,述べた。
     8月には,Baer は American Airlines (AAL) と US Airways の合併について訴訟を起こした。両社の結合が競争を減らし,チケット料金を上げると主張した。航空2社は,11 月になって,ワシントンの Reagan National 空港と ニューヨークの Lagurardia 空港での 離陸スロットと着陸スロットを手放すことで政府と妥協に達した。
     昨年1月,Mr. Baer は,Anheuser-Busch InBev NV (ABI) が 200 億ドルで Grupo Modelo SAB を買収するという提案に噛み付いた。この事例は,資産を Constellation Brands Inc. に売却することで合意を見た。
     スピーチの中で Mr. Baer は,合併しようとする会社に対して,"その場隠し (fig leaf) の資産売却や 実行不可能な経営救済策 (conduct remedy)" は,司法省の挑戦を避けるのに十分ではなかろう と警告した

     
  65. Antitrust Chief: Don't Waste My Time With Half-Hearted Offers
    反トラスト主任:いい加減な提案で 私の時間を 潰さないでくれ
    The Wall Street Journal, 2014/01/30 4:12 pm
    By Brent Kendall
     Antitrust enforcers don’t look kindly on merger partners that make half-hearted offers to sell assets to address competition problems, the Justice Department’s antitrust chief will say Thursday night.
     いい加減な提案をして 資産を 競争問題のために 売るような合併計画者たちに対して,反トラスト執行官たちは 親切ではないよう見える ・・・ 木曜日の夜に,司法省の反トラスト主任が述べるだろう。
     アメリカ司法省 副司法長官 William J. Baer は,New York State Bar Association で 本日夜に 予定されているスピーチ原稿のコピーによると,"我々は,明白に不適切な妥協提案に 時間を無駄にするつもりはない" と言うであろう。
     集中した市場で合併を模索する会社は,しばしば 大きなライバルを 抹殺しようとする一方で,"限られた資源しか持たない 弱小ライバルや新規参入社を 残りの少ない大手の かかとで 挫くような救済策を提案する。"  会社は,"このような戦略が 成功する見込みはないと気づく" べきである。Mr. Baer は,スピーチでそう言うだろう。
     Sprint とそのライバル T-Mobile は合併を計画しているが,一方で,オブザーバーたちは,どんな資産売却 (divestiture) が規制当局を満足させるか 首をひねっている。Baer 氏は そのスピーチで,現在の無線競争は,少なくとも部分的には T-Mobile により 拍車が掛かったが,"アメリカの消費者に向かっては莫大な利益をもたらしている" とスピーチするだろう。
     資産売却は,今 提案中の食品配達会社 Sysco Corp. と US Foods Inc. との合併でも問題になりうる。この取引は,FTC (Federal Trade Comission) が審査中である。
     昨年,大きなビール会社の取引では,Anheuser-Busch InBev とメキシコの Grupo Modelo が,自分たちの合併に反トラストが異議を唱えるのを避けようと,裏取引 (side deal) を企てた。その内容は, Constellation Brands Inc. にアメリカでの Modelo ブランドを使う権利を与えるというものであった。司法省は これを差し止めて,この裏取引は 競争への脅威を始末するのに 適切ではないと言った。政府がこの合併を阻止するために訴訟を起こし,結局,この取引の認可を得るために,両社は 29 億ドルの資産売却を追加提案した。
     2012 年,司法省内の 反トラスト "姉妹" 機関 FTC は,Hertz Global Holdings Inc. が 自動車レンタルのライバル Dollar Thrifty 買収を認可した際,提案された資産売却の適切性に関する問題に直面した。
     規制当局の認可を得るため,Hertz は "Advantage Rent a Car" ブランドを売却した。このブランドが, 独立な競争者として発展するだろうと見込んだのである。だが,この手配が完了してから たった数ヵ月後に Advantage が 破産保護を求めたとき,この計画は失敗に終わった。
     Advantage は,現在,新たな買い手に売られようと しているところである。
     もうひとつ別の件では,アメリカでガラス製のビール/蒸留酒用のビンを製造する会社2つの合併を確実にするために考案された資産売却の当初提案に対して,FTC がこれを押し戻した。FTC と2つの会社 Ardagh Group SA と Saint-Gobain Containers Inc. は,現在,決着をつけるための協議を行っている。
     Mr. Baer は,その予定原稿の他の部分で,反トラスト執行は不偏不党であると言う。
     "この仕事では,政治的な所属は,ほとんど意味を持たない。民主党員執行者と共和党員執行者によりなされる判定は,場合によっては何かの点で,たまに食い違うかも知れない。しかし,最終結果とそこに到る手法が似ていることの方が,そういう食い違いを大きく補って余りあると私は考える。"

     
  66. Wireless Mergers Will Draw Scrutiny, Antitrust Chief Says
    無線合併は精密検査を招く,反トラストの主査が言う
    The New York Times, 2014/01/30, 12:04 AM
    By Edward Wyatt
      アメリカ司法省がどういう考え方で何を行っているかが とてもよく分かる記事です。
      読めばすぐ分かるように,Baer 氏の予定原稿を New York Times に 事前リークしたものと思われる。
    Washington - The nation's leading antitrust enforcer said this week that it would be difficult for the Justice Department to approve a merger among any of the top four wireless phone companies, casting doubt on recent speculation that T-Mobile and Sprint might consummate a deal in coming months.
     わが国随一の反トラスト執行官(enforcer=殺し屋とも) が,司法省が4大無線電話会社のどの組み合わせについても,合併を認可することは難しかろうと 今週 述べた。つまり,T-Mobile と Sprint が数ヶ月以内に取引を完了するという最近の思惑に疑いを投げ掛けた。
      アメリカ司法省 反トラスト部門の副法務長官 William J. Baer は,あるインタビューで,4大無線会社間のこれ以上の合併は,厳しい査問に直面するだろう,なぜなら 2011 年に AT&T と T-Mobile が合併を申し出たときに,反トラスト部門が それを阻止して以来,消費者は これまで "ずっと良い競争状態" を満喫してきたからだ ・・・ と述べた。
     Baer は,特定の合併提案を取り上げるのではなく,一般論として,"アメリカ消費者の利益のためには,4 社を 3 社に減らすことが 競争を現実に改善すると説得できるような事例を 提案することは,現在,困難になりつつある。いかなる取引の提案も,反トラスト部門から非常に厳しい目で見られるであろう" と述べた。
     同氏はさらに,ケーブル・テレビ会社間のいかなる買収提案も,反トラスト部門は同様に審査するだろうと述べた。アナリストたちは,ケーブル市場が,近年 概してローカルだった市場から全国的な市場に発展したという。広告,プログラミング,ときには予約レートまでもが全国的にセットされている。
     たとえば 今月,Charter Communications は,国内第2位の規模のケーブル運営会社 Time Warner Cable を 378 億ドルで買収すると申し出た。すると,"その買収が完了すれば,Comcat が Charter から Time Warner Cable の市場の一部を買いたいのだ"  という うわさが流れた。Time Warner は,この買収が不適切であるとして拒絶した。
     この種の買収ならびに資産売却 (divestiture) の提案は,近年 あたりまえのことになっている。最も新しい例は,US Airways と American Airlines の合併を政府の反トラストが阻止しようとした場合である。この場合, 航空2社は,統合後の会社が一定数のゲート,離陸スロット,着陸スロットを 客数の多い空港 ・・・ ワシントンの Reagan National, ニューヨークの La Guardia, シカゴの O'Hare を含む ・・・ で返上することに合意させられた。
     Baer 氏は,木曜日夕方の New York State Bar Association で,反トラスト弁護士のグループに向けて, 競争問題に対して ほんの名ばかりの努力しか払わないような買収提案が余りにも多すぎることを警告するものと見られている。 このような その場隠し (fig leaf) の提案は,しばしば,本質的に,大きな参加者を市場から抹殺しようとする努力を偽装する企てであり,業界内の競争に 実は 大した役割を果たしていないような ちっぽけな競争者に,利益をもたらすものである。この種の努力は,成功する見込みが無い。
     さらに Baer 氏は,過去5年間の司法省の反トラスト活動が Barack Obama の 2008 年 選挙演説での約束を支持するものだと,力強い議論を展開して,述べると見られている。
     反トラスト部門は,過去5年間に 339 件の 反トラスト犯罪事例をファイルした。これは,それ以前の5年間に比べて 60% 増加している。そして,司法省統計によれば,その罰金は 合計 42 億ドルに上る。
     たとえば,e-ブックに関わる最近の 反トラスト訴訟では,司法省反トラスト部門は,法廷資料の中で,アップルが e-ブックの定価について出版社と合意した後,e-ブックのベスト・セラーの定価は,$9.99 から 少なくとも $12.99 に上がった ・・・ と書いている。
     司法省の言い分によれば,アップルと出版社に対して司法省が行動を起こし始めると,e-ブックのベスト・セラーの平均定価は 約 $6 に下がった。
     同様の利益は,無線電話事業でも見られる ・・・ と Baer 氏は 言うものと見られている。AT&T と T-Mobil との取引が断念されて以来,T-Mobile は,積極的なネットワーク投資と新しい料金プランにより端末の価格を下げ,安い契約料金を提供したおかげで,その業績が立ち直った。2013 年の 3Q だけで, T-Mobile は ほぼ 650,000 件の新規契約を獲得した。他の無線会社は,これに対して,それぞれの積極的な料金システムで応じた。
     我々は,無線業界を 長い間 懸命に見守ってきた。我々は,4社の過去2年半にわたる競争から 消費者にとって どのような利益が得られたかを知っている。この経験から,我々は,市場が繁栄しており,消費者が 現在の競争力学から利益を得ていることを 学んでいる。
     先週,反トラストと知的財産に焦点を絞った会議で,Baer の副官 2人がスピーチをした。
     そのうちの一人,反トラスト部門の副法務長官補佐 Renata B. Hesse は,シリコン・バレーの聴衆に向かって,合併を提案しようとしている会社の内部文書に 反競争的振舞いを示す "逃れがたい証拠" を 司法省反トラスト部門は 頻繁に見つけた ・・・ と語った。
     Ms. Hesse は,述べた。会社の経営陣は,会社間の それまでの競合関係が "いかに 事業革新の重要な原動力であったか" を E-メールや その他の文書に 頻繁に 書き留めていた。我々は,買収されんとしている会社が,それまで とりわけ革新的または崩壊的競争者であったことを示す証拠に関心がある。

     
  67. Justice Dept. & Board Members Meet Over Sprint's Possible Deal With T-Mobile
    司法省と Sprint 取締役会メンバーが T-Mobile 買収について会談
    Wall Street Cheat Sheet, 2014/01/29
    By Emily Coyle
    普段は信頼性の低い ろくでもない記事しか載せない Wall Street Cheat Sheet ですが,この記事は冷静に現状を分析しています。
     最後の部分が 結論です。
     Wall Street Journal の水曜日の報道によると,Sprint Corp の取締役会メンバー Masayoshi Son と Dan Hesse の二人は,最近 司法省官僚と会った。この会合は,Sprint と T-Mobile の提携が 現在の携帯市場の競争性を破壊するのではないかと 司法省が 未だに懐疑的であることを示した。この買収の背後の主たる扇動者 Son は,AT&T と Verizon が既に市場を制御しているから,2社を合併しても市場での競争状態を傷つけないと論じた。しかし,アメリカの反トラスト権威たちは,なお 納得していないようだ。このため,Son は 将来この買収に向けてさらに動くに連れて,規制当局からの重大な困難に直面すると予期される。
     アメリカ 反トラストの権威たちは,これまで,市場を釣り合わせておくためには,国内モバイル電話会社を4社にしたいと言ってきた。ところが,Son は,この取引に賛成する人たちとともに,市場のリーダー Verizon Wireless と AT&T が既に アメリカ業界の契約者の 2/3 以上に達しており,収益は 2社でほぼ独占, かつ,Sprint と T-Mobile は 単独でそれぞれ運営していたのでは,十分な競争ができないと論じてきた。
     とは言え,最近の T-Mobile の業績復活は,2社独占の理由づけとして 弱いものがある。というのは,強い4社が市場の競争を保っている現状に,規制機関は喜んでいるからだ。けれども,T-Mobile と Sprint の2社は,最近加速している競争は,合併なしには 長続きしないだろうと論じている。
     司法省の反トラスト官僚は,将来提出されそうな取引を査察するために,Son が求めたような会合を しばしば 歓迎する。しかし,WSJ の報道によると,規制当局は,全面的な査察を実施するまでは,例によって,その見解を示すことを待つとのことだ。このため,Sprint と T-Mobile の経営陣は,将来 何が起こるかについて 依然として 全く分からないままである。
     だが,もしも規制当局がこの取引を認可すれば,2社は安心して 資金手当てに進める。じっさい,先月, Sprint は T-Mobile を 310 億ドルで買うための融資の確約を銀行から得た。T-Mobile と Sprint は,規制当局が この取引を認可した場合に限って直面する いろいろな問題を洗い直している。そして,それに備えて,breakup fee の金額をいくらにするかを現在交渉中とも伝えられている。さらには T-Mobile と Sprint が合併した後の会社名を どうするかも。

     WSJ 報道によれば,SoftBank 社長の Son と Deutsche Telekom の重役が(両社が Sprint と T-Mobile それぞれに過半数を出資しているので),昨年夏から Sprint と T-Mobile を合併することについて交渉を続けてきた。T-Mobile の CEO John Legere も また,公の場で合併への関心を 声高に示してきた。じっさい,先週のインタビューでは,規制当局を説得することに興味を示すような内容の声明を発し, T-Mobile の復活した競争力は,Sprint なしには持続できないと述べた。また,Bloomberg West で Emily Chang とのテレビ・インタビューでは,こう語った。 「我々は 皆 もっと良い規模と能力とを必要とする。出発点となる問題は,どうやって一匹狼を捉まえ,それを満タンにするかだ。必要なのは,もっと多くの周波数,能力,それに さらに多くの投資だ。さもなければ,合併が必要だ。

      今や,Sprint, SoftBank, T-Mobile, Deutsche Telekom,この4社が,認可承認のチャンスが最大となるようにするには,この取引をどう組み立てたいのかを決断すべきである。T-Mobile は かつて合併を試みて,失敗した。それは,3年前に,AT&T との合併を司法省に提案して 却下されたときのことである。だが,なお,Sprint と T-Mobile の経営陣が,2社の合併が 現実に 消費者の最大の利益になると 規制当局を納得させることは 可能だろう。
     
  68. Sprint Said to Face U.S. Resistance on Acquiring T-Mobile
    Sprint が T-Mobile 買収でアメリカの抵抗に遭っているとのうわさ
    Bloomberg, News, 2014/01/29, 11:22 AM GMT+0900
    By David McLaughlin and Sara Forden
     Sprint Corp. (S) executives encountered resistance from Justice Department antitrust officials to a potential acquisition of T-Mobile Inc. (TMUS), according to a person familiar with the matter.
     この件に通じた人によると,T-Mobile 買収の見込みに関して,Sprint 重役たちが 司法省反トラスト官僚から抵抗に遭った。
    <下の Wall Street Jounal が簡潔に伝えている。それ以上のことは,ここには書かれていない>
     Sprint argued during a meeting this month with senior antitrust officials that a merger with T-Mobile would allow more aggressive competition with larger rivals AT&T and Verizon Wireless, according to the person, who asked not to be identified because the talks are confidential. Justice Department officials were not convinced, the person said.
     SoftBank Corp., the majority owner of Sprint, is in direct talks with T-Mobile owner Deutsche Telekom AG to resolve obstacles to a potential deal, people with knowledge of the matter said this month. An agreement could still take months to reach, one of the people said.
     T-Mobile Chief Executive Officer John Legere said in a Bloomberg TV interview that a merger with Sprint, based in Overland Park, Kansas, may help the company challenge the “duopoly” of Verizon Wireless and AT&T by providing more resources.
     Justice Department spokeswoman Gina Talamona, Sprint spokesman John Taylor, Anne Marshall, a spokeswoman for Bellevue, Washington-based T-Mobile, and Mitsuhiro Kurano, a spokesman for Tokyo-based SoftBank, all declined to comment about the meeting with department officials. The meeting was reported earlier by the Wall Street Journal.
     Aggressive Pricing
     Since taking the helm at T-Mobile in 2012, Legere, 55, has introduced more aggressive pricing and abandoned industry practices, such as requiring customers to sign long-term contracts. In the process, T-Mobile has reversed a subscriber exodus and won market share.
     Those successes have raised speculation that regulators would block a merger with Sprint, fearing that the industry would lose its most aggressive competitor.
     The Justice Department in 2011 challenged AT&T's proposed $39 billion purchase of T-Mobile, arguing that reducing the mobile market from four to three national players would limit competition and lead to higher prices for consumers. The government also credited T-Mobile for keeping competitive pressure on rivals.
     T-Mobile is a “self-described ‘challenger brand,’ that historically has been a value provider” and “places important competitive pressure on its three larger rivals,” antitrust officials said in a court filing at the time. Dallas-based AT&T abandoned its bid less than four months after the Justice Department sued to block the deal.
     
  69. U.S. Skeptical on Sprint's Possible T-Mobile Deal,
    Justice Officials Met With Directors Son and Hesse, Signaled Dim View Toward a Merger

    アメリカは Sprint の T-Mobile 買収に懐疑,
    司法省官僚が 取締役 Son と Hesse に会い,合併への見通しが暗い ことを伝えた

    Wall Street Journal, 2014/01/28, 7:53 p.m. ET
    By Ryan Knutson and Brent Kendall
      <下と同一内容の記事が,タイトルだけを変えて掲載された>
  70. Sprint Met With Government Over T-Mobile Deal,
    Justice Department Signals Skepticism Over Possible Purchase in Meeting with Sprint's Son, Hesse.

    Sprint が T-Mobile 取引の件につき政府筋と会談
    Sprint の Son, Hesse との会談で,司法省は,買収について懐疑的なことを伝える.

    Wall Street Journal, 2014/01/28, 5:05 p.m. ET
    By Ryan Knutson and Brent Kendall
    Sprint Corp. board members Masayoshi Son and Dan Hesse met recently with Justice Department officials who said they would view a acquisition of rival T-Mobile Inc. with skepticism, people briefed on the conversation said.
      Sprint 取締役会のメンバー Masayoshi Son と Dan Hesse は,最近 司法省の官僚に会い,ライバル T-Mobile 買収について懐疑的見解を告げられた。この会談をブリーフした人たちが語った。
     この会談は 1月に行われ,この取引に対する Mr. Son の真剣さを物語ると同時に,ハードルが極めて高いことを裏付ける。アメリカ 反トラストの権威たちは,現在の国内4社体制が,市場の競争状態を保つ上で重要だと考えている。
     
  71. Loeb’s Third Point Buys T-Mobile in Bet on Possible Merger
    Loeb の Third Point が合併に賭けて T-Mobile を買っていた
    Bloomberg, Technology, 2014/01/22, 2:25 AM GMT+0900
    By Beth Jinks
     Third Point LLC, the hedge fund founded by activist investor Daniel Loeb, bought a stake in wireless carrier T-Mobile Inc. (TMUS), betting that the company could be acquired by Sprint Corp. (S) or Dish Network Corp. (DISH)
     物言う株主 Daniel Loeb が設立したヘッジ・ファンド Third Point 合同会社は,携帯無線会社 T-Mobile US を買っていた。T-Mobile が Sprint または Dish Network により買収される可能性に賭けたものと見られる。
     Third Point 合同会社は,2013年11月に T-Mobile が行った2回目の売り出しで @$25 で株式を購入していた。・・・ 本日,Loeb が その出資者への書簡で述べた。Third Point は,T-Mobile の買収の見込み,ならびに 業績の改善,同業他社との比較感に魅力を感じた。
     T-Mobile に投資したことにより,いまや Loeb は,水面下の合併の両側に ポジションを持つことになった。 彼の会社は,Overland Park, Kansas を本拠地とする Sprint を所有する日本の携帯無線会社 SoftBank Corp. の株を持っている。Sprint と T-Mobile の間の そういう取引が反トラストのハードルに敢然と立ち向かうならば,これまで以上に Verizon Wireless と AT&T Inc. に対して強い挑戦者を生み出すだろう。・・・ Loeb は 書いた。
     『Sprint と T-Mobile との結合は,10 年の長きにわたり 市場シェアと利益シェアを握る この業界の2大会社に対する 唯一の現実的な対抗勢力を生み出す』・・・ Third Point の CEO を務める億万長者 Loeb は 語った。もしも SoftBank が Sprint を T-Mobile と結合させれば,新しい会社のコスト削減は 200 億ドルから 300 億ドルになりうると見る。・・・ アナリストのデータを引用して,彼は語った。

     一匹狼たちの争い
     T-Mobile とその CEO John Legere は,この業界の慣行に攻撃を仕掛け,長期契約を取り,低料金プランを提供するなどして,過去1年に市場シェアを大きくした。この一匹狼精神は,Sprint の取引への潜在的な障害と見られている。・・・ Loeb は語った。この合併が 競争相手を追い立てているこの会社を 業界から消去するのであれば,規制当局は,合併に賛成するのに抵抗するだろう。
     そうは言っても,この態度は,自分の会社を世界最大の携帯無線会社の一部分にすると言い切ってきた SoftBank CEO Masayoshi Son が "究極の一匹狼" であり,彼が T-Mobile の反逆精神を保持するだろうという事実を無視している。・・・ Loeb は語った。Son は,「革新的なビジネス実践を展開して,それにより かなりの経営統合効果を 市場シェアの増加に変換させようと目論むものと思われる。」

     
  72. Deutsche Telekom Says T-Mobile Value Returns to AT&T Deal Levels
    T-モバイルの企業価値が AT&T 買収時の水準に回復 と ドイツ・テレコムが言明
    Bloomberg, Technology, 2014/01/20, 8:01 AM GMT+0900
    By Cornelius Rahn at Berlin.
     Deutsche Telekom AG has recouped its investment in T-Mobile, with an increase of the unit’s value compensating for a 7.4 billion-euro ($10 billion) writedown on the asset in 2012, according to the German company’s chief executive officer.
      ドイツ・テレコムの CEO によれば,同社は T-Mobile への投資の損失を回復した。
    T-Mobile の企業価値は増加して,2012 年の資産減額 74 億ユーロ (100 億ドル) を埋め合わせた。
      ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで,Timotheus Höttges は アメリカ第4位携帯会社への投資の資産評価を行ない,ドイツ・テレコムは その持ち株を売却する可能性を再度検討中とのことだ。2011 年に AT&T に 390 億ドルで譲渡する計画が失敗して以来,ドイツ・テレコムは,T-Mobile を MetroPCS Commu-nications と合併させ,そのネットワークを拡大させ,低廉かつ柔軟な料金プランを導入して,同社をアメリカで 最も急速に成長する無線プロバイダに仕上げた。
     『我々は,企業価値を かつて AT&T に売却しようとしたときの水準まで上げた。つまり,67% の持ち株は, 420 億ドルの値打ちがある。AT&T との取引の企業価値に もう既に回復した』・・・ 起業家ならびにテクノロジー会社向けに ミュンヘンで開催中の DLD 年次会議に参加中の Höttges は,昨日 語った。

     そのスプリント部門と T-モバイルとの結合を模索するソフトバンクは,ドイツ・テレコムと,潜行中の取引への障害を解決するため,直接協議に入った。・・・ この件の知識を持つ人たちが語った。ブルームバーグがまとめたデータによると,T-Mobile は,株主価値 (equity value=時価総額) 260 億ドル,全負債 約 136 億ドルを有する。

     株価が2倍に
     T-Mobile の譲渡に関する議論について,Höttges は 一切のコメントを控えた。51 歳の彼は,Bonn を本拠地とする Deutsche Telekom の 前CEO René Oberman の後を 今月引き継いだのだが,その以前には,AT&T との交渉にも MetroPCS との交渉にも 個人として関わった。
     2012 年,MetroPCS の合意の後まもなく,Deutsche Telekom は,T-Mobile 保有株の評価を引き下げた。 これは,当時 顧客が大量に脱退したために 収益の見通しが下がったことを反映したものである。
     今月に入って,T-Mobile CEO John Legere は。この8年の中で この四半期が同社にとりベストだったことを発表した。じっさい,2013 年の最後の3ヶ月では,月間加入者数が 869,000 増加した。MetroPCS の買収が5月に完了して以来,T-Mobile の株価は,ニューヨーク市場で2倍になった。
     Höttges は 語った。『アメリカは,私にとって 偉大な story だ。いろんなものが どう集まってきたかを思えば,我々がアメリカで創造したものを 私は ・・・ これに関わった全ての人々とともに ・・・ かなり誇らしく思う。』

     反トラストの懸念
     Deutsche Telekom は,T-Mobile について 全額現金を望んでおり,SoftBank は,なるべく多くの現金を提供するように この取引の融資を受けるよう努めている。・・・ 一人が語った。SoftBank 設立者社長の Masayoshi Son は,Goldman Sachs Group Inc., Mizuho Bank Ltd. および Credit Suisse Group AG を含む銀行から約 200 億ドルを借りようと模索している ・・・ 先月 数人が語った。 この取引に関する負債は,全て Sprint が引き受ける。・・・ 一人が語った。
     Sprint と T-Mobile の合併は,Verizon Wireless と AT&T に対して,強化されたライバルを生む結果になるだろう。だが,この取引は,国内運営会社の数を減らすことに関して,規制当局からの障害に直面するだろう。
     
    [ドイツ・テレコムの将来の方針]
       Deutsche Telekom にとって 現金の好ましい使い方は,ネットワークへの投資であり,負債を減らすことは,キャッシュ・フローから手当てされるだろう。・・・ Höttges が語った。このドイツの携帯会社は,ヨーロッパ中に電話ネットワークを持っており,2015 年までの3年間で ほぼ 300 億ユーロの投資を留保した。
     Deutsche Telekom は,EU の地域ファンドからの助成金に応募して,ドイツの非都市部にブロードバンドの届く範囲を拡大することを計画している。EU のコミッショナー Neelie Kroes が先週 語ったところによると,このファンドは,初めて今年から ネットワークのロールアウト (roll out) のための資源を提供することに集中するだろうという。
     Höttges は語った。『我々は,非都市部で申し出があれば,どんなプロジェクトにでも応募する。Deutsche Telekom は,これらのファンドを ほぼ 5,000 件のブロードバンド・共同プロジェクトに,高速接続をロールアウトするのが経済的でないような ドイツ内のコミュニティーで,使いたい。』
    Bloomberg, Berlin: Sprint と T-Mobile の合併について,一連の "うわさ" 報道がこれまで続きましたが,ベルリン発のこのニュースにおいて,初めて 実名を明かして発言する ギリシャ人 CEO が登場し,T-Mobile の企業価値がいくらであるかを訴えました。
    Höttges: ウチのアメリカ部門の 企業価値が 390 だなんて いまだに 思っておられないでしょうね,Son さん。今では 420 (284+136) あるんですよ。 でも公表したのは,この数字だけ。私たち2人の "直接交渉" は,報道が煽っているだけで,まだ内緒の話です。
    Bloomberg, New York: でも,ウチの調べでは 260+136=396。ドイツさんの言い値は,少し(24)高すぎる。
    Masa Son: 284 とおっしゃいますが,いまのところ,銀行に話をつけたのは 200 なので,そこをなんとか・・・。 それに,こんなふうに 420 という数字を勝手に公表なさるとは・・・。狡いですね。
    Höttges: でも,私が いちばん 強調したかったのは,"420" という数字です。この点は,Son さんだって よくお分かりのはず。なのに,"日本語抜粋" で この重要な数字が消えてしまったのは,どういうマジックなのでしょうかね?
    Bloomberg, Japan: 当社の英文記事は,いつも長いので,当社の判断により適宜 抜粋を行っております。今回の日本語抜粋には,何か不具合がございましたでしょうか?
    Höttges: "420" の他に,最後の部分 [当社の将来の方針] についても,あれを丸ごとカットしなければ,当社がキャッシュを必要としており,T-Mobile を本気で 売りたいことが 日本の投資家の皆様に 少しはご理解いただけるかと思ったのですが,本当に残念です。
     さて,このニュースが,どのように "日本語抜粋" されるでしょうか ・・・。
     いま見て その "抜粋" ぶりに ビックリ。

     
  73. Softbank talks to D. Telekom on Sprint-T-Mobile: Bloomberg.
    Reuters, Frankfurt, 2014/01/19, 6:30 am EST (欧州標準時)
    Reporting by Victoria Bryan; Additional reporting by Harro ten Wolde; Editing by Sophie Walker.
     Softbank Corp has entered direct talks with Deutsche Telekom as it seeks to combine its Sprint Corp unit with the German company's T-Mobile, Bloomberg reported on Sunday, citing people familiar with the matter.
      Deutsche Telekom this week transferred ownership of its 67% stake in T-Mobile to a Dutch holding company from a German holding company, fuelling speculation it may be looking to sell the U.S. business.
     Sprint and T-Mobile have long wanted to combine to create a stronger rival against the top two U.S. mobile carriers, Verizon and AT&T, while Softbank CEO Masayoshi Son wants to build the world's biggest mobile Internet company.
     Softbank has assurances from banks that financing is available but an agreement could still take months to reach, Bloomberg reported.
      Matters to be resolved include how much cash and stock SoftBank will pay for Deutsche Telekom's stake in T-Mobile, and how Sprint and T-Mobile will be integrated, Bloomberg further reported.
     Sources had told Reuters in December that Softbank was in talks to acquire T-Mobile and was discussing funding for a deal.
     Deutsche Telekom was not immediately available for comment on Sunday.
     ─────
      Bloomberg 2014/01/18 報道に寄りかかった Reuters の記事ですが,フランクフルト (ドイツ) と言うだけのことはあって,T-Mobile の 67% 持ち株の所有権を,ドイツの持株会社からオランダの持株会社に 今週 移動したため (この書き方は,うわさではなく,たぶん 事実),アメリカ部門を売ることを視野に入れているのではないかとの 思惑 (speculation) に油を注いでいる ・・・ この部分だけです。
     
  74. SoftBank Said to Enter Direct Talks on Sprint-T-Mobile Deal.
    ソフトバンクが Sprint の T-Mobile 買収について直接の話し合いに入るとの うわさ
    Bloomberg, Technology, 2014/01/19, 1:52 PM GMT+0900 (世界標準時),
    By Alex Sherman and Aaron Kirchfeld
     SoftBank Corp., which is seeking to combine its Sprint Corp. unit with T-Mobile Inc., has entered direct talks with T-Mobile’s owner Deutsche Telekom AG to resolve obstacles to a potential deal, people with knowledge of the matter said.
      そのスプリント部門と T-モバイルとの結合を模索するソフトバンクは,T-モバイルの所有者であるドイツ・テレコムと,潜行中の取引への障害を解決するため,直接協議に入った。
      ・・・ この件の知識をもつ人たちが語った。
      <記事の本体内容は,2014/01/18 と同一であり,何も変化は無い>
     
  75. SoftBank Said to Seek Sprint-T-Mobile Deal With Finances Assured
    ソフトバンクは融資が保証され,スプリントの T-モバイル買収を模索との うわさ
    Bloomberg News, 2014/01/18, 2:00 PM GMT+0900 (世界標準時)
    By Alex Sherman and Aaron Kirchfeld
     SoftBank Corp., which is seeking to combine its Sprint Corp. unit with T-Mobile, is in direct talks with T-Mobile’s owner Deutsche Telekom AG to resolve obstacles to a potential deal, people with knowledge of the matter said.
      そのスプリント部門と T-モバイルとの結合を模索するソフトバンクは,T-モバイルの所有者であるドイツ・テレコムと,潜行中の取引への障害を解決するため,直接に協議中である。
      ・・・ この件の知識をもつ人たちが語った。
     SoftBank は,いまや 取引のための融資が得られるという保証を銀行から得たが,合意に達するまでには なお 数ヶ月を要するらしい。・・・ 一人が,プライベートな情報であることを理由に 匿名を条件として語った。未解決の問題点は,SoftBank が Deutsche Telekom にどれだけの現金と株式を Deutsche Telekom 保有の T-Mobile 株式 67% の対価として払うか,また Sprint と T-Mobile が どのように統合するかである ・・・ 2人が語った。
     Deutsche Telekom は,市場価値 約 260 億ドルの T-Mobile に対して 全額現金での支払いを望み,SoftBank は,なるべく多くの現金を提供するように融資を受けるよう努めている ・・・ 一人が語った。SoftBank 設立者社長の Masayoshi Son は, Goldman Sachs Group Inc., Mizuho Bank Ltd. および Credit Suisse Group AG を含む銀行から約 200 億ドルを借りようと模索している ・・・ 先月 数人が語った。
    この取引に関する負債は,全て Sprint が引き受ける。・・・ 昨日 一人が語った。

     Sprint と T-Mobile の結合は,どちらの会社にとっても [sic] AT&T と Verizon Communications に対して 長期的成功のチャンスを上げることになる。Sprint の経営陣は,現在 この買収の交渉を制御しておらず,Son がこの取引を進めるか否かを決定すると理解している。・・・ 別の一人が語った。Sprint CEO の Dan Hesse は,SoftBank に自社の大半を売却することに合意した時点で,Son が T-Mobile を買収する意図であることを知っていた。・・・ 同じ人が語った。

     Verizon を打ち負かす
     この取引の構造は,全く確定しておらず,Deutsche Telekom, SoftBank, Sprint および T-Mobile の取締役会で合意に達する必要がある。・・・ 一人が語った。この取引は,また,規制当局の反対に直面するだろう。 ・・・ 数人が語った。
     Tokyo を本拠地とする SoftBank のスポークスマンと Bonn を本拠地とする Deutsche Telekom のスポークスマンからは,どちらも 通常の業務時間外であるため,コメントを得られなかった。Sprint のスポークスマン Bill White と T-Mobile のスポークス・ウーマン Anne Marshall は,2人ともコメントを控えた。

     さらにまた 未解決の問題は,規制当局がこの取引を撃ち落とした場合に備えて,Breakup Fee をいくらにするかである。・・・ 2人が語った。2011 年,AT&T は,アメリカ司法省と FCC からの反対に遭い,T-Mobile を買収する合意が破れたとき,約 70 億ドルを現金/資産の形で支払う羽目になった。
     もし SoftBank と Sprint が同じ運命に遭えば,これほどの額の違約金を支払うことはできないだろう。・・・ 先月,数人が語った。Sprint の会長を務める Son は,同社が既に多額の負債を負っているという理由で,多額の Breakup Fee を支払いたくないと 銀行団に言った。・・・ 一人が語った。

     Dish (を うまく利用する) 解決法 ?
     Sprint の T-Mobile へのビッドは,『連邦規制当局と反トラスト官僚のかなりの異議に出会うだろう。国内の場で1社減って欲しいという政治的な欲求は無い。とくにその1社が一匹狼の会社である場合には』・・・ ワシントン駐在の Medley Global Advisors のアナリスト Jeff Silva は インタビューで語った。
     他方,New Street Research のアナリスト Jonathan Chaplin は,顧客へのノートで こう言った。
    『国内第2位の衛星テレビ・プロバイダである Dish Network は,Sprint と T-Mobile との結合を促進しうるかも知れない。 もし Sprint が そのネットワークに Dish の無線電波をホストすることを承諾して,衛星会社がモバイル電話事業に参入することを許せば,新しい競争会社が現れることになるので,規制当局は,Sprint の T-Mobile 買収に賛成するかもしれない。Sprint は,Corpus Christi (Texas州) で Dish と無線インターネット・サービスのテストを開始した。これは,将来のパートナーシップへの序章となりうる。
     両社は,このことが競争に資すると論じることもできよう。Sprint と T-Mobile は どちらもこれまで うまく行っていないが, Verizon および AT&T と同程度のスケールになり,これまでよりも更に攻撃的な料金設定ができるようになる。さらに,Dish に低いネットワーク・コストを与えることにより,Dish がそのサービスで攻撃的な料金設定をできるようになり,シェアも取れるようになる。』
     Dish のスポークスマン Bob Toevs は,コメントを控えた。

    ───── Comment by bobc, 3 hours ago ──────────
    Hmm. Seems like there's almost as many rumors on the internet about this possible merger as there is about the next Galaxy and iPhones.
     おいおい,こういう合併があるかないかについて,インターネットでは沢山の噂が飛び交うわい。
    次の Galaxy と iPhone がどうなるかという噂と同じくらいの数じゃ。

    ─────
     [上のコメントの通り,この記事は,重要な情報が,最後の2人を除き,異例とも思える 10 人 (以上?) の全て匿名の人からの話として構成されています。
     これが日本語版では,なぜか「事情に詳しい複数の関係者が明らかにした」と 翻訳されるので,日本の中では 信憑性が上がる仕掛けです(笑)。
     日本語に翻訳すると どうしても,「関係者によると,○○」と書くしかありませんが (やむを得ないか)もともと英語では,「○○,ひとり (one of the people) が語った」と書かれています。日本語で 関係者 と言われると,交渉に携わっている人がリークしたように聞こえますが,英語では,「単に何かを知っている人」という程度のニュアンスです。
     受ける印象は,かなり違います。アメリカ人よりも日本人の方が,強く肯定的に受け止めるでしょう。
     ブルームバーグ日本語版には "抜粋" として掲載されましたが,あれだけを読むと,どこを削って短縮したかは 分からないでしょうね。試みに,私の全文翻訳 (ブルームバーグ日本語抜粋を見る前に翻訳した)ブルームバーグ 日本語抜粋 との比較を 別ページに示します。翻訳という作業が どういうものか ご理解頂けると思います。 どのくらい抜粋されているかに関心のある方も,どうぞご覧下さい。もしかして ・・・ この "抜粋" の程度にビックリなさる人がいるかも知れません。
     しかし,この程度のことは,当たり前に行われています。Reuters, WSJ でも共通です。]
     
  76. Japanese Banks Willing to Fund Sprint Bid for T-Mobile.
    日本の複数の銀行 スプリントの T-モバイル買収融資に積極的.
    The Wall Street Journal | Japan, 2014/01/18 23:13:51 GMT
    By Mayumi Negishi and Atsuko Fukase
     If U.S. mobile carrier Sprint Corp. ever does make a bid to buy rival wireless company T-Mobile Inc., Japanese lenders appear willing to help out.
      もし,アメリカのモバイル通信会社スプリントが,ライバルの無線会社 T-モバイルを買うビッドに踏み切れば,日本の貸し手は,喜んで手助けするらしい。
     At least one major Japanese bank has drawn up an internal proposal for participating in a potential financing syndicate for T-Mobile, said one banker familiar with the situation. Other big Japanese banks would also be willing to join in such financing as well, according to officials from several lenders.
     Those expressions of interest came as Sprint is receiving financing proposals for a possible takeover of T-Mobile from at least two banks, according to people familiar with the matter. They are important since the deal could be hugely expensive: The proposals envision a possible value of around $50 billion, including the refinancing of $20 billion in T-Mobile debt.
     What’s more, both T-Mobile and Sprint, as well as Sprint’s parent, Japanese telecommunica-tions company SoftBank Corp., are laden with debt and have credit ratings of “junk,” or below investment grade.
     Still, the combination of Sprint and T-Mobile should be able to save so much on overhead and network costs that there would be plenty of cash to pay lenders back, analysts say. A merger could represent $5 billion or more in operational cost savings a year, once a massive integration of the two base station networks is complete and through cuts of overlapping marketing and administrative costs, according to a note to investors by J.P. Morgan analyst Philip Cusick.
     If needed, bankers also expect support from SoftBank, which, despite a debt burden of more than $85 billion, has been successful before with a highly leveraged acquisition ・・・ the \1.75 trillion leveraged buyout of wireless carrier Vodafone Japan in 2006.
     “I think many banks want to take part in the deal,” said a banker at a major Japanese lender.
     Although the details of how Sprint might finance an acquisition are still unclear, bankers say it will likely involve some amount of leveraged financing, consisting of loans and debt taken out against the value of the combined Sprint and T-Mobile.
     SoftBank, led by entrepreneur Masayoshi Son, has taken full advantage of Japanese banks’ eagerness to lend. Last year, the company bought Sprint for $22 billion, a majority stake in Finnish game maker Supercell for $1.5 billion and a majority stake in cellphone distributor Brightstar Corp. for $1.3 billion.
     The ready funding is partly a result of Japan’s ultracheap interest rates, which are near historic lows after the country’s central bank in April started flooding the economy with cash in an attempt to encourage spending. Japanese banks, too, are desperate to find borrowers, amid weak demand for funds from the nation’s cash-rich blue-chip firms.
     The Sprint acquisition tripled SoftBank’s interest-bearing debt to 4.6 times earnings before interest, taxes, depreciation and amortization ・・・ a measure of profitability ・・・ compared with debt ratios of 1.7 and 1.1 times earnings at U.S. telecommunications company AT&T Inc. and Verizon Wireless, respectively. The purchase prompted credit-rating firms Standard & Poor’s and Moody’s Investors Service to lower SoftBank’s ratings in July.
     Yet Japanese banks, which had initially funded the purchase of Sprint with a bridge loan of 1.65 trillion yen in December 2012, refinanced that loan in September along with other debts in a deal totaling \1.98 trillion at a starting interest rate of 1.4%. Indeed, SoftBank’s financing costs actually dropped after the downgrade, since banks had thought the cuts might be worse than they were, Mr. Son said at a press conference in July. “Banks are approaching us more now with financing options,” he said. “Our financing costs are lower.”
     By contrast, when SoftBank bought Vodafone Japan in 2006, its average interest rate was 3.8%.
     [今度は,金額は "500 億ドル" のままであるが,"銀行" が "日本の銀行" と特定された。ただし,依然として の段階である。
     2人の記者は,この記事を補強するために,(懸命の努力で)周知の事実をいくつか挙げる。日本銀行の政策により,日本の金利が異常に低下していること。そのため,日本の銀行が貸出先を見つけにくいこと。それに 昨年7月の決算説明会で 孫社長が "融資のコストは下がっている" と述べたこと ・・・。
     翻訳は 実に手間の掛かる仕事なので,ここでは,名前の特定している人の発言だけを 日本語に翻訳する。
     J. P. Morgan のアナリスト Philip Cusick が書いた投資家へのノートによれば,ふたつのベース・ステーション・ネットワークの巨大統合が完成し,重複するマーケティング・コストと管理コストの削減を徹底すれば,合併により 毎年 50 億ドル以上の運営コスト削減につながりうるだろう。
    ]

     
  77. Sprint Has Proposals From Banks on Financing Bid for T-Mobile.
    スプリントが,T-モバイル買収の資金調達について,銀行 (複数) から提案を受ける.
    Wall Street Journal, 2014/01/16, 5:09 p.m. ET,
    By Ryan Knutson and Dana Mattioli
     Sprint has received proposals from at least two banks on how it could finance a takeover of smaller rival T-Mobile Inc., giving it confidence that a deal could be funded, people familiar with the matter said.
     Terms of any bid have yet to be firmed up, one of the people said. But the proposals envision a total "enterprise value" of about $50 billion for the deal, which would involve paying around $31 billion for T-Mobile and another $20 billion to backstop a refinancing of existing T-Mobile debt.
     融資の条件は詰めていないが,$50 billion = 500 億ドル = 5兆円の融資を 少なくとも銀行2行が用意。
     買収関連のニュースは,どれも 噂である。例によって,お決まりの "この件に通じている人々が語った"。
     現在でも 65 億ドルを 高金利のジャンク債(7.875%, 7.25%) により調達している (その約半分 30 億ドルが拘束性預金なので,実質金利は ~15%) スプリントが 総額 500 億ドルの借金というのは,虚報 ?
     ちなみに,この話が Bloomberg で最初に報道されたときには,ソフトバンク が 6行から 200 億ドル調達を打診中という話であった。今回は "企業価値" 500 億ドルとなっている。

     
  78. T-Mobile Pricing Seen as Obstacle for Any Sprint Merger
    T-モバイルの料金設定は,スプリントのどんな買収にも障害と見える
    Bloomberg, 2014/01/15, 2:00 PM ← AM (?)
    By David McLaughlin and Todd Shields
     T-Mobile’s pricing strategy is a potential roadblock for any Sprint takeover attempt because U.S. regulators want to preserve a maverick wireless company that offers subscribers lower rates.
      アメリカ規制当局は,利用者に低い価格を提供する 一匹狼無線会社[=T-Mobile]を保存することを望むので,T-モバイルの価格戦略は,スプリントのいかなる買収計画にも 潜在的な妨げとなる。
     T-Mobile is using cheaper plans to gain customers from larger rivals, helping create the kind of competition the Justice Department sought more than 2 years ago when it sued to keep the company from being gobbled up by AT&T, the industry No. 2 behind Verizon Wireless.
     Regulators will not want to disrupt the market dynamic, if Sprint reaches a deal to buy T-Mobile, said Jeff Silva, a Washington-based analyst with Medley Global Advisors.
     A Sprint bid for T-Mobile “would hit a lot of static from federal regulators and antitrust officials,” Silva said in an interview. There isn’t “political appetite for seeing the national field reduced by one, especially if that one is a maverick carrier,” Silva said.
     Since joining T-Mobile in 2012 from Global Crossing Ltd., Chief Executive Officer John Legere has undercut his competitors with lower-priced plans, quicker upgrade privileges and free international roaming. T-Mobile added 869,000 monthly subscribers last quarter; the company told investors it gains two subscribers for every one lost to AT&T.
     AT&T, based in Dallas, has fought back with its own promotions. On Jan. 3, the carrier began offering T-Mobile customers as much as $450 in credits for devices and services for each line they switch.
     ‘Fat, Happy’ (肥えて ハッピー)
     “These folks are fat, dumb and happy,” Legere, 55, said of competitors in a Bloomberg TV interview Jan. 8. “These guys don’t have the cost structure to compete or the speed to move. They are going to have to wake up.”
     Legere’s audacity -- he crashed AT&T’s party last week at the International CES in Las Vegas -- adds to the company’s reputation for shaking up competitors.
     If Sprint combined with T-Mobile, “you’d have the slow mover taking out the fast mover -- why would they allow that?” said Roger Entner, an analyst with Recon Analytics based in Dedham, Massachusetts.
     Despite having fewer customers than Verizon and AT&T, Sprint and T-Mobile have large swaths of airwaves, he said. Together, Sprint and T-Mobile would have “more than half the available spectrum and twice as much as AT&T or Verizon,” Entner said.
     T-Mobile, which reported a third-quarter net loss of $36 million, has been the source of takeover speculation. Its parent company Deutsche Telekom AG has indicated that it would be willing to sell its stake.
     ‘Financing Discussions’ (資金手当ての議論)
     Masayoshi Son, CEO of SoftBank, the majority owner of Sprint, has held discussions with banks about financing a T-Mobile deal, people familiar with the matter have said.
     John Taylor, a spokesman for Overland Park, Kansas-based Sprint, declined to comment about a possible deal for T-Mobile. Anne Marshall, a spokeswoman for Bellevue, Washington-based T-Mobile, didn’t respond to a request seeking comment.
     A deal to combine Sprint and T-Mobile, the third- and fourth-largest carriers, would be reviewed by the Justice Department’s antitrust division and the Federal Communications Commission.
     The Justice Department argued in challenging AT&T’s proposed $39 billion purchase of T-Mobile in August 2011 that reducing the mobile market from four to three national players would limit competition and lead to higher prices for consumers. The government also credited T-Mobile for keeping competitive pressure on rivals.
     T-Mobile is a “self-described ‘challenger brand,’ that historically has been a value provider” and “places important competitive pressure on its 3 larger rivals,” antitrust officials said in a court filing.
     ‘Abandoned Bid’ (ビッドの放棄)
     AT&T abandoned its bid less than 4 months after the Justice Department sued to block the deal.
     “They not only feel vindicated by blocking that merger, but they now feel emboldened to hold the line,” said Medley Global Advisors’ Silva.
     T-Mobile has since infused new competition into the wireless market, said Harold Feld, senior vice president at Public Knowledge, a Washington-based policy group. This month, the company announced an early-termination plan to pay the fees of customers switching from AT&T, Sprint or Verizon that could save families as much as $650 per line, it said.
     Last year, Bill Baer, the head of the Justice Department’s antitrust division, said in an FCC filing the four biggest wireless carriers compete on price, network speed, and coverage. That means regulators need to “maintain vigilance against any lessening of the intensity of competitive forces,” he said.
     “Today, T-Mobile remains a vigorous, independent force in the wireless industry,” Baer said in a September 2013 speech, according to his prepared remarks.
     ‘Reinvigorated Competition’ (再活性化される競争)
     The Justice Department “drew a line in the sand and that’s what has reinvigorated competition in the wireless world and really turned everything around,” Feld said. “It would be very hard to go against that prevailing wisdom.”
     Justin Cole, an FCC spokesman, and Gina Talamona, a spokeswoman for the Justice Department, declined to comment.
     Sprint and T-Mobile could argue that combined they can create a more effective competitor to Verizon and AT&T, said Allen Grunes, a lawyer at GeyerGorey LLP in Washington who was formerly a Justice Department antitrust attorney. That argument only works if the companies show they can successfully integrate their technologies and pass on lower costs to consumers, he said.
     ‘Compete Directly’ (スプリントと T-モバイルが互いに直接に競争)
     Winning regulatory approval would also depend on how much the two compete directly with one another for customers rather than with AT&T and Verizon, Grunes said.
     “If Sprint and T-Mobile are constantly fighting each other and consumers are getting some benefit because the two of them are targeting each other, then the merger becomes problematic from an antitrust standpoint,” he said.
     T-Mobile’s aggressive tactics are unlikely to continue in the event of a Sprint deal, the American Antitrust Institute said in a Jan. 7 letter to the Justice Department and the FCC. It may be a weaker competitor if combining operations distracts the companies, leading to reduced service, it said.
     “The national wireless market is experiencing a new and refreshing bout of vigorous price and service competition,” Albert Foer, the organization’s president, wrote. “If Sprint and T-Mobile merge, however, this dynamism may end prematurely.”
      アメリカ反トラスト協会総裁 Albert Foer は,1月7日,司法省と FCC への書簡で,次のように書いた。
     スプリントの取引が成立すれば,T-モバイルの攻撃的な戦術は 続きそうにない。もしも結合しようとしている通信会社たちがサービスを低下させるなら,競争力は弱まるだろう。
     「国内の無線市場は,荒々しい料金・サービス競争の 新たな 目ざましいラウンドを経験しているところだ。だが,スプリントと T-モバイルが もし合併すれば,その力強さは,その芽が摘まれてしまうかも知れない。」

  79. Price war in U.S. mobile market raises fear of profit hemorrhage
    アメリカのモバイル市場の料金戦争は,収益 大出血の恐れをもたらす.
    Reuters, 2014/01/11, 7:00 AM
    By Sinead Carew
    New York, Jan 11 (Reuters) - New Year's rivalry among U.S. mobile operators has Wall Street worried that the industry's profits could seriously decline.
     アメリカのモバイル会社のあいだの新年の対立競争に, この業界の収益が容易ならぬほど下落するのではないかと ウォール街は懸念する。
      T-モバイルが何ヶ月にも渉って他キャリアから顧客を引き込もうと攻撃的に動いた結果,第2位の AT&T は,1月3日,T-モバイルから乗り換える顧客に $450 を支払うという反撃に出た。数日後,こんどは,第3位のスプリントは,家族と友人のグループに莫大な割引を約束した (Framily Plan)。すると,水曜日に,T-モバイルは 金額を引き上げて,乗り換えの際の解約料金を肩代わりすると言った。
     スプリントと AT&T の動きは,どちらも,長い間 この業界で落伍していた 第4位 T-モバイルが 4年の損失の後に 顧客増を 3/4 にしたと報告できた後に発生した。
     ますます熾烈になる この競争は,消費者に対して これまで長い間 その [自分勝手な] 意志を 押し付けてきたアメリカ業界への 新たな挑戦である。 アナリストたちは,数十億ドル (数千億円) の収入が失われる結果になるのではないかと 危惧している。
     投資家たちは,以前から,AT&T と ベライズンが,T-モバイルの動きを 軽く受け流せるだろうと期待していた。 なぜなら,両社は 既に市場の約 2/3 を制御しているからだ。じっさい,かつて AT&T は,T-モバイルの努力は コスト意識の最も高い顧客に限定して向けられているに過ぎないとして,そのような顧客は AT&T や ベライズンの主要なターゲットではないと述べた。
     AT&T は,T-モバイルの無遠慮な CEO John Legere から そのサービスを公に批判されながらも,数ヶ月の間 傍観を続けてきた。ところが 今や戦いに戻った。これでは,業界のリーダーも (Vz を指す) 厳しいマージンに直面せざるを得ない ・・・ そう アナリストたちは言う。
     Jefferies のアナリスト Michael McCormack が言うには,「一番がっかりすることは,AT&T が T-モバイルに反応していることだ。ベライズンが どれだけ黙っているだろうか?」
     AT&T はサービス・レートを変更しなかったが,同社のネットワークに切り替える顧客に $200 のクレジットを供与している。
     同社は,2011 年に買収対象とした T-モバイルのターゲットに一番なりやすい。なぜなら,同じ技術を使っており,顧客がサービスを切り替えるのが容易だからだ。
     両社の争いは,ラスベガスで開催された CES (Consumer Electronics Show,消費者のためのエレクトロニクス・ショー) において,AT&T が ラッパー Macklemore を呼びものにするコンサートから Legere を追い出したことにより,個人的な色彩を帯びた。
     一方,T-モバイル自身のイベントで,Legere は ステージに上がり,革ジャケットの下に いつものピンクの同社Tシャツを着込み,冒涜的な言葉を撒き散らすスピーチで,AT&T とその経営陣を笑いものにした。
      Roe Equity Research のアナリスト Kelvin Roe は,"不健康な 市場dynamic" が悪化していると見る。なぜなら,彼は AT&T が T-モバイルへの転出者に払うインセンティブが この程度で済むなどとは 思っていないからだ。
      「まだ この先がある。AT&T のシェアが安定するまで これは続くだろう」と Roe は言う。同氏は,AT&T が T-モバイルへの顧客流出を落ち着かせることができるまで これが 続くだろうと見ている。
     日本のソフトバンクが 80% を所有するスプリントが,昨年 ネットワークの点検整備での技術的問題から失った顧客を取り戻そうと懸命になれば,今年後半には,この競争は さらにエスカレートすることはありうる。
     或る投資家たちは,もしもスプリントと T-モバイルを合併させるというソフトバンクの望みが結実すれば,戦闘停止になるだろうと希望を繋いでいる。ソフトバンクは 今年 T-モバイルに ビッドを仕掛けるかもしれない。しかし,ワシントンの多くの業界エキスパートは,規制当局がそういう取引を阻止すると見ている。政府は,AT&T の 2011 年の T-モバイル買収を,市場が国内4社を必要とするという理由で 拒絶した。今では T-モバイルは 当時より強くなったので,あのときの 決定は正しかったと思われる。

     Specter of Marketing Spending (マーケティング支出の亡霊)
      CES に並行して Web 上で 行われた投資者会議で,ベライズンの CEO Lowell MaAdam は 言った。
    「私の考えでは,そんなに高い忠誠心を消費者から [T-モバイルが] 買うことは 実際にはできず,また 元に乗り換えるだろう。」
     同じイベントで,スプリント CEO Dan Hesse もまた,自社の新しいプロモーションを紹介する際に,競合各社が利用者を買おうとしている動きは はかないものに終わるだろう ・・・ と示唆した。
     しかしながら,アナリストたちは,ひとたび 消費者が 自分の札入れと相談して投票すれば,また通信各社がどこまで徹底して戦えるかを示せば,この争いが,消耗戦になる (take its toll) かもしれないと見る。
     New Street Research のアナリスト Felix Wai は,顧客の脱会がすべてのアメリカ通信会社で発生し,マーケティング支出の高騰を招き,これが収益マージンに食い込むことを懸念する。
     Jefferies の McCormack は,自分が最も懸念するのは,割引による ARPU の減少が,顧客増による収益を相殺することだ ・・・ と語った。たとえば,同氏のリサーチ・ノートによると,AT&T の契約者が 100 万人増えると,支払利息,税金など差し引き前の稼ぎが $852,000,000 増えるが,ARPU が 1% 増えると EBITDA が $1,140,000,000 増える。
     CES での T-モバイルのイベントで,Legere は,割引合戦について質問されたとき,収益へのリスクの懸念を はねつけた。同氏が言うには,自社の利益が 最大手競争会社の利益に釣り合わない場合であっても,消費者には たくさんのものを提供するつもりだ ・・・ と。実は,AT&T は 3Q の決算で 42% の EBITDA マージンを報告した。ベライズンのマージンは,51.1% である。
     Legere は続けた。「我々の収益性は 非常に高い。だが,55% もの EBITDA マージンを取る必要は無い。」じっさい,T-モバイルは,以前,マージンの長期的目標を 34~36% に設定した。
     Legere の推計に依れば,すべての消費者が T-モバイルに乗り換えれば,1 年あたり 合計 200 億ドル (2兆円) を節約できると言う。この数字は,他社すべての月額利用料金をもとに計算された。
     この合計額は,大まかに言って,2012 年の上位3社の全サービス売り上げの 13% に相当する。

      T-モバイル CEO が言うこのシナリオは,Legere の側から見た楽観論であるが,McCormack は,このシナリオに依れば,業界の売り上げが 200 億ドル (2兆円) カットされることを懸念する:「これは,明らかに健康な しるしではない」と。
     
  80. T-Mobile CEO on Sprint Deal: ‘I Have a Couple Things to Say’
    T-モバイル CEO が スプリントの取引について:"言いたいことが 2つある"
    Digits, Tech News & Analysis from the WSJ, 2014/01/10, 4:05 pm
    By Ryan Knutson
     T-Mobile executive don’t seem put off by questions about whether their company might merge with Sprint. They just made clear that it’s their brand that should prevail if it happens.
      T-モバイル経営陣は,スプリントと合併するのか ・・・ との質問にたじろぐ様子を見せない。もし合併すれば,自分たちのブランドの方が圧倒すると うそぶいた。
      ラスベガスで開かれた CES のイベントで,T-モバイルの CEO ジョン・レジャーは,他の競争会社から乗り換える契約者が 解約に支払う料金を肩代わりするプランを発表した際に,合併とか買収とかの質問に答えるのを はしゃぎもしないし,コメントを拒否もしない。そんなことは 典型的な(並みの) 会社 CEO が質問に出くわしたときにすることだ ・・・ と語った。
     「それについて,実は,2つほど言いたいことがある。」
     スプリントとの [買収] 取引は,「顕著なスケールと可能性をもたらすだろう。しかし,T-モバイルの Uncarrier ビジネス,人々,ブランド,態勢,これらは ここに このまま残る。・・・ どんなシナリオで動くにせよ,我々が 圧倒するつもりだ。」

      この発言は,到底 事実とは言えないだろう。けれども,この発言には それなりの論理的裏づけがある。
     T-モバイルは,現在,大変な勢いである。多くの人に嫌がられるのとは正反対に,自社をうまく世間に売り込むことに成功し,その結果,多くのビジネスを成し遂げた。アメリカ第4位の通信会社は,カネになる "後払い" の顧客とタブレットを 800,000 増やしたと 今週 発表した。これで,1年の増加は 全部で 200 万を越える。

      全体として,前払いの顧客とタブレットを含めれば,T-モバイルは,2013 年に顧客を 440 万 増やした。これで, 過去数年の減少を取り戻した。
     他方,スプリントは,2013 年のはじめの 9 ヶ月に 200 万の顧客を失った。 経営陣は,さらに悪いニュースが これから来るだろうと 示唆している。

      無線通信業界での買収は,これまで,その多くが周波数を獲得する目的で行われてきた。しかし,これからの買収は,ブランドがその推進力となるべきだ ・・・ そうレジャーは論じる。
     「スプリントは,周波数の山であって,それらが 有効に使われるのを待っているに過ぎない。これに対して,T-モバイルは,"変化の推進者(change agent)" であり,"一匹狼(maverick)" だ。こういうの (一匹狼) を アメリカは 極めて重要だと感じている。」 レジャーは,反トラスト官僚がよく使う言葉 (maverick) を使って うなづきながら語った。

      T-モバイル CFO ブラクソン・カーターは,このイベントの後のインタビューで 同様の見解を述べた。
    「この業界で 改革者は誰なのか?  ものごとを真に揺り動かしているブランドは どれか?  この勢いは どこへ行くのか?」ブラクソンは このような問いを発して,「いかなる戦略のシナリオでも,その行方に投資したくないなどとは考えられないことだ」と語った。

      アメリカ司法省 (DOJ, Department of Justice) は,国内の競争会社を4社に保つことに明確な関心を これまで示してきた。したがって,この取引には 非常に高いハードルになると見られている。ベライズン CEO ロウウェル・マッカダムは,火曜日にアナリストとの集まりで,2年前 AT&T が T-モバイルを 390 億ドルで買おうとしたのを 反トラスト官僚が打ち落とした際に欲しかったものを いま これら官僚が得つつある ・・・ と語った。
     「私が思うに,彼らには,4という数から期待することが いくつか見え始めているのだろう。私の推測では,今度もこの手を使いたいというつもりなのだろう。」 <事がことだけに,非常に微妙な表現であり,まことに 翻訳しづらい>

     Earlier this week, T-Mobile’s Carter seemed to toss out a possible solution: propping up a new competitor by doing a deal to let Dish Network use the carrier’s cellular network.
     Doing a deal would open up “some other very interesting strategic opportunities,” he said. “By doing a hosting deal with another party you could effectively create another nationwide carrier. Again, that could be very pro-competitive in the U.S. marketplace.”
     In an interview Wednesday, Carter said “there are certainly regulatory overtones here,” but declined to elaborate on whether helping Dish offer wireless service would help a merger between Sprint and T-Mobile get past regulators.
     But T-Mobile might be onto something. The Justice Department stressed the need for four carriers as recently as this spring. Tom Wheeler, the new head of the Federal Communications Commission, which reviews telecom mergers, said last month that, “The mobile business is today, with four carriers, a competitive business, and it’s important it stay that way.”
     Facilitating a new entrant could assuage such concerns. Regulatory experts in Washington say Sprint will need to do something more than just arguing that merging the No. 3 and No. 4 carriers will make for a stronger competitor to an industry dominated by AT&T and Verizon, and analysts including Jonathan Chaplin of New Street Research and Kevin Smithen of Macquarie have begun to argue that setting up a competitor will need to be part of a deal.
     Then again, that would hand a lot of leverage to Dish’s enigmatic chairman, Charlie Ergen. Last year, for instance, Ergen started a bidding war with Sprint over Clearwire, then started a bidding war with Japan’s SoftBank over Sprint.
     Sprint’s management has gone out of its way during the past few months to emphasize that no bridges were burned. “With Charlie and Dish there’s no bad feelings there,” Sprint CFO Joseph Euteneuer said in November. “Masa is a business guy, and we don’t care who it is, as long as it’s a good business deal.”
     
  81. "Why Sprint Dropped Lower Today"
    "スプリントが今日下げたのはなぜか"
     [TheStreet, New York] , 2014/01/03, 12:40 pm EST,
    by Keris Alison Lahiff.
     アナリストの一連の格下げを受けて,金曜日の取引で,スプリントは株価を下げた。 後場のはじめで,株価は 5.2% 下げて $9.86 となった。
     Stifel のアナリスト Christopher King 氏は,過去4週間での 30% 上昇により過大に評価されたという理由で,スプリント株を "売り" レーティングに格下げした。King 氏は,さらに述べた。噂されている両社の合併は望ましいものの,この取引は,規制当局による 数え切れない (innumerable) ハードルに直面するだろうと。
     木曜日に,Cowen & Company は,スプリントを "outperform" から "market perform" に格下げした。同様に,Macquarie は "neutral" に格下げした。
     ただし,Citi Research は,目標株価を $8.50 から $10.50 に上げた。
     
  82. "Will the Rally Continue for Sprint, T-Mobile, Or Have Investors Gone Too Far?"
    "スプリント -Tモバイルのラリーは続くのか,それとも投資家が やり過ぎたのか."
    Wall Street Journal, 2014/01/03, 12:33 pm, EST,
    By Gillian Tan.
     スプリント(4.42%下げ)と T-モバイル(3.32%下げ) は,スプリントが 自分より小さな競争相手にビッドを仕掛けそうだと Wall Street Journal が報道して以来,どちらも株価を 20% 以上 これまでに上げた。だが,何人かのアナリストは,このラリーが未だ続くのではないかと言う。
     [未だ続く 説] ・・・ CitiGroup の見通し: 目標株価を Sprint $10.50, T-Mobile $33.50 に設定。認可の可能性は せいぜい (at most) 50%。T-Mobile1株を $38 で買い取るとして試算。スプリントが,合併により毎年 30億ドル経費削減できるとして 試算。 スプリントが買収に踏み切る可能性を 35% → 60% に引き上げた。
     [やりすぎた説] ・・・ Stifel の Nicolaus 氏,中期的な M&A の展望について懐疑的で "売り" を推奨。スプリントの目標株価を $7.50 に設定,Vz, AT&T 両社に対して依然として営業が不利なので。
     
  83. "Friday's Top Upgrades (and Downgrades)"
    金曜日の格上げ銘柄トップと格下げ銘柄トップ
    Yahoo Finance, 2014/01/03, 5:44 PM
    By TMF Ditty.
     <格上げ銘柄を省略して翻訳,この報告の感情的な言葉遣いが気に掛かります>
     最後に,スプリントの話に移ろう。これは,1月3日のアナリスト警報の中で,おそらく最も深刻な (most serious) ものである。すなわち,スプリント株の "売り" 格下げが2社から出た。
     今朝,Stifel Nicolaus と S&P Captal IQ は,スプリントに恐るべき値札 (dread label) をつけた。とくに Stifel の警告では,スプリントが自分より大きなライバル AT&T と Verizon に比べて,永久的に不利な状態で営業しており,仮に 噂されている T-Mobile とのタイアップが実現しても,前2社の有利性は消えない。
     これに,私も同意する。
     目ぼしい利益が無く ・・・ 実際,過去7年間 いつも利益が無かったスプリントは,明らかに,通信業界の勝者ではない。同社は,バランス・シートに 260 億ドルの純負債を抱えており,T-Mobile を買った暁には,負債が更に増加する。他方,同社は,過去12ヶ月間だけでも 約30億ドルを free cash flow で焼き尽くし,そのビジネスから現金を生むことができないことが,証明されている。
     もしも同社が 強力な 現ナマ産出会社 AT&T と Verizon の強い反対に遭えば,この競争にスプリントが生き残ることは難しく見えるし,その株式を魅力的に見せることに成功する見込みは,さらに低下する。こういう状況では,Stifel と S&P の助言 ・・・ スプリント株をただちに売って,何かもっと良い銘柄に移る ・・・ は,良い助言のように私には思える。

     
  84. "Investors Vote Yes for Deal Sprint/T-Mobile",
    Wall Street Journal, 2013/12/31, 1:12 pm,
    By Ryan Knutson.
    (W) "スプリントとT-モバイルの合併,投資家は見込みありと判断", (2014年 1月 01日 18:10 JST).
    (A) "スプリントとT-モバイルの合併に投資家は "Yes" を投票".
     Skeptics don’t think a merger of Sprint and T-Mobile could get past regulators. That doesn’t seem to be bothering investors any.
     (W) 懐疑的な人たちは,スプリントとT-モバイルとの合併が,規制当局の承認を得られるとは,見ていない。しかし,それは投資家にとっては少しも問題ではないようだ。
     (A) 懐疑的な人たちは,スプリントとT-モバイルの合併が,規制をパスするとは 見ていない。けれども 投資家は そんなことには お構い無しのように見える。
     The question is whether they can sell regulators on the idea that creating a bigger competitor is a good idea. Investors seem to be betting there’s a good shot they can.
     (W) 問題は,より大規模な競合相手を誕生させるというアイデアを規制当局に売り込めるかどうかだ。投資家はその可能性は高いと見込んでいるようだ。
     (A) 問題は,"今までよりも大きな (Vz, AT&T に立ち向かう) 競争会社を誕生させる" というアイデアを規制当局に売り込めるかどうかだ。投資家は,この狙いがうまく当たると賭けているように見える。
       (W) は,WSJ 日本語版での翻訳である。私見では,"訳し過ぎ" の感がある。
       (A) は,直訳に近い。
     
  85. Brightstar Expands Global Presence with Acquisition of 20:20 Mobile Group in Europe.
    Brightstar は,ヨーロッパの 20:20 Mobile グループを 買収することにより,全世界での存在感を拡大する (ブライトスター社声明)
     [Miami and London] 2013/12/05.
      Brightstar Corp., the world’s largest wireless distribution company and a leader in services for the wireless industry, announced today the acquisition of 20:20 Mobile, a leading provider of distribution and integrated supply chain solutions to the European mobile industry. The acquisition will enable Brightstar to more easily serve the entire European marketplace.
     The acquisition is expected to close early in the first quarter of 2014 pending certain closing conditions.
     この買収は,いくつかの完了条件を待って,2014 年の第1四半期に完了の予定である。

     奇妙なのは,BrightStar 社発表の このニュースの中に "SoftBank" の名前が見つからないことです。
     ソフトバンク社は,2013/10/19 日付けで「ブライトスターの株式の取得 (子会社化) について」を発表しました。したがって,12月5日の時点で,ブライトスターはソフトバンクに株式を譲渡することを合意済みです。 それなのに 12月5日のこの発表で,ソフトバンクに全く触れていません。普通の会社は,"About BrightStar" の中で,ソフトバンクとの契約に必ず触れます。
     ソフトバンクに買収される予定の会社が,別の会社を買収することに決めた ・・・ それなら,ソフトバンクとの (未完了の) 契約についても,何か触れるのが自然です。たとえば,我が社のこの買収は,ソフトバンクとの契約に 何ら影響を及ぼさない ・・・ とか。
     他方,ソフトバンクは このニュースについて,自社の広報では何も触れず,(11~12月に買収完了予定と発表したから,問い合わせが殺到して)隠し切れなくなって,しかたなく 年末 期限ぎりぎりの 12月27日 に発表した ・・・ のかな?
     すでに英語ニュースでは,世界中に 12月5日に広く知られているものを,日本だけで ソフトバンクが 12月27日まで3週間 隠したのは,なぜか?  ブライトスターとソフトバンクの間の意思疎通が十分に取れていれば,このニュースを事前に知りえたはずだし,もっと円滑な対応ができた筈だと思います。
     
  86. "Brightstar completes acquisition of 20:20 Mobile",
     "ブライトスター 20:20 モバイルを買収完了".
    Mobile News, 2013/12/05.(上の声明と同日)
    by Michael Garwood.
     Distributor rebranded as Brightstar 20:20 as year-long negotiations reach their conclusion: Brightstar has completed the acquisition of UK hardware distributor 20:20 Mobile for an undisclosed fee, rebranding as Brightstar 20:20.
     1年にわたる交渉を経て,"20:20 Brightstar" と銘を打ち直したディストリビュータが結論に達した。すなわち,ブライトスターは,英国のハードウェア・ディストリビュータ "20:20 Mobile" を非公表価格で買収し,"Brightstar 20:20" と改名した。
     The acquisition sees the number of countries Brightstar operates in increase from around 38 today ・・・ following the JV sale ・・・ to more than 50. It serves more than 200 operators and 50,000 retailers, and has a local presence in more than 50 countries, including UK and Spain.
     20:20’s European markets include Finland, Germany, Hungary, Italy, the Netherlands, Norway, Spain, Sweden, Poland, Portugal as well as the UK. 20:20 Mobile currently serves over 3,500 customers with annual turnover of nearly £1 billion.
     Brightstar president and CEO Marcelo Claure said: “With the strategic acquisition of 20:20 Mobile, Brightstar has a strong position in the European market, one of the most exciting and progressive markets in the world. Bringing the team of 20:20 Mobile into the Brightstar family will allow us to deliver some of the top innovations and services developed for mobility to the operators, retailers and manufacturers that are leading the wireless industry in Europe.”
     The acquisition is expected to close early in the first quarter of 2014.
     この買収は,2014 年第 1 四半期の早い時期に終わるものと期待されている。
     Confirmation of the deal comes more than a year after Brightstar president and CEO Marcelo Claure confirmed his interest in 20:20 Mobile in an exclusive interview with Mobile News. He said re-establishing Brightstar’s presence in the UK was his number one priority.
     Growing speculation (思惑は膨らむ)
      The previous month private equity firm Doughty Hansen had refused to comment on speculation it was on the verge of selling its 45 % stake in 20:20 Mobile Group to Brightstar.
     In November 2012, distribution sources revealed that Brightstar’s acquisition of 20:20 Mobile had moved a step closer with a fee of around £150 million said to have been agreed. The deal failed to materialise, however, and in March of this year Claure told Mobile News in an exclusive interview from Mobile World Congress in Barcelona that contrary to reports, the deal had not been completed and that discussions were ongoing.
     SoftBank
     In October, Japanese telecoms and internet corporation SoftBank agreed to pay $1.26 billion for a 57% stake in Brightstar, increasing its ownership to 70%. Claure is continuing as president and CEO, owning the remaining 43% of shares.
     
  87. Brightstar set to buy 20:20 Mobile.
    ブライトスターが 20:20 モバイルを買収に動く
    Mobile, 2013/10/04, 12:00 AM
    署名なし
     Distributor 20:20 Mobile’s long awaited sale to US distribution giant Brightstar Corporation is close to completion, rival distribution sources claim.
     The deal has been sealed between private equity investor Doughty Hanson which owns 20:20 Mobile and Brightstar Corp, although it is unclear when it will be formally announced.
     この報道によれば,BrightStar と 20:20 Mobile の交渉は長い時間をかけて ひそかに 行われていた。 一つ前の記事では,「1年にわたる交渉を経て・・・」となっている。
    これに ソフトバンクが気づいていたのか/いなかったのか ・・・ そこが知りたいですね。
    でも,この報道にも "SoftBank" という単語は全く現れない。不思議です。
     おまけに「この取引が これまで封印されてきた」という報道は,日本では全く見られない。
     念のために時間の順序を書くと
    2013/10/19  ソフトバンク,ブライトスターの子会社化を発表(2013/11~12月に完了予定)
    2013/12/05  ブライトスター,20:20 モバイルの子会社化を発表(2014/1Q に完了予定)。
    2013/12/27  ブライトスターの子会社化について(開示事項の一部変更)2014年1月下旬~2月(予定)
    1. 変更の理由  2013年12月に Brightstar Corp.(以下「ブライトスター」)が 20:20 Mobile Group Limited の買収を決定した影響により,米国の対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)への再申請が必要となりました。これに伴い,ブライトスターの子会社化は「2014年1月下旬~2月(予定)」になると 見込んでいます。
     真相は不明ですが,手際が悪いことだけは,ハッキリしています。
     なお,CFIUS への再申請の件は,BrightStar の CEO Marcelo Claure さんからも同様の声明が出るのが 本来だと思うのですが,まだ ソフトバンクから一方的に広報が出ているという状況です (www.brightstarcorp.com のプレスリリースは,12月5日が最新版です)。
     また,BrightStar による 20:20 Mobile 買収は,同社の 10月5日付け声明によれば,
      この買収は,いくつかの完了条件を待って,2014 年の第1四半期に完了の予定である。
    となっているので,20:20 Mobile の買収が終わってから,ソフトバンクによる BrightStar 買収の手続きに入るわけでしょう。
     ところが,2014年1 月16日には,BrightStar CEO Marcelo Claure さんが スプリントの取締役に選任された。
     何だか訳が分からなくなってきました。これでは,独占禁止という当局の方針に反するように思うのですが ・・・。
    ──────
     2014/01/30 ソフトバンクから,「ブライトスター株式の取得について」が発表されて,株式の取得を完了し,同社を子会社化しました。
     これで,ブライトスターは 晴れて ソフトバンクの子会社になりました。ところが ・・・
     ブライトスターの広報ページには,そういう記載が無いのです。同社のプレス・リリース
    このようになっており,ソフトバンクによるブライトスター買収が完了したという報告も無いし,ブライトスターの 20:20 Mobile 買収が完了したという報告もありません。
    2013/12/05 Brightstar Expands Global Presence with Acquisition of 20:20 Mobile Group in [...]
    2013/10/18 SoftBank Invests $1.26 billion for a 57% Share of Brightstar [...]
    2013/07/26 Brightstar Corp. Prices Offering of $250 Million of Senior Notes Due [...]

  88. SoftBank's Son Said to Approach Banks to Fund T-Mobile Deal
    ソフトバンク Mr. 孫,T-Mobile 取引への資金のために複数の銀行に接触との噂あり.
    Bloomberg, 2013/12/21, 6:32
    By Alex Sherman and Cornelius Rahn.
     ソフトバンク CEO の孫正義氏は,スプリントのための取引を検討中であり,T-Mobile の過半数を 2014 年に買収しようとしている。すでに,クレディ-スイス,みずほ銀行, ゴールドマン・サックス のような銀行と,出資交渉に入った。本件に通じた人たちが そう語った。
     Mr. 孫 は,200 億ドルの融資を見込んでおり,上記の銀行に加えて,ドイツ銀行,JP Morgan とも面談した。また,Raine Group 合同会社からは 助言を受けた。ただし,これらの情報を提供した複数の人たちは,この交渉が水面下であることを理由に,匿名を条件とした。以上の6銀行は,いずれもソフトバンクがスプリントを買収したときに助言と融資を行った。
     この計画では,ドイツ・テレコムが所有する 67% の株式を現金で買い取り,T-Mobile を支配下に置こうとしていると言う。 その場合,スプリントは T-Mobile と一体化され,アメリカの3位 4位無線通信会社が結合することとなる。 一方,ドイツ・テレコムは,T-Mobile の株 160 億ドルを売却する用意があると述べた。売却の理由は,このドイツの巨大電話会社にとって,T-Mobile は アメリカでの前哨地ではあるものの,あまりにも利益が上がらないからである。
     この情報を提供した2人のひとによると,ドイツ・テレコムは,売りたい意志がハッキリしているものの,未だに Mr. 孫 にもスプリントにも T-Mobile 株式について何の話もしていないという。 Mr. 孫 の銀行との交渉は初期段階にあり,関係者の一人によれば,これまでのところ,打診の結果,お金は獲得できるらしい。

     借金問題 (この重要な段落は,Bloomberg 日本語版では(故意に?)カットされた)

     情報提供者のうちの2人によれば,Mr. 孫 が抱えているひとつの問題は,多額の Breakup Fee 無しに この取引をどうやって組み立てるか ・・・ であるという。実際,2011 年に,AT&T は,当局の反対に遭い,T-Mobile との契約が 破談になったとき,約 70 億ドルを現金/資産で払う羽目になった。
     もしも ソフトバンクとスプリントが 同じ運命を辿れば,これほどの違約金 (penalty) を払えないだろう ・・・ と関係者たちは言う。実際,スプリント会長を務める Mr. 孫は,「スプリントは既に多額の負債を負っているので,多額の BreakUp Fee を払いたくない」と銀行団に語ったという。
     スプリント経営陣もまた,T-Mobile との統合には不満である。その理由として,関係者の一人は,両立しないネットワークを無理に一緒にしようとする点を上げた。それでもなお,スプリントは,統合によるコスト削減効果などを評価するように Mr. 孫 から迫られているとのことだ。
     スプリント,T-Mobile,ソフトバンク,ドイツ・テレコムは,いずれもコメントを控えた。
    また,上記6銀行も コメントしなかった。
    [解説] Breakup Fee:買収される会社が,条件のさらに良い買い手を見つけて,契約を解除するときに支払う違約金が Breakup Fee である。 たとえば,わが国の例では,2004 年4月,住友信託銀行が,UFJ ホールディングスから UFJ 信託銀行を買収する契約を結んだ。ところが,2004 年7月になって,UFJ ホールディングスが 売却先を三菱東京銀行に変更しようとした。このとき 違約金の取り決めが無かったため 裁判となり,2006 年11月になって,違約金 25 億円で決着を見た。
     以後,わが国においても,買収の契約には,BreakUp Fee 条項が組み込まれるようになった。
    [解説] Reverse Breakup Fee:一方,買い手側の事情により契約が破棄されることもありうる。たとえば,買収に必要な融資を銀行から受けられない場合である。また,当局の認可が得られない場合もある(例:2011年の AT&T による T-Mobile 買収)。このとき,被買収側は損失を蒙る。通信会社の場合には,買収の契約から完了までの長い間,設備投資を新たに実行できず,顧客が離散する不利益がある。
     これに備えるのが,買い手側が支払う違約金の取り決めであり,Reverse BreakUp Fee と呼ばれる。
     2011年の AT&T の場合には,70億ドルという巨額が T-Mobile に支払われた。これを投資資金として有効に活用したことが,現在の T-Mobile の成果に繋がった ・・・ という説もある。
     また,2013 年7月のソフトバンクによるスプリント買収では,Reverse BreakUp Fee が 600 億円であった。万一,この買収契約を履行できなかった場合には,ソフトバンクは 600 億円を支払う義務があった。
     本記事では,Reverse Breakup Fee を 単に Breakup Fee と呼んでいる。誤解の惧れが無い場合には,この慣用が行われるらしい。
    [解説] 当局とは U.S. Justice Department および Federal Communications Commission を指す。企業間の競争を促進し,独占を阻止する意味で判定が下される。
     
  89. Sprint and T-Mobile vs. the Magic Number Four
    スプリント+T-モバイル 対 魔法数 4.
    BloombergBusinessweek, 2013/12/16,
    By Joshua Brustein.
      It has been said that three is a magic number, but U.S. regulators seems to think it takes 4 carriers to make a competitive wireless marketplace. That’s the math that Sprint is going to run into if it goes forward with a bid for T-Mobile, which the Wall Street Journal recently reported the company to be considering.
     [これまで 魔法数は 3 であると言われてきたが,通信市場の競争を保つためには,アメリカの規制当局は4社が必要だと考えているらしい]
     Sprint (S) and T-Mobile (TMUS) are the minor powers of the U.S. mobile industry. Combined, they would have 52 million post-paid customers, compared with AT&T’s (T) 72 million and Verizon Wireless’s 95 million. The argument for merging the companies would be that they could compete better as one operator than they can on their own. This argument, however, is unlikely to pass muster in Washington.
     While regulators don’t want to see Sprint or T-Mobile fail, both companies have managed to pull themselves back from the brink in recent years. Sprint, which has long been bedeviled by a lack of capital, was acquired by SoftBank (9984:JP) in June. SoftBank, a Japanese telecom and Internet giant, said it would lay out $8 billion in capital expenditures in 2013 and 2014. In T-Mobile’s case, a failed 2011 merger with AT&T ended up being a boon. As part of its $39 billion bid, AT&T promised to give T-Mobile $3 billion in cash as well as some spectrum in major American markets if the merger didn’t go through. The breakup settlement became the foundation of T-Mobile’s rejuvenation in the U.S.
     [その大まかな理由として述べているのは,両社とも経営状態がこれまで良くなかったが,スプリントは ソフトバンクの支援を得て 立ち直りつつある。他方,T-モバイルは,2011年の AT&T による買収が破談になった結果として BreakUp Fee を AT&T から受け取り,これが,T-モバイルを活性化する資源となった]
     And what a rejuvenation it has been. T-Mobile added 648,000 postpaid subscribers last quarter. It has moved aggressively toward lower prices and is rethinking such standard industry practices as subsidized phones and unbelievably expensive international calling plans. It has driven larger carriers to follow suit, as AT&T did earlier this month with a discount for customers who aren’t on hardware contracts. The Federal Communication Commission has plenty of ammunition to argue that its skepticism of AT&T’s attempt to buy T-Mobile was well-founded.
     If Sprint and T-Mobile can compete with the big boys on their own, why let them merge? Another argument was laid out by Tom Wheeler, the head of the FCC, in 2011 before he took his current position. Regulators, Wheeler said, could require serious conditions on a megamerger that they wouldn’t be able to put in place any other way. “Given the statutory paralysis preventing the Communications Act from keeping pace with new technology and market structures, a mutually-agreed-to set of merger terms could become the de facto regulatory template for the wireless industry,” he wrote in an article supporting the idea of AT&T’s purchase of T-Mobile.
     [スプリントも T-モバイルも ひとり立ちして 大人たちと競争できるのなら,なぜ合併させるのか?]
     But regulators are on the record arguing the other way, too. Both the Department of Justice and the FCC have said they think that having fewer than 4 national wireless carriers would pose a threat to competition. Also, Sprint and T-Mobile would end up with an enormous cache of spectrum rights, more than twice as much as Verizon or AT&T, estimates analyst Craig Moffett. This would keep the FCC from arguing that the larger carriers shouldn’t be allowed to acquire more of their own in planned auctions.
     [Department of Justice と FCC は,どちらも,国内の無線会社を 4 社より少なくすることは,競争への脅威となると考えると述べている]
      In an informal survey of former regulators and industry experts over the weekend, Moffett found a good deal of skepticism about the deal, with the consensus being that it had roughly a 25 % chance of going through. With the deal facing those kinds of odds, it’s likely that Sprint would simply back away, since a lengthy review would carry high costs for both companies. In this case, skepticism may be a self-fulfilling prophecy.
     規制業務経験者および業界の専門家の意見を 先週 Moffett 氏が 非公式に 集めたところ,この取引について 懐疑論がとても多く,成功の確率は 25% だった。これでは,スプリントは おとなしく引き下がるだろう。 さもないと,審査に長い時間がかかり,両社にとってコストが高くつく。この場合,懐疑論が予言を自己実現するだろう。
  90. Analysts: A Sprint/T-Mobile deal would face an uphill battle with regulators
    アナリスト見解:スプリント/T-モバイルの取引は規制当局との苦しい戦いに直面するか. FierceWireless, 2013/12/17
    By Phil Goldstein.
      A Sprint (S) offer for No. 4 carrier T-Mobile (TMUS) is still very much a rumor, a far-off one at that. However, many analysts don't think such a deal could pass muster with regulators in Washington for a variety of reasons, even if both are much smaller than larger competitors Verizon Wireless (VZ) and AT&T Mobility (T).
     第4位無線会社 T-モバイルへのスプリントのオファーは,今もなお噂の域を出ない。まだまだ先の話である。 しかし,両社にとって,競争相手である Vz と AT&T に比べて 遥かに小さな規模であるにしても,多くのアナリストは,さまざまの理由により,このような取引がワシントンの規制当局の検閲をパスしうるとは考えていない。
     According to a Wall Street Journal report, Sprint is studying potential regulatory concerns of the deal, and it might make an offer in the first half of next year, with a deal valued at as much as $20 billion. Combined, the No. 3 and No. 4 carriers would have 52 million postpaid subscribers, compared with AT&T's 72 million and Verizon's 95 million. According to Strategy Analytics, a combined Sprint and T-Mobile would count a total of around 99 million customers, compared with AT&T's 109 million and Verizon's 119 million.
     Although that may make it seem like the deal could sail through on antitrust grounds, analysts say that any combination between Sprint and T-Mobile would face an uphill battle, especially if it is launched next year.
     "Despite being a more palatable merger than AT&T/T-Mobile on pure antitrust grounds, we believe a Sprint/T-Mobile tie-up probably would face the same fate--a challenge by [the Department of Justice] and the FCC," Paul Gallant, an equities analyst Guggenheim Securities, wrote in a research note Monday, according to CNET. "We believe regulators are very pleased with T-Mobile's resurgence and its aggressive, innovative moves and would not want to see it disappear via acquisition."
     He noted that when the Justice Department sued to block AT&T's proposed takeover of T-Mobile in 2011, it "indicated a preference for 4 national carriers and specifically highlighted T-Mobile's role as value leader/disrupter in the wireless space." Additionally, "in a different context, a filing earlier this year on the FCC's spectrum aggregation rulemaking, DoJ again spoke about competition in the wireless space as a driving force for innovation and multifaceted consumer benefits."
     Further, as CNET noted, FCC Chairman Tom Wheeler said during a question-and-answer session at Ohio State University earlier this month that for the upcoming wireless spectrum auctions he would like to keep 4 major wireless competitors in the market. "The mobile business is today with 4 carriers a competitive business." he said. "And it's important it stay that way."
     Additionally, T-Mobile has spent this year carving out a distinct identity under CEO John Legere as the "uncarrier," and merging with another operator would seem to fly in the face of that strategy. The strategy seems to be working as well ・・・ T-Mobile added 2.1 million total customers in the second and third quarter alone.
     T-Mobile's success and SoftBank's acquisition of Sprint this year, along with Sprint's plans to deploy 2.5 GHz on a nation-wide basis for faster TD-LTE service, likely validate the DoJ's reasoning that 4 national competitors make for a healthier wireless market in terms of competition.
     "The issue then is one of sustained competition of Sprint and T-Mobile in the 4G LTE market," Silva wrote. "If either or both companies show signs of wavering/faltering quarter-after-quarter as the 4G LTE market further develops, we believe the regulatory case for a Sprint/T-Mobile merger will become substantially stronger. Indeed, we would not be surprised to see the U.S. wireless market come to settle at 3 national operators in time. We just don't believe federal regulators and antitrust officials would be comfortable with facilitating such a market structure shift at this juncture."
     [最後のところは かなり皮肉な書き方をしている]
      T-モバイルの成功と ソフトバンクによるスプリントの買収は,どちらも,国内 4 社で競争することが 健全な無線通信市場を作る ・・・ という Department of Justice の判断を 正しいものとして裏づける。
     Silva 氏は書いた: "すると,問題は,スプリントとT-モバイルが 4G LTE 市場で競争を持続できるかどうかにかかる。4G LTE 市場が この先 伸びるに連れて,もしも,この両社の片方または両方が 四半期毎によろめくような兆しが見えれば,両者の合併に対する規制当局の扱いは,かなりポジティブになるだろう。実際,ゆくゆくは,アメリカの通信市場が3社に落ち着いたとしても,我々は驚かないだろう。しかし,現時点で,市場の構造を そのようにシフトさせることに,連邦規制機関と反トラスト官僚が快く思うとは考えられない。"
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